“もっと活用!スクールカウンセラー”((PDF:185KB)

すぐに使える学校情報(生徒指導ワンポイント情報)
“もっと活用!スクールカウンセラー”
義務教育課
行動分析を行うことで,何らかの問題が
起こっている際,そのカギとなる児童生徒
をピックアップすることができます。
☑ 担任や授業者が気が付かなかった児童生
徒間の関係性や,問題の要因が見えてくる
こともあります。
◆ 行事への参加
☑ 体育大会の合同練習等に参加しながら,
学年,学校全体の動きを観察します。
☑ 児童生徒を話題にしながらの先生方との
会話から,課題を抱える児童生徒への支援
のアイディアが出ることもあります。
はじめに
☑
本年度は,68人のスクールカウンセラーを全中
学校,希望する小学校,県立高校30校に派遣して
います。平成27年度にスクールカウンセラーが対
応した相談の総数は12,402回,以下のような内容
に対してカウンセリングを行いました。
内 容
不登校
いじめ
暴力行為
交友問題
教職員の指導
家庭・家族の問題
その他
小学校
214
25
20
234
403
377
583
中学校
2,534
113
50
1,091
1,370
1,115
3,095
高校
287
11
10
186
217
179
288
*
学級の様子に問題を感じてい
る先生は,授業参観を要請しま
しょう。事前に学級の状況を伝
え,打合せを行います。
* 参観後は,スクールカウンセ
ラーとのコンサルテーションで
今後の対応を話し合います。
積極的な生徒指導のために
スクールカウンセラーの主な職務は,以下の
ようなカウンセリングであることは言うまでも
ありません。
通常のカウンセリング
【児童生徒に対して】
友人関係での悩み事,友人関係等に起因す
るトラブルについて,何気ない会話の中から
相談につなげます。
【保護者に対して】
子どもの発達に関する不安,子どものしつ
けについて,また,学校の先生には話しにく
いことなども相談に応じます。
【教職員に対して】
学級経営の中で気になる児童生徒への対応
の仕方や同僚には話しにくい悩み,先生自身
のメンタルヘルスについても相談に応じます。
「心理の専門家」としてのスク
ールカウンセラーを,学校教育の
様々な場面で活用することで,積
極的な生徒指導を一層進めること
が可能になります。それでは,ど
のように活用していけばよいか,
具体的に見てみましょう。
心理アセスメントや行動分析
「今日は,スクールカウンセラーが来校する
けれど相談予約が入っていない・・・。(困った)」
という学校の声を聞くことがあります。そんな
ときはスクールカウンセラーに授業参観,行事
等への参加を通じて,気になる児童生徒の観察
を行ってもらうことが有効です。
◆
☑
☑
授業参観
気になる児童生徒の周辺を観察します。
その際には,学級内の掲示物(書道や絵
画作品)も観ながらの,学級の児童生徒の
全般的な心理アセスメントも可能です。
各種会議への参加
生徒指導部会など校内で開かれる各種会議に
参加してもらうことで,先生方と心理の専門家
が対等な立場で同じ課題に向き合い,意見を出
し合いながら効果的な解決策を検討すること(コ
ンサルテーション)ができます。
◆
生徒指導部会
課題を抱える児童生徒への処遇として何
が適しているか示唆することが可能です。
☑ 心理的支援の可能性や,精神科病院受診
の是非の検討の場面で,意見を述べること
ができます。
◆ 学年部会
☑ 現在,課題となっているケースについて,
どこから着手すれば効果的か,共に考える
ことができます。
☑
共に手を携えて
学校によっては,職員研修や家庭教育学級など
で研修(傾聴,自殺予防,発達障害などのテーマ
で)を設定し,スクールカウンセラーを講師とし
た事例研修等を行うなど,スクールカウンセラー
の専門性を生かした取組を展開しているところも
あります。また,スクールカウンセラー便りや学
校便り等で,スクールカウンセラー来校日を児童
生徒や保護者に定期的に周知する方法を取ってい
る学校も多く見られます。
児童生徒や保護者に対する支援を力強くサポー
トする「心理の専門家」,スクールカウンセラー。
その活用の在り方を再考し,積極的な生徒指導を
一歩ずつ進めていきたいものです。
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参考
義務教育課臨床心理相談員作成資料