特集 再編・清算等を伴わない 金融機関との関係では資本とみなす 要 件 を 満 た す 資 本 的 劣 後 ロ ー ン は、 た後の劣後ローンのなかでも一定の DDSについては、借り換えられ 特段問題が生ずるものではない ⑶。 ある。法務面に関しては、DDSは 新しい債権が成立するという契約で が消滅すると同時に、これに代わる 約を締結することにより、当該債権 ち、既存の債権の要素を変更する契 い こ と に 留 意 が 必 要 で あ る。 ま た、 的に資本が充実することにはならな みであって、法的に、あるいは会計 うな取扱いは、金融機関との関係の 課されることが多い。また、このよ 消されるなどの特約(コベナンツ)が 維持できなければ、優遇措置が取り する義務を課されるなどし、これを 定の財務指標を一定数値以上に維持 関からDDSを受ける場合には、特 生ずることになる。ただし、金融機 があったわけではないので、基本的 DDSが行われても、債務の免除 ⑶ DDS 契 約のひな型については、 商工中 金 ホームページに掲載されているので参考にされた い ( http://www.shokochukin.co.jp/news/ ) 。 info040322.html ⑷ 金融庁 「金融検査マニュアル別冊 〔中小企業 融資編〕 」 参照。 も表れることになる。 機関との関係における取扱いの点に 真正DESの 法務面での留意点 真正DESの法律上の手続につい ては、総勘定元帳など当該金銭債権 の金額・債権者名が記載してある会 計帳簿を登記申請書に添付して、現 物出資により増加した資本金の額を 登 記 す る こ と に な る。 検 査 役 や 弁 ⑨ には債権者、債務者ともに課税上の 五 )。 た だ し、 当 該 金 銭 債 権 の 弁 済 護士等の証明は不要である (会 前記 「弁済方法の変更や弁済期限の 期が到来していること、および株主 DDSに関する 課税関係 こ と が で き る ⑷。 そ の た め、 D D S を行うことによって、従前よりよい 問題は生じない。 割当増資を受けて現金を発行会社に れる。もう1つは、債権者が第三者 グ ル ー プ 子 会 社 )の 側 に お い て 債 務 る、 す な わ ち 債 務 者( 支 援 を 受 け る 以下のとおり、課税上の帰結が異な ①三)が負債の帳簿価額を超え 真 正 D E S の 課 税 関 係 に つ い て、 ⑴ 債権者側の課税関係 真正DESの 課税関係 たすことができる。 期が到来していることとの要件を満 期限の利益を放棄すれば債権の弁済 が未到来の場合には債権者において ないことを要件としている。弁済期 (会 総会で決議した当該金銭債権の価額 延 長 等 」と の 差 異 は こ の よ う な 金 融 払い込み、会社はその現金を原資に 消滅益が生ずることがあるか否かに 「真正」と「疑似」での違いに注目 債務を弁済するという方式で、疑似 よ る も の と 考 え ら れ る か ら で あ る。 まずは債権者側からみていくと、債 も多く用いられる手法であると考え の取得価額は、それが合理的な再建 以下では、真正DESと疑似DES 1つは、債権者が会社に対して有 られるが、そのようななかでなぜ疑 権を現物出資した結果取得した株式 する債権を現物出資して株式を受け に分けて検討する。 DESともいわれる。 DESの 税務・法務上の留意点 条件での融資を受けられる可能性が 207 計画等の定めるところによるもので 真正DESのほうが典型的かつ最 199 似 D E S が 用 い ら れ る か と い う と、 うことができる。 としては大きく分けて2つあるとい DESを行うに際して、その方式 DESの方式 Ⅲ るという方式で、真正DESといわ 経理情報●2016.11.10(No.1462) 15 グループ子会社支援手法の税務・法務
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