資料2 - 農林水産技術会議

資料2
若手農林水産研究者表彰農林水産技術会議会長賞受賞者の業績概要
受賞者
小川 洋介
業
績
名
経口投与が可能な豚丹毒菌生ワク
チンの開発
所
属
国立研究開発法人農業
・食品産業技術総合研
究 機 構 動物 衛 生 研 究
部門
〈業績概要〉
豚に敗血症、蕁麻疹、関節炎等の症状を引き起こす豚丹毒に対する新しい生ワ
クチンを開発するため、起因菌である豚丹毒菌のゲノム解読結果を基に病原因子
を欠損させて、遺伝学的に弱毒化機構が明らかな弱毒生ワクチン候補株を開発し
た。本候補株は経口投与で免疫を誘導できるため、省力型ワクチンとしての利用
が期待される。
作道 章一
ガスプラズマを用いた殺菌技術の
農産物への応用
国立大学法人琉球大学
〈業績概要〉
窒素や空気等の不活性ガス中で発生させたプラズマで処理することで、安全で
効率的な農産物の殺菌技術の開発を行うとともに、実用化に向けて、選果中に利
用できるガスプラズマ殺菌装置を考案した。また、ガスプラズマ殺菌の広範な病
原体や毒素への有効性を証明し、新しい殺菌法の基盤を構築した。
高田 裕介
デジタル土壌図と農地放射性物質
濃度分布図の作成
国立研究開発法人農業
・食品産業技術総合研
究 機 構 農業 環 境 変 動
研究センター
〈業績概要〉
土壌の種類毎の分布状況を示した土壌図に、新しい農地の分布状況を反映して
「デジタル農地土壌図」を作成し、「土壌情報閲覧システム」としてウェブ公開
した。また、東京電力福島第一原子力発電所事故の際には、当土壌図を用いて「農
地土壌の放射性物質濃度分布図」を作成し、自治体等の除染計画の策定に貢献し
た。
受賞者
中谷 加奈
業
績
名
土石流シミュレータの開発と防災
対策への適用
所
属
国立大学法人京都大学
大学院
〈業績概要〉
山地渓流での土石流の発生・流動から、扇状地などの住宅地での氾濫・堆積過
程までを一連に計算できる土石流シミュレータを開発した。マウス等を使っての
操作やGISとの連携により情報の入出力を視覚化し、直感的な理解を助けること
で、専門家以外のユーザーにも扱いやすく、具体的な影響範囲の把握や防災対策
の検討を容易にした。
山田 秀俊
イサダからの新規肥満抑制物質
8-HEPEの同定及び抽出方法の開発
公益財団法人岩手生物
工学研究センター
〈業績概要〉
三陸地域に特有の水産資源であるイサダ(ツノナシオキアミ)から抽出した8HEPEに抗肥満効果があることを世界で初めて明らかにし、その抽出方法を開発し
た。8-HEPEは、魚の油に含まれる不飽和脂肪酸EPAに比べ、脂肪の燃焼を促進す
る効果が約10倍高く、生活習慣病への新規機能性素材として、新たな機能性食品
やサプリメント商品等への活用が期待される。