ヒルジン血の血小板凝集能検査への応用に関する検討

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ヒルジン血の血小板凝集能検査への応用に関する検討
◎大館 拓真 1)、立木 里奈 1)、福島 摩紀 1)、河野 克海 1)、菊池 亮 2)
熊本保健科学大学保健科学部医学検査学科 4 年生 1)、熊本保健科学大学 2)
【目的】
する』といわれており、粘着能には血小板膜
血小板凝集能はクエン酸 Na 血より分離した
上の von Willebrand 因子受容体
多血小板血漿(クエン酸血 PRP)での測定が
GPⅠbα(CD42b 抗原)が関与するため、5 例
推奨されている。ただし、血小板細胞内シグ
のヒルジン血 PRP とクエン酸血 PRP の
ナル伝達に Ca イオンを必要とするため、Ca イ
GPⅠbα 抗原量(CD42b 抗原量)を
オンを除去するクエン酸血は血小板機能に影
フローサイトメーター(FCM)で測定したところ、ヒル
響を及ぼす可能性がある。事実、クエン酸
ジン血とクエン酸血でほぼ同値であり、差は
Na よりもキレート作用が強力な EDTA 血では
みられなかった。
血小板凝集は全く起こらない。したがって細
【考察】
胞内情報伝達を阻害する抗血小板薬の薬効評
ヒルジン血による血小板凝集能測定は抗血
価にはクエン酸血は適切でない可能性がある。
小板薬の薬効モニタリングに有用と考えられ
ヒルジン(Hirudin)はトロンビンと結合して
るが、リストセチン凝集による粘着能の評価
抗凝固作用を示し、かつ血液凝固を阻止する
には適さないと思われる。ヒルジン血では
ヒルジン濃度は血小板の活性化を阻止しない
GPⅠbα 抗原の質的変化を起こしている可能性
と考えられている。そこで我々は、ヒルジン
も考えられる他に、von Willebrand 因子
血の血小板凝集能検査への有用性と問題点を
(vWF)に何らかの影響を及ぼしている可能
検討した。
性もあり、今後の検討課題である。
【試料及び方法】
【連絡先】
抗血小板薬を服用していない健常者末梢血
[email protected]
をクエン酸 Na 採血管とヒルジン採血管に指定
直通:096-275-2137
量の血液を分注し、1 時間静置後に遠心分離し
て得た PRP を以下の検討に用いた。
血小板凝集能測定(透過光法)は TAIYO PRP313M を用い、凝集惹起物質と終濃度は ADP
5μM、コラーゲン 2μg/mL、リストセチン
1.2mg/ml とした。
【結果】
クエン酸血 PRP は ADP、コラーゲン、リス
トセチン刺激のいずれも基準範囲内の凝集率
であった。ヒルジン血 PRP の ADP 刺激、コラ
ーゲン刺激はクエン酸血とほぼ同値の凝集率
であったが、リストセチン刺激では全例(8 例)
でクエン酸血より約 50%以下であった。『リ
ストセチン凝集は凝集能よりも粘着能を反映