(3)中国における加工貿易の形態 (4)来料加工と進料加工の比較

(3)
中国における加工貿易の形態
1)
来料加工
中国企業が外国企業との委託加工契約に基づき、
外国企業より
無償で原材料の提供を受け、
加工・生産し、
完成品を委託元である
外国企業に全量輸出する取引形態。
中国企業は加工賃のみを受け
取る。
2)
進料加工
中国企業が売買契約にもとづき、原材料を有償で輸入(もしくは現地で調達)し、
別途、外国企業との委託加工契約に基づき、加工・生産し、完成品を海外へ輸出する
取引形態。
(4)
来料加工と進料加工の比較
来料加工と進料加工の形態の共通点は、
加工貿易の原材料を輸入する際に、
関税・
増値税の支払いが留保されるということである。
一方、
主な相違点として、
外国企業
からの原材料の提供
(輸入)
と製品の引渡し
(輸出)
が無償か有償であるか、取引の主
体が誰であるか、
中国国内販売の可否という点が挙げられる。
■共通点
原材料の輸入に際しては、関税・増値税の支払いが留保される。
■相違点
来料加工
●外国企業からの原材料の提供
(輸入)
と製品の引渡し
(輸出)
が無償。
●外国企業から中国企業には加工賃のみが支払われる。
●取引の主体は外国企業
(委託元)
にある。
●原材料の提供元と製品の引渡し先が同じになる。
●製品の所有権は外国企業にあるため、
国内販売で得た販売代金を対外送金する
必要があるが、
送金許可の取得が困難。
よって、
国内販売が難しい。
進料加工
●原材料の購入
(輸入)
と製品の販売
(輸出)
が有償。
●取引の主体は中国企業
(委託先)
にある。
●原材料の購入元と製品の販売先が異なることもある。
●一定の条件のもと、
関税・増値税などを支払うことで国内販売が可能である。
※ 一般的な2つの形態の比較であるため、異なる場合もある。
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