全体構想 - 水戸市

Ⅱ
全体構想
Ⅱ| 全 体 構 想
第
1章
上 位 計 画 等 に 見 るまちづくりの理 念
1 上位計画等に見るまちづくりの理念
水戸市のまちづくりの基本となる「茨城県都市計画マスタープラン」や「都市計画区域
の整備,開発及び保全の方針(都市計画区域マスタープラン)」並びに「水戸市第 6 次総
合計画」では,以下のような理念が掲げられています。
【ⅰ.茨城県都市計画マスタープラン】
都市づくりの基本理念
『次世代を育み,未来につなぐ 「人が輝き,住みよい,活力ある」都市(まち)』
●誰もが輝き,誇りを持つことのできる都市
・ 誰もが日々の生活や地域とのつながりにおいて,いきがいが感じられるまち
・ 歴史や文化,自然などの地域資源を活用し,地域ブランドとして誇れるまち
●機能を分担しあい,安心して暮らせる都市
・ 商業,福祉,雇用の場などの都市機能が適正に配置され,役割分担し相互に
つながれた,安心して暮らせるまち
・ 環境にやさしく,快適で質の高い暮らしができるまち
●活力が未来へつながる都市
・ 国際競争力のある産業基盤のつくられた活力のあるまち
・ 人・もの・情報が活発に行き交い,多彩な交流が繰り広げられるまち
注 )「 メ リ ハ リ あ る 地 域 」と は ,市 街 化 調 整 区 域 等 で 都 市 計 画 制 度 の 活 用 に よ り ,適 正 な 土 地 利 用 が 図 ら れ て い る 地 域 。
①都市の集約化と活性化
②地域の個性ある発展と相互連携の強化
③連携と交流を支えるネットワークの構築
④自然環境の保全と共生
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【ⅱ.茨城県都市計画マスタープラン ―震災対策編― 】
震災に強い都市づくりの視点
視点 1 震災に強く,しなやかな県土づくり
・生命を守るための減災対策や機能強化
・都市機能を維持する代替性・補完性の確保
視点 2 安全・安心な暮らしを支える生活環境の整備
・震災時の生活維持を支えるコンパクトな都市づくりや地域防災力の向上
・防災性の向上による安全・安心の都市づくり
視点 3 新たな活力の創出と将来の発展に向けた交流・産業基盤の整備
・産業の振興や地域の活性化のための復旧・復興都市づくり
【ⅲ.都市計画区域の整備,開発及び保全の方針(都市計画区域マスタープラン)】
水戸地区は,広域的な道路体系と都市機能の既存集積を活かしつつ ,周辺都市と
の連携のもとに,首都圏及び北関東地域を始めとした広域圏に対応する拠点的な商
業・業務,教育,文化,医療・福祉などの都市中枢機能の充実を図るとともに ,特
性を活かした新たな魅力の創出に努め,水戸・勝田都市計画区域の中心都市として,
中核的都市機能を担います。
【ⅳ.水戸市第 6 次総合計画(都市空間整備構想等)】
人口減少社会,超高齢社会の到来,深刻さを増す地球環境問題など,時代が大き
く変化する中で,これからの都市づくりは,これまでの拡散型の開発志向から,集
積型の持続可能な都市構造に転換し,コンパクトなまちを目指していくことが必要
となっています。
- 水戸市の都市空間整備構想の基本的方向 -
魅力・活力集積型 スマート・エコシティ
時代の変化に対応できるコンパクトな都市構造を展望し,地球環境を保全するととも
に,本市の特徴である豊かな自然環境と共生するエコなまちづくりを進めます。それを
基調として,都市核をはじめ,既存の資源や地域特性を最大限に活用した産業系拠点,
地域生活拠点,交流拠点をスマートに配置し,それぞれの機能や魅力の向上・集積を図
るとともに,連携を強化しながら,地域の活力,都市全体の発展への活力を高めていき
ます。そして,災害に強い都市構造を確立し,住む人にやさしいスマートでエコな先進
都市づくりを目指します。
「魅力・活力集積型 スマート・エコシティ」を構築するため,「水と緑の潤い空間づ
くり」,「都市核・拠点の機能強化・充実と快適な生活環境づくり」,「災害に強い都市基
盤づくり」,「地域特性を生かした魅力あふれる交流ネットワークづくり」を進めること
とします。
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水と緑の潤い空間づくり
自然環境を守り,潤いのある都市空間を形成するために,市民の憩い・交流の拠点となる
既存の緑の積極的な保全と再生を図るとともに,環境に配慮した低炭素・循環型の都市の実
現に向けて,効率的なエネルギー利用の促進等,環境にやさしい都市づくりを進めます。
都市核・拠点の機能強化・充実と快適な生活環境づくり
歩いて暮らせるコンパクトで快適な生活環境の実現を目指し,都市核における都市機能の
集積を促進するとともに,地域生活拠点等の機能のさらなる強化・充実と,拠点間における
機能連携の円滑化を図ります。また,定住化を誘導すべき既成市街地を中心として,生活基
盤の効果的な整備を進めながら,快適に暮らせる生活環境づくりを目指します。
災害に強い都市基盤づくり
東日本大震災や,相次ぐゲリラ豪雨等によって甚大な被害を受けたことを踏まえ ,防災体
制を強化するとともに,都市空間整備の視点からも防災機能の強化・充実を図ります。
防災拠点となる行政庁舎の整備をはじめ,都市基盤施設,ライフラインの改修・更新,河
川の改修など総合的な浸水対策等による災害に強い都市基盤づくりを目指します。
地域特性を生かした魅力あふれる交流ネットワークづくり
豊かな自然や,文化・歴史的資源等,多様な地域資源を生かした水戸ならではの魅力あふ
れる都市づくりを図ります。
水戸市の魅力を発信し,市民や来訪者等の様々な交流を促進する拠点の形成を図るととも
に,機能連携の促進による回遊性の向上と,にぎわいの創出に努めます。
2 市民の意向
2011(平成 23)年 12 月に市民約1万人を対象に「未来の水戸をつくる市民1万
人アンケート(回答者 5,801 人,回答率 57.2%)」を実施したところ,
“今後どのよ
うなまちを目指していくのが望ましいか”という水戸市の方向性に関する意見につ
いては,「災害に強い安全なまち」が最も多く,次いで,「高齢者や障害者が安心し
て生活できるまち」,「都市中枢機能が集積した活気あふれるまち」,「子どもを安心
して育てることができるまち」となっています。また,
「自然に恵まれたまち」,
「健
康でいきがいをもてるまち」,「市民と行政とが互いに協働するまち」も少なくあり
ません。
これからの水戸市が目指すべき方向性としては,市民誰もが安全に安心して暮ら
すことができる,都市機能等が集積した活力あるまちを望んでいることがうかがえ
ます。
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