表情変化に伴い現れるエイジングサインを低減する化粧料を開発

NEWS RELEASE
2016 年 11 月 24 日
表情変化に伴い現れるエイジングサインを低減する化粧料を開発
「高輝度(白トビ)領域」および「毛穴周辺のスジ形状」量の変動による“肌ノイズ”を低減
ポーラ・オルビスグループのポーラ化成工業株式会社 (本社:神奈川県横浜市、社長:三浦卓士) は、
加齢と共に増加する頬部の“肌ノイズ”※1 を低減し、年齢印象を改善することが期待される新たなメー
クアップ化粧料を開発しました。
※1 表情を作った際に頬部に発生する「輝度(白トビ)領域」と「毛穴周辺のスジ形状構造」の量の変動
新メークアップ化粧料には視覚的なエイジングサイン(老化兆候)である肌ノイズを感じにくくさせ
る効果があるため、気持ちや状況に応じて表情が変化し続ける日常生活においても、若々しい印象を与
えることができると考えられます。
本成果は 11 月 29 日に開催される第 79 回日本化粧品技術者会研究討論会で発表されるとともに、ポー
ラ・オルビスグループの株式会社ポーラから 2017 年春に発売される化粧品に活用される予定です。
老けた印象を与える“肌ノイズ”がエイジングサインに
大
ポーラ化成工業はこれまで、“何がヒトの見た目の年齢を決めるのか” について、実生活を想定した条
件の下で研究を進めてきました。その結果、
1) 見た目の年齢を判断する際に頬部に視線が向けられること (2015 年 11 月 24 日技術リリース)
2) 表情の変化に伴って皮膚が動いた際に、頬部に発生する「輝度(白トビ)領域」と「毛穴周辺のスジ形
状」の量の変動が加齢と共に増加し、それらが視覚的にノイズ(=“肌ノイズ”)として捉えられる
可能性があること(2016 年 7 月 13 日技術リリース)
図1. 人工皮膚で発生させた輝度 (白トビ)領域量の変動に対する
粉体およびポリマーの低減効果
を明らかにし、これらの“肌ノイズ”が表情変化に伴って発生
(Pixel)
するエイジングサインであると考えました。この結果を踏まえ
*
30,000
今回、“肌ノイズ”を低減することで実生活においても若々し
25,000
い印象を与えることができるメークアップ化粧料の開発を試
20,000
みました。
10,000
5,000
0
無塗布人工皮膚
粉体のみ塗布
粉体+ポリマー塗布
※メタクリル酸メチルクロスポリマー(粉体)と、アクリル酸アルキルコポリマー
アンモニウム(ポリマー)を併用すると、白トビ(輝度)領域量の変動を大幅に低減できる
n=4, 平均値±S.D, *;P<0.05, Dunnett’s test
図2. 新メークアップ化粧料(開発品)による肌ノイズの低減効果
大
大
新メークアップ化粧料は、表情変化に伴うエイジングサインを低減
(Pixel)
10,000
*
←毛 穴 周 辺 のスジ形 状 量比 の変 動
領 域 量 の変動
←輝 度 (白 トビ )
8,000
6,000
4,000
2,000
*
0.025
0.02
0.015
0.01
0.005
→小
→小
日本人女性(40 代、10 名)を対象に、素肌の顔、自社の
メークアップ化粧料(従来品)および新メークアップ化粧
料(開発品)を塗布した顔における“肌ノイズ”の変動量を
画像解析※2 により算出しました。その結果、開発品を塗布
することにより、表情変化に伴い現れる“肌ノイズ”が
低減されることが確認されました(図 2)。高分子ポリマー
を配合することで皮膚が動いても粉体の均一性が維持さ
れ、高い光拡散効果が発揮されることで※3、“肌ノイズ”
の低減に結び付いたと考えられます。※2~3 ⇒ 次ページ補足資料参照
15,000
→小
人工皮膚を用いてヒトの頬の動きを再現し、“肌ノイズ”を
低減する素材を探索した結果、光拡散効果の高い粉体として
「メタクリル酸メチルクロスポリマー」を、また粉体を均一に
分散・維持させる高分子ポリマーとして「アクリル酸アルキル
コポリマーアンモニウム」を見出し、これらを組み合わせるこ
とで白トビ (図 1)、毛穴周辺のスジ形状量の変動を低減するこ
とに成功しました。
←輝 度 (白 トビ)領 域 量の変 動
“肌ノイズ”を低減する素材の探索
0
0
素肌
従来品
開発品
素肌
従来品 開発品
n=10, 平均値±S.D, *; P<0.05, Dunnett’s test
【本件に関するお問い合わせ先】 (株) ポーラ・オルビスホールディングス コーポレートコミュニケーション室
Tel 03-3563-5540/Fax 03-3563-5543
【補足資料】
※2 肌ノイズの画像解析
20~60 代の日本人女性各世代 14 名、合計 70 名を被験者とし、画像解析により皮膚の動的特徴
量の抽出を行いました。その結果、顔面頬部位では加齢に伴い「 輝度(白トビ)」及び「毛穴周辺
のスジ形状」の量と、それらの表情間の変動が増加することが導かれました。表情とともにこれ
らふたつが揺れ動くと視覚的なノイズになると考えられます。そのためこれらを合わせて加齢に
伴い発生する『肌ノイズ』と定義しました。
■画像解析による
輝度 (白トビ)領域解析
→白黒反転した輝度 (白トビ)
領域の量を Pixel 数で表現
■画像解析による
毛穴周辺のスジ形状解析
→解析面積に占めるスジ形状
面積の比率として表現
※3 新メークアップ料が機能を発揮するイメージ図
新メークアップ料
高分子ポリマー膜
高分子ポリマー膜が
粉体を保持したまま伸縮
機能性粉体
機能性粉体のみ配合
毛穴・キメなどの凹凸
顔の動きにより皮膚が伸縮し表面状態が変化
皮膚が繰り返し動いても高分子
ポリマー膜が化粧膜の均一性を保持
伸縮の繰り返しでメーク膜が不均一化。
皮膚の露出等により白トビ領域や毛穴
スジ形状量が変動