フィラーの表面屈折率制御による 光透過性熱伝導材の開発

フィラーの表面屈折率制御による
光透過性熱伝導材の開発
LED照明等に適用可能な光透過性を有する熱伝導性樹脂を開発しました
ヒートシンク以外にカバーや封止部から放熱しLEDの高輝度化に貢献します
目的・背景
● LED照明、ディスプレー、プロジェクターなどに使われる光学部材は光を透過することが重要で、
それに加えて、最近では熱の問題から熱伝導性を高めることも要求されます。
● 樹脂に熱伝導性を付与するためフィラーを大量添加すると、従来、光透過性は損なわれました。
本技術の特徴
フィラーを大量添加しても光透過性を損なわないために、
ミー散乱領域で、樹脂/フィラーの屈折率差を小さくしました
1.樹脂の屈折率制御の検討
・樹脂の屈折率をフィラーに近づけました(屈折率差<0.01)
・更に、フィラーの粒径制御し、前方散乱を増やすことで、
光透過性を向上⇒0.83W/mK、全光線透過率88%(図1)
2.フィラーの表面屈折率制御の検討
図1.アクリル系樹脂ベースの開発材(0.6mm厚)
イメージ図
・高熱伝導性のフィラーは屈折率が樹脂よりも大概大きく、
屈折率を合せることが困難(低屈折率の樹脂では尚更難)
屈折率制御層
・フィラーの表面を、樹脂/フィラーの間の屈折率を有する層
高熱伝導性フィラー
で修飾し、屈折率差を小さくすることを検討中(特許出願済)
表面修飾
1µm
1µm
図2.フィラーの表面修飾前後のSEM像
(角ばった形状が丸みを帯びた形状になりました)
図3.シリコーン樹脂ベースの試作材
(全光線透過率54%[0.5mm厚])
KRIからのご提案/今後の展開/期待される成果など
● フィラーの合成・修飾技術と樹脂への分散技術を駆使し、光透過性熱伝導材の熱伝導率向上
(1W/mK以上)や各種樹脂への展開を狙います。
● 光学部材で、光透過性が要求され、熱でお困りの用途への活用が期待できます。
株式会社 KRI
デバイスマテリアル研究部
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