議会報告 No.21 平成28年10月

上尾市議会議員
鈴木 茂 議会報告 NO,21
平成 28 年10月
【 鈴木 茂 プロフィール 】
・昭和30年生れ。
・大宮市立(現さいたま市)春里・泰平・指扇中学校教諭。
・大石小・中学校 PTA 会長。
・全埼玉私立幼稚園連合会理事。
・上尾市議会議会報委員会委員長
【 現在 】
・上尾市議会議員(無所属) 福祉常任委員会所属、上尾政策フォーラム所属
・(学)浅間台幼稚園園長
・上尾私立幼稚園協会副会長。
・(社福)特別養護老人ホーム「パストーン浅間台」理事長
・上尾市幼児教育振興協議会委員
問い合わせ先 後援会事務所 〒362-0073 上尾市浅間台2-18-3
TEL 048-771-7656 FAX 048-774-5880 E-mall [email protected]
浅間台幼稚園 〒362-0076 上尾市弁財2-5-3 TEL 048-774-1046
みなさんこんにちは。上尾市議会議員 鈴木 茂です。8月29日から9月16日まで上尾
市議会定例9月議会が開かれていました。私鈴木茂が一般質問をしましたのでその内容を中
心にご報告させて戴きます。
< 地域包括ケアシステムとは >
①介護保険の改定により平成29年度より全国一律だった要支援1・2の介護予防給付や介護予防事
業は、住む地域によってサービスが違う介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)に変わるとの
事だが、その趣旨と簡単な全体の説明を。
回答:総合事業とは、要支援者の訪問介護や通所介護のサービスを多様化。健康で元気な高齢者など
ボランティアの活用。介護サービスの担い手不足の解消。支援を必要とする高齢者の介護予防と生活
支援を総合的に提供する仕組みづくりを推進するものである。
②要支援1・2の方の訪問介護や通所介護は移行後どうなるのか?
回答:現在の要支援者は、現行の訪問介護や通所介護のサービスを継続して利用できる。新しく加える
サービスは、介護事業所の雇用する市認定ヘルパーが提供する生活援助やミニデイサービス。NPO 法
人や住民ボランティアが提供する地域の助け合いサービスや地域サロン等を考えている。
③現在行われている介護予防事業の一次予防事業と二次予防事業の違いは?またそれがいつから
どのように変わるのか?
回答:一次予防事業は、元気な高齢者を対象に、生活機能の維持・向上に向けた取り組みを行う事業。
二次予防事業は、要支援・要介護状態に陥るリスクが高い高齢者を早期発見し、早期に対応することに
より状態を改善し、要支援状態となることを遅らせる取り組みを行う事業。平成29年4月に実施予定の総
合事業では、一次予防事業、二次予防事業に区別せず全ての高齢者を対象に介護予防事業を行う。
④新しく設けられるこの地域リハビリテーション活動支援事業とはどんなものか?この事業に関わる専
門職の職種と人数、報酬はどうなるのか?
回答:アッピー元気体操といった高齢者の通いの場に、リハビリ専門職を派遣して転倒予防教室等を更
に充実させる予定。理学療法士や作業療法士を想定しており、派遣人数や報酬は、現在検討中。
⑤現在行われている介護予防事業対象者の判定方法と今後総合事業への移行後はこれが変わる
のか?
回答:現在、介護予防事業へ参加の際に記入するチェックリストにて対象者を判定している。今後も、チ
ェックリストを活用していくことは変わらない。チェックリストの実施方法については検討の余地があり、認
定申請時や高齢者調査時の配布等を考えている。
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⑧通所型介護予防事業(元気アップ教室)は、どうなるのか?会場数を増やす目標だがどのような会
場を予定しているのか?参加者数を増やす方法は?この元気アップ教室もアッピー元気アップ体操も
男性の参加者が少ないが男性参加者を増やす方法は考えているか?
回答:移行後も事業の継続を予定。会場数の増加は、理学療法士、運動指導士が在籍している介護サ
ービス事業所やスポーツクラブ等を予定。総合事業への移行後、要支援1・2を持っている被保険者も参
加できるようになる。アッピー元気体操については、「男性限定と称し周知することにより男性が参加しや
すくなる」「男性リーダーがいたほうが、男性が参加しやすい」という市民の意見をもとに、平成28年11月
に男性限定のアッピー元気体操体験会を実施する。
⑨平成28年度認知症カフェの開催がうたわれているが、認知症カフェとは何か?場所はどこで、常時
開かれているのか?料金は?
回答:認知症の人とその家族、地域住民や専門職等が気軽に集い、利用者相互の交流や認知症に関
する情報交換、地域包括支援センターの専門職による相談支援を行う場である。地域包括支援センタ
ーに業務委託。開催頻度は月1回2時間程度、参加費は100円程度。
⑩市内の高齢者施設の基盤整備について。市内の高齢者施設は特別養護老人ホーム、介護老人保
健施設、認知症グループホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅等があると思うが、その
数の実態はどうなっているのか?全国的に介護職員の不足が問題になっているが、当市においてベッ
ドはあるが介護職員がいないために空きベッドになっているという施設はあるのか?
回答:
特別養護老人ホーム
8ヶ所・747床
新設2ヶ所・190床、増設1ヶ所・30床
介護老人保健施設
4ヶ所・550床
認知症グループホーム
10ヶ所・189床
新設2ヶ所・36床
介護付有料老人ホーム
6ヶ所・438床
増設1ヶ所・60床の増床
サービス付き高齢者向け住宅
8ヶ所・268床
介護職員の不足で特別養護老人ホーム1ヶ所・10床が空いている。
⑪日本は2025年には65歳以上が3人に1人という「超高齢化社会」。高齢者の数が増えるという事は、
同時に要介護の高齢者も増えることを意味し、このままでは約38万人もの介護職が足りないと言われ
ている。特別養護老人ホームにおいてベッドが空いているのに介護職員がいないため入所を受け入
れる事ができないとの事。一方母子家庭の貧困率は50%を超えると言われている。シングルマザーの
お母さんが手に職をつけて自立できれば貧困から脱出できるわけです。この介護職不足とシングルマ
ザーの貧困からの脱出を結びつける制度は何かあるのか?また、その実績はどうなっているのか?
回答:ひとり親家庭の親の経済的な自立を支援する制度は、就業に必要な資格の取得を支援する母子
家庭自立支援給付金事業がある。平成27年度は看護師3人・准看護師5人・介護職員初任者研修1人
の合計9人がこの制度を利用している。
< 新図書館について >
私の地元のサニータウンの区長さんから電話を頂きました。「新聞を毎日読む人は6割強、ところが20
歳以下では3割に達していない。若者の活字離れは急速進んでいる。この流れは止まらないだろう。な
ぜならば若者の情報収集は紙媒体から電子媒体に移っているからである。そのような中で郊外に40億
近くかけて巨大な建物を建てる必要があるのか?建てた後の管理費や維持費は計算しているのか?
益々進む少子高齢化社会でお金の使い道を間違えていないか」との指摘でした。
①現在の本館の利用者数は?新しく上平に図書館を建てた時の利用者の見込み数は?また、新図書
館の建設後の維持費を市は計算しているのか?
回答:本年度の来館者数は、45万8千人。新図書館複合施設の来館者予想は、概ね2倍程度を見込ん
で、年間90万人の利用者を考えている。建設後の維持費は、今後実施設計での具体的な施設・整備等
の決定に併せ、明らかにする。
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➁サニータウンの区長さんは費用対効果を問題にしています。38億円かけて2倍の来館者になれば費
用対効果に問題はないが、交通不便の地で高齢化社会を迎えて2倍の来館者になるとの見通しの根拠
は?建設後来館者がこの目標に達しない時はどうするのか?費用対効果という事では、ランニングコス
トを考えることはとても大切。現時点では計算してないという事か?具体的に議会ではいつの時期に明示
するのか市民への公表はどうするのか?
回答:現本館の年間来館者約45万人、複合する青少年センターの年間利用者約2万人、上平公民館
図書室の年間利用者約1万4千人のほか、近隣に位置する上平公園の上尾市民球場とテニスコートの
年間利用者約27万人、上平公園を訪れる親子連れやウォーキングを楽しむ方がたくさんいる。ランニ
ングコストについては、実施設計終了後に概算したい。公表やその方法は、今後検討する。
「上尾の図書館を考える会」の7名が8月20日ツタヤ図書館で有名になった海老名図書館に見学に行っ
ています。その図書館は白岡市の生涯学習施設建設を設計した(株)アール・アイ・エーが築30年の建
物をリニューアルしたものでした。視察後のレポートによると築30年の建物をリニューアルしたとは思えな
い程きれいだと感じたとの事。費用は11億円。館長(武雄市の館長も経験)に上尾市の図書館移転計画
を話したところ駅から40分は理解できない。海老名市では駅から7分でも遠いと思っている。運営者の関
与の無いままの基本設計は素人以前という回答だったとの事でした。
③市は耐震基準を満たしている現在の図書館をリニューアルして建設費を抑えようと考えなかったの
か?または現在の図書館の北側の駐車場を含めて建て替えれば用地購入費用がなくその分安くなるわ
けで建設費を抑えるという発想はなかったのか?また、試算はしなかったのか?
回答:リニューアルだけでは、求める規模の図書館にならない。延床面積5,000㎡程度の施設を前提と
した場合、建築基準法の建ぺい率、駐車場面積などを考慮すると現図書館本館の敷地では狭く、計画
できない。解体から新館の完成まで2年程度の工事期間が想定され、本館の図書資料を別の場所に一
時移転が必要となり、多額の費用と仮設場所が必要。分館の運営にも支障をきたすので現図書館本館
位置での建て替えは無理である。
この後、延床面積が5,000㎡を前提にしなければ建てる事は可能との答弁がありました。現図書館本館
の敷地面積は、約1,839㎡、北側駐車場の面積は約578㎡。合計で2,417㎡です。新図書館の床面積
は2,100㎡との事で絶対に5,000㎡が必要との市の説明に矛盾を感じます。
④公報上尾8月号のみんなでつくろう新図書館というコーナーができて突然現図書館本館は、一階部分
に分館として残ると発表された。2階はどうなるのか?現在1階は新聞コーナー、子ども用図書室、自習
室、事務室等になっているが、1階部分だけが図書室となった場合の配置はどうなるのか?
回答:2階は教育センターを考えている。現本館の詳細な内部配置計画は、現在は決定していない。
⑤公報8月号、9月号2号に渡って現本館はリニューアルして1階を上尾地区の分館として残しますと載せ
ていながら、その中身はまだ決めていないでは、とても不誠実だと感じるが如何か?タウンミーティング
で上尾地区の区長にも何の説明もないと現区長さんから不満の声が上がりました。上尾地区の区長さん
達や現本館利用の市民の方達とで現図書館をどのような形で残すのか話し合いをもったらどうか?また
リニューアルの費用を概算でどの程度見込んでいるのか?
回答:現本館の再利用は、平成31年度に新図書館複合施設建設後であり、その計画は現在検討を始め
たばかりで現段階で工事費の算出はしていない。上尾地区の区長や現本館利用者の市民の皆様には
その時が来たら相談したい。
*注釈 上尾地区に図書館がなくなると反対が多くなるので、分館として残すとの事ですが、規模を明
言しないのは、全体で今の子ども室より狭くなる可能性があるからだと思われます。
⑥公報上尾9月号で新図書館複合施設の外観図が掲載され突然の外観図の変更に驚いた方は多い
のではないでしょうか?どのような経緯で変更になり、どのような観点で変更したのか?3月末の段階で
基本設計は済んでいるわけで、この基本設計の変更に伴う費用は掛からないのか、建築費に変更はな
いのか?
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回答:基本設計業務委託が終了し、外観について魅力に欠ける、緑や自然といった、上平公園近接地
に立地するメリットを生かしていないなどの意見を戴いた。外観を変更したことにより、現在想定している
建設費に影響はないと考えている。
⑦「基本設計業務委託が終了し、外観について魅力に欠ける。・・・」の意見を戴いたので実施設計前の
外観イメージの検討を行ったとの回答だが、この意見とは誰のことか?市民の意見もあるのか?
回答:文教経済常任委員会における所管事務調査において、ご意見をいただいた。
⑧公共施設最適化事業債を利用すると国から図書館建設の為に6億5千万円もらえるという事なのか?
また、38億円の財源の内訳は?
回答:6億5千万円増額となるものではなく、翌年度以降一定期間かけて地方交付税で交付される。38
億円の内訳は、公共施設最適化事業債約13億円、その他の起債約13億円の合計を市債、残りの約12
億円を一般財源で対応する予定である。
*注釈 公共施設最適化事業債はあくまでも借金です。補助金ではないので国からお金がもらえて、そ
の分の建設費が減るわけではありません。公報や市の説明では補助金と誤解しかねません。
築50年のこの建物になぜ5,600万円も支払うのか?
9月議会で上平の土地購
この土地は、平成25年4月に
入予算約2億2千万円が
大江化学工業が(株)クライズ
提案されました。私達上
に売却。26年1月の政策会議
尾政策フォーラムは反対
でこの土地を新図書館複合施
しましたが、可決されまし
設建設地と決定、3月議会で
た。その中で購入予定地
発表。写真のように郵便ポスト
にあるこの建物に物件補
は大江化学工業のままです。
償として市は、約5,600 使用実態が確認できないのに、市は物件補償費として
万円を支払おうとしている 5,600万円を土地購入費に上乗せして買おうとしていま
事が分かりました。
す。民間では考えられない発想ではないでしょうか?
先日私の中学時代の同級生から電話を頂きました。同級生の奥様が市の乳がん検診を
受診しようとしたところ断られたとの事でした。乳がん検診の実態を担当課に尋ねました。2
7年度に乳がん検診を断られた数は128件だそうです。希望者が全員、検診が受けられる
ためには、予算とマンモグラフィの数に課題があるとの事でした。友人が市に問い合わせた時、希望者
全員が検診を受けられるわけがない的な事を職員に言われたと怒っていました。そして同じ市民税を支
払っているのに受診できる人とできない人がいるのは不公平ではないか?今年の乳がん検診を受診で
きなかった為にがんが発見できなくて命を落としたら市の責任はどうなるのか?図書館に38億もかけるく
らいならその予算を削って検診に回すべきだと怒っていました。
私は一貫して図書館建設自体には反対ではないと言って来ました。しかし少子高齢化社会を迎え上
尾市でも毎年1億円程の社会保障費が増大していきます。一方税収は伸びず、今年の市税の予算額は
299億です。その中で38億を使うという一大事業です。個人が家を建てるならどこに建てようがいくらお
金をかけようが勝手です。しかし事は市民の大切な税金です。出来るだけ費用を抑え、かつ効果がある
建物にしなければなりません。また、建設に異議を唱えている市民団体もあります。上尾市では図書館
サービス計画のタイトルに「市民と共に歩む図書館」と詠っています。現在の中央図書館の耐震にも問題
はないとの事です。38億円の巨大事業をあせって行うのではなく、その基本理念にのっとって市民との
対話を重視し、市民の理解を少しでも得てから、事業に移すべきだと、私は考えます。
11月19日(土)午前10時~11時半まで第4回鈴木茂と上尾市政を語る会を実施します。場所は浅間台幼
稚園保護者用駐車場西側事務所(上尾市春日 2-27-24.普通の一軒家)です。お茶を飲みながら気軽
に話し合いましょう!上尾市政に対してのご意見をお聞かせ下さい。事務所℡716-7462
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