第 12 回 平成 28 年 11 月 5 日(土) 11: 00~12:10 『 (株)キャステムについて』 と だ た く お 株式会社キャステム 代表取締役社長 戸田 拓夫 氏 戸田氏から、初めにキャステム、キャステムの製品について、そしてロストワックス、 メタルインジェクション製法等について紹介があった。また、工法別売上比率と海外生 産比率、お得意先別生産比率についての説明があった。その中で、交渉力の低下を防ぐ ために取扱比率の高いお得意先を持たないとのお話があった。ロストワックス、メタル インジェクション製法については、キャステムが創業時に製菓業を営んでいたことがル ーツにあるとのことである。 戸田代表取締役社長 講義の様子 次に、戸田氏の半生を振り返りながら、キャステムの海外進出についてお話があった。 海外進出について、フィリピン進出、その後のコロンビア進出について話があった。進 出の理由の一つとして、進出当時はそれらの国に進出する企業がほとんどなく、他社と の人材の獲得競争がなかったことをあげられた。また、フィリピンについては通貨の変 動を、経営にうまく反映できたことのことであった。一方、在庫等の理由から、フィリ ピン工場の経営が悪化することもあり、すべてが順風満帆ではなかったとのこと。しか し、直面する問題に対しては向き合い、生産効率を改善することにより乗り切ったとの ことである。 そして、キャステム社の現在の取り組みについて説明があり、今までにないファスナ ー、車いすや野球用スパイクなど開発することにより今までにない金属の付加価値を追 求していること、企業のトップが従業員の意見を集約しやすくまた従業員が企業のトッ プの意見を反映しやすい環境づくりなどについてお話しされた。さらに、わくわくする ような取り組みも多数行っている。例えば、全日本製造業コマ対戦に参戦、飛び出す名 刺の作成、工場内にアイディアカフェを設置するなどしている。また、従業員が 20 年 後の会社について考える夢構想発表会も行い、その中のアイディアとして、秋葉原にア イアンカフェをオープンしている。 最後に、戸田氏の紙飛行機への取り組みについてお話があった。その中では、ギネス 記録を達成したこと、折り紙飛行機を宇宙から飛ばすなどの取り組みをしたことなどお 話があった。 多くの示唆に富んだ講演であったが、特に印象的であったのは戸田氏の常に問題を「突 破」しようとする姿勢である。「夢だ、希望だと軽々しく口にしても決して叶わない。 険しい道のりを突破してきたものだけにその権利がある」とおっしゃるように、夢や希 望に常に向かい、壁にぶつかりながらも試行錯誤しながら乗り越えていく姿勢がなけれ ば、海外を含めたどの地域であっても活躍できないことを意識づけられる講義であった。
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