USIndicators

U.S.Indicators
マクロ経済指標レポート
米国 コア物価
コア物価は
物価は医療費、宿泊費等
医療費、宿泊費等の低下で
低下で下振れ(1
振れ(16
(16年9月消費者物価)
消費者物価)
公表日:2
公表日:2016
016年10月
10月18日(火)
~FRBが重視するPCEコアデフレーターは9
FRBが重視するPCEコアデフレーターは9月に+1.
月に+1.7
1.7%と足踏
%と足踏み
足踏みする見込み
見込み~
第一生命経済研究所 経済調査部
主任エコノミスト 桂畑 誠治
0303-52215221-5001
消費者物価(Consumer Price Index)
消費者物価
総合
コア
食品
住宅
アパレル
運輸
医療
商品
コア
サービス
コア
エネルギー
16/01
+0.028
(+1.4)
+0.293
(+2.21)
▲2.8
+0.0
+0.1
+0.6
▲0.8
+0.5
+0.2
+0.3
16/02
▲0.168
(+1.0)
+0.283
(+2.33)
▲6.0
+0.2
+0.2
+1.6
▲2.5
+0.5
+0.3
+0.3
16/03
+0.090
(+0.9)
+0.069
(+2.19)
+0.9
▲0.2
+0.1
▲1.1
+0.4
+0.1
▲0.2
+0.2
16/04
+0.408
(+1.1)
+0.195
(+2.15)
+3.4
+0.2
+0.2
▲0.3
+1.6
+0.3
▲0.1
+0.3
16/05
+0.215
(+1.0)
+0.199
(+2.24)
+1.2
▲0.2
+0.3
+0.8
+0.4
+0.3
▲0.2
+0.3
16/06
+0.211
(+1.0)
+0.164
(+2.24)
+1.3
▲0.1
+0.2
▲0.4
+0.6
+0.3
▲0.3
+0.3
16/07
▲0.040
(+0.8)
+0.089
(+2.19)
▲1.6
▲0.0
+0.3
+0.0
▲1.1
+0.5
▲0.1
+0.2
16/08
+0.205
(+1.1)
+0.260
(+2.32)
▲0.0
▲0.0
+0.3
+0.2
▲0.2
+1.0
+0.1
+0.3
16/09
+0.292
(+1.5)
+0.112
(+2.21)
+2.9
+0.0
+0.4
▲0.7
+1.0
+0.2
▲0.1
+0.2
(注)括弧内は前年同月比
総合が
9月の総合
が前月比
0.292
292%
上昇し
+0.
292
%と上昇
した
一方、
一方
、コア指数(コ
アインフレ)は前月
比+0.
0.112
112%
比+
0.
112
%と低下
16年9月の消費者物価(総合)は、前月比+0.292%(前月同+0.205%)と上昇し、
市場予想(前月比+0.3%)と一致した。食料品が前月比+0.0%(前月同▲0.0%)と
変わらなかったほか、エネルギー・食品を除く消費者物価(コアインフレ、コア指数)
が前月比+0.112%(前月同+0.260%)と市場予想の同+0.2%を下回った。一方で、
エネルギーがガソリン、燃料油、電気の上昇により同+2.9%(前月同▲0.0%)とプラ
スに転じた。
コアインフレは、医療費やホテル等宿泊費の低下により下振れた。コアインフレを商
品(財)とサービスに分けると、財価格がアパレル、自動車、タイヤなど自動車部品、
テレビなど娯楽商品、コンピューター等の下落のほか、大学教科書、タバコ、薬等の低
下を背景に前月比▲0.1%(前月同+0.1%)と下落に転じた。また、サービス価格は、
帰属家賃、法律サービス、金融サービスの加速にもかかわらず、ホテル等宿泊費、医療
サービス、公共交通機関の低下、電話関連の下落等により、同+0.2%(前月同+0.3%)
と減速した。
コアインフレのモメ
ンタムは安定
ンタムは
安定
コアインフレのモメンタムをみると、9月に3ヵ月前対比年率で+1.9%(前月+
2.1%)と低下したうえ、6ヵ月前対比年率で+2.1%(前月+2.0%)と上昇したが勢
いは強くなく、中短期でコアインフレの上昇モメンタムは安定している。
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
1
(%)
0.4
(%)
7
CPIコアの寄与度分解(前月比)
帰属家賃
CPIコアの推移
3ヵ月前対比年率
6ヵ月前対比年率
その他
6
0.3
5
4
0.2
3
0.1
2
0.0
1
0
-0.1
-1
85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 07 09 11 13 15
-0.2
07
08
09
10
11
前年比では、9
前年比では、
9月の
総合指数が
1.55%、
総合指数
が+1.
コア指数が
2.22%と
コア指数
が+2.
上昇
12
13
14
15
16
前年比での9月の消費者物価動向をみると(以下、前年同月比)、総合が+1.5%
(前月+0.8%)と小幅上昇し、市場予想通りとなった。エネルギーが▲2.9%(前月▲
9.2%)と下落幅を縮小した一方、食料品が▲0.3%(前月+0.0%)と下落したうえ、
コア指数は+2.2%(前月+2.3%)と低下し、市場予想の+2.3%を下回った。コアで
は、サービスコアが帰属家賃、賃料、自動車保険など需要の強い分野の上昇によって+
3.2%と横ばいとなった一方で、財コアが▲0.6%と下落幅を拡大した。また、より実態
の物価動向を示す連鎖CPIコアも+2.0%(前月+2.1%)と低下した。以上のように、
9月の消費者物価統計は米国のインフレ率が緩やかな上昇を続けていることを示した。
FRBが重視しているPCEコアデフレータは、財価格の下落が続く一方で、医療サ
ービス等が上昇するとみられることから、9月に前年同月比+1.7%(8月同+1.7%)
と横ばいが予想され、インフレ目標である前年比+2%に向けた動きが足踏みする公算
が大きい。
(%)
(%)
CPIコアと帰属家賃・家賃の推移(前年同月比)
医療費の推移(前年同月比)
7.0
10
帰属家賃
賃貸料
CPIコア
6.0
5.0
9
8
7
4.0
6
5
3.0
4
2.0
3
1.0
2
0.0
1
0
-1.0
848586878889909192939495969798990001020304050607080910111213141516
(出所)米労働省
(%)
(%)
3.0
商品・サービス価格の推移(コア、前年比)
7
6
5
4
3
2
1
0
-1
-2
-3
84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 16
(出所)米労働省
サービス(コア)
消費者物価(コア)
商品(コア)
(図表)各種物価統計コア指数の推移(前年同月比)
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
連鎖CPIコア
CPIコア
PCEコアデフレーター
0.0
85 87 89 91
(出所)米労働省
93
95
97
99
01
03
05
07
09
11
13
15
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16
(出所)米商務省、米労働省
本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る
と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内
容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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