添付文書改訂のお知らせ - 小野薬品工業 医療用医薬品情報

- 医薬品の適正使用に欠かせない情報です。必ずお読み下さい。-
使用上の注意改訂のお知らせ
2016 年 10 月
〔製造販売〕
〔プロモーション提携〕
電話:0120-080-340
(オプジーボ/ヤーボイ専用ダイヤル)
《OPDIVO®》
ニボルマブ(遺伝子組換え)製剤
注)注意―医師等の処方箋により使用すること
このたび、標記製品の〔使用上の注意〕を改訂致しましたのでお知らせ申し上げます。
今後のご使用に際しましては、新しい添付文書をご参照下さいますようお願い申し上げます。
1.改訂内容(下線部分改訂)
改
訂
現
行(削除部分:破線)
2016 年 10 月改訂
2016 年 8 月改訂
〔使用上の注意〕
2.重要な基本的注意
(1) 本剤のT細胞活性化作用により、過度の免疫反応に起因すると考え
られる様々な疾患や病態があらわれることがある。観察を十分に
行い、異常が認められた場合には、過度の免疫反応による副作用
の発現を考慮し、適切な鑑別診断を行うこと。過度の免疫反応に
よる副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等を
考慮すること。また、本剤投与終了後に重篤な副作用があらわれ
ることがあるので、本剤投与終了後も観察を十分に行うこと。
(「重
大な副作用」の項参照)
(2) 省略(変更なし)
(3) 省略(変更なし)
(4) 省略(変更なし)
4.副作用
(1) 重大な副作用
1) 間質性肺疾患
省略(変更なし)
2) 重症筋無力症、心筋炎、筋炎、横紋筋融解症
重症筋無力症(頻度不明※)
、心筋炎(頻度不明※)
、筋炎(0.2%)
、
横紋筋融解症(頻度不明※)があらわれることがあり、これらを合
併したと考えられる症例も報告されている。筋力低下、眼瞼下垂、
呼吸困難、嚥下障害、CK(CPK)上昇、心電図異常、血中及び尿
中ミオグロビン上昇等の観察を十分に行い、異常が認められた場
合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置
を行うこと。また、重症筋無力症によるクリーゼのため急速に呼
吸不全が進行することがあるので、呼吸状態の悪化に十分注意す
ること。
3) 大腸炎、重度の下痢
省略(変更なし)
4) 1型糖尿病
省略(変更なし)
〔使用上の注意〕
2.重要な基本的注意
(1) 本剤のT細胞活性化作用により、過度の免疫反応に起因すると考
えられる様々な疾患や病態があらわれることがある。観察を十分
に行い、異常が認められた場合には、過度の免疫反応による副作
用の発現を考慮し、適切な鑑別診断を行うこと。過度の免疫反応
による副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホルモン剤の投与等
を考慮すること。
(「重大な副作用」の項参照)
(2) 省略
(3) 省略
(4) 省略
4.副作用
(1) 重大な副作用
1) 間質性肺疾患
省略
2) 重症筋無力症、筋炎
重症筋無力症(頻度不明※)
、筋炎(0.2%)があらわれることが
あり、これらを合併したと考えられる症例も報告されている。筋
力低下、眼瞼下垂、呼吸困難、嚥下障害、CK(CPK)上昇等の観
察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、副腎
皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、重症筋
無力症によるクリーゼのため急速に呼吸不全が進行することが
あるので、呼吸状態の悪化に十分注意すること。
3) 大腸炎、重度の下痢
省略
4) 1型糖尿病
省略
次頁へ続く
1
改
訂
現
5) 免疫性血小板減少性紫斑病
免疫性血小板減少性紫斑病(頻度不明※)があらわれることがある
ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止
し、適切な処置を行うこと。
6) 肝機能障害、肝炎
省略(変更なし)
7) 甲状腺機能障害
省略(変更なし)
8) 神経障害
省略(変更なし)
9) 腎障害
省略(変更なし)
10) 副腎障害
省略(変更なし)
11) 脳炎
省略(変更なし)
12) 重度の皮膚障害
省略(変更なし)
13) 静脈血栓塞栓症
省略(変更なし)
14) Infusion reaction
省略(変更なし)
(2) その他の副作用
5%以上
心臓障害
1~5%未満
1%未満
関連記載なし
5) 肝機能障害、肝炎
省略
6) 甲状腺機能障害
省略
7) 神経障害
省略
8) 腎障害
省略
9) 副腎障害
省略
10) 脳炎
省略
11) 重度の皮膚障害
省略
12) 静脈血栓塞栓症
省略
13) Infusion reaction
省略
(2) その他の副作用
頻度不明※
5%以上
徐脈、心房細
不整脈、心肥大、
動、心室性期外
心不全、急性心
収縮、頻脈、動
不全
悸、伝導障害
行(削除部分:破線)
心臓障害
1~5%未満
1%未満
頻度不明※
徐脈、心房細
不整脈、心肥大、
動、心室性期外
心筋炎、心不全、
収縮、頻脈、動
急性心不全
悸、伝導障害
2.改訂理由
厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長通知に基づき、
〔使用上の注意〕の「重要な基本的注意」および「重大な副作用」を改訂
致しました。
 平成28年10月18日付 厚生労働省医薬・生活衛生局安全対策課長通知に基づく改訂
2.重要な基本的注意
(1) 国内において、本剤最終投与後30日を超えて発現した重篤な副作用が集積されており、また海外添付文書にも記載があること
から、本剤の使用にあたっては、本剤投与終了後も副作用の観察を十分に行う必要があると判断し、「重要な基本的注意」の
「過度の免疫反応」に関する記載に「投与終了後の副作用」に関する注意喚起を追記致しました。
4.副作用
(1) 重大な副作用
 国内において、重篤な「心筋炎」及び「横紋筋融解症」の副作用が集積されており、また重症筋無力症、或いは筋炎が合併し
たと考えられる症例が認められていること、また海外添付文書にも記載があることから、
「重大な副作用」の「重症筋無力症、
筋炎」の項に「心筋炎、横紋筋融解症」を追記致しました。
 国内において、重篤な「免疫性血小板減少性紫斑病」の副作用が集積されたことから、「重大な副作用」に「免疫性血小板減
少性紫斑病」を追記致しました。
 自主改訂
4.副作用
(2) その他の副作用
「重大な副作用」に「心筋炎」を追記したことから、
「その他の副作用」より「心筋炎」を削除しました。
尚、流通在庫の関係から改訂添付文書を封入した製品がお手元に届くまでに若干の日数を必要と致しますので、当分の間は
ここにご案内致しました改訂内容をご参照下さいますようお願い申し上げます。
※次頁以降に症例紹介及び使用上の注意の全文を記載しておりますのでご参照下さい。
2
―心筋炎の症例紹介―
症例紹介
男性
60 歳代
副作用
使用理由:非小細胞肺癌
心筋炎、重症筋無力症
1 日投与量、投与回数
合併症:両側胸水
3mg/kg、2 回
経過及び処置
投与 2 年前頃
放射線療法(全脳(48Gy(37.5Gy+10.5Gy))、CBDCA+PEM(カルボプラチ
ン+ペメトレキセド)療法(4 コース)施行。
投与 1 年 8 カ月前頃
PEM(ペメトレキセド)維持療法(5 コース)施行。
投与 1 年 6 カ月前頃
放射線療法(腰椎(L2-4)20Gy/5Fr)、DTX+BEV(ドセタキセル+ベバシズマ
ブ)療法(18 コース)施行。
投与 2 カ月前頃
PET-CT で原疾患の進行を確認。
投与開始日(1 回目)
切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対し、本剤(3mg/kg)を投与した。
投与 15 日目(2 回目)
本剤 2 回目(3mg/kg)投与。
(最終投与)
投与 29 日目
家族と車イスで来院。
来院時検査所見:血圧:76/34mmHg、脈拍:102 回/分、SpO2:95%、体温:36.0℃。
本剤投与中に背部痛が出現し、構語困難及び意識レベルの低下も認めたため、
頭部/胸腹部 CT を実施。脊椎に多発する骨転移を認めたが、責任病変は特定で
きず。肋骨にも転移あり。脳転移はなし。両側胸水が増加傾向であり、癌性胸
膜炎も背部痛の原因となり得る所見であった。
2、3 日前から背部痛、全身倦怠感あり、心筋逸脱酵素上昇と前胸部 ST 上昇の
所見を認めていた。本剤 3 回目投与の予定であったが、全身状態(特に循環機
能)が悪化しており、循環器内科にコンサルトし入院となった。緊急心臓カテー
テル検査で、CAG(冠動脈造影):intact coronary、LVG(左室造影):心尖部
を中心に asynergy を認め下壁は dyssynchronic であった。循環器内科での入院を
継続し、心不全治療を開始した。カルペリチド持続静注を開始した。
右眼瞼下垂、項部硬直、背部痛、歩行困難を認めた。重症筋無力症を示唆する
症状も見られていたため、神経内科を受診。朝から目が開かず、右眼瞼下垂で
ほぼ完全に閉じており、左もやや開きにくそうな印象だった。瞳孔径:
3.5/3.5mm、不同なし、対光反射:+/+、両側やや緩慢であった。EOM(外眼筋
運動):側方視は両眼とも正中からわずかに動く程度、上下方向にも制限があっ
た(側方視よりは動いた)。構音障害:+。四肢の筋力低下あり、MMT(徒手
筋力検査):3〜4 程度であった。DTR(深部腱反射):両上下肢とも減弱〜消
失であった。本剤の副作用による重症筋無力症、筋炎の診断であった。抗 AChR
抗体検査用検体を提出した。処置としてステロイドパルス療法(3 日間→後療
法(1mg/kg 程度))を行った。
モニター心電図上、極性の異なる複数の QRS が観察されたが、12 誘導 ECG 上
は CRBBB(完全右脚ブロック)type QRS と CLBBB(完全左脚ブロック)type QRS
の二つのみ観察された。おそらくモニター表示上の問題と考えた。UCG(心臓
超音波検査):IVC(下大静脈)拡張有り、φ29mm、TR(三尖弁逆流):1/4、
TRPG(三尖弁圧較差):14mmHg。PH(肺高血圧症)所見は強くなかった。PVC
3
(心室性期外収縮)が散発するため β-blocker を投与した。ビソプロロール・テー
プ 4mg(1/2 枚)を貼付した。 ステロイドパルス(1g)療法は著効しなかった。
心エコー検査所見:見える範囲で非常に poor echo。前壁に hypo〜akinetic area
(+)。他の部位の動きは保たれているようだが、LV function(左室機能)は低
下傾向。
EF(左室駆出率):44%。IVC(下大静脈)拡張(+)。TR(三尖弁逆流)の
流速は計測できなかった。心嚢水(少量)(+)、胸水(+)。
投与 30 日目
持続性 VT(心室頻拍)から pulseless VT(無脈性心室頻拍)となり除細動
(DC/150J)で ROSC(自己心拍再開)となった。UCG:very poor study、LV function
の増悪は無い印象、TR(三尖弁逆流) trivial であった。薬剤性心筋炎を原因と
した心室性不整脈と考えた。
アミオダロン持続静注を開始。VT storm(心室頻拍)となり循環破綻したため
PCPS(経皮的心肺補助法)/ IABP(大動脈内バルーンパンピング)サポートを
開始。右内頚静脈アプローチで RV septal(右心室中隔)より心筋生検を施行。
気管内挿管を施行し、人工呼吸も開始。S-G カテーテル留置し ICU に入室。本
剤による重症心筋炎と診断した。同時に重症筋無力症の合併を認めた。本剤の
除去効果も期待し、血漿交換療法を開始。左内頚静脈よりブラッドアクセスカ
テーテルを挿入した。
病理組織学的診断・所見:Acute myocarditis(site-unknown)、marked,biopsy
標本の心筋組織では心筋間および心筋細胞の断裂、融解像を伴って、多数の単
核球細胞浸潤を認めた。また、間質の浮腫と軽度の線維化がみられた。高度の
急性心筋炎像に相当する。
免疫組織化学的検討では、心筋間および心筋細胞にみられる多数の単核球細胞
は CD3、CD45RO 陽性の T 細胞が多数を占めており、なかでも CD4-CD8+T 細
胞が優勢であった。ごくわずかに CD20、CD79a 陽性の B 細胞や CD4+CD8-T
細胞の混在がみられた。これらは抗 PD-1 抗体投与後の腫瘍部や autoimmune
lesion でみられる組織像との報告もあり、今回の検体も同様の所見を示した。抗
PD-1 抗体投与後の自己免疫性心筋炎の可能性がある所見。
投与 31 日目
ステロイドパルス療法及び血漿交換を施行。
投与 32 日目
プレドニゾロン(60mg/日)内服及び血漿交換を施行。
投与 34 日目
重症筋無力症に対して IVIg(免疫グロブリン大量療法)を施行。
心筋炎に対して on-off test を施行し、DOA・DOB(ドパミン・ドブタミン)を
補助併用し、自己の心収縮の改善が見られたため、PCPS を抜去。その後、単発
の PVC は認めるものの、心拍数・血圧とも安定して経過しており、経過に問題
はなかった。
投与 35 日目
心筋炎に対して PCPS 離脱、
IABP サポート中であり、重症筋無力症に対して IVIg
及びプレドニゾロン(60mg/日)内服中であった。
投与 37 日目
早朝に high rate の持続性 VT があった。血圧も著明に低下あり、除細動(DC)
にて洞調律化した。アミオダロン投与中ではあるが、DC は 1 回で成功した。
投与 41 日目
心筋炎に対して PCPS 離脱、IABP 抜去した。重症筋無力症に対してプレドニゾ
ロン(50mg/日)を内服中であった。
4
投与 42 日目
血液培養にて 4 本中 2 本でブドウ球菌を検出した。喀痰培養にて Pseudomonas
aeruginosa:3+であった。SBT(スルバクタム)/ABPC(アンピシリン)→CAZ
(セフタジジム)を投与した。
投与 43 日目
バンコマイシンの投与を開始した。
投与 45 日目
プレドニゾロン 40mg(iv)を投与。
投与 48 日目
気管切開を施行した。
投与 49 日目
プレドニゾロン 30mg を投与。呼吸器内科へ転科した。
投与 52 日目
プレドニゾロン 20mg を投与。
投与 55 日目
プレドニゾロン 10mg を投与。
投与 58 日目
血圧低下が続いたため CV から酢酸リンゲル液全開滴下し、ノルアドレナリン
3A+生食 47mL を 5mL/hr で開始した。UCG:poor study だが左室収縮は保たれ
ていた。
TR:-、MR:-、AR:-、右心系拡大目立ち、IVC 拡張であった。
投与 61 日目
プレドニゾロン 1000mg の投与を開始。
脳波検査:背景活動優位律動は 5-6Hz の低振幅の徐波で、出現に左右差はなかっ
た。全体に同程度の振幅があった。突発性異常はなかった。脳波の結果から、
原因は特定できないが、広範な大脳の障害と考えられた。
投与 63 日目
プレドニゾロン(1,000mg)を投与。
投与 64 日目
プレドニゾロン 60mg に減量。この時点では心筋炎は改善していなかったが、
パルスの継続は不可能と判断し、ステロイド用量を 60mg に減量した。
投与 70 日目
血液培養からカンジダを検出。カンジダ菌血症に対してミカファンギンナトリ
ウム(150mg/日)の投与を開始した。
投与 78 日目
徐々に自発呼吸が減少し、呼吸器設定を強制換気に変更した。しばらくして、
モニター上 VF となったため、胸骨圧迫を開始した。AED 装着し、アドレナリ
ンを 2 分間隔で計 7 筒投与したが、心停止状態が持続した。心筋炎に伴う致死
的な不整脈により患者は死亡した。重症筋無力症の転帰は回復したが後遺症あ
りと判定された。
5
検査項目名
投与開始日
投与 29 日目
投与 42 日目
投与 58 日目
投与 78 日目
CPK(IU/L)
26
9892
-
-
-
CK-MB(U/L)
-
325
-
-
54
CRP(mg/dL)
0.2
3.4
0.7
5.4
0.2
WBC(万個/μL)
0.41
0.75
1.05
0.75
0.66
RBC(万個/μL)
359
501
260
348
321
Neu(%)
68.0
80.4
90.3
87.0
-
Hb(g/dL)
11.0
15.0
8.0
11.4
10.7
Eos(%)
2.7
0.1
0.0
0.4
-
PLT(万個/μL)
7.9
16.2
5.3
9.4
3.4
Lym(%)
24.0
14.4
7.2
7.6
37.0
AST(IU/L)
23
657
25
33
144
ALT(IU/L)
13
297
20
76
658
LDH(IU/L)
267
2120
402
373
913
T-Bil(mg/dL)
0.4
0.8
1.0
-
0.9
BUN(mg/dL)
19.3
38.6
37.2
69.8
95.3
Cr(mg/dL)
0.81
0.95
0.56
0.53
0.92
Na(mEq/L)
141
139
131
135
135
K(mEq/L)
4.2
5.0
4.7
4.5
7.2
Cl(mEq/L)
108
101
99
100
100
Ca(mg/dL)
8.0
9.2
6.8
-
7.2
P(mg/dL)
3.5
-
3.5
-
-
TP(g/dL)
5.9
7.0
-
-
3.4
ALB(g/dL)
2.8
3.1
-
-
1.3
A/G ratio
0.9
0.8
-
-
0.6
IgG(mg/dL)
-
1390
-
-
-
IgM(mg/dL)
-
72
-
-
-
SpO2(%)
-
95
-
-
-
尿沈渣(赤血球)(HF)
1-4
-
-
-
-
尿沈渣(白血球)(HF)
<1
-
-
-
-
尿沈渣(扁平上皮)
(HF)
<1
-
-
-
-
尿蛋白半定量(mg/dL)
-
30
-
-
-
トロポニン I (ng/mL)
-
39.82
-
-
-
併用薬:アトルバスタチンカルシウム水和物、トラセミド、非ピリン系感冒剤
出典:小野薬品社内資料
(管理番号: OV2016J4897)
6
―横紋筋融解症の症例紹介―
症例紹介
副作用
使用理由:非小細胞肺癌
横紋筋融解症、CPK 増加、
好酸球数増加、筋炎
女性
70 歳代
1 日投与量、投与回数
合併症:なし
3mg/kg、2 回
経過及び処置
日時不明
非小細胞肺癌を認めた。
投与 4 カ月前
化学療法(CBDCA+PEM)施行。
投与 1 カ月前
化学療法(CBDCA+PEM)を終了した。
投与開始日(1 回目)
PD となり、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対し、本剤(3mg/kg)を投与
した。
投与 15 日目(2 回目)
本剤 2 回目投与。
(最終投与)
投与 29 日目
本剤 3 回目投与前の検査で、CPK、好酸球、LDH、AST、ALT の上昇を認め、筋肉
痛の症状があった。本剤による筋炎、横紋筋融解症の疑いで入院となった。処置と
して補液を投与し、経過を観察することとなった。本剤は中止した。
日時不明
筋 MRI の所見:エコー信号があった。
投与 32 日目
補液では CPK、肝機能値の改善が認められなかったため、処置としてステロイドパ
ルス療法(3 日間)を施行した。
投与 35 日目
経口プレドニゾロン(40mg/日)の投与を開始した。
投与 57 日目
CPK は正常値に近づき、好酸球上昇は軽快した。
投与 60 日目
CPK の値が正常値まで低下し、筋肉痛も消失した。CPK 上昇、横紋筋融解症、筋
炎は回復した。CPK 改善に伴い、経口プレドニゾロンを減量した。
投与 67 日目
引き続き外来でステロイド減量していく予定となり、患者は退院した。プレドニゾ
ロンを 15mg/日まで減量した。
7
検査項目名
投与
7 日前
投与
15 日目
投与
29 日目
投与
32 日目
投与
36 日目
投与
39 日目
投与
43 日目
投与
46 日目
投与
53 日目
投与
57 日目
投与
60 日目
投与
67 日目
CPK(IU/L)
46
-
8382
8631
1310
770
488
361
264
211
183
163
LDH(IU/L)
180
1199
1477
1310
1068
636
519
428
404
370
-
46.4
-
-
-
-
-
87.1
-
-
31
450
542
140
70
51
45
41
36
35
15
221
286
265
192
110
86
78
72
51
0.69
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
0.93
7.2
-
-
-
-
292.7
305.5
83.3
195.6
188.7
164.6
121.5
77.2
15.1
18.1
12.0
24
26.9
23.2
22.6
22.5
18.1
18.8
Cr(mg/dL)
0.54
0.56
0.48
0.46
0.43
0.41
0.44
0.41
0.40
0.47
(2+)
(2+)
(+/-)
(-)
(-)
(-)
(-)
-
-
-
-
88.5
BUN(mg/dL)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
CK-MB(IU/L)
-
-
-
-
-
-
-
(-)
(-)
Neu(%)
AST(IU/L)
ALT(IU/L)
WBC(万個/μL)
Eos(%)
尿潜血
(-)
0.0
<自己抗体関連検査>
年月日不明
抗 Jo-1 抗体:陰性、抗 ARS 抗体:陰性
併用薬:耐性乳酸菌製剤(3)
、ブロチゾラム
出典:小野薬品社内資料
(管理番号: OV2016J4011)
8
―免疫性血小板減少性紫斑病の症例紹介―
症例紹介
副作用
使用理由:悪性黒色腫
免疫性血小板減少性紫斑病、甲状
腺機能亢進症、甲状腺機能低下、
女性
多発性脳梗塞
70 歳代
1 日投与量、投与回数
合併症:高血圧、高脂血症、髄膜腫
2mg/kg、2 回
経過及び処置
投与約 4 年 5 カ月前
この頃、左下肢足底(踵)に悪性黒色腫を初発。
投与約 1 年 5 カ月前
初診、悪性黒色腫(原発部位:左下肢足底(踵))を確認。
投与約 1 年 4 カ月前
左踵部の悪性黒色腫 stage 3b に対して、左足底腫瘍切除術、左鼠径リンパ節郭清を施
行。
投与約 1 年 3 カ月前
DAV-feron 療法を開始(6 クール)。
投与 7 カ月前
IFN-β維持療法(feron 局所療法)を開始(2 クール)。
投与 2 カ月前
新たな肺転移、肺門部リンパ節転移を指摘され本剤導入を検討。
投与開始日(1 回目)
BRAF 変異陰性であったため、根治切除不能な悪性黒色腫(再発、病型分類:末端黒
子型、stage 4)に対し、本剤(2mg/kg)を投与。プレメディケーションなし。
投与 25 日目(2 回目) 本剤 2 回目投与。甲状腺機能亢進を認めたが、自覚症状なく、本剤は継続し処置は
(最終投与)
行わなかった。
投与 32 日目
外来受診。
投与 44 日目
自宅にて下肢の紫斑と歯肉出血が出現するが、患者の判断により自宅で様子を見て
いた。
投与 46 日目
本剤 3 回目投与のため来院。PLT:2,000 と著明な減少を認めたため、本剤の投与を
中止し緊急入院となる。血小板濃厚液 10U 投与開始(以降 58 日目まで 10~20U を
投与)。血液内科にコンサルテーションを依頼。症状としては歯肉出血がみられる
程度で、倦怠感など自覚症状は見られなかった。
甲状腺機能亢進は回復した。
投与 47 日目
メチルプレドニゾロン 250mg を投与し、プレドニゾロン 40mg/日の内服を開始。濃
厚血小板投与などによるオーバーボリュームを懸念してラシックスの投与を開始。
投与 48 日目
メチルプレドニゾロンを 125mg に減量。
投与 49 日目
連日の血小板濃厚液とメチルプレドニゾロンの投与でも PLT の増加は見られず、免
疫グロブリン大量療法(IVIg)(400mg/kg/日×5 日間)を開始。
投与 50 日目
歯肉出血に加え、下血がみられる。(便性状:黒色便+鮮血)
投与 51 日目
下血のため絶食、輸液管理、床上安静管理(トイレ歩行不可)とした。自覚症状は
軽度倦怠感のみであった。出血、ステロイド使用に対しての保護のためランソプラ
ゾールを開始した。
投与 53 日目
出血有無確認のため全身 CT と内視鏡検査を実施。内視鏡検査にて消化管出血の痕跡
が認められた。(所見:胃粘膜下の出血斑が多発。胃の大部分が粘膜下出血で占め
9
られている。アクティブな出血は見られない。)
骨髄検査の結果、腫瘍細胞の浸潤を示唆する明らかな所見は確認されなかった。巨
赤芽球の増加や低下はなく、正常であった。3 系統(赤芽球系、顆粒球系、巨核球)
共に明らかな異形成は認めなかった。
Hb(ヘモグロビン)6.8 を示したが、赤血球濃厚液 2U の投与により改善した。
PLT:2,000 と回復はみられず、ロミプロスチム(トロンボポエチン受容体作動薬)
60μg/日を投与開始。
骨髄穿刺で異常所見なく、MPHA 法(混合受身赤血球凝集反応)により、抗血小板
抗体が陽性であることがわかり、感染の兆候、抗核抗体を含む自己免疫疾患の兆候
もなかったことから、患者は ITP と確定診断された。
投与 55 日目
倦怠感、下血は消失した。
投与 56 日目
歯肉出血は消失した。
投与 58 日目
下血も治まっていたことから、食事摂取再開。
投与 60 日目
便中ヘリコバクター・ピロリ抗原の陰性を確認。ITP の処置としてロミプロスチム(ト
ロンボポエチン受容体作動薬)120μg/日を投与した。
投与 67 日目
ITP の処置としてロミプロスチム(トロンボポエチン受容体作動薬)120μg/日を投
与した。甲状腺機能低下を認めた。自覚症状なく、処置としてレボチロキシン 25μg
を投与した。
投与 68 日目
紫斑は消失した。この日から、呂律が回らない、発語が難しい状況、右上下肢の軽
度麻痺が出現した。 ヘパリン(10,000 単位/日)の投与を開始した。
投与 69 日目
MRI 検査を行い、多発性脳梗塞と診断した。
投与 70 日目
PLT:90,000 まで回復。
投与 72 日目
プレドニゾロンを 30mg/日に減量。
投与 76 日目
発語が戻り、聞き取りに問題はなかった(本人はまだ少し違和感があった)。 麻痺
は軽快しているが、箸を動かすなどの細かい作業は難しかった(スプーンによる摂
食)。ヘパリンの投与を終了した。
投与 77 日目
ITP 治療 1 ヵ月後、十分な血小板レベル(PLT:124,000)に至り、ITP は回復。
投与 79 日目
PLT:120,000 まで回復。プレドニゾロンを 25mg/日に減量。消化管出血も落ち着い
た。
投与 84 日目
甲状腺機能低下は軽快した。
投与 91 日目
多発脳梗塞は回復したが後遺症が残った。
投与 157 日目
プレドニゾロンの投与を終了した。
10
投与
12 日前
投与
25 日目
投与
46 日目
投与
49 日目
投与
51 日目
投与
58 日目
投与
59 日目
投与
60 日目
投与
68 日目
投与
69 日目
投与
70 日目
投与
84 日目
投与
91 日目
TSH
(mU/L)
2.18
0.022
0.189
-
-
-
-
-
-
-
-
34.3
-
FT3
(pg/mL)
2.51
9.99
2.23
-
-
-
-
-
-
-
-
1.42
-
FT4(ng/dL)
1.29
6.12
1.13
-
-
-
-
-
-
-
-
0.496
-
WBC
(万個/μL)
0.544
0.44
0.532
1.19
0.91
0.864
0.781
0.742
0.58
0.75
0.562
0.454
0.296
RBC
(万個/μL)
400
383
419
331
272
311
313
314
307
323
339
366
353
Hb(g/dL)
12.8
12.2
13.2
10.7
8.7
10.0
10.1
10.1
10.1
10.6
11.2
11.6
11.3
PLT
(万個/μL)
22.8
19.6
0.2
0.1
0.2
0.7
1.7
4.2
9.1
8.8
9
18
19.9
CRP
(mg/dL)
0.2
0.3
0.4
-
0.1>
-
0.0
-
0.1>
-
-
0.1
0.1
-
-
-
-
27.5
22.6
24.7
19
24.5
46.7
66.8
11.5
11.5
12.1
12.4
11.9
0.97
0.98
0.95
-
-
-
-
19.4
-
-
-
-
-
-
-
16.3
29.2
-
-
-
-
19.5
22
1.04
1.06
1.03
-
-
-
-
-
-
-
-
FDP
(μg/mL)
-
-
-
-
-
-
1.7
-
1.3
0.9
0.7
-
-
Fib(mg/dL)
-
-
-
-
-
-
189
-
110
104
159
-
-
血小板表面
IgG
-
-
-
-
0.75
-
-
-
-
-
-
-
-
検査項目名
Lym(%)
APTT(sec)
PT(%)
PT(INR)
25.4
11.1
<自己抗体関連検査>
投与 52 日目
抗血小板抗体:陽性、血小板関連免疫グロブリン G(PA-IgG):4460.7 ng/107 cells、可溶性インターロイキ
ン 2 受容体(sIL-2R):1170 U/mL、抗 SS-A/Ro 抗体:27.3 U/mL、抗核抗体(ELISA 法):22.8 倍
併用薬:アムロジピンベシル酸塩、プラバスタチンナトリウム
出典:小野薬品社内資料
(管理番号: OV2015J0779)
11
使用上の注意の全文
2016年10月改訂
〈用法・用量に関連する使用上の注意〉
〔警
告〕
1.本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化
学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使
用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。ま
た、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危
険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
2.間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例も報告されてい
るので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、疲労等)の
確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。ま
た、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎
皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。(「慎
重投与」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項
参照)
(1) 化学療法既治療の根治切除不能な悪性黒色腫患者の場合、本
剤の用法・用量は「臨床成績」の項の内容を熟知した上で、
選択すること。
(2) 注射液の調製法及び点滴時間(「適用上の注意」の項参照)
1) 本剤の投与時には、悪性黒色腫では1回投与量として3mg/kg
又は2mg/kgとなるように、非小細胞肺癌及び腎細胞癌では1
回投与量として3mg/kgとなるように必要量を抜き取る。
2) 本剤は、1時間以上かけて点滴静注すること。
(3) 本剤の投与にあたっては、インラインフィルター(0.2又は
0.22μm)を使用すること。
(4) 他の抗悪性腫瘍剤(サイトカイン製剤を含む)との併用につ
いて、有効性及び安全性は確立していない。
〔使用上の注意〕
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
(1) 自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患
の既往歴のある患者〔自己免疫疾患が増悪するおそれがある。〕
(2) 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者〔間質性
肺疾患が増悪するおそれがある。(「警告」、「重要な基本
的注意」、「重大な副作用」の項参照)〕
〔禁忌(次の患者には投与しないこと)〕
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
〔効能・効果〕
根治切除不能な悪性黒色腫
切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
〈効能・効果に関連する使用上の注意〉
(1) 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌及び根治切除不能
又は転移性の腎細胞癌の場合、化学療法未治療患者にお
ける本剤の有効性及び安全性は確立していない。
(2) 本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確
立していない。
(3) 「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安
全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
(4) 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌の場合、サイトカイ
ン製剤のみの治療歴を有する患者に対する本剤の有効性
及び安全性は確立していない。
〔用法・用量〕
1.根治切除不能な悪性黒色腫
化学療法未治療の根治切除不能な悪性黒色腫患者の場合:
通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回
3mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注する。
化学療法既治療の根治切除不能な悪性黒色腫患者の場合:
通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回
3mg/kg(体重)を2週間間隔又は1回2mg/kg(体重)を3
週間間隔で点滴静注する。
2.切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、根治切除不能又は
転移性の腎細胞癌
通常、成人にはニボルマブ(遺伝子組換え)として、1回
3mg/kg(体重)を2週間間隔で点滴静注する。
2.重要な基本的注意
(1) 本剤のT細胞活性化作用により、過度の免疫反応に起因すると
考えられる様々な疾患や病態があらわれることがある。観察を
十分に行い、異常が認められた場合には、過度の免疫反応によ
る副作用の発現を考慮し、適切な鑑別診断を行うこと。過度の
免疫反応による副作用が疑われる場合には、副腎皮質ホルモ
ン剤の投与等を考慮すること。また、本剤投与終了後に重篤
な副作用があらわれることがあるので、本剤投与終了後も観
察を十分に行うこと。(「重大な副作用」の項参照)
(2) 間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあ
たっては、臨床症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び
胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、必要
に応じて胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。
(「警告」、「慎重投与」、「重大な副作用」の項参照)
(3) 甲状腺機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開
始前及び投与期間中は定期的に甲状腺機能検査(TSH、遊離
T3、遊離T4等の測定)を実施すること。本剤投与中に甲状腺
機能障害が認められた場合は、適切な処置を行うこと。(「重
大な副作用」の項参照)
(4) Infusion reactionとして、発熱、悪寒、そう痒症、発疹、高血圧、
低血圧、呼吸困難等があらわれることがあるので、本剤の投
与は重度のInfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応ので
きる準備を行った上で開始すること。また、2回目以降の本剤
投与時にInfusion reactionがあらわれることもあるので、本剤
投与中及び本剤投与終了後はバイタルサインを測定するな
ど、患者の状態を十分に観察すること。なお、Infusion reaction
を発現した場合には、全ての徴候及び症状が完全に回復する
まで患者を十分観察すること。(「重大な副作用」の項参照)
3.相互作用
併用注意(併用に注意すること)
12
薬剤名等
生ワクチン
弱毒生ワクチン
不活化ワクチン
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
接種したワクチンに
対する過度な免疫応
答に基づく症状が発
現した場合には適切
な処置を行うこと。
本剤 の T細胞活 性化
作用による過度の免
疫反応が起こるおそ
れがある。
し、適切な処置を行うこと。
6)肝機能障害、肝炎
AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加、γ-GTP増加、Al-P増加、
ビリルビン増加等を伴う肝機能障害(1.4%)、肝炎(0.2%)があ
らわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場
合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
7)甲状腺機能障害
甲状腺機能低下症(7.3%)、甲状腺機能亢進症(1.7%)、甲状
腺炎(1.0%)等の甲状腺機能障害があらわれることがあるので、
観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するな
ど、適切な処置を行うこと。
4.副作用
〈根治切除不能な悪性黒色腫〉
国内第Ⅱ相試験(ONO-4538-02及び08試験)の安全性評価対象59
例中、48例(81.4%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認め
られた。主な副作用(10%以上)はそう痒症16例(27.1%)、白
8)神経障害
斑11例(18.6%)、甲状腺機能低下症11例(18.6%)、遊離トリ
末梢性ニューロパチー(1.6%)、多発ニューロパチー(0.2%)、
ヨードチロニン減少8例(13.6%)、白血球数減少8例(13.6%)、
自己免疫性ニューロパチー、ギラン・バレー症候群、脱髄(いず
血中TSH増加7例(11.9%)、遊離サイロキシン減少6例(10.2%)、
れも頻度不明※)等の神経障害があらわれることがあるので、観
CRP増加6例(10.2%)、疲労6例(10.2%)及び倦怠感6例(10.2%)
察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するな
であった。(承認時)
ど、適切な処置を行うこと。
〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
9)腎障害
国内第Ⅱ相試験(ONO-4538-05及び06試験)の安全性評価対象
腎不全(0.7%)、尿細管間質性腎炎(0.3%)等の腎障害があら
111例中、88例(79.3%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が
われることがあるので、本剤の投与中は定期的に腎機能検査を行
認められた。主な副作用(10%以上)は発熱16例(14.4%)、倦
い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置
怠感16例(14.4%)、食欲減退16例(14.4%)及び発疹16例(14.4%)
を行うこと。
であった。(承認時)
10)副腎障害
〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉
副腎機能不全(1.4%)等の副腎障害があらわれることがあるので、
国際共同第Ⅲ相試験(ONO-4538-03/CA209025試験)の安全性評
観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するな
価対象406例(日本人37例含む)中、319例(78.6%)に副作用(臨
ど、適切な処置を行うこと。
床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用(10%以上)は
11)脳炎
疲労134例(33.0%)、悪心57 例(14.0%)、そう痒症57例(14.0%)、
脳炎(頻度不明※)があらわれることがあるので、観察を十分に
下痢50例(12.3%)、食欲減退48例(11.8%)及び発疹41例(10.1%)
行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処
であった。(承認時)
置を行うこと。
(1)重大な副作用
12)重度の皮膚障害
1)間質性肺疾患
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、
肺臓炎、肺浸潤、肺障害等の間質性肺疾患(5.0%)があらわれる
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不
ことがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常(捻髪音)
明※)、多形紅斑(0.3%)等の重度の皮膚障害があらわれること
等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合には、速や
があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与
かに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。
を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモ
13)静脈血栓塞栓症
ン剤の投与等の適切な処置を行うこと。(「警告」、「慎重投与」、
深部静脈血栓症(0.2%)等の静脈血栓塞栓症があらわれることが
「重要な基本的注意」の項参照)
あるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を
2)重症筋無力症、心筋炎、筋炎、横紋筋融解症
中止するなど、適切な処置を行うこと。
重症筋無力症(頻度不明※)、心筋炎(頻度不明※)、筋炎(0.2%)、
14)Infusion
reaction
横紋筋融解症(頻度不明※)があらわれることがあり、これらを
発熱、悪寒、そう痒症、発疹、高血圧、低血圧、呼吸困難、過敏症
合併したと考えられる症例も報告されている。筋力低下、眼瞼下
等を含むInfusion reaction(4.5%)があらわれることがあるので、
垂、呼吸困難、嚥下障害、CK(CPK)上昇、心電図異常、血中
患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、投与を中
及び尿中ミオグロビン上昇等の観察を十分に行い、異常が認めら
止するなど、適切な処置を行うこと。また、重度のInfusion reaction
れた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切
があらわれた場合には直ちに投与を中止して適切な処置を行うと
な処置を行うこと。また、重症筋無力症によるクリーゼのため急
ともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。
速に呼吸不全が進行することがあるので、呼吸状態の悪化に十分
注意すること。
(2)その他の副作用
3)大腸炎、重度の下痢
以下の副作用が認められた場合には、症状にあわせて適切な処置
大腸炎(1.6%)、重度の下痢(1.0%)があらわれることがあるの
を行うこと。
で、観察を十分に行い、持続する下痢、腹痛、血便等の症状があら
5%以上
1~5%未満
1%未満
頻度不明※
われた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
リンパ球減少症、
血液及び
白血球減少症、
4)1型糖尿病
リンパ系 貧血
好中球減少症、 リンパ節症
※
1型糖尿病(劇症1型糖尿病を含む)(頻度不明 )があらわれ、
好酸球増加症、
障害
血小板減少症
糖尿病性ケトアシドーシスに至ることがあるので、口渇、悪心、
徐脈、心房細動、
嘔吐等の症状の発現や血糖値の上昇に十分注意すること。1型糖尿
不整脈、心肥大、
心室性期外収
心不全、急性心
心臓障害
病が疑われた場合には投与を中止し、インスリン製剤の投与等の
縮、頻脈、動悸、
不全
伝導障害
適切な処置を行うこと。
耳及び
回転性めまい、
5)免疫性血小板減少性紫斑病
迷路障害
耳不快感
免疫性血小板減少性紫斑病(頻度不明※)があらわれることがある
下垂体機能低下
内分泌
症、下垂体炎
障害
ので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止
13
5%以上
眼障害
胃腸障害
全身障害
1%未満
頻度不明※
ぶどう膜炎、視
力低下、硝子体
眼乾燥
浮遊物、流涙増
加、霧視、視力
障害、複視
腹部不快感、腹
水、胃潰瘍、胃炎、
腸炎、膵炎、口の
腹痛、腹部膨
下痢、悪心、
感覚鈍麻、口唇
満、口内乾燥、
十二指腸潰瘍
嘔吐、便秘
炎、胃食道逆流性
口内炎
疾患、消化不良、
放屁、口腔障害、
歯肉出血
倦 怠 感 、 無 力 口渇、浮腫、顔
症、悪寒、疼痛、 面浮腫、注射部
胸痛、末梢性浮 位反応、末梢腫
疲労、発熱
腫 、 粘 膜 の 炎 脹、胸部不快感、
症、インフルエ 全身健康状態低
ンザ様疾患
下
筋骨格系
及び結合
組織障害
精神・神経
系障害
食欲減退
関節痛
高尿酸血症、高
血糖、低ナトリ
ウム血症
四肢痛、背部
痛、関節炎、筋
肉痛、筋骨格
痛、筋痙縮、関
節腫脹
呼吸困難、 発声障害、低酸
咳嗽
素症
皮膚及び
皮下組織
障害
脱毛症、白斑、
湿疹、皮膚炎、
そう痒症、
皮膚病変、皮膚
発疹、皮膚
色素減少、紅
乾燥
斑、ざ瘡様皮膚
炎、丘疹性皮疹
リパーゼ増加、
アミラーゼ増
加、総蛋白減少、
単球数減少、好
酸球数減少、リ
ウマチ因子陽
性、インターロ
イキン濃度増加
国際共同第Ⅲ相試験(ONO-4538-03/CA209025試験)の結果から集計し、そ
れ以外の臨床試験、自発報告、海外での報告は頻度不明とした。
高マグネシウム
血症、代謝性ア
シドーシス
関節硬直
口腔咽頭痛、肺
出血、胸水、
しゃっくり、喉
頭痛、鼻出血、
アレルギー性鼻
炎、喘鳴、鼻漏、
鼻閉、喀血
蕁麻疹、中毒性皮
疹、乾癬、紫斑、
多汗症、寝汗、苔
尋常性白斑、酒
癬様角化症、爪の
さ
障害、手足症候
群、皮膚色素過
剰、毛髪変色
高血圧、低血圧 潮紅、ほてり
血中尿素増加、血
中クロール減少、
赤血球数減少、ヘ
マトクリット減
少、血中コルチコ
トロピン減少、補
体成分C3増加、補
体成分C4増加、補
体因子増加、細胞
マーカー増加、抗
ヘ モ グ ロ ビ ン 核抗体増加、リウ
減少、CRP増加、 マチ因子増加、抗
血中クレア
体重減少、血中 甲状腺抗体陽性、
チニン増加
CK(CPK)増加、 白血球数増加、好
体重増加
中球数増加、単球
数増加、血中LDH
増 加 、血 中 CK
(CPK)減少、尿
中ブドウ糖陽性、
血中リン増加、心
電図QT延長、
サー
ファクタントプ
ロテイン増加、抗
リン脂質抗体陽
性、尿沈渣異常
※:発現頻度は国内第Ⅱ相試験(ONO-4538-02、05、06及び08試験)及び
頻尿、蛋白尿、
血尿
呼吸器、
胸郭及び
縦隔障害
その他
糖尿病、脱水、
高カリウム血
症、低カリウム
血症、高カルシ
ウム血症、低カ
ルシウム血症、
高ナトリウム血
症、低マグネシ
ウム血症、低リ
ン酸血症、低ア
ルブミン血症、
高コレステロー
ル血症、高トリ
グリセリド血
症、脂質異常症
筋固縮、筋力低
下、側腹部痛、
筋骨格硬直、リ
ウマチ性多発筋
痛
不眠症、傾眠、
錯感覚、記憶障
味覚異常、浮動
害、感覚鈍麻、
性めまい、頭痛
不安、感情障害、
リビドー減退
腎及び
尿路障害
血管障害
臨床検査
癰、気管支炎、
上気道感染、蜂
肺感染、鼻咽頭
巣炎、爪感染、
炎
外耳炎、中耳炎、
歯周炎、歯肉炎
感染症
代謝及び
栄養障害
1~5%未満
血管炎
硬膜下血腫、真珠
腫、気管出血、ア 組織球性壊死性
ナフィラキシー リンパ節炎
反応、乳頭痛
5.高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を十
分に観察しながら慎重に投与すること。
6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1) 本剤の妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊
婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことを
原則とするが、やむを得ず投与する場合には治療上の有益性が
危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、
妊娠する可能性のある婦人には、
適切な避妊法を用いるよう指
導すること。
〔妊娠サルを用いた出生前及び出生後の発生に関
する試験において、10mg/kgの週2回投与(AUC比較で臨床曝
露量の約8~23倍に相当する)により妊娠末期における胚・胎
児死亡率あるいは出生児死亡率の増加が認められたが、催奇形
性は認められなかった。また、出生児の成長及び発達に影響は
認められなかった。なお、本剤は出生児の血清中で認められて
いる。〕
(2) 授乳中の投与に関する安全性は確立していないので、授乳婦に
投与する場合には授乳を中止させること。
〔本剤のヒト乳汁中
への移行は検討されていないが、ヒトIgGは乳汁中に移行する
ので、本剤も移行する可能性がある。〕
7.小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確
立していない(使用経験がない)。
8.適用上の注意
(1) 調製時
1)バイアルは振盪せず、激しく撹拌しないこと。
2)本剤は日局生理食塩液若しくは5%ブドウ糖注射液に希釈し、
総液量は60mL以上を目安とする。
3)添加後は静かに混和し、急激な振盪は避けること。
4)希釈後の液は速やかに使用すること。また、使用後も残液は、
細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。
5)希釈後の最終濃度0.35mg/mL未満では、本剤の点滴溶液中の
安定性が確認されていない。
6)他剤との混注はしないこと。
(2) 投与経路
必ず静脈内投与とし、皮下、筋肉内には投与しないこと。
(3) 投与時
本剤は点滴静注のみとし、急速静注は行わないこと。
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9.その他の注意
(1) 国内外において本剤に対する抗体の産生が報告されている。
(2) サルに本剤50mg/kgを週1回、4週間反復投与した結果、脈絡叢
へのリンパ球及び形質細胞浸潤が認められたとの報告がある。
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OPD-Z094
OP/2016-05