プログラム - 一般社団法人 三多摩腎疾患治療医会

[三多摩腎疾患治療医会]
第 72 回研究会
プログラム
および
演題要旨
*当日、参加費壱千円を徴収させて頂きます。
平成28 年 11 月 6 日(日)
於:杏林大学大学院講堂
三多摩腎疾患治療医会
[第 72 回研究会
プログラム]
2016 年 11 月 6 日(日)
13:00~16:35
於:杏林大学大学院講堂
<開会の辞>
Ⅰ.
一般演題
理事長
(発表 8 分
要
伸也
討論 4 分)
座長:尾田高志
13:00-13:05
13:05-14:53
13:05-13:41
1. 『カプセル内視鏡にて小腸出血と診断するまで大量輸血を要した透析患者の一例』
(医)町田慶泉病院内科 1、同外科 2
三嶋 晃 1, 田中政枝 1, 窪田 勉 1, 秋丸琥甫 2, 中西 泉 2
2. 『Ptx 後に移植腺の異形成が指摘され 3 回の自家移植腺摘除に至った症例』
東海大学医学部付属八王子病院
都川貴代、巽 亮子、石田真理、角田隆俊
3. 『当科における幼児から成人への脳死腎移植の 1 例』
東京科大学八王子医療センター 消化器外科・移植外科
郡司崇裕、横山卓剛、岩本 整、中村有紀、今野 理、木原
座長:角田隆俊
優、河地茂行
13:41-14:17
4. 『当院における腎移植後再発 IgA 腎症の治療成績』
東京医科大学八王子医療センター 腎臓内科 1 消化器外科・移植外科 2
山田宗治 1、藤井理恵 1、小松秀平 1、大島泰斗 1、廣瀬剛 1、小島糾 1、杉崎健太郎
1
、冨安朋宏 1、吉川憲子 1、中村有紀 2、岩本整 2、 河地茂行 2、尾田高志 1
5. 『慈恵医大附属第三病院における多発性嚢胞腎遺伝カウンセリング外来開設とその経
過報告』
東京医慈恵会医科大学附属第三病院 腎臓・高血圧内科 1、医療連携室 2
花岡一成 1,2, 上田裕之 1, 加藤順一郎 1, 田中
中村幸生 2
舞 1, 中島章雄 1, 高橋大輔 1,
6. 『多摩地区における腹膜透析の現況と課題』
杏林大学医学部第一内科、多摩 PD 研究会 WG
福岡利仁、富安朋宏, 中林巌, 吉田 啓、小島 糾、河原崎宏雄, 村上円人、清水英樹、
軽部美穂、要 伸也、有村義宏
座長:副島昭典
14:17-14:53
7. 『外来透析患者におけるフレイル評価』
医療法人(医)欅会東久留米クリニック
和泉 維
8. 『災害時アクションカードの評価』
調布東山病院・透析センター
阪本貴裕、新町範充、菊池万里絵、片牧 漠、上原敏子、松岡一惠、宮原 香、三浦
亜衣香、 鈴木美智子、富樫充彦、村岡和彦、中岡秀光
9. 『電気的インピーダンスを用いたシャント血流量の測定に関する基礎検討』
杏林大学保健学部 臨床工学科
柏木ともか,須田健二,副島昭典
∞∞∞
Coffee
Break
∞∞∞
Ⅱ. 新理事長講演
座長:吉田雅治
『三多摩腎疾患治療医会の今後の方向性』
三多摩腎疾患治療医会 理事長 要 伸也
Ⅲ.
特別講演
14:53-15:10
15:10-15:30
15:30-16:30
座長:要 伸也
『高齢者 CKD のサルコペニア対策』
浜松医科大学医学部附属病院 血液浄化療法部 教授
加藤明彦 先生
<閉会の辞>
副理事長
吉田雅治
16:30-16:35
【演題要旨】
1. 『カプセル内視鏡にて小腸出血と診断するまで大量輸血を要した透析患者の一例』
(医)町田慶泉病院:三嶋 晃
【症例】82 歳男性
【経過】平成 26 年 4 月、糖尿病性腎症にて血液透析導入される。その後、外来にて輸血を
繰り返していた。同年 8 月、精査加療目的にて当院紹介入院となる。
【入院時データ】Hb6.9g/dl フェリチン 65.7ng/ml 便潜血反応(+)タール便なし
上下部内視鏡では回盲部の憩室を認めるのみ。前医で指摘されていた肛門部腫瘍を局麻下
に摘除。その後、貧血は改善した。しかし、第 43 病日に Hb5.8g/dl と重症貧血を認めた。
回盲部憩室に EBL(内視鏡的バンド結紮)施行。その後、輸血・ESA 増量にて対応していた
が、第 100 病日にタール便を認めた。近医胃腸病院にカプセル内視鏡依頼し、空腸からの
潰瘍出血を確認し止血された。その後、貧血は改善し第 158 病日に退院された。入院中輸
血 MAP66 単位を要した。【結語】迅速な貧血診断が求められる。
2. 『Ptx 後に移植腺の異形成が指摘され 3 回の自家移植腺摘除に至った症例』
東海大学医学部付属八王子病院:都川貴代
【はじめに】今回、我々は Ptx 後、移植に用いた腺の異形成が指摘され 3 回の自家移植腺
の摘除に至った症例を経験した。摘出自家移植腺と摘除時の PTG の病理学的な検討を行っ
た。 【症例】66 歳、男性。透析歴 36 年。20 年前に他院にて副甲状腺 3 腺摘出+自家移
植術が施行された。自家移植に用いた腺に高度の異型性が指摘され術後約 1 か月、5 年と 2
回の摘出術が施された。今回副甲状腺機能コントロール目的で当院受診となった。
【経過】まず自家移植腫の摘除を施行した。摘出自家移植腺と 20 年前の源腺には、同様に
組織の陥入像を認めた。20 年前の摘出3腺の中で陥入像を認めたものは本腺のみであった。
【考察】自家移植に用いた腺は 7.7g と摘除最大腺であった。高度に腫大した腺には陥入像
が認められる傾向があり自家移植腺もその性質を引き継いで移植部位で腫大し機能亢進に
至る可能性が高いと考えられる。
【結語】自家移植腺の選択は慎重を来す必要があると再認識した。
3.『当科における幼児から成人への脳死腎移植の 1 例』
東京医科大学八王子医療センター 消化器外科・移植外科:郡司崇裕
レシピエントは 64 歳、女性。30 歳妊娠時に高血圧を指摘。以後徐々に腎機能低下し 44 歳
時に血液透析導入。同時期に献腎登録施行。今回脳死提供腎第 2 候補として腎移植目的に
入院。ドナーは 6 歳未満の女児。低酸素性脳症により脳死状態となり、両親より臓器提供
の申し出ありドナーとなる。提供腎は右腎、腎重量 60g。手術時間 3 時間 24 分、総阻血時
間 6 時間 26 分。術翌朝より尿流出確認し徐々に尿量の増加、S-Cr の低下を認めた。第 11
病日に特発性小腸穿孔認め緊急手術。術後の腎機能悪化は認めなかった。第 25 病日に臨床
的に急性拒絶反応を認め、移植腎生検後ステロイドパルス療法施行。施行後も腎機能の軽
快認めず、移植腎病理診断からも T 細胞関連型急性拒絶反応の診断を得たためサイモグロ
ブリンの投与を行った。以後徐々に腎機能改善し第 54 病日に退院。今回我々は幼児より成
人に移植された脳死腎移植の 1 例を経験したので報告する。
4.『当院における腎移植後再発 IgA 腎症の治療成績』
東京医科大学八王子医療センター 腎臓内科: 山田宗治
IgA 腎症は最も頻度の高い慢性糸球体腎炎であり、20 年で約 4 割の患者が末期腎不全
に至る。移植腎における IgA 腎症の再発率は、組織学的には 50-60%、臨床所見も含めた
再発では 13-50% であると報告されている。一方、IgA 腎症の標準的な治療法に関しては
国際的には十分確立されていないものの、わが国では両側口蓋扁桃摘出術とステロイドパ
ルス(扁摘+パルス)療法が根治をめざした治療法として普及し、全国的に数多くの施設
で実施されている。また腎移植後の再発 IgA 腎症においても扁摘+パルス療法の有効性が
報告されてきている。当院においても、最近5例の腎移植後再発 IgA 腎症に対して扁摘+
パルス療法を実施し、2例に尿異常所見の完全消失を、1例に尿所見の明らかな改善を認
めた。当院で経験した移植後再発 IgA 腎症症例の代表的な臨床経過と蛍光抗体を含めた組
織所見の経時的変化を呈示するとともに、治療抵抗例に対する今後の治療計画についても
報告する。
5. 『慈恵医大附属第三病院における多発性嚢胞腎遺伝カウンセリング外来開設とその経過
報告』
東京医慈恵会医科大学附属第三病院 腎臓・高血圧内科:花岡一成
【背景】多発性嚢胞腎は両側腎臓に嚢胞が多数形成し,腎障害進行が進行する遺伝性疾患で,
腎障害治療のほか,心理的なサポ―トも重要である.
【遺伝カウンセリング外来開設の経緯】
多発性嚢胞腎の通常診療での遺伝関連の相談への対応は時間的な制約などから難しい.そ
のため当院では 2015 年 9 月 1 日より自費診療の遺伝カウンセリング外来を開設した.
【カウンセリングのまとめ】
開設より 2016 年 8 月 30 日までの 1 年間に,14 症例の遺伝カウンセリングを実施.紹介元は
院内 5 名(35.7%),その他 9 名(64.3%). 発症者 12 名(85.7%),未発症者 2 名(14.3%).カウン
セリング内容は,80%以上:遺伝一般,疾患概念,経過,予後,生活上の注意,治療について,
15~40%:結婚・妊娠,子への遺伝,腎移植であった.これまでに遺伝子解析を 5 名(35.7%)に
実施.
【まとめ】本邦初となる多発性嚢胞腎遺伝カウンセリング外来には慈恵以外の医療機関か
らの紹介患者も多く,地域の多発性嚢胞腎診療の質の向上に貢献できる可能性がある.
6. 『多摩地区における腹膜透析の現況と課題』
杏林大学医学部第一内科、多摩 PD 研究会 WG:福岡利仁
多摩地区における腹膜透析(PD)の発展・質の向上のため、多摩 PD 研究会が設立され、さ
らに、共同で多摩地区 PD 患者の現状・問題点を明らかにするためのワーキング・グルー
プが設立され、活動している。これまでの結果から、多摩地区では PD 施設が約 15 施設、
およそ 400 名の患者が治療され、その多くが 60 歳未満であることが明らかになった。平
均の年間導入数は 70 名弱で、原疾患としては、糖尿病、慢性腎炎、腎硬化症がそれぞれ
お 3 割ずつをしめていた。一方、平均 PD 継続期間は 44 ヶ月で、離脱は年間約 60 名、多
職種での診療・カンファレンスが行われている施設ほど、導入数も継続率も良好であっ
た。離脱の原因としては、腹膜炎が最多で除水不足、腹膜機能低下がこれに続いた。腹
膜炎については、65%が完治するもののドロップアウトは 33%にのぼり、起因菌はグラム
陽性菌が最も多かった。また、治療に際しては、抗生剤の IP+IV が最も成績が良く、2〜
3 週間の投与が予後の点から望ましいと考えられた。また、昨今クローズアップされてい
る PD 患者の MBD 問題では、高リン血症の症例が多く、経年的にリン吸着薬の投与量・種
類とも増加する傾向が認められた。今回われわれは、多摩 PD 研究会共同研究 WG の主導
したアンケート調査の結果、過去 3 年分のデータを解析し報告する。
7.『外来透析患者におけるフレイル評価』
医療法人(医)欅会東久留米クリニック:和泉 維
【背景および目的】厚生労働省が作成した基本チェックリストを用いてフレイルを判定
し、その構成要因を身体機能、血液データ、透析条件から検討し、また登録 1 年後の死亡
率について検討した。
【対象】当院及び関連施設で血液透析治療を行っており ADL が自立している 65 歳以上の患
者
【方法】大腿四頭筋厚、握力、歩行速度、基本チェックリストを用いてアンケート調査を
行った。
うつを除く 20 項目で 7 点以上をフレイルとした。
【結果】フレイルの有無に影響を及ぼす因子として、男性で握力と栄養状態指標であるプ
レアルブミン、女性で筋肉量を反映する大腿四頭筋の厚さが抽出された。
フレイル患者はそうでない患者と比較して 1 年後の死亡率が有意に高かった。
【考察】男性ではサルコペニア以前の筋力低下や栄養状態、女性ではまさにサルコペニア
がフレイルの要因ではないかと考えた。
8. 『災害時アクションカードの評価』
調布東山病院・透析センター:阪本貴裕
調布東山病院は、2011 年に免震構造を有する建物に建て替えた後、2014 年から全職員参加
の地震防災訓練を毎年行っている。訓練に当たり、透析センターではアクションカードを
導入した。今年 3 回目を迎え、アクションカードが、スタッフの災害時行動にどの程度影
響しているか検討・評価した。
【目的】災害時に透析センタースタッフの行動指針になるア
クションカードを評価する【方法】
(1)訓練でアクションカードを基に行動する(2)訓
練前後のアンケートで評価する【結果】アクションカードは、災害時におけるスタッフの
行動の指針として有用であった。
【まとめ】訓練を通して誰もが使えるアクションカードを
目指して改良を続けたい。
9.『当院の『電気的インピーダンスを用いたシャント血流量の測定に関する基礎検討』
杏林大学保健学部 臨床工学科:柏木ともか
【目的】本研究では電気的インピーダンスを利用した抜針検知や再循環測定システムの開
発を行っており、本研究会で報告を行ってきた。今回は同システムを応用して内シャント
の血流量の測定が可能であるか検討を行った。
【方法】模擬シャントを作成し、ポンプで模擬血液を循環させた。模擬シャントの上流側
に返血回路を接続し、下流側に脱血回路を接続した。電極アダプターを脱血回路に設置し
た。透析装置の設定を HD モード、Q B 200 mL/min とした。模擬シャントの血流量を 200~
1000 mL/min まで変化させた。シャント血流量の測定は、先ず静脈側チャンバーへ生理食
塩水を注入し、脱血側の電極アダプターで電気的インピーダンスを計測した。次に AVR マ
イコンでシャント血流量を算出した。
【結果・考察】模擬シャントの血流量(設定値)と本システムの血流量(計測値)との誤
差は±10~20%であった。電気的インピーダンスを用いたシャント血流量の測定が可能であ
ることが示唆された。
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≪賛助会員名簿≫
賛助会員として本会にご支援、ご協力いただいている企業は以下の通りです。
社名を掲載し、敬意と感謝の意を表します。(五十音順)
協 和 発酵キ リン株式 会 社
株式会社ジェイ・エム・エス
中 外 製 薬 株 式 会 社
東レ・メディカル株式会社
鳥 居 薬 品 株 式 会 社
ニ プ ロ 株 式 会 社
バ ク ス タ ー 株 式 会 社
扶桑薬品工業株式会社
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