循環評価システム研究室

研究室
紹介
循環評価システム研究室
Laboratory for Sustainability Assessment System
総合テーマ:製品・サービスの環境・経済・社会価値の統合的評価
製品やサービスが有する真の価値と、それらの市場価格との間にギャップがあることが、環境配慮型社会の実現を阻害している一因と
なっていると考えています。そのギャップを無くすために、製品やサービスがもたらす環境や社会への貢献度を、市場価格に反映させるこ
とが重要であるという指摘は古くからあります。
そこで、LCA(ライフサイクルアセスメント)の考え方をベースとして、製品やサービスが有する環境・経済・社会価値を統合的に評価するこ
とを通じて、市場価値に表れない真の価値を数字で表す手法の開発に取り組んでいます。
LCAの概要
LCAによる自動車のCO2排出量の評価例
環境価値
価値
情緒的価値
地球に優しい
機能的価値
温暖化防止
属性
CO2吸収能力
社会価値
持続可能
洪水制御
景観が良い
観光資源
文化的に重要
・・・
・・・
・・・
市場価格
真の価値
水源涵養能力
集客能力
階層的価値マップの例
村野 昭人
教授
専門分野: 環境システム工学、ライフサイクルアセスメント,等
担当科目: 地球環境学,環境シミュレーション,エコビジネス,都市環境コース演習、他
連 絡 先 : Tel. 049-239-1399, E-mail. [email protected]
1974年兵庫県神戸市生まれ。
趣味はスポーツ観戦など
循環評価システム研究室
Laboratory for Sustainability Assessment System
テーマ例:国産材の活用による環境保全効果の評価に関する研究
わが国の森林面積の40%を人工林が占めており、それら林地の樹木は収穫時期を迎えています。しかし、輸入材に押される形で国産材は十分に利
用されていません。その結果、林業収入の減少、林業従事者の後継者不足といった現象が引き起こされ、林業の低迷につながっています。そして林業
の低迷が、さらに国産材の利用促進を妨げるという悪循環を招いています。
そこで、住宅用建材やバイオマスエネルギーとして国産材を利用することによる、国内森林の若返りによってもたらされる環境保全効果を分析していま
す。
日本の人工林の林齢別面積
高知県梼原町役場
JR高知駅
大阪 中之島フェステバルタ
ワーのスカイロビー
木製ダム(愛媛県西条市)
バイオマス熱利用施設
薪ストーブ
チップのストックヤード
ペレットストーブ
5.00
4.00
3.00
2.00
1.00
0.00
0
20
40
60
80
100
120
スギによる炭素吸収量の変化
テーマ例:基礎杭を用いた地中熱利用システムの開発に関する研究
土壌中の温度は、ある程度の深さになると外気による温度変化を受けにくくなるため、地中と外気の間に温度差が生じます。この温度差を利用したの
が地中熱エネルギーで、冷暖房などに用いる取り組みが増えています。地中熱エネルギーは天候や場所に左右されず,安定してエネルギーを供給でき
るという長所がある一方で、地中熱エネルギーを取り出す際のエネルギーや、装置を設置するためのコストの高さなどが課題となっています。
そこで、建築物の基礎杭の中にチューブを通し、ブロワーを用いた空気循環により熱を取り出す地中熱利用システムの開発を行っています。
地中温度の分布
地中熱利用のイメージ
実験概要
循環後の空気温度の推移