株式会社永田化学工業所(八尾支部)

【会情報】
【会員企業ご訪問:Vol 133】
株式会社永田化学工業所(八尾支部)
今回は八尾市垣内にある西日本プラスチック八尾支部会の株式会社永田化学工業
所の代表取締役 永田 勇様を訪ねました。
本社住所
大阪府八尾市垣内 1-110
電話/FAX
072-943-8330/072-943-8333
資本金
1,000 万円
創立
昭和 30 年
設置成形機
ブロー成形機
鈴木鉄工所製 9 台
プラコー製 1 台
他2台
代表取締役
永田
勇氏
創業のきっかけ
当社は国内でブロー成形を始めたのは
昭和 30 年頃から開始しました。ブロー成
形を始めたきっかけは、たまたま大阪市
内で容器を製造するブロー成形業者の音
や様子を見て、創業者が「これだ」と感
じた事の様です。
当初は合弁事業として商品の製造を開
始しましたが、昭和 35 年に大阪市城東区
で独立しました。八尾市には平成 8 年に
移転し、現在に至っています。
本社
外観
主な製造品
当社の製造品で最も取扱いが多いのは複合容器です。当
社ではタフテナー容器と呼んでいるのですが、主に洗剤、
水性塗料、工業薬品、液体肥料、各種食品等に利用頂ける
容器で、ポリエチレン製容器の外側をダンボールで囲って
います。似たような製品は他社でも製造されていますが、
当社の製品は「中の容器が自立性」である事が特徴です。
現在は存続期間が満了となりましたが、この製品は実用新
ポリ容器とダンボールが
一体となった複合容器
案登録を取得していました。こういったポ
リ容器は約 20 年前から製造を行っていま
す。当時はまだ「缶」が主流で、一時プラ
スチック製の容器も出始めたのですが、容
器を焼却処分する時に発熱量の大きさか
ら焼却炉を痛めることや、樹脂によっては
ダイオキシンの発生が問題となりました。
そこで当社では外側と内側を分離して廃
棄する事のできる複合容器を考案し、問題
を解決する製品の完成に至りました。この
製品は年間で約 130 万個製造・出荷して
倉庫いっぱいの製造品
これでも 2~3 日分の在庫量
います。
次に多いのが、トラクターや建築機械
用の燃料タンクです。こちらは年間で約 4 万個を製造・出荷しており、次年度以降は、
さらに増産を計画しています。
自社の強み
当社の強みは幾つかありますが、ひと
つは「老舗故の熟練技術」です。当社は
昭和 30 年の創立以降 60 年以上の歴史を
歩んできました。長年の経験によって積
み重ねた技術には自信があります。勿論
それだけではありません。当社には「開
発部」という部門はなく、クライアント
から商品の問合せや相談があった場合は
工場内の様子
営業担当者がクライアントへのヒアリン
グから企画の立案、製作まで携わります。
つまり、当社には「ただ製品を売るだけの営業マン」はいません。お客様に最初から
最後まで付き添う事を大事にしており、尚且つ「短納期」を重視しています。先ほど
の通り、当社では営業担当者が最初から最後までお客様に付き添っていますので、担
当者はお客様の状況をよく理解しています。それ故にお客様に納品をお待ち頂く事は
できません。当社では短納期を実現させる為に長年の経験で培ってきた技術力が役立
っています。
事業方針
『迷惑をかけるな』これが先代より言われたことです。それも含めて当社の事業方
針には『社会への奉仕、還元』を掲げています。特に、品質の管理には特に力をいれ
ており、主力商品に関しては全数目視による検査と、独自に製作した圧力降下検知装
置を各成形機に配置して成形直後に検査を実施している他、燃料タンク系の製品に関
しては全数リークテスターを用いて空気漏れ検査を実施しています。
全社で取り組んでいる事
当社では社員の多能工化を目標に掲げています。製造業、特にプラスチック製品の
製造業はブラック企業とのイメージを持たれているとよく耳にしますが、当社も以前
は労働に関する課題が山積していました。しかしながら課題を一つ一つ解決し、現在
はその課題もクリアすることができています。目標に多能工を掲げているのは、有休
の消化等により一人の社員が休暇を取った場合にその社員が担当している業務が滞
ってしまう事を防ぐ為です。当社では少なくとも一人二役以上の業務をこなせる様に
しています。少人数で業務を行っているので定期的に外部セミナー等へ参加させる事
は難しいのですが、できる限り参加させるようにしています。
協会への要望点
知らないことを知る機会を多く設定して欲しいと思っています。新技術セミナー等
を開催しているのは知っていますが、自身としては新素材や材料関係、加工・接合技
術についてより多くの情報を得たいと思っていますので、是非こういうテーマも採り
上げて頂きたいと思います。
※
会社を訪問して ※
現場を見せて頂き、次々と生産される製品に対して、各成形機のオペレーターが一
つ一つ丁寧に目視検査と圧力降下検知の検査を実施されているのを拝見して、品質管
理を重視する姿勢が、現場の方々に浸透していると感じました。
また、製造業はブラック企業が多いとよく言われる事ですが、このようなマイナス
イメージを払拭された事について素晴らしいと感じました。社員が働きやすい環境を
作り、そして社員が会社に報いる。言葉にすると簡単ですが、実際に行動しようとす
ると非常に難しい課題に取り組まれ、そして成功に導かれた経営手腕を改めてじっく
りとお聞きしたいと感じました。
◎ありがとうございました
取材:事務局 矢野・山下
※本記事記載の情報については、2016 年 10 月 17 日現在のものとなります。
掲載希望の方は
事務局(06-6214-8300)までご連絡ください。