仲の良い友人たちと何度かサプライズを仕掛け合ったことがあった。記事

解答例
自分も以前、仲の良い友人たちと何度かサプライズを仕掛け合ったことがあった。記事を
読みながら、その時のことを思い出していた。振り返ると、自分は祝ってもらう時よりも、
かえって企画し仕掛ける側に立った時の方が、単に楽しいだけでなく、一回ずつ僅かだが成
長できたと思い、充足感を感じていた。そこで以下では、こうした経験を一般化して、サプ
ライズを仕掛けることでなぜ若者は時に成長を感じるのか、少し考えたい。
サプライズの主な目的は、相手を感激させることである。目的の成功のためには、自分が
何をどの程度実行すれば相手は驚き、なおかつ適切な度合いで感激してくれるのかを、実現
可能な事柄や相手の心理傾向などから総合的に考えて、じっくり予測する作業が必要にな
る。この作業は実は、人生上で稀少だと思う。他者が何に対してどう感じるのかを、他者に
成り代わって想像し、突き詰めて考える。この緊張も疲労も伴うが、社会で生きる上で絶対
に必要になる精神的な作業に真剣に打ち込むからこそ、サプライズを仕掛ける経験は心の
成長を感じさせもするのだと思う。
サプライズが心の成長を感じさせる要因について、もう一点指摘したい。記事には「慢性
化」
「疲れ」の事例として、
「友達の間で差がつかないよう、同レベルの違う種類のサプライ
ズをしなければならない」とする女性の言葉が紹介されている。これは裏を返せば、サプラ
イズにはそれだけ多様なアプローチが存在することを示す。サプライズを仕掛けることで、
人はダンスを踊ったり、リムジンに乗るセレブのような気分に浸ったりできる。これらは素
人や庶民にも一応可能な変身体験であり、自分は以前、こうした計画を立て実行している
間、自分にできる事柄が増えて可能性が広がり、何らかの意味で将来に対する展望が明るく
なったような心地よさを覚えた。自分にはどのような可能性があるのか。サプライズを仕掛
けるという経験は、若者に共通したこうした問いに、ささやかだが実際にそれを演じる場を
提供することで、答えようとしてくれる。だから成長した気分にもなれるし、その心地よさ
にも浸れるのだと思う。
以上、サプライズを仕掛けるという経験が、時になぜ若者に一種の成長を感じさせるの
か、実体験も踏まえて述べてみた。若者は成長を求めるものである。何であれ、その若者が
楽しみ、打ち込んでいる経験には、それなりの真剣さが必ず伴っているものだと思う。
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