平成 28 年の基準地価が発表されました。

平成 28 年 10 月 17 日
平成 28 年の基準地価が発表されました。
No.554
平成 28 年 9 月 21 日、国土交通省より平成 28 年の基準地価が発表されました。基準地価とは、国土利用計画法による
土地取引の規制を適正かつ円滑に実施するため、基準地の毎年 7 月 1 日時点の地価について不動産鑑定士の評価を踏まえ
て都道府県知事が正常価格の判定をし、国土交通省が 9 月中頃に発表するものです。平成 28 年の調査対象の基準地数は、
宅地が 21,168 地点、林地が 507 地点で全国の計 21,675 地点となっています。
(なお、東京電力福島第一原発事故に伴う避難指示区域内の 28 地点(宅地 27 地点、林地 1 地点)及び熊本地震により甚
大な被害を受けた熊本県においては宅地 3 地点で調査を休止しています。
)
平成 28 年の基準地価の動向
(1)変動率
平成 26 年から平成 28 年の基準地価を前年と比較した変動率は下記のとおりです。
住 宅 地
商 業 地
平成 26 年
平成 27 年
平成 28 年
平成 26 年
平成 27 年
▲1.2%
▲1.0%
▲0.8%
▲1.1%
▲0.5%
三大都市圏
0.5%
▲0.4%
0.4%
▲1.7%
(東京圏)
0.6%
▲0.5%
0.5%
(大阪圏)
0.1%
▲0.0%
(名古屋圏)
▲0.9%
地方圏
▲1.8%
全国平均
全 用 途
平成 28 年
平成 26 年
平成 27 年
平成 28 年
0.0%
▲1.2%
▲0.9%
▲0.6%
▲2.3%
2.9%
▲0.8%
▲0.9%
1.0%
▲1.9%
▲2.3%
2.7%
▲0.9%
▲1.0%
1.1%
0.0%
▲1.5%
▲2.5%
3.7%
0.4%
▲0.6%
0.8%
▲0.7%
0.5%
▲1.5%
▲2.2%
2.5%
▲1.0%
▲1.1%
1.1%
▲1.5%
▲1.2%
▲2.2%
▲1.6%
▲1.1%
▲1.9%
▲1.5%
▲1.2%
(2)全国平均
全国平均の地価は、全用途平均では下落が続いていますが、その下落幅の減少傾向は継続しています。用途別では、住宅
地及び工業地では下落しているものの下落幅は縮小傾向が継続しています。
商業地では昨年の下落から横ばいに転じました。
国土交通省は上記傾向となった要因が、住宅地が「全国的に雇用情勢の改善が続く中、住宅ローン減税等の施策による住
宅需要の下支え効果もあって地価は総じて底堅く推移」した点や、商業地が「外国人観光客をはじめ国内外からの来街者の
増加等を背景に、主要都市の中心部などでは店舗、ホテル等の需要が旺盛であり、また、オフィスについても空室率は概ね
低下傾向が続き、一部地域では賃料の改善が見られるなど、総じて商業地としての周期性の高まりがみられる。こうした中、
金融緩和による法人投資家等の資金調達環境が良好なこと等もあって、不動産投資意欲は旺盛であり、商業地の地価は総じ
て堅調に推移している」点にあると分析しています。
(3)三大都市圏
三大都市圏では、前年比で住宅地が 0.4%、商業地が 2.9%上昇し、全用途では 1.0%の上昇となりました。住宅地では
東京圏、名古屋圏は小幅な上昇を継続していますが、名古屋圏では上昇基調の鈍化が見られます。また、商業地は総じて上
昇基調を強め、特に大阪圏での上昇基調は顕著となっています。
(4)大阪府における商業地の上昇
三大都市圏における上昇率のけん引役となった商業地、なかでも大阪府が 3.7%の上昇と都道府県で最大の伸びとなり、
全国の上昇率順位の上位 10 位までに大阪市内の 3 地点が入る結果となりました。具体的には、
「大阪市中央区南船場 3 丁
目 12 番 9 外」は 28.9%上昇し 5,350,000 円/㎡となり、全国の上昇率順位表で 3 位、
「大阪市浪速区日本橋 3 丁目 34
番 5」は 28.1%上昇し 849,000 円/㎡となり、全国の上昇率順位表で 4 位、
「大阪市北区中之島 5 丁目 2 番 1」は 25.1%
上昇し 1,210,000 円/㎡となり全国の上昇率順位表で 9 位となりました。
「大阪市中央区南船場 3 丁目 12 番 9 外」は昨
年に引き続き高い上昇率となっております。
大阪府の地域別で見た場合、大阪市では 8.0%の上昇(北区、福島区、中央区、西区、天王寺区、浪速区の中心 6 区で
12.8%の上昇)
、北大阪(豊中市、吹田市、高槻市等)で 1.6%の上昇、東大阪(守口市、枚方市、東大阪市等)で 0.0%
と横ばい、南大阪(大阪市、北大阪、東大阪を除くその他の大阪府)で 0.7%の上昇、堺市で 0.8%の上昇となりました。
(担当:綾田 久人)