中学校給食の実施方針について(PDF:1.1MB)

大津市立中学校給食実施方針
平成28年11月24日
大津市教育委員会
目 次
はじめに
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
1.大津市の中学校給食のめざす姿 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
2.中学校給食実施に向けた基本的な方針
( 1)中 学 校 給 食 の 提 供 方 法 等
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
( 2)提 供 食 数 及 び 調 理 場
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
( 3)献 立
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
( 4)ア レ ル ギ ー へ の 対 応
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
( 5)食 器 等 の 形 態
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
( 6)配 膳
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
( 7)中 学 校 給 食 の 給 食 費 の 額
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
( 1)学 校 給 食 を 活 用 し た 食 育 の 推 進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
( 2)喫 食 形 態
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
( 3)安 全・安 心・ 良 質 な 食 材 の 確 保 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
( 4)学 校 給 食 を 活 用 し た 事 業 の 検 討・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
6
3.食育・地産地消
4 .学 校 給 食 共 同 調 理 場 の 整 備
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
5.その他
( 1)ス ク ー ル ラ ン チ 事 業
・ ・ ・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・・ ・ 8
( 2)中 学 校 給 食 の 実 施 に 向 け て
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
はじめに
本市の中学校における昼食は、子どもと保護者のふれあい、一人ひとりの子どもに応じ
た食事量や嗜好、健康面などについて対応できるものとして 、これまで家庭弁当を基本と
しています。また、弁当が持参できない時のために、それを補完する制度として、平成2
5年度から中学校スクールランチ事業を実施してきたところであります。
しかしながら、共働き世帯の増加や保護者の就労形態の変化などにより弁当を持たせる
ことが難しい家庭もあり、生徒の健康増進と食事の栄養バランス、食材の安全、安心、食
育の推進など、学校給食が果たす役割は以前にも増して大きくなり、これまで学校給食を
実施していなかった自治体、特に近畿圏の自治体で給食を実施する動き が見られ、本市に
おいても給食を望む保護者の声が多く聞かれるようになってまいりました。
このような中、大津市の中学校における昼食について、その望ましいあり方を検討する
た め 、他 市 に お け る 実 施 状 況 や 実 施 方 式 、経 費 等 を 調 査 す る と と も に 、分 析 、検 討 を 行 い 、
「大津市中学校昼食のあり方検討調査報告書」を作成し、 検討を重ねた結果、中学校完全
給食を実施することが望ましいとの結論に至りましたので、次のとおり、平成27年1月
に「大津市立中学校給食の基本方針」を策定いたしました。
大津市立中学校給食の基本方針(平成27年1月15日
大津市教育委員会)
1
早期に中学校完全給食を実施します。
2
学校給食を活用した、さらなる食育の充実を図ります。
3
安全・安心な給食を提供します。
この度、これまでの検討を踏まえ、中学校給食実施に係る基本的な事項を「大津市立中
学校給食実施方針」として定め、実施に向けて具体的に取り組んでまいります。
-1-
1.大津市の中学校給食のめざす姿
学校給食は、栄養バランスのとれた豊かな食事を児童生 徒に提供することにより児童生
徒の健康の保持増進や体位の向上を図るものであります。また、 児童生徒が食事について
理解を深め、望ましい食習慣を養うなど実体験に基づく継続的な指導を展開することがで
きる重要な手段であります。
このことから中学校給食においては、現在行っている小学校給食の経験を 活かすととも
に、給食を生きた教材として活用し、食事に関する正しい知識、楽しい食事や食事のマナ
ーなど、望ましい食習慣を身につける ことをめざし、栄養バランスのとれた安全で美味し
い給食を提供します。
【参考】学校給食法
(この法律の目的)
第一条
こ の 法 律 は 、学 校 給 食 が 児 童 及 び 生 徒 の 心 身 の 健 全 な 発 達 に 資 す る も の で あ り 、
か つ 、児 童 及 び 生 徒 の 食 に 関 す る 正 し い 理 解 と 適 切 な 判 断 力 を 養 う 上 で 重 要 な 役 割 を 果
た す も の で あ る こ と に か ん が み 、学 校 給 食 及 び 学 校 給 食 を 活 用 し た 食 に 関 す る 指 導 の 実
施 に 関 し 必 要 な 事 項 を 定 め 、も つ て 学 校 給 食 の 普 及 充 実 及 び 学 校 に お け る 食 育 の 推 進 を
図ることを目的とする。
(学校給食の目標)
第二条
学校給食を実施するに当たっては、義務教育諸学校における教育の目的を実現
するために、次に掲げる目標が達成されるよう努めなければな らない。
一
適切な栄養の摂取による健康の保持増進を図ること。
二
日 常 生 活 に お け る 食 事 に つ い て 正 し い 理 解 を 深 め 、健 全 な 食 生 活 を 営 む こ と が で き
る判断力を培い、及び望ましい食習慣を養うこと。
三
学校生活を豊かにし、明るい社交性及び協同の精神を養うこと。
四
食 生 活 が 自 然 の 恩 恵 の 上 に 成 り 立 つ も の で あ る こ と に つ い て の 理 解 を 深 め 、生 命 及
び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
五
食生活が食にかかわる人々の様々な活動に支えられていることについての理解を
深め、勤労を重んずる態度を養うこと。
六
我が国や各地域の優れた伝統的な食文化についての理解を深めること。
七
食料の生産、流通及び消費について、正しい理解に導くこと。
-2-
2.中学校給食実施に向けた基本的な方針
(1)中学校給食の提供方法等
【 志 賀 中 学 校 ・ 葛 川 中 学 校 】: 自 校 方 式
志賀中学校は、大津市との合併(平成18年3月)前の旧志賀町の給食方式が現
在に引き継がれており、また、葛川中学校は地理的に遠隔地にあることや冬季の積
雪さらには土砂災害等による国道367号の通行止めによる配送リスクがあるこ
とから、自校方式により学校給食を実施しています。
今後の方向性については、現在の調理施設を最大限、有効活用し、2校において
は、自校方式を継続してまいります。
なお、葛川中学校と併設されている葛川小学校についても自校方式を継続してま
いります。
【 上 記 以 外 の 1 6 中 学 校 】: 共 同 調 理 場 方 式
・共同調理場方式による提供(北部・南部・新東部学校給食共同調理場)
※大津市立中学校給食の基本方針のとおり
・食缶方式(各生徒の状況に応じた量のあたたかい給食の提供)
(2)提供食数及び調理場
学
校
平成28年5月1日付人数による食数
名
食
志賀中学校
数
計
640食
葛川中学校・葛川小学校
47食
調
理
場
名
志賀中学校内調理室
葛川小中学校内調理室
小松・木戸・和邇・小野・伊香立・真野
真野北・堅田・仰木・仰木の里
仰木の里東小学校(11校)
5,475食
北部学校給食共同調理場
7,026食
南部学校給食共同調理場
伊 香 立・真 野・堅 田・仰 木 中 学 校( 4 校 )
雄琴・日吉台・坂本・下阪本・唐崎
志賀・比叡平・藤尾・長等
逢坂小学校(10校)
日吉・唐崎・皇子山中学校(3校)
中央・平野・膳所・富士見・晴嵐・石山
南郷・大石・田上・上田上・青山・瀬田
瀬 田 南・瀬 田 東・瀬 田 北 小 学 校( 1 5 校 ) 1 6 ,5 8 7 食
打出・粟津・北大路・石山・南郷・田上
青山・瀬田・瀬田北中学校(9校)
計
2 9 ,7 7 5 食
※学校毎の食数の内訳はP6参照
-3-
新東部学校給食共同調理場
(3)献立
新東部学校給食共同調理場については、 3献立制を導入し、北部、南部学校給食共同
調理場については、できるだけ他の調理場と重ならない献立 とします。
・栄養バランスの摂れた魅力ある献立に努めます。
・食中毒、異物混入など、食材調達におけるリスク分散を考慮した献立とします。
・ 献 立 内 容 は 、 主 食 ( 米 飯 ま た は パ ン ま た は 麺 )、 副 食 ( 3 品 以 上 )、 牛 乳 を 基 本 と し ま
す。
・主 食( 米 飯 ま た は パ ン ま た は 麺 )、牛 乳 、一 部 の デ ザ ー ト は 、納 入 業 者 か ら 学 校 へ 配 送
します。
(4)アレルギーへの対応
食物アレルギーをもつ生徒が他の生徒と同じく給食を楽しめるよう、アレルギーに対し
て細やかでかつ慎重な対応が必要となりますが、北部及び南部学校給食共同調理場では、
アレルギー食専用調理室の確保が難しく、除去食または代替食を提供することができない
状況であります。
安全面等を考慮すると全市統一的な対応が求められることから、中学校においても小学
校と同様に、事前に詳細な献立表や食品原材料表を 保護者の方々と学校に配布します。保
護者の方々には、内容を確認いただき、毎日の「食べる、食べない」を決めていただいた
上で、学校へ連絡をいただきます。その情報を保護者の方々と学校が共有し、アレルギー
への対応を図ってまいります。
(5)食器等の形態
①
食器
食器については、
「 安 全 性 の 確 保 」、
「 多 様 な 献 立 へ の 対 応 」、
「 取 扱 い の し や す さ 」、
「経
済性」の観点を考慮するとともに、食事のマナーや共同作業による食育、望ましい食習
慣の形成等の観点から、本市中学校給食では、セパレート型(飯椀、汁椀、皿など)の
食器を使用することとします。
②
箸
箸(はし)については、小学校給食と同様に各家庭から持参すること(いわゆる「マ
イ 箸 」) と し ま す 。
③
食缶
食缶等は、保温65℃以上、保冷10℃以下を2時間以上保持できる機能を有するも
のとして、保温食缶(二重食缶)を使用します。
(6)配膳
各学校に配膳員を配置し、円滑な給食の提供を行います。
-4-
(7)中学校給食の給食費の額
学校給食法第11 条では、学校給食の実施に必要な施設整備及び学校給食の運営に要
する経費等は原則市の負担とし、それ以外の学校給食に要する経費(食材費等)は保護者
の負担とされています。
給 食 費 の 額 に つ い て は 、 現 在 ( 平 成 2 8 年 度 )、 中 学 校 が 1 日 2 6 4 円 ( 小 学 校 が 1 日
240円)としていますが、今後、中学生の学校給食摂取基準や他都市の状況、社会経済
情勢等を総合的に勘案し、献立の内容と併せて中学校給食実施までに決定していきます。
3.食育・地産地消
(1)学校給食を活用した食育の推進
近年、偏った栄養摂取、朝食欠食など食生活の乱れや肥満・痩身傾向など、子どもたち
の健康を取り巻く問題が深刻化しています。また、食を通じて地域等を理解することや、
食文化の継承を図ること、自然の恵みや勤労の大切さなどを理解することも重要です。
こ う し た 現 状 を 踏 ま え 、 平 成 17 年 に 食 育 基 本 法 が 、 平 成 18 年 に 食 育 推 進 基 本 計 画 が 策
定され、子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることができる
よう、学校においても積極的に食育に取り組んでいくことが重要となっています。
特に学校給食について、その一層の普及や「生きた教材」としての活用が求められ、平
成 20 年 に は 、学 校 給 食 法 も 改 正 さ れ 、同 法 の 目 的 が 、こ れ ま で の「 栄 養 改 善 」か ら「 食 育 」
に大きく舵が切られるとともに、学校給食の目標の大幅な見直しが行われました。また、
同 年 、中 学 校 学 習 指 導 要 領 が 改 正 さ れ 、そ の 中 で 、
「食育の観点を踏まえた学校給食と望ま
しい食習慣の形成」を掲げ、学校における食育は、教育活動全体を通じて総合的に推進す
るものであるとした上で、学校給食は、その取組において中心的な指導の場として位置づ
けられました。
児童、生徒に対する食育は、心身の成長や人格の形成に大きな影響を与え、生涯にわた
って健全な心と身体を培い、豊かな人間性をはぐくむ基礎となりますことから、学校給食
を通じて、学校における「食育の日」を活用しながら、食育を推進 します。
また、各校において食に関する指導の年間計画を作成し、給食の時間や特別活動の学級
活動、学校行事だけでなく、関連する教科や道徳、総合的な学習の時間、特別活動など学
校教育活動全体において、学校給食を教材として活用し、計画的、継続的に行います。
(2)喫食形態
中学校給食においても、給食を生きた教材として活用できること、統一的な食育の指 導
が 可 能 と な る こ と 、共 食・共 同 作 業 に よ る 食 育 の 推 進 が 図 ら れ る こ と な ど か ら 、
「全員喫食」
を原則とします。
(3)安全・安心・良質な食材の確保
中学校給食で使用する食材は、小学校と同様に、大津市学校給食物資規格書により、食
品 の 規 格 (大 き さ 、 等 級 、 原 材 料 等 )や 産 地 、 製 造 業 者 の 表 示 、 細 菌 検 査 結 果 の 提 出 な ど を
義務付け、登録業者を通じて、衛生的で安全な食材を調達します。
また、放射性物質のサンプリング検査についても継続して行うとともに、地場産物の活
用についても、自然と食べ物との関わりや地域との関わり、生産者への感謝の 気持ちを持
つ心の大切さなど、食育推進に資するよう、市内産・県内産といった地産地消に配慮した
食材の使用に努めます。
-5-
(4)学校給食を活用した事業の検討
「らんちたいむ」などの資料配布やホームページでのレシピ紹介により、家庭への啓発
を図ったり、児童生徒や保護者作成による献立を給食に取り入れ たりするなど、食育の推
進に繋がるよう学校給食を活用した取組を検討します。
4.学校給食共同調理場の整備
現在、大津市では、自校調理方式の葛川小学校を除 いて3か所の共同調理場で小学校の
給 食 に 対 応 し て い ま す が 、こ れ ら の う ち 、東 部 学 校 給 食 共 同 調 理 場 に つ い て は 、開 設 後 30
年以上が経過し、老朽化が進んでいるため、建替えが必要となっています。
中学校給食の実施にあたっては、その食数に対応する新たな調理場の整備が必要となり
ますが、以前より検討を進めていた東部学校給食共同調理場の建替えと併せて、中学校給
食の実施に必要となる調理施設を整備します。
整備にあたっては、安全でおいしい給食の実現を図るため、施設整備から維持管理、運
営までを包括的に民間企業の事業範囲とする PFI方式を採用することとしました。
なお、東部学校給食共同調理場の建替え後は、これまでの配送エリアを下記のとおり再
編します。
学校名
生徒数 教員等
北部学校給食共同調理場
(調理規模:8,000食)
小松小
204
16
木戸小
274
23
和邇小
532
33
小野小
146
16
伊香立小
94
15
真野小
467
32
真野北小
208
18
堅田小
832
45
仰木小
83
15
仰木の里小
201
20
仰木の里東小
692
36
伊香立中
45
15
真野中
310
26
堅田中
382
33
仰木中
624
38
食数
学校名
生徒数 教員等
南部学校給食共同調理場
5,475
(調理規模:8,000食)
220
雄琴小
357
24
297
日吉台小
157
16
565
坂本小
381
28
162
下阪本小
722
39
109
唐崎小
922
48
499
志賀小
777
45
226
比叡平小
130
15
877
藤尾小
183
15
98
長等小
654
35
221
逢坂小
409
27
728
日吉中
702
55
60
唐崎中
414
35
336
皇子山中
782
54
415
662
-6-
食数
学校名
生徒数 教員等
東部学校給食共同調理場
7,026
(調理規模:17,000食)
381
中央小
239
22
173
平野小
1,153
55
409
膳所小
625
37
761
富士見小
470
27
970
晴嵐小
833
42
822
石山小
540
39
145
南郷小
542
30
198
大石小
327
22
689
田上小
450
35
436
上田上小
72
13
757
青山小
1,053
53
449
瀬田小
1,118
55
836
瀬田南小
858
48
瀬田東小
1,027
56
瀬田北小
972
48
打出中
863
57
粟津中
526
46
北大路中
537
42
石山中
304
28
南郷中
491
36
田上中
276
27
青山中
502
35
瀬田中
857
58
瀬田北中
977
64
食数
16,587
261
1,208
662
497
875
579
572
349
485
85
1,106
1,173
906
1,083
1,020
920
572
579
332
527
303
537
915
1,041
-7-
5.その他
(1)スクールランチ事業
これまで、中学校の昼食については、家庭弁当を基本とし、弁当が持参できない時のた
めに、それを補完する制度として、平成25年度から中学校スクールランチ事業を実施し
ています。事業実施により、家庭への負担軽減と中学生の健康への配慮、そして、中学生
の食の選択肢を広げることなど、当初の目的を果たしてきたところでありますが、 中学校
給食の実施後は、廃止します。
(2)中学校給食の実施に向けて
今後、中学校給食の実施に向けて給食時間、給食の流れ等、具体的な内容について、整
理を行い、円滑な給食の提供に努めます。
-8-
大津市教育委員会
学校給食課
中学校給食準備室
077(528)2636