学び合う中央っ子を育む(根室地区)

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平成28年度
報告地区
事例報告学校名
報 告 者
キーワード
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北海道小学校長会地区活性化支援事業【実践事例レポート】
根室地区
別海町立別海中央小学校
校長 稲村 和典
学校力を高めて、学び合う中央っ子を育む
よ く 考 え る 子
あ き ら め な い子
た く ま し い子
1 はじめに
北海道の東部に位置し、丘陵地帯の中にある本校は、全校児童409名、学級数19(内特別支
援6)の根室管内においては比較的大きな規模の学校である。
本校は平成25年度から北海道教育委員会より「学校力向上に関する総合実践事業」の指定を受
け、今年度で4年目を迎えた。
(今年度から総合的な教師力向上のための調査研究事業の指定も受け
る)この指定事業を受け、
「学校力=チーム力」を全教職員が意識をし、全校が一つのチームとなり、
教育課程や人材育成、学校マネジメントなどの包括的な学校改善に取り組んでいる。この指定事業
に取り組むに当たり、身近な実践の積み重ねを大切にしながら、本校の実態にあった具体的な項目
設定を行い、実効性のある取組を行っている。
《中央っ子の学びの城》
本校の
2 学校力を高める具体的な取組
教育目標
学校は常に人的異動がある組織である。そうした中に
あって、組織力として「継続・徹底・深化」をモットー
に、これまでの目的や趣旨、実践成果を引継ぎ、学校力
いい声・いい汗・いい笑顔
を強固なものにしている。本校は全道の指定校の実践も
参考にしながら、実効性があり効果の現れている「落ち
着いた環境づくり」
、
「習得を中心とした授業づくり」
、そ
して「日常実践と直結した研修」の3つに趣をおき、
「ど
重点
の子も磨けば光り輝く」の合言葉の下、日常教育実践を
課題『基礎学力の確実な定着』
積み重ねている。
今年度の
重点目標
高 め合 う 子 ど も
(1)落ち着いた環境づくり
~『中央っ子 学びのポケット』の作成と活用~
学習規律や整理整頓などを中心に、確かな学びを保障する授業
を展開する基盤として、
「落ち着いた環境づくり」に取り組んでい
る。各学級に学習規律に関する基本的確認事項の掲示はしつつ、
教職員が学校全体で学習規律等を徹底していくためのツールとし
て、
『中央っ子 学びのポケット』と題した携帯版の冊子を作成し、
校内共通の指導が出来るよう活用している。この冊子は加除式に
し、マネジメントサイクルにより定期的に見直しを図り、一層の
効率的な定着を目指している。
学 び合 い
PDCAによる
計画的に実践され
る日常教育諸活動
「書く活動」の
充実を図った
授業づくり
(2)習得を中心とした授業づくり
~実物投影機の有効活用~
確かな学びを展開するために、ICT機器を効果的に活用するなどして、学習内容を確実に習得
させる授業づくりに全学級で取り組んでいる。そのために、ICT機器を各教室に常設をし、活用
指導力の向上や活用をサポートする体制整備、さらに双方向で分かりやすい授業づくりなどの研修
を進めながらその有効活用に取り組んでいる。このことが「いつでも」
、
「手軽に」
、
「効率的に使え
る」ことにつながり、子ども達の学習への興味・関心はもちろん、学習内容の確実な習得につなが
っている。今後も中央小ICT環境整備ロードマップ(基本的な考えや整備スケジュール)に即し
て授業におけるICT活用スキルの向上を図っていく。
(3)日常実践と直結した研修
~「月例公開研究会」
「ブラッシュアップ講座」の実施~
昨年度より、年1回の公開研究会の実施ではなく、毎日の
確かな学びを展開するために、日常的な授業の向上を目的と
した「月例公開研究会」を実施している。この月例公開研究
会における研究協議はK
J法によるワークショッ
プ型の研修を活用し、改
善策を中心に研修してい
る。また、
「ブラッシュアップ講座」と題したミニ研修を行い、
若手教員の多い実体に即し、短時間で焦点化しながら、効果的
な指導方法等を見出すための研修を重ねている。またこの「月
例公開研究会」には、根室管内全体に案内をし、近隣の学校を
中心に参加していただいている。
(4)その他
~情報発信と地域の協力~
「新しいミッションを担う事務職員」で加配となっている
事務職員が中心となり、学校力を高める一助として、ブログ
を中心に学校の様子を随時公開し情報を提供している。ブロ
グ更新の頻度を高めることにより、そのアクセス数も増加し、
地域、保護者の学校に対する関心の高まりを感じている。ま
た、本校は学びの土台として、
「読書活動」にも力を入れてい
る。その一環として、地域の「読み聞かせサークル」の方が
定期的に来校し、朝の読書の時間を利用し読み聞かせ活動を
行っている。更には、本をたくさん読むことを奨励する目的で、読書カードに読んだ本を記録して、
「たくさん読んだで賞」と称し表彰している。
3 おわりに
「学校力向上に関する総合実践事業」の指定を通して、計画的な日常教育実践活動と、子どもの
学習面の課題に焦点を当てた授業改善を通して、
「学び合い、高め合う子ども」の姿を追い求めてき
た。また、重点目標の「いい声・いい汗・いい笑顔」に向け、子どもたちの日々の姿に具体的な形
で現れることを確かめてきた。
「落ち着いた環境づくり」
、
「習得を中心とした授業づくり」
、そして
「日常実践と直結した研修」等を通して、教職員が「チーム別海中央小」となり、望ましい子ども
の学びの姿とその成果が確実に現れてきている。今後もこれまでの実践を「継続・徹底・深化」さ
せ、全ての教職員が学校運営に参画しながら、学び合う中央っ子を育んでいく。