『「セイフ&セキュア」(安全安心な) の心象』第64号10面

住友共同電力・新居浜西火力発電所の外観
(提供:住友共同電力)
技術・コラム
回収設備 後に出る排出ガスを処理
ング製を導入する予定
業だ。国内の産業用炭酸
を設置、 す る。 C O 2( 炭 酸 ガ だ。分離回収の方法には
ス)の生産能力は年産約 膜分離法や物理吸収法な
dioxide Capture and Ut
)に資する事
ilization
運営する
㌧と言われているが、こ
ガス需要は年間100万
れまで大口の供給源だっ
4 万 8 0 0 0 ㌧ を 見 込 どがあるが、新日鉄住金
む。2018年6月から エンジニアリング製の設
たアンモニア工場や精油
ことを発
表した。
て い る。 C O 2を 選 択 的
エネルギーの源 ㊻
ばしば、安全率=3など り、ギャップをなくする
が、設計で選択(指定) ことが「問題解決」であ
される。しかし、材料の り、 そ れ が「 チ ャ レ ン
強度には、高低のばらつ ジ」という意味であるこ
きがあり、また、製作後 とを、本コラムの⑧(2
供用され負荷される応力 015年5月4日、第
にも高低のばらつきがあ 号)に述べている。それ
るので、安全率が3でも は、夢の実現であること
の意味
▼「セイフ&セキュア」
ない関係であり相補性が
安心」とは切っても切れ
分布であるとし、負荷す なる。
図では、ばらつきを正規 現を定量化できることに
ル 」 で あ る( 図 参 照 )。 して、問題解決や夢の実
き る の が「 S ‐ S モ デ 「 S ‐ S モ デ ル 」 を 適 用
佐藤 建吉
に吸収する物質であるア 所の統廃合が進み、供給
暮らし〟や〝セイフでセ
あ る。
「危険や危機」を
代表理事
「セイフ&セキュア」
(安全安心な)
の心象
一般社団法人 洸楓座
一般社団法人 efco.jp
ミンの性質を利用する方 不安へ対処する手立てが
キュアなシステム〟は、
越えてこそ「安全安心」
破壊する危険確率が存在 も述べている。
は、同じエリアに立地す
原子力事故を経験した私
ないだろう。
る住友化学の愛媛工場で
化 学 吸 収 法 は、 常 温・ そのために一部を輸入で
法だ。
たちがいま希求する心象
2
事業開始予定としている。 備は化学吸収法を採用し
電所は石
新たに増設される予定の
排 出 さ れ る C O 2対 策
常圧のガスでも圧縮する 賄っているのが現状だ。
その説明を合理的にで 現 象 で あ る と す る と、
るストレス(応力)の平
〝 セ イ フ で セ キ ュ ア な 「危険や危機」は、「安全
現実と理想もばらつき
炭とバイ
メチオニン製造設備に供
事なく大きな動力でなく
が得られる。
「安全」に対照するの
▼安全と危険の意味
度)を300㍋パスカル
均 の ス ト レ ン グ ス( 強
では、天候や気象に影響
風力発電や太陽光発電
( MPa
)、 こ れ に 耐 え る 平 レンジ
均 を 1 0 0 ㍋ パ ス カ ル ▼「安全安心」へのチャ
である。それは見せかけ
の心の問題ではなく、そ
の現実化こそが願いであ
る。
火力発電所であ の中で1号機は1959
のたび、同社の ら3号機までがあり、こ
場ではこのメチオニンを るなどの特長があり、高
S)
。 住 友 化 学・ 愛 媛 工 量のガスが処理可能であ
するという面でも、国内 「 安 全 」 と「 安 心 」 の 要
新たな産業的価値を付与
安 心 」 が あ る。 前 者 は
討 が 始 ま る 中、 C O 2に 「 安 全・ 安 心 」 や「 安 全
に危険、あるいは、やや
は、本当に安全や、本当
絶 対 的 で は な い。 そ れ
確率は、標準偏差がとも
部分の面積が示す破壊の
も、二つの分布の重なり
として安全率を3として
ればならない。風力発電
の信頼性評価を行わなけ
らつく。したがって事業
されるので、発電量がば
C O 2分 離 回 収 設 備 が
C O 2分 離 回 収 設 備 は
を製造する。
における先進的なCCU
併記重複表現〟と呼び、
素表記であり、筆者は〝
安全や、少し危険などの
に
㍋パスカルとして計
で は、 正 規 分 布 で は な
算すると、0・0031
く、ワイブル分布が合理
まいさが包含してしまう
でない」としては、あい
といわれ、
・9999
は、シックスナインなど
信頼性あるシステム
ことが多い。原子力発電
分布を適用して行われる
解析などでも、ワイブル
同じく機器の疲労破壊
適用されている。
ること」でないといけな
96833㌫である。
状態もあるからである。 損失の発生またはそのリ
全とリスクのおはなし』 ること。
そ し て、「 安 全 と は 危 険
的なばらつき特性として
では、この点をわかり易 ◇英語の危険
としている。
が低く、安全性が低いこ
比べ、図の例では信頼性
㌫が要求される。これに
万個を超えるといい、そ
あるが、部品点数が1千
所では損傷解析は必須で
この日本語と英語の安
▼「S‐Sモデル」によ
れらをつなぐケーブル、
る危険と非危険の表示
れらの複合・相乗影響も
全についての認識、さら 日本語での「安らかで危
あるので、信頼性評価は
には規格の制定に対する 険のないこと」は、論理
とを意味している。シッ
る。
「 科 学 技 術 」 は、 国
クスナインの信頼性を確
語辞典の代表である広辞
筆者は千葉大学での講
送電線で構成する。最適
義に、安全性を担保する
な制御機能と機器で運用
害または損失の生じる恐
考え方の相違についても 的 な 緻 密 さ に 欠 け、「 危
指摘している。
難しい。放射能の影響の
苑においても未登録の〝
下でのストレス&ストレ
新規創意表現〟である。
㍋パスカルの場合に
保するには、標準偏差が
時の安定運転と落雷など
際にしばしば使われる
による交流送電系統での
れのないこと、危なくな
「安全安心」として表
安 ら いこと」は、英語の安全 「 安 全 率 」 を 説 明 す る の
おいて、危険を排除した かで危険のないこと。危 に対する表現である「傷
モデル)を導入していた。 ある。
トレス‐ストレングス・ めれば実現できる計算で
に、「S‐Sモデル」(ス
は、安全率を3・4に高
評価し、セイフ&セキュ
ングス(現実と理想)を
◇日本語の安全
面白い比較がある。
事故発生時に運転継続を
また、大電流パワー半
心境を意味して、信頼性 害または損失の生じる恐 害や損失の発生またはそ
う。危険や危機をカバー れがあること、危ないこ
安 全 の 定 義 と し て は、
「安全とは安全であるこ
安全率=材料の強度
▼「S‐Sモデル」は、
「安全とは安全である
い。
こと、安全が確認できて
現実と理想の乖離(ギ
あり要件であるといえる。
は、安全安心への基本で
いること」という考え
ャップ)は「問題」であ
用できる
現実と理想(夢)にも応
子)/材料の応力(ス
( ス ト レ ン グ ス、 分
トレス、分母)
という比率であるが、し
アを実現することは難し
ある安全を期待している れのないこと、危なくな のリスクからの解放され
する保険ビジネスを担っ と。
安全率とは、
導体モジュールを採用し
ていること」と、ほぼ同
危 害 義であり、論理的にも明
度までにHVDCダイヤ
ている人々でも、否定し ◇ 英 語 の 安 全
否定する人はいないだろ または損失の生じるおそ 快であるとしている。
モンドの累計受注高で5
傷 害 や と、安全が確認できてい
00億円以上を目指す。
三菱電機は2020年
型化とコスト抑制も図る。 心」は、誰もが肯定し、 ◇ 日 本 語 の 危 険
て変換装置のモジュール
現は、私たちの暮らしに
・9
つの要素から生まれた新
く 説 明 し て い る。 同 氏 害、リスク、危険にさら
67㌫の破壊の確率があ
しい概念に対する集合表
は、日本と欧州における されていること。
る。信頼性では、
記であり、同じく〝新規
比較(日本語と英語にお
く、これを〝安全確認型
創 意 表 現 〟 と 呼 ぶ。
「科
ける比較)を通して、安 全についての比較では、
の安全〟と呼んでいる。
自励式直流送電システ
学・ 技 術 」 と「 科 学 技
中嶋洋介氏の著書『安 スクからの解放されてい
ムは、直流と交流を変換
術」も同様な表記であ
危害、傷
する複数の変換所と、こ
を目指して建設する。
Carbon今後の展開に注目したい。 後者の「安全安心」は二
本件は、CO 2の回収・ へとつながる取組として
とされている。
る新居浜西火力 年から稼働を続けている。 使用して家畜の飼料など 炉ガス処理に向いている
発電所構内にお
い て、 C O 2= 設置されるのは3号機の
利 用( C C U
8年度上期の稼働
50
友共同電力。こ ど。発電設備は1号機か ノ 酸( C 5H
する。
オマスな
給、副原料として利用さ
として回収・貯留(CC
ここに新たに登場した
どで混焼
れる。メチオニンは側鎖
まだ見出されていない。
発電して
分離回収したCO
新居浜
25
いる。合
西火力発
Column
に 違 い な い。
「 安 全 安 いこと。
実現する。
99
新日鉄住金エンジニアリ
どを備える「HV
は、変換所に用
:
炭酸ガスの分離 石炭火力発電所で、燃焼
三 菱 電 機 は さ き ご ろ、
自励式直流送電システム
事業に参入し、自励式直
DC検証棟」
(建
いる装置や技
99
製品検証設備 「 H V D C
検証棟」を兵 庫 県 に 建 設
グローバルに対応するた
屋面積約1250
流送電システムのトータ
ルブランドを「HVDC 合 っ た 発 電 機 が 必 要 な
め、自励式直流送電シス
崎市)内に製品を検証す なく、CO2削減にも貢
術、直流システ
平方㍍)を201
テム事業への参入を決定
る 設 備「 H V D C 検 証 献するため、今後需要が
ム全体を統括す
HVDCダイヤモンド
した。
ダイヤモンド」として、 「 他 励 式 」 と、 不 要 な
:
世界的に展開すると発表 「自励式」がある。
このうち自励式は接続
棟」を設ける計画も公開 増 え る と 予 想 さ れ て い
る制御・保護シ
三菱電機
自励式直流送電システム事業に参入
数を減らし、変換所の小
50
した。また、系統変電シ
る。直流送電システムの
ルブランドとな
「HVDC検証棟」イメージ図
ステム製作所(兵庫県尼 する系統条件に制約が少
直流送電は交流送電よ 2015年度の市場規模
ステムのトータ
る。 こ れ に 伴
:
:
り送電効率が高く、洋上 は 世 界 で 約 5 0 0 0 億
風力発電や太陽光発電と 円。三菱電機は今後年率
い、変換装置、
置、受電設備な
制 御・ 保 護 装
の連系が容易になる。直 7㌫程度の成長があると
三菱電機は多様化する
流送電システムには、交 見込んでいる。
流・直流間の交換に交流
系統内に変換器容量に見 電力系統の市場ニーズに
:
した。
:
気の供給事業を
装置構造がシンプルで大
本社のある愛
住友共同電力・新居浜西火力発電所で回収、
媛県新居浜市を
中心に電気と蒸
住友化学・愛媛工場で利用
回収したCO2を基に「飼料製造」
展開している住 計 の 出 力 は
NO
11
万 ㌔ ㍗ ほ に硫黄を含む疎水性アミ とも処理が可能である、 S
Carbon
dioxide
Cap セイフでセキュアに対 が「危険」である。しか
2
)の検 す る 日 本 語 表 記 に は、 し、どちらも概念的で、
ture and Storage
30
10
2016年(平成28年)10月31日
新エネルギー新聞
隔週 月曜日発行
第64号