完了報告書(3年目/最終) - 公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団

2013年度(前期)指定公募④
「訪問看護ステーションが開設する医療・介護の相談室づくり(3年計画)」
玉島訪問看護サービスセンターが開設する
平成27年度「玉島看護・介護ホッと相談室」
完了報告書
平成28年10月
公益財団法人倉敷市保健医療センター
居宅事業総轄センター長 篠原淑子
1
はじめに
公益財団法人倉敷市保健医療センターの訪問看護事業は,高齢化が急速に進む昭和63年厚
生省の高齢者が住み慣れた地域や家庭で安心して暮らせるよう保健福祉・医療サービスを総合
的に提供することを目的とした「訪問看護等在宅ケア総合推進モデル事業」からスタートし,
その後訪問看護ステーションを開設,現在に至っている。
国の2025年度に向けた地域包括ケアシステムの構築にかかる在宅医療は要であり,医師
をはじめとする多職種連携が円滑にすすんでいる玉島医師会エリアを主とした地域で,健康や
介護について気軽に相談できる場所づくりを定着させるとともに訪問看護のPRを図り,在宅
療養者や地域住民が安心して住み慣れた地域で生活できることを目指す。
その結果として,訪問看護利用者や在宅での看取り数を増加させる。
2
実施期間
3
実施事業
平成27年 9 月1日から平成28年9月30日まで
(1)「玉島看護・介護ホッと相談室」事業
①
看護・介護・健康に関する相談(毎週木曜日相談室,専用電話による相談)
■
医師会館相談室での相談:毎週木曜日
■
専用電話による相談:月~金曜日
10時から16時
10時から16時
(2)出張「ホッと相談室」啓発事業
①
熱中症や認知症,脳卒中等高齢者に多い病気の予防や健康寿命の延伸等の講座
②
介護教室
③
イベント等での訪問看護の周知や健康・介護相談
等
(3)倉敷市玉島船穂地区のふれあいサロンで「まちの保健室」実施(月1回)
4
平成26年度月別相談実績(件数)
区
分
本人・家族
医療機関
ケアマネジャー
一般
計
9月
0
1
1
7
9
10月
2
0
0
15
17
11月
1
0
0
55
56
12月
2
0
0
0
2
1月
0
1
1
20
22
2月
1
0
0
18
19
3月
1
0
0
3
4
4月
1
0
0
5
6
5月
0
0
1
7
8
6月
1
0
0
13
14
7月
1
0
0
13
14
8月
0
1
0
10
11
10
3
3
166
182
計
※
一般は出張相談室・ふれあいサロン等で血圧測定や健康相談に応じた者の数
玉島医師会館での相談は毎月1件から2件程度で,主は電話相談,来所者は少なかった。
平成27年度も相談室を周知するため健康ボランティアである玉島地区愛育委員会(委員数
500 人)の協力を得て「チラシ」を2万6千世帯に全戸回覧していただいたが、相談件数は
伸びなかった。一方,出張「ホット相談室」の依頼件数は増え,相談件数が増加した。船穂地
区ではふれあいサロン活動が活発に行われており月に1回は「まちの保健室」として事業を行
った。高齢者等が集まる場所に出向き「在宅医療・訪問看護」の講演や健康相談ならびに訪問
看護の周知ができ,「介護サービスの内容がよくわかり安心した」「血圧管理の大切さが理解
できた」等多くの感想をいただき,今後も事業を継続していく必要がある。
5
相談者別年齢構成の内訳(4月~9月)
区
分
40歳以下
50代
60代
70代
80歳以上
計
男
性
1
1
3
6
0
11
女
性
1
8
31
109
22
171
2
9
34
115
22
182
計
相談室に相談された方は50代と60代が多く,70代の方は出張相談室等であった。
6
出張「ホッと相談室」啓発事業開催実績
開催日時
テーマ・内容
①H27 年9月 10 日(木)
場
所
参加者数
講座「在宅医療・訪
玉 島 市 民 交 流 一般
80人
11:30~12:30
問看護」
センター
②H27 年9月 30 日(水)
介護予防教室
玉島北公民館
13:00~14:30
目指せ!健康寿命の
年金受給者の会会員
82人
延伸
③H27 年 10 月 27 日
介護予防教室
(火)
目指せ!健康寿命の
9:45~11:30
福井公民館
福井地区サロン参加者
17人
延伸
④H27 年 11 月 29 日
玉島健康まつりご長
玉 島 市 民 交 流 一般
(日)
寿集合「訪問看護を
セ ン タ ー み な 健康ボランティア
10:00~13:00
ぜひ知って下さい」
とホール
⑤H28 年1月 26 日(火)
目指せ!健康寿命の
福井公民館
10:00~14:30
延伸「転倒予防」
250人
80人
福井地区サロン参加者
17人
⑥H28 年 2 月1日(月)
講座「訪問看護・相
船 穂 町 高 齢 者 船穂地区ふれあいサロン
10:00~10:30
談室を知ってくださ
福祉センター
い」
主催者
12人
高齢者支援センター3人
⑦H28 年 2 月24日
講座「目指せ!健康
倉 敷 シ ー サ イ 松江地区一般
(水)
寿命の延伸
ド ホ テ ル 研 修 市議会議員
19:00~20:30
訪問看護を知ってく
棟4階研修室
59人
ださい」
⑧H28 年3月5日(土)
講座
「仕事と介護
10:00~11:30
訪問看護で安心療養
児 島 図 書 館 研 一般
30人
修室
生活」
H28 年9月9日(金)
講座「目指せ!健康
14:30~15:15
寿命の延伸・転倒予 会館
利用者
防」
職員
計
7
船 穂 老 人 福 祉 船穂デイサービス
9
回
場
所
参加者数
H28 年4月5日(火)
下鳥向井集会所
30人
H28 年 5 月16日(月)
又串集会所
15人
H28 年 6 月 14 日(火)
柳原東畑集会所
13人
H28 年 7 月 6 日(水)
福島集会所
15人
H28 年8月8日(火)
柳原東畑集会所
18人
H28 年10月18日(火)
水門集会所
15人
H28 年 11 月 28 日(月)
大船尾集会所
H29 年 1 月 25
一之町集会所
日(水)
H29 年 2 月 24 日(金)
中新田集会所
計
106人
(1)時間:13時30分~15時頃
(2)内容:血圧測定・体操・脳トレゲーム・おしゃべりなど
5人
参加者数
船穂地区ふれあいサロンで「まちの保健室」実施(月1回)
開催日時
28人
664
人
出張「ホッと相談室」やふれあいサロンでは多くの住民に在宅医療・訪問看護,健康寿命の
延伸等介護予防にかかる周知が実施できた。2年目以降地域包括支援センターや愛育委員会等
から出張相談室の開催要望が増えてきた。これは身近な場所で気軽に医療や介護・健康の相談
が訪問看護の現場経験から具体的に受けられることが大きな魅力となっており,助成終了後も
依頼があり今後も継続して実施し,目的を果たしていきたい。
7
主な相談内容
月
回数
9
4回
件数
9件
年齢・性別
① 80代
女性
月
主な相談者と内容
認知症の夫を介護、薬を拒否、介護に抵抗し困っ
ている。
② 70代
女性
福祉用具の貸与について教えてほしい。
血圧測定・健康相談
10
5回
17件
月
① 70代
②70代
女性
女性
7人
施設に入所したいが対象者の要件を教えてほしい
母親の介護について、介護タクシーについて教え
てほしい。
血圧測定・健康相談
11
月
5回
56件
15人
① 50代
女性
介護ベッドが動かなくなった。どうすればよいか
② 75歳
女性
高血圧薬は一生飲み続けなければならないのか。
③ 69歳
女性
血圧を下げる方法を教えてください。
④ 70代
女性
最近肥えてきて困っている。運動が必要と言われ
たが、どのくらいすればよいのか。
⑤ 78歳
女性
この間健診を受けたがヘモグロビンA1Cが高い
と言われた。糖尿病ですか。
⑥ 78歳
女性
手足が冷えてつらい。この会場で血流測定を受け
たら年齢相応と言われた。改善法はないのか。
⑦ 57歳
女性
認知症の母を介護しているが,ものとられ妄想が
激しくて対応に困っている。
⑧ 80歳
女性
訪問看護ってどんなことをしてくれるのか。
血圧測定・健康相談
48人
12
4回
2件
① 70歳
女性
月
補助があると言われた。どうすればよいか。
② 50歳
女性
(ケアマネジャ
ー)
1
ポータブルトイレをホームセンターで購入したら
5回
22件
月
① 50代
人工肛門のトーマの入院している祖母は一人暮ら
しで,退院後の生活
に不安がある。よい施設はないか。
女性
(看護師長)
がん末期の患者、在宅での看取りを希望。訪問看
護とベッドを借りたいとの希望があるが介護保険
利用を介護者の妻が拒否されている。訪問看護は
利用できますか。
② 30代
男性
(MSW)
脳梗塞後遺症の61歳独居の男性患者、在宅生活
を希望されているが、独居であり不安、どのよう
に対応すればよいかアドバイスをお願いします。
血圧測定・健康相談
2
4回
19件
① 65歳
女性
20人
ショートステイを利用しているが、確定申告でき
るのか。
月
② 69歳
男性
介護タクシーの利用は誰でもできるのか。
③ 70代
女性
要介護認定の更新で要支援となった。認定がおか
しいと思う。
④ 78歳
女性
介護保険の負担が上がったと聞いたがどうか。
⑤ 67歳
女性
要介護2の父親,通所介護をすすめても利用して
くれない。いらいらして,疲れがとれない。
血圧測定・健康相談
3
5回
9件
①69歳
男性
月
14人
89歳の母を介護している90歳の父親、喘息が
悪化しているが、病院に受診しない。二人共倒れ
になっても心配。どうすればよいかアドバイスを
②70代
女性
訪問看護では看護師がどのようなことをしてくれ
るのか、例えば点滴などできるのか。
③78歳
女性
母のオシメ交換を長いことしてきたが、もれない
⑥ 67歳
4
4回
6件
①
女性
60代女性
月
工夫をみなさんに知ってもらいたい。
父の介護をしているが先日転倒骨折した。入浴や
リハビリテーションはどうのようにすればよい
か。
血圧測定・健康相談
5
3回
8件
①
50代女性
月
ケアマネジャー
5人
左足を骨折したが入院を嫌い自
宅に退院。足にたくさんの傷があり心配。どうす
ればよいか。
血圧測定・健康相談
6
5回
14件
①60代女性
月
94歳の母を介護、母は難聴で補聴器を利用した
いが補助があるか。
血圧測定・健康相談
7
4回
14件
①60代女性
月
8
7人
13人
玉島地区内にある訪問看護ステーションとえその
営業時間等を教えてください。
3回
月
11件
①50代女性
血圧測定・健康相談
13人
クリニックの看護師
介護保険外のベッドのレン
タルについて教えてください。
血圧測定・健康相談
10人
血圧測定や相談で最も多い内容は、高血圧と糖尿病,介護保険制度についてであった。
8
結果
「訪問看護ステーションが開設する医療・介護の相談室づくり(3年計画)」事業につい
て平成25年度の事業実績を踏まえ平成26年度には地域住民の身近な地域包括支援センター
(倉敷市では高齢者支援センターという名称)や介護者の会等と連携し,出張「ホッと相談室
」を開催した。地域の身近な場所で「気軽に看護師さんに相談ができてよかった。」と言う声
を聞くことができ,相談室や相談事業を浸透させていくことができた。また,より身近な場所
での相談室は,大変好評で口コミでの依頼が増え,「在宅医療と訪問看護」の周知について多
くの方々に知っていただく機会が持てた。
平成27年度の最終年度では,この事業の最も大切な目的の一つである「訪問看護ステーシ
ョン等が開設する医療・介護の相談室づくり」として医師会館を活用した「まちの保健室」づ
くりを目標に掲げていたが相談室である医師会館は来所所が少なく、やはり日常生活圏域(歩
いて20分の圏域)で開催することが大切なポイントと感じた。
いずれにしても高齢者や要援護者が住み慣れた地域で安心して暮らせるためには看護師が訪
問看護で培ってきた医療と介護の連携や情報発信が何より重要で、これらのことを地域の中で
周知し,住民が安心して暮らせるまちづくりに発展させていきたい。
9
期待される成果・波及効果
(1)
①
在宅医療を支える訪問看護事業の啓発効果
訪問看護利用者数の増加
表1
玉島訪問看護サービスセンターの訪問看護利用者の推移
年
②
度
月平均利用者数(実人員)
平成23年度
月平均38人
平成24年度
月平均42人
平成25年度
月平均45人
平成26年度
月平均49人
平成27年度
月平均45人
退院支援がすすみ医療ニーズの高い在宅療養者数,特にがん末期のターミナルケアや
在宅での看取り数の増加
表2
玉島訪問看護サービスセンターの終了者の内訳と推移
区
分
23 年度
24 年度
25 年度
26 年度
27年度
終了
22
30
21
34
34
入院・入所
12
15
11
10
16
(%)
(55%)
(50%)
(52%)
(29%)
(47%)
在宅死亡(%)
5
11
4
13
11
(37%)
(19%)
(38%)
(32%)
(0)
(9)
(2)
(9)
(5)
5
4
6
11
7
(内がんで死亡し
た人数)
その他
(2)
(23%)
地域保健福祉医療活動への貢献
地域包括支援センターや愛育委員会等連携のもと「出張ホッと前相談室」を開催した。
住民の身近な場所で健康や介護に関する相談が実施でき,住民や関係者から満足の声を
聞いた。
また,身近な地域に出向くことで直接要援護高齢者や障がい者等,地域住民の声をきく
ことができ,今後の相談室活動の参考となった。
10
今後に向けて
今後は,保健室のようにこころやからだのこと,介護のことについて地域の住民が気軽に
立ち寄り,「ホッとできる相談室」を目指し,住み慣れた地域や場所での安心した暮らしを
支えていきたいと考えている。
『公益財団法人
在宅医療助成
勇美記念財団の助成による』
脳を鍛える「コグ
ニサイズ」で認知
症予防!
出張「ホッと相談室」で
「 手 足 がほっと一息してね。
ぼ 手がぼっけー
っけ
ー 冷 え て , 冷とうて、辛いんじゃあ
つら
」
いんじゃわあ」
ふれあいサロンでの「ほけん室」
クイズで脳トレ、何点とれるかな?
玉島看護・介護ホッと相談室
看護・介護の悩みを
ひとりで抱え込まないでください
看護や介護の
知識がなく
不安
自宅で
療養したい
ひとり暮らしや
老夫婦ふたりで
心細い
薬を間違えずに
服用したい
お気軽に
ご相談
ください
【玉島医師会館での相談日】
毎週木曜日 10時から16時
月・火・水・金の10時から16時は電話で相談をお受けします
☎まずはお電話ください
086-522-3050
(土日祝・年末年始はお休みです)
〒713-8121 倉敷市玉島阿賀崎1丁目3番20号
(玉島医師会館内)
玉島訪問看護サービスセンター