意識調査 - ふくおかフィナンシャルグループ

FFGオリジ
ナル調査
特 集
Special feature
一般消費者を対象とした「生活者
アンケート
(2016年9月実施)」
を
基に、
「 ふるさと納税」
に対する意
識についてレポートします。
査
調
識
意
『
と納
ふ るさ
税』
FFG MONTHLY SURVEY Vol.96
66
第
特 集
36.5%
63.5%
97名
39名
58名
7.8%
11.6%
【回答者の属性】
66名
13.3%
74名
14.9%
35名
65名
7.0%
13.1%
44名
53名
8.8%
10.6%
年に創設さ
1.ふるさと 納 税 自 体の認 知 度は高
以下のとおりです。
本アンケートの調査結果の概要は
れました。
できる制度として平成
や﹁居住地以外の自治体への応援﹂が
で﹁ 生まれ育ったふるさとへの貢 献 ﹂
る地域以外の自治体に寄付すること
ふる さ と 納 税 は 、自 分 が 住 んでい
︻ 調 査 結 果の概 要 ︼
調査結果
34名
6.8%
はじめに
ふくおかフィナンシャルグループ
のグループ会 社である株 式 会 社F
FGビジネスコンサルティングでは、
この度﹁FFG生活者アンケート調
査︵第7回︶﹂を実施しました。
この調査は、
その時々の社会的な
動 向に着 目し、一 般 消 費 者の方を
対 象に、消 費 者 行 動や社 会 心 理に
関するアンケートを行うことによっ
て、より 身 近な目 線で地 域の皆 様
の生活者意識を捉えようとする取
り 組みで、今 回が7回 目の調 査と
なります。
今 回は、
﹁ふるさと納 税 ﹂につい
てのアンケート調 査の結 果をお知
らせします。
︻ 調査概要 ︼
調査対象 一 般 消 費 者 の 方 4 9 8 名
年9月
︵男性182名、
女性316名︶
調査時期 平成
調査方法 福岡銀行、熊本銀行、親和銀
行のホ ームペー ジ上でのイ
100.0%
利 用 し て ふ る さ と 納 税 を 行って
まっているものの、実際に制度を
手 続 き が 煩 雑 という イ メ ー ジ が
容を知らないため
あることや、制度自体の詳しい内
のある人は、ほとんどの人が今後
3.一 度 ふ る さ と 納 税 を 行った こ と
を感じている
も 行 い た い と 思 う ほ ど メ リット
品﹂などのメリットを享受したい
4.ふるさと納税を行う理由は﹁返礼
心 に﹁ 地 域への 貢 献 ﹂を 目 的 に ふ
からとの声が多いが、中高年を中
定程度いる
る さ と 納 税 を 行ってい る 人 も 一
ふるさと納税の利用者はまだ少数
に 留 まっていま す が 、利 用 者 の 再 利
用 意 向 は 高 く 、手 続 きの更 な る 簡 素
化 や 制 度 の P R 等 を 行い、よ り 身 近
ふるさと納税の裾野は広がっていく
で 利 用 し や すい制 度 に す る こ と で 、
可能性が高いと考えられます。また、
各 自 治 体 において も 、寄 せ られ た 寄
付金の具体的な使途を明示するな
ど 、返 礼 品 以 外の面 で も 自 らの自 治
体をアピールすることが重要です。
ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税
︵自治体への寄付︶
後、確定
申 告を行 う
︵※︶
ことで、納 税 者は
﹁ 税 金の
控除﹂
を受けることができる
︵ 年 収や家 族
構 成によって上 限 あり ︶
ほか 、﹁ 返 礼 品︵ 納
税 先の自 治 体の特 産 品 等 。納 税 額の3 ∼
5 割 程 度の金 額のものが多い︶
﹂
も受け取
実 質 的 に 年 間 2 ,0 0 0 円 の 負 担 で 、
ることができる
様 々 な 地 域の特 産 品 を 受 け 取 る こ と が
でき る
67 FFG MONTHLY SURVEY Vol.96
女 性
182名
いる人は少数に留まっている
(出所:総務省「ふるさと納税ポータルサイト」
を基にふくおかフィナンシャルグループ作成)
年 間 の ふ るさと 納 税 額 のうち
2,000円を超える全額が所得税・
住民税から控除される
(※)平成27年4月か
ら開始された
「ワンス
トップ特例制度」
を活
用 することで確 定 申
告は不要になる
30名
6.0%
20
納税先の自治体からは受領書と
あわせて返礼品も送られてくる
郵送もしくはインターネット
(民間ポータルサイト等)
で手続き
97名
19.5%
60代以上
100名
20.1%
50代
104名
20.9%
40代
100名
20.1%
30代
男 性
498名
全 体
19.5%
20代
316名
男女計
年 齢
2.ふるさと納税を行わない理由は、
⇦
28
ンターネット調査
回生活者アンケート
7
(上段:回答数、下段:構成比)
ふ る さ と 納 税 のこ と を
ご 存 知です か?
ふるさと納税に関する情報は
どこで入手しましたか?
︵複数回答︶
の自治体の返礼品情報等を検討し
的機関のホームページよりも、全国
全ての年代で %を下回り、全体で
行ったことがある﹂と回答した人は
か尋ねたところ、
﹁ふるさと納税を
と納税の認知度は高いものの、実際
やすく、
かつ同サイトで納税の手続
ふるさと納税に関する情報の入
ポータルサイト︵ ※ ︶﹂が活 用され
に納税を行ったことのある人はまだ
3%に留まっています。ふるさ
年代別に見ると、
特に 代は少な
も
ふるさと納税のことを知っている
手先を尋ねたところ、全ての年代で
ています。
礼品情報等、
ふるさと納税についての情報を一
きまで行 うことのできる﹁ 民 間の
か尋ねたところ、
﹁ 詳 細な仕 組み・
﹁テレビ・雑 誌 ﹂との回 答が最も多
内容まで知っている﹂との回答は
少数であることが分かります。
2%となっていま
す。次いで﹁ふるさと納税に関する
く 、全 体では
︵※民間のポータルサイト 全国の自治体の返
0%と、
6%、
﹁ある程度の仕組み・内容を
知っている﹂との回答は
く、 人の回 答 者のうち3 人の利
全体
度に入手することができるホームページのこと︶
3 4%︶
に留まってい
60代
以上
民 間 の ポ ー タ ル サ イ ト︵
用︵利用率
ます。これは、問1
︵ふるさと納税の
ことをご存知ですか?︶
への回答で
50代
全 体の約 6 割がふるさと納 税につ
20
あったように、勤労世代の入口にあ
40代
6%︶﹂と
全体
20
30代
1%︶﹂、
﹁家族・知人︵
60代
以上
ふ る さ と 納 税 を 行ったこ と は
ありま す か?
その他
ブログや
等の
Facebook
SNS
ふるさと納税
ポータルサイト
︶
総務省の
ホームページ
︵
情報収集は
していない
自治体の
ホームページ
家族・知人
20代
いてある程度の知識を持っているこ
50代
13
▼図3 ふるさと納税を行ったことがあるか (n=487)
なりました。
10%
とがわかります。また、
﹁ 名 称は聞
20%
ふるさと納税に関する情報を調
30%
25
いたことがある﹂との回答まで含め
40代
ふるさと納税を行ったことがある
40%
17
べる際は、自 治 体や総 務 省 等の公
30代
ると、
ふるさと納税の認知度は
50%
8%に増 え 、ふるさと納 税 制 度は
代に
60%
浸透していると言えるでしょう。
年 代 別に見ると、 代∼
おいて、
﹁詳細な仕組み・内容を知っ
ている﹂、
﹁ある程度の仕組み・内容
を知っている﹂との回答比率が高く
20代
30代
40代
50代
60代以上
全体
70%
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
なっており 、より 多 くの税 金 を 納
20代
89
ふるさと納税を行ったことはない
ふるさと納税を行ったことがある
め、税 金に対 する関 心の高い世 代
▼図1 「ふるさと納税」
の認知度 (n=498)
問3
▼図2 ふるさと納税に関する情報の入手先 (n=495)
57
10
96
50
100%
90%
80%
70%
60%
52
30
でふるさと納 税への理 解が進んで
いるようです。
ふるさと納税に
関する民間の
ポータルサイト
テレビ・雑誌
0%
ある程度の仕組み・内容を知っている
知らない
詳細な仕組み・内容まで知っている
名称は聞いたことがある
50%
40%
30%
20%
10%
20%
問2
0%
10%
0%
問1
68
FFG MONTHLY SURVEY Vol.96
第
特 集
る 代にはふるさと納税への理解が
浸透していないことが背景にあると
考えられます。
ふ る さ と 納 税 を 行った 目 的・
ふ る さ と 納 税 を 行った 自 治 体 を
選 ん だ 理 由 を 教 えて く だ さい 。
︵複数回答︶
ふるさと納税を行ったことがある
人に対し、
その目的や納税先の自治
体を選んだ理由について尋ねたとこ
ろ、
﹁返礼品が魅力的だったから﹂と
への貢献意欲の高さが伺えます。ま
最 高 値 で す 。次 い で﹁ 米︵
2%と最 も 多 く 、全ての年 代でも
5%︶﹂や﹁魚介類︵
た、 代では﹁ 旅 行や仕 事で行って
思い出 深かった地 域の活 性 化に貢
9%︶﹂が続
年 代 別に見てみると、 代の回
いています。
1%︶、 代では﹁今後行ってみた
答者2人のうち、2人とも﹁肉類﹂
献したいから﹂との回答が多く︵
3%
い地域だから﹂との回答が
と多くなっています。
も らって 嬉 し かった 返 礼 品 は
何です か?
︵複数回答︶
もらって嬉 しかった 返 礼 品 を 尋
が嬉しかったと回答しています。ま
人のうち4 人
6%︶が﹁ 雑 貨・日 用 品 ﹂と回
た、 代の回 答 者
︵
といった各 地の特 産 品や日 常 的に
消費する米等が人気を集めている
と考えられます。
ふ る さ と 納 税 を 行 わ ない 理 由 は
何です か?
︵複数回答︶
問 3にて﹁ふるさと納 税はした
ことがない﹂と回答した人にその理
由を尋ねたところ、
﹁手続きが面倒
そうだから﹂との回 答が最も多 く
答し、他の年 代よりも割 合が高く
なっています。
︵
2%︶、次いで﹁ 仕 組みがよく
理 由として、普 段は購 入しない
手続きが
面倒そうだから
仕組みがよく
分からないから
興味がないから
自分が住んでいる
ところに納税する
べきだと思うから
ふるさと納税を
したい自治体が
特にないから
ふるさと納税のことを
知らなかったから
その他
分からないから﹂との回答が続いて
10%
ような高 級な肉 類 、珍しい魚 介 類
20%
ねたところ、
﹁肉類﹂との回答が
30%
伝統工芸品
イベント・
旅行チケット
野菜
40%
5%と圧倒的に多く、
27
14
20%
の回答が
29
雑貨・日用品
お菓子
酒類
その他
魚介類
米
肉類
20代
30代
40代
50代
60代以上
全体
50%
その他
40%
” 返礼品の魅力 がふるさと納税を
20%
問6
60%
特に考えていない
家族が住んでいるところ・
家族が生まれ育った地域の
活性化に貢献したいから
今後行ってみたい
地域だから
自然災害の
被災地支援のため
旅行や仕事で行って
思い出深かった地域の
活性化に貢献したいから
学生時代など、
過去に
住んでいた地域の
活性化に貢献したいから
60%
行う動機として大きいようです。次
8 % ︶や
40%
51
▼図6 ふるさと納税を行わない理由 (n=408)
21
49
自分が生まれ育った
地域の活性化に
貢献したいから
節税のため
80%
いで %の人が﹁節税のため﹂と回
答しており、
ふるさと納税による節
代にお
税ニーズも相応に高いようです。
年 代 別に見ると、特に
いて、
﹁ 自 分が生まれ育った地 域の
3 % ,全 体
活 性 化に貢 献したいから﹂との回
答︵
60%
50
20代
30代
40代
50代
60代以上
全体
20
80%
28
▼図5 もらって嬉しかった返礼品 (n=61)
100%
33
返礼品が
魅力的だったから
69 FFG MONTHLY SURVEY Vol.96
﹁学生時代など、過去に住んでいた
7 % ,全 体
地 域の活 性 化に貢 献したいから﹂
と の 回 答︵
ゆかり
9%︶が他の年 代と比 較すると高
0%
10
20
0%
50
18
40
20代
30代
40代
50代
60代以上
全体
100%
87
26
くなっており、自身に縁のある地域
0%
50
33
問5
▼図4 ふるさと納税を行った目的・ふるさと納税を行った自治体を選んだ理由 (n=64)
20
問4
回生活者アンケート
7
います
︵
7%︶
。
一方で﹁興味がないから﹂との回
一方、
ふるさと納税未経験者の今
3%に留
後の利用意向は全ての年代で低く
なっており、全 体でも
5%︶
﹂
占めており、次いで﹁制度のPR
︵
3%︶
﹂
﹁返礼品の充実
︵
が続きます。また、
﹁ 自 治 体がふる
きの詳 細 、享 受できるメリットへの
理 解 度が深まると、今 後さらに増
手続きの簡素化
制度のPR
返礼品の充実
自治体が
ふるさと納税の
使途の明示等、
情報開示を
積極的に行う
寄付した
ふるさと納税の
使途を指定
出来るようにする
特にない
ふるさと納税が
増えていく
必要はない
その他
︵森山 裕司︶
加していくことが予想されます。
30%
6%に留まっており、
ふるさ
さと納 税の使 途の明 示 等 、情 報 開
全体
答は
まっています。
60代
以上
と納税への興味はあるものの、手続
10%
示を積極的に行う﹂との回答も
50代
きが面倒というイメージや、
手続き・
20%
5%あり、
﹁寄付したふるさと納税
の使途を指定できるようにする﹂と
40代
仕 組みの理 解が進んでいないこと
今後、ふるさと納税が増えていく
ためには、どのような取り組みが
必要だと思いますか?
︵複数回答︶
60代
以上
が、
ふるさと納税が浸透しない理由
40%
4%︶
、 代
︵
50%
の回答も 代
︵
8%︶
において多くなっています。
65
50代
であることが分かります。
今後、
ふるさと納税が増えていく
ふるさと納 税の手 続きは、平 成
年から確定申告が不要となる特
60%
31
50
ために、
どのような取り組みが必要
だと思うか尋ねたところ、
﹁手続き
40代
今 後 、ふ る さ と 納 税 を 行 お う と
思 いま す か ?
20代
30代
40代
50代
60代以上
全体
70%
20
30代
例 制 度が導 入されるなど、大 幅に
20代
の簡 素 化 ﹂との回 答が各 年 代とも
27
▼図7-2 〈ふるさと納税を行ったことがない人〉
今後、ふるさと納税を行おうと思うか (n=419)
簡 素 化されており 、仕 組みや手 続
全体
6%を
▼図8 今後、ふるさと納税が増えていくために必要なこと (n=479)
80%
40
15
圧倒的に多く、全体でも
30代
今後、
ふるさと納税を行う意向が
あるか尋ねたところ、
ふるさと納税
の経験者は、 2%が﹁ふるさと納
税をしようと思う﹂と回 答するな
ど、再利用意向は非常に高いことが
分かります。
これは、2,
000円の
負担︵自治体への寄付金額から2,
000円を除いた全額が税金から
控除されるため、
ふるさと納税での
実 質 的な負 担は2 ,
0 0 0 円とな
る︶
で様々な地域の特産品を受け取
ることができる、というふるさと納
税のメリットを実感したことが再利
0%
用意向の高さにつながっているもの
と考えられます。
20代
40
17
32
26
19
100%
90%
80%
70%
60%
50%
分からない
ふるさと納税をするつもりはない
ふるさと納税をしようと思う
40%
30%
20%
10%
0%
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
分からない
ふるさと納税をするつもりはない
ふるさと納税をしようと思う
95
問8
▼図7-1 〈ふるさと納税を行ったことがある人〉
今後、ふるさと納税を行おうと思うか (n=62)
問7
70
FFG MONTHLY SURVEY Vol.96