OPEC、8年ぶりの減産を正式合意

楽読
(ラクヨミ)
2016年12月1日
Vol.
1,167
OPEC、8年ぶりの減産を正式合意
OPEC(石油輸出国機構)は、 11月30日の総会で、8年ぶりの減産を正式に合意しました。今回の合意は、
原油市場におけるシェア確保というよりも、需給改善を主眼に置いたものとみられます。
今回の合意内容を受けてWTI原油先物価格は急反発し、11月30日の終値は前日比9%高の1バレル
49.44米ドルとなりました。市場では、原油価格の下落基調が続くようであれば、関連業界や産油国の信用
力が低下し、金融市場からのオイルマネー引き上げが懸念されていただけに、今回の決定は投資家心理の
改善につながったとみられます。
今回の合意内容は、産油量(日量)を、今年9月の臨時総会で合意した範囲の下限である3,250万バレル
(現状の生産量から約120万バレル減)とし、2017年1月から適用するというものです。産油国別の減産幅
(日量)を、サウジアラビア約49万バレル、アラブ首長国連邦約14万バレルなどとしましたが、欧米の制裁前
の水準までの増産を主張していたイランは唯一、約9万バレルの増産となり、全加盟国に減産協力を求めて
いたサウジアラビアが譲歩した格好となりました。なお、今回は、政情不安などで生産が落ちているリビアと
ナイジェリアは除外され、原油の純輸入国であるインドネシアは参加見送りとなりました。なお、非加盟国の
ロシアも減産の意向を示しており、12月中に加盟国と非加盟国間で会合が開催される見通しです。
IEA(国際エネルギー機関)は、OPECが減産合意を履行した場合、これまで見込まれたよりも早い2017
年に需給がバランスするとしていました。一方で、米大統領選挙を制した共和党トランプ氏の規制緩和を含
むエネルギー政策などにより、シェールオイル・ガスが増産され供給増になることも想定されます。しかしな
がら、インドなどの新興国や米国の景気改善により、原油の需要が増加することとなれば、生産面のみなら
ず需要面から原油価格の安定が期待されます。
16年6月の減産合意見送り以降の原油、MLP、エネルギー関連株式の推移
(2016年6月2日~2016年11月30日)
(米ドル/バレル)
57
原油先物価格
MLP指数*
エネルギー関連株式*
55
53
51
49
47
45
43
41
39
2016年6月2日(OPEC総会)の
原油先物価格:49.17米ドル
2016年9月28日(OPEC臨時総会)の
原油先物価格:47.05米ドル
2016年11月30日(OPEC総会)の
原油先物価格:49.44米ドル
37
16/6
16/7
16/8
16/9
16/10
16/11
(年/月)
* MLP指数とエネルギー関連株式は、それぞれのグラフ起点の原油先物価格と同一となるように指数化しています。
(使用指数)原油先物価格:WTI原油先物価格、MLP指数:S&P MLP指数(トータルリターン、米ドルベース)
エネルギー関連株式:S&P500 エネルギー株指数(トータルリターン、米ドルベース)
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