建設業分野に係る経営力向上に関する指針(案)に関する意見募集の

建設業分野に係る経営力向上に関する指針(案)に関する意見募集の結果について
平成 28 年 10 月 12 日
国土交通省土地・建設産業局
国土交通省では、平成 28 年8月 12 日から平成 28 年9月 12 日まで、建設業分野に係
る経営力向上に関する指針に関する意見の募集を行いました。その結果、本件に関して、
3件の御意見が寄せられました。
お寄せいただいた御意見の概要とそれに対する国土交通省の考え方を以下のとおりまと
めましたので公表いたします。
皆様の御協力に深く御礼申し上げるとともに、今後とも国土交通行政の推進に御協力い
ただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
【御意見の概要及び国土交通省の考え方】
1
御意見の概要
国土交通省の考え方
「ニッポン一億総活躍プラン」につい
本指針は、労働生産性の向上をめざ
ては、単なる経済政策ではなく成長戦略
し、中堅・中小の建設企業が経営力向
と位置付けられました。
上計画を策定する際の参考として取り
建設業の最大の課題は、
「技能継承」の問
組む事項を示しているものです。ご意
題であろうと思います。いうまでもな
見に記載の通り建設業が労働生産性を
く、工事現場を支えているのは技能労働
向上させていく上では、技能承継に取
者の皆さんです、その現場が「3K」現場
り組んでいくことが必要です。
であることは、現在も変わりません。
このため、実施事項においても
「若年労働者」
「女性労働者」が働く意欲
「人」に関する事項を充実させてお
をもって働ける環境としなければなりま
り、その中で雇用環境の整備について
せん。
も言及しております。
指針案についても、
「働き方改革」をめ
教育訓練の充実、生産性向上に向け
ざしていることは十分に伝わるのです
た複合工(多能工)の育成・活用など
が、現状では「建設技術者」どまりで、
を示しており、技術者のみならず技能
末端労働者である「技能労働者」まで行
労働者を対象とする取組も揃えていま
きわたるものかどうか疑問があります。
す。
目標は「数値設定」であり「認定」にな
本指針に関連する専門家は、ご意見
らざるは得ないとは思いますが、
「働く
にある「社会保険労務士会」
「社会保険
人」の問題であるかぎり、末端現場の現
労務士」以外にも多数あるため、特に
状、技能労働者と使用者の現実に精通
両者を示すことはしておりませんが、
し、
「労働環境改善」に取り組んでいる
必要に応じて経営力向上計画の認定、
2
「社会保険労務士会」もしくは「社会保
計画進捗状況の調査、指導・助言に際
険労務士」を第4の3「外部専門家の活
して知見を活用することと記載してお
用」に明記することを要望します。
ります。
経営指標とする付加価値の算定につい
建設業で設定する労働生産性の指標
ては、当指標の示す内容を勘案した上
の算出において用いられる付加価値額
で、特にイノベーションや人材関連の費
は、完成工事総利益から算出すること
用を加算すべきと考えます。これらの費
としており、ご意見にある通り新技術
用は通常一般管理費で処理されるため、
開発に伴う研究開発費や関連設備の減
完成工事総利益からスタートする建設業
価償却費、人材確保のための採用関連
の付加価値の構成要素には既に含まれて
費や育成のための研修費、社会保険料
いるという考えもあろうかと思います
などは当該付加価値額に織り込まれて
が、積極的な投資を促す上でも含めては
います。
と考えます。
新技術・工法の導入や従業員の採
内容・・新技術開発に伴う研究開発費、
用・育成などについて積極的な取組を
関連設備の原価償却費など人材確保のた
促すため、経営力向上に際して、実施
めの採用関連費用、育成のための研修費
事項として示すこととしております。
用、社会保険料など
3
指針案内容について、特に問題がある
ようには思われなかった。
適切な内容であるように思われた。
将来の、現在現役世代である技能労働
者の引退に備え、技術の進展も考慮に入
れてこの様な施策を行う事は適切である
と考える。これにより、将来において高
い生産性を備えた技能労働者が必要十分
なまでに確保が行えるようになれば望ま
しいと思われた。
ご賛同の趣旨として承ります。