グ ル ー プ 子 会 社 の 支 援 手 法 と 概 要

的に苦境に陥っている会社が存在したり、あるいは、これ
に加えて、近年の消費税増税などの外的要因から、財務
海外市場の影響を受けやすい会社などが存在する。これ
企業グループ内には、時期を問うことなく為替動向や
も増加していることから、これらの手法についても検討す
はなく、民事再生や会社更生等の手法が採られている例
特別清算等の債権者に大きな影響を与えかねない手法で
検 討する。あわせて、 近 年はグループ子 会 社についても
に煩 瑣でない手 法を中 心に、 税 務および法 務の観 点から
理 回 収 機 構 )企 業 再 生 ス キ ー ム に 基
小 企 業 再 生 ス キ ー ム、 R C C( ㈱ 整
こ の う ち、 ⑸ の 私 的 整 理 に は、 私
らの外 的 要 因からではなく、たとえば、 過 去の過 剰な設
る。そのため、今回は、企業グループ内部での組織再編
的な行為や清算等はグループ子会社支援の手法としての
づくもの、特定認証紛争解決手続
(事
よび中小企業再生支援全国本部の中
くもの、中小企業再生支援協議会お
的整理に関するガイドラインに基づ
備投資や中心的事業以外の事業に対する投機的な投資等
により有 利 子 負 債が増 大して財 務 的な窮 状に陥っている
業 再 生 A D R )に 基 づ く も の、 な ら
ちろん、これらを利用しない形での
援するものといったものがあり、も
びに㈱地域経済活性化支援機構の支
紹介にとどめ、詳細は割愛する。
を念のために申し添える。
なお、文中意見にわたる部分は筆者の私見であること
会社が存在したりすることがあろう。
本稿では、このような財務状況の悪化により業績が芳
しくない国 内のグループ子 会 社に対してどのような手 法
により支援を行うことができるかを、特に主には手続的
私的整理というものも存在する。
体的な手法からどれを選択するかに
それぞれの考慮事項は?
グループ子会社の
支援のための具体
的な手法の選択
前 記「 グ ル ー プ 子 会 社 の 支 援 の た
め の 具 体 的 な 手 法 」に 記 載 し た よ う
出資する等の方法によって資本化
ついては、支援を必要とするグルー
グループ子会社の
支援手法と概要
期限の延長
(いわゆるリスケジュー
すること。
以下、「DES」
という)
なグループ子会社の支援のための具
ル)
等
プ子会社の財務状況の傷み具合によ
る考慮がまずは必要になるが、その
ほ か、 法 務 面 か ら の 手 続 の 煩 雑 さ、
税務面、さらには、特に⑸のうちの
権 者 数 や 会 社 の 規 模 と い っ た 事 情、
う。
⑹民事再生と⑺会社更生いずれの手
各種手続が典型的に想定している債
⑺ 会社更生手続の利用
⑻ グループ内での会社分割や合
併、
事業譲渡などの組織再編
続とするか、などが考慮要素となろ
づく清算
(破産)
⑼ (会 社 の 再 生 や 再 建 と は 異 な る
面が多いが)
特別清算や破産法に基
⑹ 民事再生手続の利用
⑸ 再建・再生のためのいわゆる私
的整理
⑵ 貸付金利子の減免、債権放棄、債
務引受、
資金贈与、
経費負担等
金を債務弁済順位の劣後する劣後
⑶ デ ッ ト・ デ ッ ト・ ス ワ ッ プ
。既 存 の 借 入
( Debt-debt swap
体的な手法としては、次のような手
⑷ デット・エクイティ・スワップ
。債 務 を 現 物
( Debt-equity swap
下、「DDS」
という)
ロ ー ン と し て 借 り 換 え る こ と。以
⑴ 弁済方法の変更
(たとえば、一括
弁済から分割弁済への変更)
や弁済
続が考えられる。
グループ子会社の支援のための具
グループ子会社の
支援のための具体
的な手法
Ⅰ
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経理情報●2016.11.10(No.1462)