医歯学総合研究科 分子細胞病理学 准教授 齋藤 憲 胆道がんホーミングペプチドによる 新規腫瘍イメージング技術の開発 【キーワード】 ペプチド 胆道がん イメージング ドラッグデリバリー 創薬 ■概要 私たちは現行医療学上難治がんのひとつとして認識されている胆道系悪性 腫瘍を制がん標的に絞り、これに対する選択的高吸収性ペプチドを研究開 発しており、ペプチドの応用基盤として生体腫瘍イメージングの例を紹介しま す。本技術は、内視鏡・外科手術あるいは全身検査時のペプチド製プローブ による胆道系悪性腫瘍検知技術や制がんDDSへの展開を目標とする低侵 襲性医療技術への応用が可能であると考えられます。 イメージング 薬物輸送システム (DDS) ペプチド + 蛍光、薬剤など ■詳細 核酸キメラ型ランダムペプチドライブラリー 私たちはランダムペプチドライブラリー技術を駆使しヒト各種がん細胞に 特異的に透過する「腫瘍ホーミングペプチド」をスクリーニングする技術 を開発しました。(Kondo et al. Nat. Commun., 3:951-963 2012) 核酸に 対応づけされたペプチドにより単離した胆道がん選択的ペプチドは、胆 道がんの浸潤・微小転移巣をとられる可能性を持つ点で卓越したバイオ ツールになると期待されます。 核酸 各種のがん細胞に 選択的に取り込まれる ペプチドの単離 明視野 蛍光ラベルペプチド tumor tumor liver liver tumor tumor ○想定される実施例、応用例 1:診断ツールや内視鏡・外科手術のイメージガイドのツール。 2:薬剤のデリバリーツール ■応用を期待する分野 ペプチド がん細胞パネル ○競合研究に対する優位性 1:腫瘍ホーミングペプチドは、active targeting機序で直接腫瘍を捕捉。 2:正常臓器への集積が低く、腫瘍にシフトした吸収性と低抗原性。 3:分子サイズが小さく、改変が容易であり、生体低侵襲性。 ○今後の課題、展望 in vivo病態モデルマウスでの評価(標的腫瘍組織選択性:S/N比、生体 内安定性、抗原性、投与量・時間など)を総合的かつ詳細に検討するこ とで、ペプチドを基盤材料とした早期診断・治療技術へ応用する。 リンカー liv br kd liver br hr lu liv sp tumor kd 浸潤 hr lu sp tumor 胆道がん細胞移植マウスでのペプチド吸収(上段) 胆道がんの浸潤をとらえられる可能性(中段) 他臓器への吸収性が低く、癌に高い(下段) がん細胞への高選択性吸収ペプチドによる生体内体深部での癌の拡がりを詳細に捉えるため、蛍光 物質および検出器・内視鏡などの開発分野との連携を期待します。 本技術の問い合わせ先 新潟大学 地域創生推進機構 TEL:025-262-7554 FAX:025-262-7513 E-mail:[email protected]
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