地域再生計画認定申請マニュアル(各論)(H28.5) 抜粋 2-1 小さな

地域再生計画認定申請マニュアル(各論)(H28.5)
2-1
抜粋
小さな拠点の形成に資する事業を行う株式会社に対する投資促進税制
(内閣府):【D2003】
①
支援措置を設ける趣旨及び概要
高齢者の生活支援や買物支援等の社会福祉の増進に関する事業や、資源循環の推進な
どの環境の保全に関する事業など地域における特定政策課題の解決に資する事業につい
ては、政策的意義が高いものの収益性の観点から民間事業者の積極的参入が期待できな
いことから、こうした事業への民間からの投資を促進することを目的とするものです。
そのため、特定政策課題の解決に資する事業のうち、特に小さな拠点の形成に資する
事業を行う株式会社に出資した場合、出資者に対し、所得税の特例措置を適用するもの
です。
②
支援措置の内容
特定政策課題の解決に資する事業のうち、特に小さな拠点の形成に資する事業を行う株
式会社として、地方公共団体の確認を受けた株式会社が発行する株式を個人が払込みによ
り取得した場合に、出資額分を総所得金額から控除するという所得税の特例措置を適用す
るものです。
※ 「株式会社が発行する株式を個人が払込みにより取得した場合」とは、事業を行う株式会社が認
定地方公共団体の確認を受けた後において、新たに発行した株式を個人が取得した場合をいいます。
法人が当該株式を取得した場合は対象外です。既存の株式会社でも下記の2)の要件を満たしてい
れば、必ずしも新規に株式会社を設立する必要はありません。
1)対象事業の要件
ア.生活サービス等の提供事業
小さな拠点に係る集落生活圏の住民の共同の福祉又は利便のため必要な施設の整
備又は運営に関する事業
イ.コミュニティビジネス
小さな拠点に係る集落生活圏における就業の機会の創出に資する施設の整備又は
運営に関する事業
※ ただし、ア)生活サービス等の提供事業のみを専ら行う場合は対象外
2)対象となる株式会社の要件
○ 地方公共団体の確認を受ける時点で満たすべき要件
ア.常時雇用者数が2人以上であること
イ.「小さな拠点」形成事業を専ら行う株式会社であること
ウ.前事業年度の売上高に占める営業利益の割合が2%以下であること(※ただし、
株式会社の創設初年度を除く。)
エ.設立 10 年未満であること
オ.中小企業者であり、大規模法人の子会社ではないこと
カ.非上場会社、非店頭登録会社であること
キ.性風俗関連特殊営業を行うものではないこと
ク.株式投資契約を締結する株式会社であること
○
出資を受ける時点において追加で満たすべき要件
ケ.常時雇用者数が地方公共団体の確認日の常時雇用者数以上であること
コ.常時雇用者数が全事業年度より2人(商業・サービス業を行う株式会社では1
人)以上増加していること。(ただし、地方公共団体の確認を受けてから2年度
目以降の出資のみ適用する。)
※「常時雇用」とは、雇用契約の形式の如何を問わず、事実上の期間の定めなく雇用されている場合
を言います。具体的には、
(ア)期間の定めなく雇用されており、かつ、1週間の所定労働時間が20時間以上である場合
(イ)一定の期間を定めて雇用されている場合であって、その雇用期間が反復更新されて事実上(ア)
と同等と認められる場合
(ウ)日々雇用される場合であって、雇用契約が日々更新されて事実上(ア)と同等と認められる
場合
が挙げられます。よってパートタイム労働者であってもこのような雇用条件下にある場合には常
時雇用者として取り扱います。
※ 「株式投資契約」については、別途定めている「地域再生法第16条に規定する課税の特例に関
する運用指針」において、株式投資契約の記載事項及び当該記載事項を踏まえた株式投資契約の参
考様式を定めていますので、留意してください。
3)税制上の特例措置
出資額から一定額を除いた額(※)を総所得金額から控除
※ 出資額(1,000 万円限度)と総所得金額の 40%のいずれか少ない額から 2,000 円
を控除した額
4)その他
株式会社が発行する株式について、ファンド(投資事業有限責任組合及び民法組合)
を通じて当該株式を取得するスキームを考えている場合には、内閣府地方創生推進事務
局までご相談ください。
③
支援措置に係る必要な事項
1)地域再生計画の認定に必要な記載事項
小さな拠点の形成に係る集落生活圏の範囲、事業の具体的内容、事業スケジュール、
事業主体に関する事項を記載してください。なお、当該事業は小さな拠点の形成に資す
る事業であることが求められますので、事業の具体的内容等の記載に当たっては留意し
てください。
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2)支援措置を受けるために必要な手続
出資者が特例を受けるためには、以下のような手続きが必要になります。
ア.地域再生計画の策定・認定
地方公共団体は地域再生計画を作成し、内閣総理大臣による認定を受ける。
イ.地方公共団体による株式会社に対する要件の確認
地方公共団体は事業を行う株式会社の要件を確認した上で、株式会社に対して確認
書を交付する(施行規則第 24 条第 3 項)。
ウ.地方公共団体による個別の株式投資契約の状況等の事前認定
地方公共団体は個別の株式投資契約等の状況及びその時点での株式会社の要件を確
認した上で、事業が適切に実施される見込みである旨の認定書を株式会社に対して交
付する(施行規則第 26 条第 3 項)。また、認定書を受けた株式会社は出資を行う予定
の契約者に対し、認定書交付証明書を交付する(施行規則第 26 条第 5 項)。
エ.地方公共団体による個別の株式取得の確認
認定書交付証明書を受けた者が株式を取得した後、地方公共団体株式の取得状況を
株式会社から確認した上で、株式会社に対して確認書を交付する(施行規則第 26 条
第 8 項)。株式会社は株式取得者に対してこの確認書の原本を交付する。
オ.株式取得者による確定申告の実施
株式取得者が確定申告を実施する際に、エにおいて交付を受けた確認書の原本を添
付し所得税の控除の手続きを行う。(租税特別措置法施行規則第 19 条の 11 第 7 項第
1 号ホ)
※このほか、地方公共団体は、株式会社から各事業年度末に事業の実施状況について
報告を受け、事業が適切に実施されている旨認定し、その認定書を株式会社に対し
て交付する必要があります。(施行規則第25条第2項)
④
認定申請に当たって必要な書類
1)小さな拠点の形成に係る集落生活圏の範囲に係る資料
小さな拠点の形成に係る集落生活圏の範囲を明らかにする地図等を添付してください。
2)事業主体の特定状況を明らかにする書類
小さな拠点の形成に資する事業が円滑かつ確実に実施されることを裏付けるものとし
て、事業主体の特定状況を明らかにする書類を徴求するものです。
地域再生計画の認定申請時においては、株式会社が特定されていることが望ましいと
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考えられますが、計画策定時に事業主体が特定できない場合は、事業主体の見込みを記
載してください。その際、どういった株式会社が事業を担うことになるか、事業主体の
決定スケジュール等について、可能な限り具体的に記載した資料を添付してください。
3)小さな拠点の形成への寄与の程度の根拠となる資料
事業の実施による小さな拠点の形成への寄与の程度を記載した書類及び当該程度の根
拠となる資料を添付してください。
4)事業の具体的内容及び事業スケジュールを明らかにする書類
事業の具体的内容及び事業スケジュールについて、参考資料がありましたら添付してく
ださい。特に、事業スケジュールについては認定基準の一つである「円滑かつ確実に実
施されると見込まれるものであること」が確認できるように、現実的なスケジュール表
及びその内容を説明した文書を添付してください。
⑤
当該支援措置を適用できる期限について
平成 30 年3月 31 日までに確認を受けた株式会社について適用します。
○措置の区分:税制措置(所得税)
○支援措置に係る法令等の名称及び条項等
1)地域再生法
第5条第4項第4号ロ、第16条
2)地域再生法施行規則
第1条第1項第5号、第2条第6号ロ、第7条、
第23条〜第26条
3)租税特別措置法
第41条の19
4)租税特別措置法施行令
第26条の28の3
5)租税特別措置法施行規則
第19条の11
○支援措置に係る現行規定の概要:なし
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