高島屋３～８月期連結決算の純利益が 2 3 ％落ちた、と新聞に載っていた。この間まで「爆買いだぁ」なんてデパートは大喜びしていたけど、あれは一時の出来事、この数年で消費者の買い物の仕方が大きく変わったということだ。アマゾンというネット業界の怪物がいる。今では１兆円を超す売り上げがある。店舗があるわけでもなく品物が並べてあって手に取って選べるわけでもない。ネット販売に味気なさを感じるのは古い人間だからか。化粧品であれ洋服であれ、デパ地下にある各地の物産だって、いろんな商品を見て、手に取って心をときめかす、買い物は文化だと思う。絵画や彫刻だって、音楽を聴くことも、歴史のある家屋や街並みを歩くことだって、デパートやスーパーで買い物することと同列、わくわくする、それこそが文化なのだ。「心ときめくことが文化？そりゃ、単純すぎるよ、君。文化ってもっと深いものだよ」と文化人に反論されそうだが、そんなにしかめっ面をすることもない。ノーベル文学賞に『風に吹かれて』、フォークソングを歌うボブ・ディランが入った。心を揺らす歌だからだ千葉にある『そごう柏店』が９月末閉店した。昔は、いや今だってそうだと思うが、まちに百貨店があるのは「どうだ！」と自慢のできることだ。柏の市民は落胆したに違いない。イオンが太田に進出するとき、イオンの社長に「戸塚と同じように西武百貨店を併設して欲しい」とお願いしたことがある。買い物はあちこち見比べしながら「これを買おう」と決めていく、わくわくしながら、心ときめかしながら。太田に必要だと思った。ネットに押されて買い物文化が消えていく、何とも寂しい。