再校 - 茶旅

再校 / マレーシア 磚茶をタンチャと
読むのはなぜ?
歳代かと思われるオー
そのローカル食堂で海南チキンライ
スを食べながら、何気なく『茶』と言っ
てみる。既に
ナ ー 夫 婦 は 私 を 中 国 人 と 思 い 込 み、
『 熱 茶 』 と 言いな が ら、 プ ラ ス チック
レー シアの お 茶 事 情 を リ サ ー チ し て
係 の な い 旅 の は ず だ が、 何 と な く マ
が 聞 こ え て く る。 今 回 は お 茶 と は 関
で、 朝 か ら モ ス ク の お 祈 り の 大 音 響
海 岸 は マレ ー 系 が 特 に 多 く 住 む 地 域
久 し ぶ り にマ レ ー シ ア に 行 き、 東
海 岸 を の ん び り と バ ス で 旅 し た。 東
応じて、見られる行動パータンだった。
ら れ る、 い わ ゆ る 中 産 階 級 の 勃 興 に
れ は イ ンド の ダー ジリ ンな ど で も 見
ん な 光 景 が 目 に 焼 き 付 い て い る。 こ
の 高 い、 高 級 紅 茶 を 飲 ん で 帰 る、 こ
素晴らしい景色を堪能、ついでに香り
族 を 乗 せ た マ イ カ ー で こ こ を 訪 れ、
壁 に 貼 ら れ た メ ニ ュー を 見 る と
『
』と い う 表 示 が 見 え た。 夫 妻
か気になる。
が、 このアイスもいつから使われたの
マ レ ー シ ア で は アイ ス が 主 流 で あ る
イ ス ティーを 持って く る だ ろ う。 南 国
ば、 ボーティーの 砂 糖・ミ ル ク入 り ア
れば、ほ ぼ 1 0 0 %『
1 5. マレーシアリンギット(約 円)。
因みに店員が若者、 特にマレー人であ
のコップにお茶を淹れてくれた。 1杯
しまった。
そ れ と は 対 照 的 な の が、 昔 な が ら
の中華系食堂。 まるで時間が止まった
須賀 努
コラ ムニスト マレーシアの 茶 畑 は、 か の キャメロ
ンハイランドのボーティーが 有 名 だ ろ
高いが、マレー人の所得が上がり、 家
60
』と 言 え
38
う。 イ ギ リ ス 植 民 地 時 代に開 発 さ れ、
とそこにジョホールバルという街があ
観。 シ ン ガ ポ ー ル の お 隣、 橋 を 渡 る
よ う な 感 覚 に と ら わ れ る、 古 び た 外
はりマレーシアに最初に移住し てきた
アではこう書いているという返事。 や
はないのかと問うと、 昔からマレーシ
な ら『
の 出 身 地 は 海 南 島 だ と い う。 海 南 島
』で
輸 出 用 に 紅 茶 が 作 ら れ た 場 所 だ。 以
る。 ここはマレーシアというより、 完
物価の安いこの街にシンガポール人が
日 あ る カ メ ラ マ ン か ら『 福 建 省 が
人々は福建系だったからだろうか。先
C
h
a
押し寄せ てくる。
T
e
h
と涼し
』で は な く、
『
前 2 回 訪 れ て い る が、 最 近 は そ こ に
全 に シ ン ガ ポ ー ル。 週 末 と も な れ ば
で4︲5時間、標高 1800
惹いた。首都クアラルンプールから車
T
e
a
マレー人が観光に訪れているのが目を
T
e
h
ている と 言って し まった が、 こ の 店 の
音を写真に収めるなど、 無理に決まっ
いか?』と 聞 か れ た の を 思い出 す。 発
ビジュアルに写真に撮れるところはな
伝 え し て い る の で、 こ れ は レ ス ト ラ
堡 茶 が 華 人 に好 ま れ ている 様 子 を お
広西壮族自治区蒼梧県で作られる六
さ れ た。 既 に 本 誌 の 昨 年
月 号 で、
の 華 人 は こ の 茶 を 飲 ん でいる と 説 明
し て 黒 茶 系、 基 本 的 に あ る 年 代 以 上
型 や お 椀 型 な ど、 団 茶 で あ る の で、
確かに六堡茶を含めた黒茶はブロック
の 塊 か ら 来 ている と の 説 も 見 ら れ た 。
て い る も の も あ り、
『 団 茶 』つ ま り 茶
書に『ダンチャ』と も 読 む、 と 書 か れ
夫妻も首を横に振るばかり。日本の辞
であ る こ と を
メニューをぜひ推薦したいと思う。
これはピタリとはまっている。 標準語
は ず な のに、 不 思 議 で な ら な かった。
には『セ ンチャ』という 読 み し か ない
のが見られることだった。 今の日本語
が、 磚茶をタンチャと表記し ているも
り、どこから伝わったのかが分かれば、
ろうか。 この『タンチャ』 が何語であ
が、本当にそんなに単純なものなのだ
建 系 が『ティー』だ と 説 明 さ れ ている
よくお茶の伝播には海と陸の2つの
ル ー ト が あ り、 広 東 系 が『 チャ』、 福
読 ん でいて以 前 か ら 気になっていたの
勿 論『 煎 茶 』と の 混 同 を 避 け る た め
少し違ったお茶の流れが見えるかもし
持 ち の 方 が お ら れ れ ば、 是 非 お 教 え
れない。 もしこの点について情報をお
訛ったとも考えにくい。
に あ る 谷 茶 ビ ー チ は な ぜ『 タ ンチャ』
とも考えたが、どうもしっくりこない。
こ れ は 表 記 上 の 問 題 で は な く、 実
際に現 地 を 訪 れ た 茶 旅 の 先 達 が 直 接
と読むのかも合わせて知りたいな、と
(すが つとむ)
を頂ければ嬉しい。 そういえば、 沖縄
そ の 耳 で 聞いて そ れ を 文 章にす る 際、
余計なことまで考えてしまった。
だ が こ れ が 何 語 な の か は、 オ ー ナ ー
表 記 し た と は 考 えら れないだ ろ う か。
中国語(標準語)の『ジュアンチャ』が
で は 『 ドゥア ン チャ』 だ か ら、『 タ ン
ン用の低級茶だと推測された。
チャ』にかなり近い。
ところでオーナーはこのお茶を『タ
ンチャ』 と発音し ているように聞こえ
しかしそれをなぜ 『タンチャ』 とい
う の か。 実 は 日 本 の お 茶 関 係 の 本 を
で広 東 省 が
い こ と か ら、 避 暑 地 と し て の 人 気 は
m
たが、一体何茶なのか?こ れは 味 か ら
ジョホールバルで飲んだタンチャ
12
C
h
a
月刊「茶」2016/11月号 66
67 月刊「茶」2016/11月号
T
e
a