平 成 27 年 度 金沢大学における教育に係る学長表彰に関する取組概要 教育活動(プログラム)の名称: 実 施 組 織 名 小中高大一貫型「化学力」養成プログラム 物質化学類 実施担当責任者:職名・氏名 教授・国本浩喜 実 平成25年 4月 施 期 間 ~ 教育活動の概要(目的・特徴・取組の内容・実施状況等) 本活動は、石川県内の小・中・高校生への化学教育の啓発・振興、および当学類学生の 化学的思考力・省察的実践力の涵養を目的としており、物質化学類全教員の参加はもちろ ん、石川県内の小・中・高校および他学類や他大学等で化学の教育に携わる関係者とOB を取り込み、学外まで対象を広げることで、より実践的な活動を実施していることが特徴 である。その取り組みとして、上述の目的に賛同する化学教育の関連者が「石川化学教育 研究会」を組織し、児童生徒の化学に対する興味関心を喚起する「科学の祭典」や小学生 から高校生が化学に関する研究成果を発表する「石川地区中学高校生徒化学研究発表会」 を年1回開催している。特に後者の「研究発表会」は今年度で第 30 回目を迎える(12 月 23 日開催)。平成 25 年度より、当学類の学生が主体となって参加し、大学以外で児童・生 徒と関わることにより、体験を重視した化学教育や実践的活動を実施している。昨年度は およそ 2000 人の来場者があった「科学の祭典」に 3 名、18 件 100 余名の発表があった「石 川地区中学高校生徒化学研究発表会」には 19 名の学生が参加し、スキルアップを図った。 教育活動の具体的な効果・成果等(内外評価及び波及効果を含む。 ) 「科学の祭典」では児童が自ら参加する化学体験を指導することにより、学生の教育的 責任感や対人理解能力の向上が認められた。また、 「研究発表会」では、学生が質問やアド バイスをするという形で児童・生徒と関わり、その実践および相手の研究環境や状況を省 みて、最新の知識をもとに新たな関わりを創造する力を身に付けている。本活動は、中学・ 高校教員から継続依頼があるほど高評価を得ており、新聞紙面でも紹介がある等、社会的 に認知されつつある。また、大学生が自らの能力を向上させるのための取り組みとは言え、 それに関わる児童・生徒の憧憬の対象となることから、本活動が化学の啓蒙だけでなく本 学類の志望者増にも寄与していると考えられる。さらに、大学生は小・中・高校の教員と 学校以外で関わることができることから、教職に関する情報収集やスキル習得がしやすく、 石川県の教員を目指しやすい。卒業生が石川県の教員になることにより、更に本学とのパ イプが太くなり、地域と協働した化学力・教育力向上のスパイラルが構築されている。
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