成年後 等の不正防 について

資料4
2016.10.19 成年後⾒制度利⽤促進委員会
不正防⽌対策WG(第1回)
成年後⾒⼈等の不正防⽌について
⽇本弁護⼠連合会
本弁護⼠連合会
1
当連合会の不正防⽌に関する意⾒ 要請等
当連合会の不正防⽌に関する意⾒・要請等
1.
2.
3.
4.
成年後⾒制度に関する改善提⾔(2005.5.6)
任意後⾒制度に関する改善提⾔(2009.7.16)
市⺠後⾒のあり⽅に関する意⾒(2010.9.17)
最⾼裁判所提案「後⾒制度⽀援信託」 に関する要望
(2011 2 10)
(2011.2.10)
5. 最⾼裁判所提案「後⾒制度⽀援信託」に関する意⾒書
(2011 3 27)
(2011.3.27)
6. 最⾼裁判所提案の「後⾒制度⽀援信託」導⼊の条件及び
親族後⾒⼈の不祥事防⽌策についての意⾒書
(2011.10.18)
7. 弁護⼠後⾒⼈の不祥事防⽌・早期対応策の取組について
(要請)(2014 1 31)
(要請)(2014.1.31)
2
親族後⾒⼈ 市⺠後⾒⼈
親族後⾒⼈・市⺠後⾒⼈
3
成年後⾒⼈等の不正が⽣じる原因
1 成年後⾒⼈に包括的な代理権が設定され
1.
成年後⾒⼈に包括的な代理権が設定され、本⼈に必要な範囲の代理
本⼈に必要な範囲の代理
権設定がなされておらず、後⾒⼈の代理権⾏使に制約がないこと
2. 成年後⾒⼈等の理解不⾜(家族の財産と被後⾒⼈の財産を峻別する
必要性を理解せず)
ず)
3. 親族後⾒⼈の職務就任時における教育やその後の継続的な相談・指
導体制の不⼗分さ
4. 家庭裁判所以外に親族後⾒⼈の相談・⽀援する⾏政機関が存在しな
いこと
5 家庭裁判所の後⾒監督における調査、是正権限が不⼗分であること
5.
家庭裁判所の後⾒監督における調査 是正権限が不⼗分であること
6. 法定・任意後⾒監督⼈の権限が不⼗分であること
7 後⾒⼈選任段階で問題のある親族を選別しえない家庭裁判所の機能
7.
8. 事件数増に応じた⼈的体制の不整備による家庭裁判所の後⾒監督機
能の低下(定期監督実施の減少、監督⽴件案件の絞込み、専⾨職で
ない参与員の⼤幅導⼊など)
4
不正防⽌の対策
1. 成年後⾒⼈に対する国・地⽅公共団体による公的な責任のもとでの
相談・⽀援拠点(成年後⾒センター等)の設置・地域ネットワーク
体制の確⽴
2. 親族後⾒⼈による⼀定条件以上の預⾦の出⾦・解約には裁判所の
「指⽰書」を必要とする運⽤を預⾦取引等に導⼊するなど後⾒制度
⽀援信託制度より被後⾒⼈にとってより制約的でない代替案の採⽤
3. 家庭裁判所の⼈的・物的体制の整備による監督の充実
4. 第三者後⾒⼈の積極的な選任
5. 親族と専⾨職の複数後⾒制度の活⽤
6. 法定後⾒監督⼈の選任による家庭裁判所と連携した後⾒監督の強化
7. イギリスMCAの例などを参考にした保険制度の導⼊検討
ギ
例 ど 参考
保険制度 導 検討
5
⼤阪後⾒⽀援センターの事業(平成9年10⽉開設)
大阪後見支援センターは、認知症・知的障がい・精神障がいなどにより、
判断能力が十分でない人の生活を支援するための事業に取り組んでいます。
地域福祉スーパーバイズ事業(大阪府委託事業)
地域の関係機関を⽀援する電話相談と専⾨相談
日常生活自立支援事業
福祉サービスの利⽤援助や⽇常的な⾦銭管理など
市民後見人養成・活動支援事業(権利擁護人材育成事業)
市⺠後⾒⼈養成・受任調整・活動⽀援体制の府内全域展開
成年後見制度普及啓発事業
市町村⻑申⽴
市町村⻑申⽴ての促進(担当者研修や⼿引き作成)
促進(担当者 修や⼿引き作成)
権利擁護の必要性を普及啓発するためのセミナー等の実施
大阪後見支援センター 権利擁護の電話相談
(祝日、年末年始をのぞく月曜日~金曜日 午前10時~午後4時)
06-6191-9500
FAX番号 06-6764-7811
電話番号
E メール [email protected]
⼤阪後⾒⽀援セ
弁護士・社会福祉士の面談専門相談は、電話予約が必要です。
ンター資料より
(祝日、年末年始をのぞく毎週木曜日 午後1時~午後4時)
⼤阪府 市⺠後⾒⼈養成と活動⽀援 全体のながれ
市民後見人
本人
(被後見人)
⑦後見活動
大阪府
及び市民後見推進事業実施市町村
⑥選任
大阪家庭裁判所
本庁・堺支部・岸和田支部
⑧
②
⑤
⑧
学識経験者
弁護士
司法書士
社会福祉士
①市民後見
推進事業
委託
⑨実績
報告
④
大阪府社協 大阪後見支援センター
及び実施市町村から受託した機関
③
③市民後見人候補者
の推薦依頼
⼤阪後⾒⽀援セ
ンター資料より
②養成講座の開催 市民後見人バンク登録
②養成講座の開催・市民後見人バンク登録
④市民後見人受任調整会議の開催
⑤市民後見人候補者の推薦
⑧活動支援
バンク登録者・受任者研修・日常的な相談
弁護士・司法書士・社会福祉士の専門相談等
弁護⼠後⾒⼈
8
弁護⼠後⾒⼈の不正が⽣じる原因
1. 業務上の要因(預り⾦管理の問題)
2 ⼼⾝上の要因(⾼齢・メンタルヘルス等の問題)
2.
⼼⾝上の要因(⾼齢 メンタル ルス等の問題)
3. 弁護⼠会が家庭裁判所に推薦する名簿登載者以外か
ら選任されている(いわゆる「⾃薦」)
4. 家庭裁判所への報告遅滞、弁護⼠会の市⺠窓⼝への
苦情が多い、会費滞納などの問題⾏動の兆候があっ
たが、そこで抑⽌できていない
9
不正防⽌の対策
1. 質が担保された後⾒⼈等推薦名簿の整備
2 早期発⾒
2.
早期発⾒・早期対応のための家庭裁判所との対応
早期対応のための家庭裁判所との対応、調整関
調整関
係の確⽴
3. 弁護⼠会のよる早期発⾒、早期対応のためのチェック・助
⾔体制の整備
4. 家庭裁判所への後⾒等候補者の弁護⼠会推薦⽅式の推奨
5 弁護⼠後⾒⼈の研修体制・OJT・相談⽀援体制等の抜本的強
5.
化
10
(参考資料)
当連合会の不正防⽌に関する意⾒・要請等
(抜粋)
11
成年後⾒制度に関する改善提⾔
(2005.5.6)
9 家裁の後⾒監督機能の強化
9.
①
②
後⾒監督機能の強化のため、全国の家庭裁判所(⽀部を含
む)において、成年後⾒専⾨係を置くなどの専⾨的対応の
体制をとるべきである そのため 裁判所職員・調査官の
体制をとるべきである。そのため、裁判所職員・調査官の
増加もはかられなければならない
各家庭裁判所に、成年後⾒⼈等の⽇々の職務に関する相
談 ⽀援窓⼝を設置されたい
談・⽀援窓⼝を設置されたい。
12
任意後⾒制度に関する改善提⾔
(2009.7.16)
• 任意後⾒制度の弊害防⽌のための提⾔
1. 任意後⾒契約締結における公証⼈の審査権限の強化等
① 本⼈に契約締結能⼒があることが疑わしいときは
本⼈に契約締結能⼒があることが疑わしいときは、公証⼈は任意後⾒契約の公正証書作
公証⼈は任意後⾒契約の公正証書作
成を拒絶できる旨の規定を任意後⾒契約法に設けるべきである
② 任意後⾒契約の締結においては、代理⼈による契約締結は認めない旨の規定を任意後⾒
設
法に設けるべきである
2.
いわゆる移⾏型の場合の任意後⾒⼈の不正⾏為の防⽌
① 任意後⾒受任者は、本⼈の事理弁識能⼒の状況について把握するように努め、本⼈の事
理弁識能⼒が不⼗分とな たときは、家庭裁判所に対して、後⾒監督⼈の選任申⽴を⾏
理弁識能⼒が不⼗分となったときは、家庭裁判所に対して、後⾒監督⼈の選任申⽴を⾏
わなければならない、との規定を設けるべきである
② 任意後⾒監督⼈選任前の任意代理契約を締結する場合、当該委任契約の受任者が⺠法13
条1項に定める⾏為(⽇常⽣活に必要な範囲の⾏為を除く)を⾏う場合は、その⾏為を
⾏うことについて その都度 個別的に本⼈の承認を得なければならない との規定を
⾏うことについて、その都度、個別的に本⼈の承認を得なければならない、との規定を
任意後⾒法に設けるべきである。
③ 現⾏法のもとでも、移⾏型の契約が締結される場合には、公証⼈が任意代理契約の内容
として、任意代理⼈の権限を⽇常⽣活に必要な⾦銭管理の範囲に限定したり、重要⾏為
に いての本⼈の個別的承認の条項を設けるように本⼈及び任意代理⼈となる当事者を
についての本⼈の個別的承認の条項を設けるように本⼈及び任意代理⼈となる当事者を
指導すべきであり、弁護⼠その他の専⾨職が任意代理⼈となる場合は、⾃らも同様の内
容に任意後⾒契約を締結するように留意すべきである。
④ 市町村⻑
市町村⻑は、任意後⾒契約が締結されている場合であっても、任意後⾒契約の受任者が
、任意後⾒契約 締結
る場合
、任意後⾒契約 受任者
その義務に反して任意後⾒監督⼈の選任請求を怠っている場合は、適切に市町村⻑によ
る法定後⾒申⽴の権限を⾏使すべきである。
13
市⺠後⾒のあり⽅に関する意⾒
(2010.9.17)
1.
2
2.
3
3.
国及び地⽅公共団体は,市⺠後⾒⼈制度の推進にあたり,公的責
任及び公的費⽤負担のもとで,権利擁護の観点に⽴った制度整備
を進めるべきであり,その制度整備に際しては,市⺠後⾒⼈の養
成に⽌まらず,⽀援・監督等の⼀貫した体制を構築し,中核とな
る拠点(センター)を設置・運営すべきである。
市⺠後⾒⼈候補者には 権利擁護に対する深い理解・⾼い倫理
市⺠後⾒⼈候補者には,権利擁護に対する深い理解・⾼い倫理
観・社会的信頼の獲得が求められるべきであり,その養成に際し
ては,必要かつ⼗分な研修を義務付け,後⾒活動の適正を担保す
ることが不可⽋であるとともに 養成・ ⽀援
ることが不可⽋であるとともに,養成
⽀援・監督等の⼀貫し
監督等の 貫し
た体制の構築,中核拠点の設置・運営について,専⾨職の関与・
連携が⾏われるべきである。
市⺠後⾒⼈を地域における権利擁護の担い⼿として 積極的に位
市⺠後⾒⼈を地域における権利擁護の担い⼿として,積極的に位
置付けるべきであり,国及び地⽅公共団体は,市⺠後⾒⼈制度の
意義を含めた成年後⾒制度の理解の浸透を図り,地域社会に対す
る働きかけをすべきである。
る働きかけをすべきである
14
最⾼裁判所提案の「後⾒制度⽀援信託」導⼊の条
件 び親族後
件及び親族後⾒⼈の不祥事防⽌策についての意⾒
祥事防⽌策
意
書(2011.10.18)
2. 家庭裁判所は,親族後⾒⼈による不祥事の事前防⽌策としては,専⾨職後⾒
⼈・後⾒監督⼈の積極的活⽤をまずは図るべきである。また,「後⾒制度⽀
援信託」に代わる⽅策として,後⾒監督⼈を付した上で預⾦解約時等の後⾒
監督⼈ 「 意
監督⼈の「同意」を得ることを⾦融機関などに対し周知・徹底に努め,また,
得
⾦融機
ど 対
知 徹底 努
親族後⾒⼈による⼀定条件以上の預⾦の出⾦・解約には裁判所の「指⽰書」
を必要とする運⽤を預⾦取引等に導⼊するなど,本件制度より制約的でない
他の対策を⼗分活⽤すべきである。
他の対策を⼗分活⽤すべきである
3. 家庭裁判所は,親族後⾒⼈による不祥事防⽌のため,まずは,裁判所の実務
運⽤として下記の対策を講ずるべきである。
① 後⾒⼈の選任時に,調査官による⾯接
後⾒⼈の選任時に 調査官による⾯接・本⼈との⾯談・親族への意向照会などを省略せず
本⼈との⾯談 親族への意向照会などを省略せず,事案を⼗分精査した上で,親族
事案を⼗分精査した上で 親族
後⾒⼈の適格性判断を慎重に⾏うべきである。
② 後⾒⼈の選任時の初期研修を抜本的に充実させるとともに,選任後も,親族後⾒⼈に対し,専⾨職の協⼒を得るなどして定
期的に研修を⾏い,研修未履修者に対しては,監督⼈の追加選任や解任事由とすべ きである。
③ 親族後⾒⼈への定期監督⽴件をより頻回に⾏うほか,親族後⾒⼈に何らかの不祥事の兆候があれば,直ちに職権での監督⽴
件をして迅速に対処し 被害の拡⼤を未然に防⽌すべきである
件をして迅速に対処し,被害の拡⼤を未然に防⽌すべきである。
4. 国は,親族後⾒⼈による不祥事の防⽌・抜本的解決のため,後⾒監督の責任
ある裁判所が,2項及び前項の実務運⽤を⼗分実施するために裁判所の⼈的・
物的体制 拡充 ,
物的体制を拡充し,そのための予算措置を講ずるとともに,後⾒⼈の権限の
予算措置 講ずる
も ,後⾒⼈ 権限
縮⼩,後⾒監督⼈及び家庭裁判所の監督権限強化・拡⼤等の成年後⾒制度の
改正のために早期の法改正を⾏うべきである。
15
弁護⼠後⾒⼈の不祥事防⽌・早期対応策の取
組について(要請)2014年1⽉31⽇理事会
以下の実施を弁護⼠会に要請
1. 質が担保された後⾒⼈等推薦名簿の整備
2. 早期発⾒・早期対応のための家庭裁判所との対応、
調整関係の確⽴
3. 弁護⼠会のよる早期発⾒、早期対応のためのチェッ
ク 助⾔体制の整備
ク・助⾔体制の整備
4. 家庭裁判所への後⾒等候補者の弁護⼠会推薦⽅式の
推奨
5. 弁護⼠後⾒⼈の研修体制・OJT・相談⽀援体制等の
抜本的強化
16