茶における輸出相手国の残留農薬基準値に対応した防除

「革新的技術開発・緊急展開事業(うち先導プロジェクト)」
研究開発計画名:茶における輸出相手国の残留農薬基準値に対応した防除技術の開発
〔分野〕園芸
〔分類〕個別提案型
〔代表機関〕 (研)農研機構果樹茶部門(先導(茶輸出対応IPM)コンソーシアム)
〔共同研究機関〕 (国)宮崎大、静岡農技研茶研セ、愛知農総試、香川農試、(株)伊藤園
1 研究の背景・課題
茶の輸出において、日本の茶栽培で使用されている農薬の残留基準値(MRL)が輸出相手国では極めて低く
設定されていることが大きな障壁となっている。そこで、茶の輸出を促進するために輸出相手国のMRLに対応
できる病害虫防除体系を構築する。
2 研究の目標
茶栽培で問題となる病害虫のうち、生産現場への普及が期待できる農薬代替防除技術の開発が進んでいるも
のについては、その効果が十分に発揮できる条件の設定、作業の簡便化を図る。一方、農薬代替防除技術が
未開発の病害虫については、出荷時の残留農薬濃度がMRL以下になり、かつ従来よりも効果が高い農薬の使用
方法を開発する。開発技術を慣行防除体系に導入し、茶園で発生する全ての病害虫による被害が最小限に抑
えられる防除体系を構築する。本事業の研究開発期間において開発する防除体系は基本骨格であり、輸出茶
生産地域への導入にあたっては各地域の病害虫の発生状況に適応した防除体系に改変して実用化する。
3 研究計画の概要
1.的確な防除法確立のための病害虫特性の解明
1-(1)高感度な赤焼病診断技術の開発:特異性及び感度が高く省力的な血清学的検出法を開発する。
1-(2)赤焼病菌の生態特性及び発病機構の解明:細菌密度の年間消長及び発病機構を解析して防除適期を再
考する。
1-(3)赤焼病の発病助長現象を利用した抵抗性系統選抜技術の開発:チャの赤焼病抵抗性検定法を開発して
抵抗性系統を選抜する
1-(4)チャノミドリヒメヨコバイ発生生態及び抵抗性機構の解明:発生生態及び加害メカニズムを解明して
防除法の最適化及び抵抗性品種の育成を図る。
1-(5)茶園における天敵温存技術の開発:天敵温存植物の利用技術を開発する。
2.輸出相手国の残留農薬基準値に対応した個別防除技術の開発
2-(1)農薬投下量を低減したナガチャコガネ防除技術の開発:成虫の密度推定法を確立するとともに有効薬
剤を選抜して成虫期防除法を開発する。
2-(2)天敵を活用したチャトゲコナジラミ管理技術の開発:コナジラミ及び天敵の生態を解析して茶園内定
着技術を開発する。
2-(3)散水を利用したチャノミドリヒメヨコバイ管理技術の開発:最適な散水条件を設定し、代替防除技術
との併用による防除体系を構築する。
2-(4)摘採時期変更による炭疽病防除技術の開発:茶芽の生育及び気象条件と炭疽病の発生との関係を解析
して農薬散布の要否判定基準を定める。
2-(5)農薬の適期散布に基づく新梢枯死症防除技術の開発:樹体内での病原菌の年間動態を把握し、より的
確な防除時期を特定する。
2-(6)農薬の適期散布に基づく赤焼病防除技術の開発:発生生態に基づき最適な防除時期を特定する。
3.輸出対応型防除体系の構築
3-(1)作期移動による輸出用茶葉の安定生産技術の開発:収量・品質を維持しつつ病虫害を回避できる作期
移動栽培体系を開発する。
3-(2)天敵の定着化技術の検証及び健全茶園生態系の評価:天敵温存植物を含めた植生管理技術の有効性を
評価し、健全茶園生態系の機能を解明する。
3-(3)減農薬防除体系の評価:開発した個別防除技術を体系化して輸出対応型の防除体系を構築する。
3-(4)有機栽培防除体系の構築及び評価:農薬代替防除技術を組み合わせて体系化する。
茶における輸出相手国の残留農薬基準値に対応した防除技術の開発
(輸出相手国が設定した極めて低い残留農薬基準値に対応した防除体系を構築する。)
基盤研究
開発研究
血清診断法
抵抗性選抜法
農研機構
発生生態(虫害)
抵抗性機構
静岡県 発生生態(病害)
宮崎大
天敵温存技術
体系化・評価
チャトゲコナジラミ防除技術
ナガチャコガネ防除技術
農研機構 炭疽病防除技術
新梢枯死症防除技術
赤焼病防除技術
静岡県
赤焼病防除技術
愛知県
チャノミドリヒメヨコバイ防除技術
香川県
新梢枯死症防除技術
確立した個別防除技術は
可能な限り生産現場で検証
農研機構
農研機構
愛知県
愛知県
宮崎大
宮崎大
伊藤園
伊藤園
減農薬防除体系
減農薬防除体系
無農薬防除体系
無農薬防除体系
茶園生態系
茶園生態系
収量・品質の維持
収量・品質の維持
公設研究機関等を介して
生産地へ技術及び情報提供
生物的防除
物理的防除
耕種的防除
チャトゲコナジラミ
チャノミドリヒメヨコバイ
炭疽病
2-(2) 害虫及び天敵の発生
1-(5) 生態と天敵温存植物
1-(4) 発生生態と抵抗性機構
2-(4) 摘採時期変更による
防除
2-(2)
天敵利用技術
3-(2)
2-(3) 散水による管理技術
3-(1) 作期移動による安定
生産技術
3-(3), (4) 慣行防除体系に開発技術を導入
新たな輸出対応型
栽培体系の構築
輸出相手国が設定した極めて低い残留農薬基準値に
対応した防除体系
3-(1) 作期移動による
安定生産技術
2-(1) 成虫期防除技術
2-(5) 農薬の適期散布
2-(6) 農薬の適期散布
1-(3) 抵抗性系統
2-(1) 成虫の密度推定法
2-(5) 病原菌の年間動態
1-(1) 血清学的検出法
1-(2) 生態特性及び発病機構
ナガチャコガネ
新梢枯死症
赤焼病
化学的防除
問い合わせ先:(研)農研機構果樹茶業研究部門
TEL:0547-45-4101