トランプ大統領誕生と世界・日本経済への影響

2016 年 11 月 10 日
経済レポート
けいざい早わかり(2016 年度第 9 号)
トランプ大統領誕生と世界・日本経済への影響
調査部 研究員 土田 陽介
【目次】
Q 1 .選 挙 結 果 は ど うなり ま した か ? ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ p . 2
Q2.なぜト ランプ大統領が誕生したのでしょうか ?・・・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・ ・・・・・・ ・・p.3
Q 3 .米国 経済 に とっ てどの よ うな影 響が あり ますか ? ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・・ ・・ ・ ・ ・ ・・ ・ p.4
Q4.金融市場や世界経済に対してどのような影響が考えられますか?・・・・・・・・・・・・・・・・p.5
Q5.日本にはどのような影響が考えられますか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・p.5
ご利用に際してのご留意事項を最後に記載していますので、ご参照ください。
(お問い合わせ)調査部
TEL:03-6733-1070
E-mail:[email protected]
1/6
Q1.選挙結果はどうなりましたか?

2016 年 11 月 8 日 に 米 国 で 大 統 領 選 挙 ( 正 確 に は 一 般 有 権 者 に よ る 大 統 領 選 挙 人 に 対
する投票)が行われました。

そ の 結 果 、 図 表 1 に あ る よ う に 、 共 和 党 の ト ラ ン プ 候 補 が 選 挙 人 を 279 人 獲 得 し た 一
方 で 、民 主 党 の ク リ ン ト ン 候 補 は 2 2 8 人 に と ど ま り ま し た( 情 報 は 1 6 年 1 1 月 1 0 日 午
前 7 時 時 点 )。 選 挙 人 に よ る 投 票 は 1 2 月 中 旬 が 予 定 さ れ て お り 、 こ れ を 受 け て 翌 1 7
年 1 月上旬に大統領及び副大統領が正式に決定されますが、この間に結果が覆ること
は ま ず あ り ま せ ん 。そ の た め 、ト ラ ン プ 候 補 が 1 7 年 1 月 2 0 日 に 、第 4 5 代 の 大 統 領 に
就任する見込みです。

同時に行われた上下両院の議会選挙でも、トランプ候補を擁した共和党が勝利しまし
た( 図 表 2 )。事 前 の 結 果 予 想 で は 、民 主 党 が 上 院 を 制 す る 公 算 が 大 き い と さ れ て い ま
したが、それが覆された形となりました。なお一連の選挙結果を受けて、年明けから
開 催 さ れ る 115 議 会 ( 17∼ 18 年 ) で は 、 112 議 会 ( 11∼ 12 年 ) 以 降 米 国 で 続 い て き た
「 分 割 政 府( 大 統 領 の 出 身 政 党 と 議 会 の 多 数 派 で あ る 政 党 が 異 な る 状 況 )」が 解 消 す る
運びになりました。

選挙戦終盤の支持率は、民主党から出馬した元国務長官のクリントン候補が共和党か
ら出馬した実業家のトランプ候補を上回っていました。双方が醜聞合戦を繰り広げる
異例の展開となる中で支持率は拮抗し、選挙戦後半にかけてトランプ候補の失言を受
けてクリントン候補が支持率を大きく伸ばす局面もありましたが、選挙戦終盤に私用
メール問題(クリントン候補が国務長官時代に公務で私用のメールアドレスを使用し
ていた問題)を巡ってFBI(連邦検察局)がクリントン候補に対する捜査を再開し
たことなどを受けて、支持を決めかねていた有権者の浮動票がトランプ大統領に流れ
たと考えられます。
図表1.大統領選挙の結果
(人)
300
図表2.議会選挙の結果
議会の勢力図(17年∼)
選挙人獲得者数
250
上院
民主党, 47
共和党, 51
下院
民主党, 192
共和党, 239
200
150
100
50
0
クリントン候補
トランプ候補
選挙人獲得数
( 注 ) 日 本 時 間 11月 10日 午 前 7 時 時 点 。
(出所)AP通信
0%
20%
40%
60%
80%
100%
過半数
(出所)AP通信
Q2.なぜトランプ大統領が誕生したのでしょうか?

トランプ候補を大統領に押し上げた最大の推進力は、米国民の間に広がる現状への不
満、つまり変化を求める声にあったと考えられます。
ご利用に際してのご留意事項を最後に記載していますので、ご参照ください。
(お問い合わせ)調査部
TEL:03-6733-1070
E-mail:[email protected]
2/6

国民が抱く現状への不満は多岐にわたりますが、その1つに、深刻化する所得格差の
問 題 が あ り ま す 。 所 得 階 層 ご と に 米 国 の 実 質 所 得 の 変 化 率 を 08 年 と 14 年 で 比 べ て み
る と 明 ら か な よ う に 、米 国 で は 0 8 年 に 生 じ た 金 融 危 機 以 降 に 経 済 格 差 が 顕 著 に 拡 大 し
ま し た( 図 表 3 )。つ ま り「 富 め る 者 は ま す ま す 富 み 、貧 し き 者 は ま す ま す 貧 し く な る 」
という「マタイの法則」の状態に、米国は陥っています。この間、株高が進むなどし
ましたが、そうした恩恵は「富める者」に集中したことになります。

また世代間格差の問題も深刻化しており、その端的な例として、大学授業料の高騰が
挙 げ ら れ ま す 。 06 年 か ら 15 年 ま で の 10 年 間 で 、 米 国 の 消 費 者 物 価 指 数 ( C P I ) は
17.6% の 上 昇 に と ど ま り ま し た 。 し か し 、 教 育 関 連 費 に 限 れ ば 、 そ の 上 昇 率 は 48.4%
に ま で 高 騰 し て い ま す( 図 表 4 )。米 国 で も ま た 大 学 を 卒 業 す る か ど う か で 生 涯 賃 金 に
大 き な 差 が 出 る た め 、学 生 は 多 額 の ロ ー ン を 組 ん で ま で 大 学 に 通 う こ と を 選 択 し ま す 。
しかしながら、低金利とはいえその返済の重みに耐えきれずに自己破産をする若者が
後を絶たず、深刻な社会問題になっています。

さらに、時代の変化から取り残された人々の不満も高まっていました。産業構造の変
化や宗教観・価値観の多様化についていけない人々の不満が、米国では着実に高まっ
ていました。そうした人々を中心に、中南米からを中心とする移民に対する排斥の機
運も強まりました。現状に強い不満を持つ有権者にとって、そうした環境を作り出し
たのは民主共和両党の主流派、つまり中道政治に他なりません。言い換えると、中道
政治の担い手であったヒラリー候補や共和党の多数派には米国の将来を委ねることが
できないわけです。発言に一貫性がなく失言も多い、まして政治経験が一切ない人物
でも、浮き沈みが激しいながらも不動産王として財をなし、既存の政治の枠組みに納
まっていないトランプ候補であれば、現状を打破してくれるかもしれない。そういっ
た有権者の声が、トランプ候補を勝利に導いたと考えられます。
図表3.拡大する所得格差
(%)
図表4.高騰する学費
(2006年=100)
家計の実質所得(2008/14年の変化率)
4
2.9
1.1
2
1.9
160
1.3
学費(左目盛)
1.2
1.1
130
-1.2
-2
1.4
学生ローン残高(右目盛)
150
140
0
(2006年=100)
学費と学生ローン
1.0
120
0.9
110
-4
-3.7
0.8
100
-6
-8
-8.4
-10
0.7
90
0.6
80
0.5
70
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
低←所得階層→高
Ⅴ
0.4
06
上位5%
07
08
09
10
11
12
13
14
15
(年)
( 注 ) 20パ ー セ ン タ イ ル ず つ 5 階 級 に 別 れ る 。
(出所)米商務省センサス局
(注)学費は消費者物価ベース。
( 出 所 )米 労 働 省 及 び 米 連 邦 準 備 制 度 理 事 会( F R B )
Q3.米国経済にとってどのような影響がありますか?

トランプ候補は演説や討論のたびに主張を変化させているため、一貫した政策ビジョ
ンを必ずしも有していないと考えられます。実際、開票作業が進むにつれてトランプ
ご利用に際してのご留意事項を最後に記載していますので、ご参照ください。
(お問い合わせ)調査部
TEL:03-6733-1070
E-mail:[email protected]
3/6
大統領が誕生する可能性が高まると、金融市場では新大統領の政策運営に対する不透
明 感 を 嫌 気 し て リ ス ク オ フ の 動 き が 加 速 し 、 ド ル 円 レ ー ト は 一 時 101 円 台 に 突 入 し ま
し た( 図 表 5 )。そ の 後 金 融 市 場 の 混 乱 は い っ た ん 収 束 し 、ド ル 円 レ ー ト は 1 0 5 円 台 ま
で水準を戻しましたが、今後もしばらくは政策運営を巡る不透明感が金融市場の不安
材料として残るでしょう。年明け以降、新大統領の政策運営の内容が見えてくるにつ
れて、今後はその実現可能性が問われることになりそうです。

こうした中で米国の政策金利(FFレート)の先物カーブを見ると、大統領選挙後は
若 干 ス テ ィ ー プ 化 し て お り 、追 加 利 上 げ 観 測 が 後 退 し た わ け で は あ り ま せ ん( 図 表 6 )。
連邦準備制度理事会(FRB)は金融市場の安定を確認しながら年内の利上げを模索
するでしょうが、来年以降を見通しても、追加の利上げに対して慎重なスタンスで臨
むでしょう。もっとも、金融市場の動揺次第では、追加利上げを当面の間見送らざる
を得ない状況に追い込まれるかもしれません。

他方で実体経済面では、トランプ候補は法人税の引き下げやインフラ整備を進めると
明言しています。確かに米国の表面税率は世界的に見ても高水準ですが、それによっ
て米国よりも法人税率が低い国(例えばアイルランド)への投資が減り、国内に投資
が回帰する保証はありません。インフラ整備に関しても財源の問題があるため、規模
は限定されると考えられます。したがって、こうした取り組みが景気を押し上げると
しても、その効果は限定的にとどまる見通しです。

そして、現職のオバマ大統領の下で整備されてきた経済政策が大きな転換を迎える可
能性があります。具体的には、医療保険制度(オバマケア)の廃止や環太平洋パート
ナーシップ(TPP)協定からの離脱などが考えられます。オバマ大統領が進めよう
と し て い た 移 民 制 度 改 革 も 、移 民 を 制 限 す る 方 向 に 転 じ る こ と に な る か も し れ ま せ ん 。
他方で、金融規制に関しては緩められる可能性があります。トランプ候補はオバマ政
権下で成立した「ドッド=フランク法」をほぼ全廃する意向を示しています。併せて
0 8 年 の 金 融 危 機 を 受 け て 誕 生 し た 巨 大 金 融 機 関 の 解 体 を 進 め て 、納 税 者 負 担 を 軽 減 す
る観点から「大き過ぎて潰せない」問題の解消を図る可能性もあります。一方で、F
RBの業務に対する干渉を強めようとするかもしれません。
図表5.ドルは一時暴落後に急騰
(円/ドル)
106
図表6.年内利上げ観測は後退せず
(年利、%)
1.00
ドル/円レート(2016年)
105
FFレートの予想水準
FFレート
0.75
大統領選挙前(11/8)
104
大統領選挙後(11/10)
103
0.50
102
0.25
101
100
0.00
10
11
14
15
16
( 出 所 ) Bloomberg
( 注 ) 11月 10日 午 前 7 時 時 点
( 出 所 ) Bloomberg
ご利用に際してのご留意事項を最後に記載していますので、ご参照ください。
(お問い合わせ)調査部
17
(年、月)
(月、日)
TEL:03-6733-1070
E-mail:[email protected]
4/6

そして任期を通じて懸念されることは、米国が「政策停滞」に陥る可能性があること
です。分割政府は解消されたものの、トランプ候補と共和党の多数派との関係は必ず
しも良好ではありません。そのため、同じ政党が制したにもかかわらず、大統領と議
会との対立が先鋭化するかもしれない状況です。そうした中で、議会が可決した法案
に対して、大統領が拒否権を発動する頻度が上がるかもしれません。あるいは大統領
が特別教書で議会に対して立法措置の勧告を繰り返し、それを議会が否決し続けるこ
とになるというパターンが定着する展開も考えられます。

いずれにせよ、新大統領によってスムーズな政策運営がなされるかは不透明な情勢で
す。米国でも、いわゆる「決められない政治」が常態化する中で国民の間で政治不信
が一段と高まり、米国の政治制度にさらなる亀裂がもたらされるシナリオも否定でき
ません。
Q4.金融市場や世界経済に対してどのような影響が考えられますか?

トランプ大統領の誕生によって世界経済が大きな影響を受けることはまず考えにくい
と言えます。もっとも、トランプ大統領の政策運営が世界の金融市場に対して与える
影響を見極めるまで、相場は荒れ模様の展開が続くでしょう。金融市場の動揺の度合
いによっては、世界景気に下振れ圧力がかかるかもしれません。

金融市場への影響を展望すると、まず株と債券に関しては、投資家がリスク回避志向
を拭えない中で、株安・債券高の流れが世界的に定着すると考えられます。もっとも
新政権下で減税など景気刺激的な政策が打ち出されるとともに、それが実現できそう
だという期待が高まれば、米国で株高・債券安の流れが進むとみられます。それが投
資家のリスクセンチメントの改善につながり、世界的な株高・債券安に転じる可能性
も当然あります。

為替レートに関しては、当面は対ドルに対する動きが別れそうです。リスクオフの際
に買われやすい日本円やスイスフランに対しては、ドル安基調が定着するとみられま
す。他方で売られやすい資源通貨や新興国通貨は、基本的にはドル高基調で推移する
見 通 し で す 。リ ス ク 回 避 志 向 が 和 ら い で も 低 リ ス ク 通 貨 に 対 す る ド ル 安 基 調 は 崩 れ ず 、
FRBの利上げが緩やかなテンポにとどまることなどから、全般的なドル高局面が訪
れることは考えにくい情勢です。

政 治 面 で も 、内 向 き 志 向 の 流 れ が 世 界 的 に 広 ま る 可 能 性 が 考 え ら れ ま す 。17 年 に は 欧
州 で 大 型 の 国 政 選 挙 が 立 て 続 け に 予 定 さ れ て い ま す ( 3 月 に オ ラ ン ダ 総 選 挙 、 4∼ 5 月
に フ ラ ン ス 大 統 領 選 挙 と 6 月 に 同 総 選 挙 、 9 月 に ド イ ツ 総 選 挙 )。 い ず れ の 国 で も 移 民
問題や所得格差への反感が高まっており、トランプ大統領の誕生がこうした動きを刺
激する可能性は否定できません。
Q5.日本に対してどのような影響が考えられますか?

大 統 領 選 挙 翌 日 の 1 1 月 9 日 の 東 京 市 場 で は 、ト ラ ン プ 候 補 が 優 勢 で あ る こ と が 伝 わ る
とリスクオフの動きが強まり、円高株安が進みました。ただニューヨーク市場での株
ご利用に際してのご留意事項を最後に記載していますので、ご参照ください。
(お問い合わせ)調査部
TEL:03-6733-1070
E-mail:[email protected]
5/6
価 上 昇 や ド ル 高 を 受 け て 、10 日 の 東 京 市 場 で は 円 安 株 高 の 流 れ に 転 じ ま し た 。先 に 述
べたように金融市場が再び動揺するリスクは残りますが、現状の金融市場の状態が維
持されれば、大統領選挙の結果が日本の景気に及ぼす影響は限定的と考えられます。

通商政策や外交政策(とりわけ東アジアとの関係)の見直しに関して見れば、トラン
プ候補の過激な主張がどれだけ実施に移されるかが明らかになるためには、一定の時
間が必要です。したがって日本が何か直ぐ影響を受けることはないと考えられるもの
の、長い目で見ると様々な影響が考えられます。

通商・貿易面では、トランプ候補の勝利によって米国がTPPに批准しない可能性が
高まったため、TPPの発効は難しいと考えられます。TPPをはじめとする経済連
携協定の締結は安倍政権の成長戦略の一つに位置づけられていましたので、成長戦略
の見直しも迫られることになるでしょう。例えば、国内における農業改革は、事実上
TPPの合意を前提としていたため、TPPが発効しない場合には、農業改革の進展
が遅れることになるかもしれません。また日本からの工業製品の輸出がこれまで期待
していたほど伸びないと考えられます。

外交面では以下で述べるような影響が考えられます。トランプ候補は日米安保条約が
不公平であり、在日米軍の経費負担を日本に求めると繰り返し述べてきました。その
ため、日本の防衛関係費の積み増しなど財政負担が増加することになるかもしれませ
ん。また外交における孤立主義の立場を強める観点から、新政権が対アジア戦略を見
直し、関与の姿勢を後退させるようになれば、アジアでの地政学リスクが高まるリス
クがあります。

なお再び急激な円高が進んだ場合ですが、米国で保護主義的な志向が強まる状況下で
は大規模な円売り介入を実施し難いため、日本銀行の金融政策に追加緩和圧力がかか
ることも予想されます。
− ご利 用 に際 して −

本 資 料 は、信 頼 できると思 われる各 種 データに基 づいて作 成 されていますが、当 社 はその正 確 性 、完 全 性 を
保 証 するものではありません。

また、本 資 料 は、執 筆 者 の見 解 に基 づき作 成 されたものであり、当 社 の統 一 的 な見 解 を示 すものではありませ
ん。

本 資 料 に基 づくお客 様 の決 定 、行 為 、及 びその結 果 について、当 社 は一 切 の責 任 を負 いません。ご利 用 にあ
たっては、お客 様 ご自 身 でご判 断 くださいますようお願 い申 し上 げます。

本 資 料 は、著 作 物 であり、著 作 権 法 に基 づき保 護 されています。著 作 権 法 の定 めに従 い、引 用 する際 は、必
ず出 所 :三 菱 UFJリサーチ&コンサルティングと明 記 してください。

本 資 料 の全 文 または一 部 を転 載 ・複 製 する際 は著 作 権 者 の許 諾 が必 要 ですので、当 社 までご連 絡 ください。
ご利用に際してのご留意事項を最後に記載していますので、ご参照ください。
(お問い合わせ)調査部
TEL:03-6733-1070
E-mail:[email protected]
6/6