"けみすと" 14号

け
と
第14号
1 98 4
I
大 阪 府 立 大 学応イ上会
目
次
名誉会長あいさつ…..……………………………………・………………米田茂夫……………(1)
会長あいさつ……・…………………………………………・…………・…田中哲夫……………(2)
同窓会短信………・……………………・…………………………………………………・………(3)
応用化学教室の現況…・……………………………………・…………………………………….(4)
応化会会則……………………………・………………………………・………………………….(9)
応化会会計報告・……………………………………………・………………………………・……(10
応化会名簿
現職員………………………・…………………………………………・………………・……−1−
旧職員…………………………………………・・……………・…………………・………・…・−3−
大阪工業専門学校……………・………・…………。。………………………………………・・−7−
応用化学科
化学工業専門学校………………・…………………………………・…………・……………−8−
化学工業科、燃料科、ゴムエ業科、専修科
大阪府立大学…………・………・…………………………・………………………………--23学部、大学院(修士課程、博士課程)
在学生…・……………………………………………………・………・……………………−87−
学部、大学院(修士課程、博士課程)
人名索引・……・…………………・……………………………………………………………−95−
勤務先別索引……・……・……………………………………………………・………………-109編集後記………..……………………………………………………………………………・-129-
名誉会長あいさつ
教室主任米田茂夫
このたび、応化会誌「けみすと」が改定増補され、その第14号が近く発行される由であります。
会員二千七百余名の消息をしらべ名簿にまとめ上げる労力は並々ならぬものであろうと推察すると
ともに、これに携わられた編集委員諸氏ならびに御協力下さいました応化会会員各位に厚く感謝申
し上げます。
私、昭和58年度の教室主任として就職業務を行うにあたり、「けみすと」13号を何百回となく開い
て参考にする機会を持ち、実に有益に本会誌を利用させていただきました。本年度の応化卒業生の
就職状況を一言で申しますと、極めて順調であったと断言できます。就職活動を進める間、私が身
をもって感じたことは、応化会先輩諸氏が産業界で非常に高く評価されているという事実です。応
化会先輩のたゆまぬ努力と研鍛によって培われた評価がもはやゆるぎなき伝統となり、あとに続く
卒業生に有利に働いていることを実感として感じました。われわれ応用化学教室のスタッフも熱意
をもって教育・研究に励み、在学生諸君と共に応化会の伝統を守りつづけねばならぬことを肝に銘
じている次第であります。
さて、「けみすと」前号の刊行以降に応用化学教室さらには大阪府立大学で起こった出来事あるい
は現況といったものを、若干お伝えします。昭和57年、もと第6講座の小西謙三先生が勲三等旭日中
綬章の栄誉に輝きました。応化会にとっても誠に名誉なことでございます。また、第2講座田中雅美
先生が、「導電性アモルファス材料の合成と応用に関する研究」のテーマで、昭和57年度日本化学会
賞を受賞なさいました。おめでとうございます。人事面では、5講座杉本晃氏の講師への昇任、3講
座外山和彦教務技師の事務局への転出がありました。悲しいこともお伝えせねばなりません。もと
第7講座の剣実夫先生が一昨年7月にお亡くなりになりました。つつしんで哀悼の意を表します。
さて皆様すでに御承知のように、大阪府立大学は本年4月をもって創立35周年を迎えます。そこで、
大学として創立35周年記念事業を行なうことを決め、関係各位に御協力をお願いしております。関
西新空港の建設計画、地下鉄御堂筋線の中百舌鳥地区への延伸など本学が立地する南大阪地域が大
きく変貌しようとしている現在、本記念事業は時宜にかなうものであると考えられます。応化会と
しても会員の皆様に格段の御支援をお願いしている次第でございます。宜しくお願い申し上げます。
最後に、応化会会員諸氏の御健勝と益々の御発展をお祈り申し上げ、また、皆様の暖かい御理解
と御援助により、応化会がより一層充実、発展することを祈って筆をおきます。
(
1
)
会長あいさつ
応化会会長田中哲夫
(化工専・化学工業科22年卒)
謹しんでご挨拶申し上げますとともに、待望の「けみすと」14号発刊にあたり、
応化会役員の皆様並びに会員の皆様のご壮健を心からお祈り申し上げます。
平素は応化会の運営につきまして、大学当局並びに大学内外にてご活躍の諸先
生方及び会員の皆様方のご協力ご援助を賜り、お陰をもちまして順調に発展の道
を歩んでおりますことを厚く御礼申し上げます。
怠のえね
昭和59年は60年に1度廻ってくる甲子の年にあたり、物の始りの年であると言
われており、大阪府立大学も創立35周年を迎えますので記念事業後援会が発足し
ました。即ち関西経済連合会をはじめとする在阪の経済5団体及び大手企業74社
のご代表並びに多数の同窓諸兄が役員としてご就任され、ご支援と色々お世話頂
くことになりました。
計画されている記念事業のあらましとして
1.学術交流会館の建設(所要額5億円)
2.国際交流基金の設定(所要額2億円)
3.記念式典記念学術講演会等の記念行事
があります。
この記念事業を達成して母校の歴史に一里塚を築くと共に、21世紀に向けて大
阪府立大学が学術、情報、文化の拠点として発展飛躍できますよう、応化会皆様
の強力なご支援をお願い申し上げます。昭和59年3月
(新日本薬品㈱代表取締役社長)
(大阪府立大学工学部同窓会長)
(大阪府立大学同窓会連絡協議会会長)
(大阪府立大学創立35周年記念事業後援会代表幹事)
(
2
)
同窓 会 短信
なっている人も多いと思います。旧交を温めるべく、
下記要領で同窓会を開きますので、ふるって御参加
"卒業30周年記念同窓会”
開催準備中
下さい。
とき:8月11日⑯5:30pm∼12日(日)自由解散今回
は趣向をかえて1泊つきにしました。パーティその
2期生にとって、今年は卒業30周年を迎えます。
昨年(58年7月15日)開かれた第8回目の同窓会で、
すでに30周年記念会の幹事が推麗され、山中会長を
中心にそろそろその企画立案が始まろうとしていま
す。幹事は応用化学料各出身露座から2名、化学工
学料から4名計20名となっています。第1回目の記
念会(卒業25周年、54年5月開催)には、在学当時
の恩師9名のご参加を含め、総勢46名が出席し大盛
会でした。今回ははたしてどんなアイディアで開か
れるかご期待下さい。一人でも多くの方々のご参加
をお待ちしています。まだ一度も来られていない
方々(応化52名中10名、化工26名中12名)のご出席
を特に歓迎致します。なお、皆様方のご鐙力のお陰
で、2期生全員の居所が判明しました。厚く御礼申
し上げます。今後、勤務先、現在所に変更がありま
したときは(クラスメイトに関しても)是非ご連絡
頂きますようお願い致します。
2期生会事務局(北尾、去来川)
ものは5:30∼9:00pmです。
ところ:なにわ会館(天王寺駅より徒歩5分)
マネー:?(格安)
詳細は追って各位にお知らせします。
(文責:上原赫、南努)
第17期(44年卒)同窓会の予定
前号で予定していた越前での開催を黒田君が快諾
してくれました。海の幸が豊かな11月下旬(59年)
に開いてはと、同君が希望しています。ただ、1泊
2日となるので、皆なの都合はどうですか。(土、日
では?)以上のことで御希望があれば、下記まで連
絡してください。TEL0722-52-1161内(2396)
(文責青木豊明)
6講座卒業生の皆さんへ
II期生20周年記念同窓会
11期生は大阪・東京でそれぞれ2年に一度開催し
恒例になっております六染会、昨年は50数名の参
ているが、卒業後20周年を記念して1983年3月
20∼21日に岐阜長良川で合同同窓会を開催した。今
回の概要はホテルニューナガラカンに宿泊、ボーリ
ング(成積優賞者簸田、松浦、吉田氏)溺演「サウ
加を得ましたが、今年(S.59年)も7月21日出に小西
先生を囲んで行なう予定になっておりますので、一
人でも多くの卒業生の皆様方の参加をお願いいたし
ジアラビア滞在記」新井氏、宴会、金華山での記念
(文責中澄)
ます。場所等詳細は改めて御連絡申し上げます。
撮影等であった参加者は25名谷村、田中、松浦、長
沢、泉田、丹羽、増川、広岡、土丸、内川、宇井、
簸田、日西、広岡・吉田、鈴木、新井、三輪、波多野、
福森、中井、植本、岸野、山本、鹿野なお次回は1988
年に大阪で開催を予定。(文責鹿野恒夫)
第九講座同窓会会員の皆さんへ
毎年開催しております第九講座同窓会は、昨年11
月19日阿部野以和貴荘で52名の出席者を得て盛大に
行なわれました。本年度は黒木先生在職最後の年で
もあり同窓会会員は全員参加するようにして下さ
い。なお58年度応化教室対抗ソフトボール大会では、
第12期生(昭和39年卒)
同窓会のお知らせ
またも優勝し、V2を目指し有力な新人を募集中で
す 。 ( 文 責 浜 野 浩 光 )
今年が卒業20周年に当ります。厄年も不惑の年も
過ぎて、職場で家庭で大黒柱として活躍しておられ
ることと存じます。頭には、白いものの目立つよう
になっている人や、すでに密度もうすく、さびし〈
(
3
)
応用化学教室の現況
第2講座(無機化学)
第1購座(分析化学)
田中雅美教授、南努助教授、峠登助手、辰巳砂昌
弘助手。院生4名、卒研生6名。
学部の講義は無機化学I∼Ⅲ、無機材料化学の4
科目、大学院は無鯛…論第1、第2を担当している。
研究面では、材料化学的手法によって、優れた機
能をもつ新しい材料を開発するための基礎的研究を
行っている@
研究対象としている材料の主なものは、(1)カルコ
ケナイド系のガラス半導体、(2)室温で極めて高い電
和佐保助教授、中原武利講師、八尾俊男助手、安
部巌助手。
学部の識義は分析化学I、II、Ⅲ、一般分析化学
および分析化学実験を担当している。大学院では分
析化学特論第1、第2を担当し、主に機器分析の理
論、応用、最近の進歩などが取り上げられている。
研究は、(1)化学炎およびグラファイト炉原子吸光
分析、分散および非分散原子けい光分析、誘導結合
高周波プラズマ(ICP)発光分光分析など原子スペク
トル分析に関するインスツルメンテーション、分析
法の確立、極微量元素の高感度分析への応用、(2)固
定化酵素膜結合型および各種化学修飾電極の開発、
固定化酵素を用いるフローインジェクション分析、
および生体関連物質の電極反応機繊の解明と有機微
気伝導性を示す超イオン伝導ガラス、(3)赤外線集光
加熱と双ローラーとを組合せて合成される超急冷ア
モルファス材料、および(4)高周波スパッタ法によっ
て作製される各種の無機アモルファス薄膜である。
これらの材料の微細構造、電気伝導、光伝導、熱的
性質、エレクトロクロミズムなどを中心に、活発に
研究を進めている。
量成分分析への応用、(3)ガラスキャピラリーカラ
ム・ガスクロマトグラフィーによるアミノ酸の光学
分割と化石年代測定への応用などを主軸とする。こ
のほか、マイクロプロセッサによる分析装置の制御
とデータ処理システムの開発についても基礎的検討
田中雅美教授が昭和58年5月に「導電性アモル
ファス材料の合成と応用に関する研究」で、日本化学
会賞を受賞されたことは特筆に値する。また峠登助
手が昭和58年5月に「n型カルコケナイドガラス半導
体の開発と関連材料の物性に関する研究」で、窯業協
会進歩賞を受賞され、おめでたが続いている。
研究テーマとしては、昭和58年に印刷公表した論
文のうち、主なものの題名を掲げる。
を行なっている。
研究テーマ:
●複数の酵素電極を検出器とするフローインジェク
ション分析装置の試作とデータ処理システムの開
発。
●酵素・電気化学的サイクリング反応による化学増
幅と、その高感度分析への応用。
●分散および非分散原子蛍光分析による極微量金属
元素の高感度分析に関する研究
●誘導結合高周波プラズマ(ICP)やマイクロ波誘導
プラズマ(MIP)を用いる高感度原子スペクトル分
析(原子発光分析、原子吸光分析、原子蛍光分析)
に関する研究
●固定化酵素を用いる生体成分の特異的センサーシ
ステムの開発
●Copper-ContainingChalcogenideGlassesas
ElectrodeMaterialsSensitivetoCupricIons.
●InfraredSpectraofRapidlyQuenchedGlassesin
theSystemsLi20-RO-Nbj05(R=Ba,Ca,Mg).
●PreparationandPropertiesofSuperionic
ConductingGlassesBasedonSilverHalides.
●StructureandPropertiesofLijO-RO-NbjOj
Glasses(R=Ba,Ca,Mg)PreparedbyTwin-Roller
Quenching.
●PropertiesofHighlyIonicConducting.Li*
SiCVLisBO.GlassesPreparedbyRapidQuenching.
●PhotoconductivityofVitreousChalcogenides
●ガスクロマトグラフィーによる天然アミノ酸の迅
ChemicallyModifiedbyBismuth.
●StructureandIonicConductivityofGlassesinthe
TernarySystemsAgX(X=I,BrorCD-AgjO-B^O,.
●PreparationofRapidlyQuenchedGlassesimthe
速微鼠分析法の開発
PseudobinarySystemsComposedofLithiumOrtho
●天然アミノ酸のラセミ化を応用した地球科学関連
-Oxosalts.
全体試料の年代測定と考古化学的考察
●StructureandPropertiesofRapidlyQuenchedLi*
O-AUOa-NbzOsGlasses.
●新しいバイオセンサーの開発と多目的応用に関す
る研究
●PreparationofRapidlyQuenchedSodium
TungstenBronzes.
(
4
)
第3講座(物理化学)
第4購座(電気化学)
窪川裕教授、児玉典弥助教授、宮田寿露師、小野
武彦助手、安保正一助手。
識義は学部では物理化学I、II、Ⅳ、触媒化学、
物理化学演習を、大学院では物理化学特論第1、第
2を担当している。
研究テーマは触媒化学(とくに固体触媒)と固体
表面の光化学に関するものである。前者では、工業
触媒ではオレフォン等の接触酸化を始めとして金属
酸化物を2成分以上複合させた系が用いられるが、
この複合効果に関する基礎的研究、また、最近の
c,化学として注目されているCOとH,からの炭化水
素合成の触媒の調製法の研究があり、後者では光エ
ネルギー利用の見地から光と触媒の共同作用ともい
える光触媒の研究、とくに酸化チタンを主とした系
についての研究を行なっている。触媒上の吸着種、
光照射下で生成したラジカルのIR、ESRによる直接
追跡、酸化物の発光スペクトルの検討等分光学的手
法を反応生成物の分析と併用するのが研究手法の特
色である。ほかに、反応論の基礎として気相単分子
反応の研究も行なっている。
研究テーマ:
●Sn-Sb系複合酸化物触媒の構造と酸化活性。
●V、Mo-Zr系複合酸化物触媒の構造とアルコール
酸化脱水素活性、
●V,Mo系複合酸化物のキャラクタリゼーション
とオレフィンの酸化。
●金属酸化物表面での金属カルボニルの特徴。
●TiO,、ZnO上の光触媒反応とその初期過程の検
林忠夫教授、、福本幸男講師、古川直治講師、松岡
政夫助手、今津紀美教務技師。
学部の講義は無機工業化学概論(2回生)、電気化
学(3回生)を担当し、無機化合物の製造、電気化
学の理論および応用(電池、電解工学)など広い範
囲の内容を鱗義している。大学院では電気化学特論、
応用化学特論第1を担当し、金属電着、有機電気化
学、エレクトロキャタリシス、エネルギー変換など
最近のトピックスを中心に講義を行なっている。
研究面では金属電着が中心になり、パルス冠解法
による電析物の結晶形態と過電圧の関係ならびに内
部応力および耐食性について検討している。また、
電析物の機能特性を向上させるために合金電着およ
び分散めっきの析出反応およびその物性について検
討している。一方、無電解めっきではプリント配電
板に使用される無電解銅めっきの物性ならびに電子
部品に適用される無電解金めっきの析出機構につい
て検討している。さらにエネルギー変換の立場から
燃料電池における電極触媒の固体物性と触媒活性と
の関連についても基礎的研究を行なっている。
主な研究テーマ
●PRパルス法による銀めっきに関する研究。
●ニッケルを基体とする電析合金電極の触媒活性。
●ニッケルーチタン合金電着に関する研究。
●Fe-Ni合金めっきの研究。
●Ni-Co-BN分散めっきの生成条件及び物性。
●冠導性微粒子を含む分散めっきの生成機構。
●酸化コバルトを用いる太陽熱選択吸収皮膜の作
製
。
●高速度無電解銅めっきに関する研究。
●無電解ニッケルめっきに関する研究。
●無冠解金めっきに関する研究。
討
。
●TiO,を含む複合酸化物の調製とその光触媒作用
の検討、
●高分散固定化TiO,のキャラクタリゼーシヨンと
その光触媒作用の検討、
●担持遷移金属酸化物上での光触媒反応とその母子
化学的考察。
(
5
)
第5購座(有機化学)
第6講座(染料化学)
米田茂夫教授、井上博夫助教授、春木英一講師、
北尾悌次郎教授、松岡賢助教授、中澄博行助手、
杉本晃識師、松村昇助手。
瀬恒潤一郎助手。
講義担当科目
学部:有機化学1,II,Ⅲ、有機天然物化学、有機
化学実験法、有機化学演習1,II、化学外国話演習。
大学院:有機化学特論第一、第二、有機量子化学。
学部の講義は有機合成化学、有機化学演習(3回
生)および有機化合物栂造決定法(3回生)を担当
している。大学院の講義では染料化学特論と応用化
学特論第4を担当し、機能性色素の化学および有機
合成化学の段近の動向やその発想と新展開をとりあ
研究内容
1.新しい有機化合物の合成とその構造、反応、
物性、機能に関する研究:a)新しい赤電子系、b)電荷
移動錯体。
2.新しい有機反応の開発研究:a)軌道の対称性を
利用した有機反応、b)ヘテロ原子を含む化合物の光
化学反応。
3.生体系をモデルとした反応の研究:a)電子伝達
触媒を用いる共役酸化還元反応、b)ビオチンモデル
反応。
4.天然資源の有効利用に関する研究:炭酸ガスを
用いる有機合成。
げる。
研究面では有機工業化学を指向し、染料・医薬・
農薬・電子材料を中心とした芳香族ファイン(スペ
シャリテイ)ケミカルスの開発およびその基礎研究
を扱っている。そのため、化学物質の安全性、機能
性および生理活性発現の分子設計と新合成反応か
ら、色素の発色・消色メカニズムとその応用、生理
活性物質・エレクトロニクス材料・太陽エネルギー
変換貯蔵材料の開発合成、金属錯体を用いる複素環
化合物の合成などを研究課題にしている。
研究に際しては各々の個性と自主性を尊重する。
最近の研究テーマ(卒研、修論、報文等)
●チエノチオフェン類の合成とその構造、物性。
●メチル置換芳香族のエキソメチレン型異性体の合
研究テーマ
成と性質
能性色素開発への応用。
●TTF系遜子供与体の合成と物性。
●架橋環式不飽和化合物の反応性および生理活性モ
発への応用。
ルファン鶴導体の合成。
●分子軌道法(PPPMO法)による色素の発色メカニ
ズムの解明とその応用。
●金属錯体を用いるキノン誘導体の選択的合成と機
●新規機能性色素の合成とエレクトロニクス材料開
●光誘起電子移動を経由するアニリノアルキル芳香
●チオクマリン関連化合物の合成とその物性。
●チオフラボン誘導体の合成と生理活性物質開発へ
族化合物の反応。
の応用。
●フェレドキシンモデルとしての鉄一硫黄クラス
ターを触媒とする水素の生成反応および基質選択的
水素化反応。
●不活性芳香族ハライドとソフト求核試薬との求核
置換反応と機能材料開発への応用。
●チアミン補酵素モデルを触媒とする有機酸化還元
質開発への応用。
●銅錯体を用いる複素環化合物の合成と生理活性物
反応。
●色素の光退色におよぼす一重項酸素の寄与とその
●DBUを用いる活性メチレン化合物のカルボキシ
応用。
ル化反応。
●色素の消色メカニズムと機能材料開発への応用。
●ビオチン型活性中心を有する新しい炭酸ガスキャ
●N,N'ジアシルインジゴ誘導体の合成と太陽エネ
リアーの開発。
ルギー変換貯蔵材料開発への応用。
●チオアミドー金属錯体を媒体とする炭酸ガスの固
定。
(
6
)
第7購座(高分子化学)
第8講座(燃料化学)
田中誠教授、角岡正弘助教授、上原赫講師、指尾
大辻吉男教授、去来川覚三助教授、中西三郎助手、
水野一彦助手、藤野早苗教務技師。
識義担当科目:学部では有機工業化学概論、石油化
学、物理化学Ⅲの3科目を、大学院では燃料化学特
稔助手、白井正充助手。
学部では、高分子化学I(3回生)において合成
高分子の生成反応を、有機材料化学(3回生)にお
いて、高分子の性質と応用について講義するほか、
高分子材料学(共通)、有機化学演習(3回生)、化
学外国語演習(3回生)を分担している。大学院で
は、高分子化学特論第一、第二において、股近の高
分子化学における問題点を取りあげる。
研究面では、1)半導体集穣回路作製時に重要な
フォトレジストなど、有機エレクロニクス材料への
応用を目的とした感光性高分子の合成とその光化学
反応、2)電導性高分子および有機バッテリーへの
応用を意図したポリエン構造を有する高分子の合成
とその電気的性質、3)クロロフィルaを用いる光合
成系のシュミレーションと有機太陽電地の開発、4)
カチオンの分離機能をもった高分子の合成とその応
用、などに関する研究を行なっている。
論、応用化学特論第二の2科目をそれぞれ担当して
いる。
研究内容:光エネルギーの有効な化学的変換法の
開発、商選択的有機合成反応の開発とその方法論の
確立、高機能性有機材料の開発などを目標に研究を
行なっている。最近の研究課題には、つぎのような
ものがある。
●光励起分子の関与する電子移動過程と生成する活
性種の反応性およびそれを利用する合成反応の開
料-ポリアニオン系での三重項エネルギー移動。
発:光誘導遜子移動を経由する電子豊富型不飽和有
機化合物(ビニルエーテル、芳香環オレフィン、フ
ラン、ピロールなど)のシクロ付加反応とそれを利
用する中、大環化合物の合成:シクロプロパン誘導体
のカチオンラジカルを経由する異性化、酸化的環開
裂、酸素酸化反応;有機ケイ素化合物のカチオンラジ
カルの関与する位置特異的芳香族置換反応など、
●チタン錯体の特性を利用する有機合成反応の開
発:チタン錯体を触媒とするアルケン、アルキンの異
性化、水素化、ヒドロアルミ化、ヒドロホウ素化反
応および有機ハロケン化物の還元的脱ハロゲン反応
とその有機合成への利用など。
●鉄錯体の特性を利用する有機合成反応の開発:多
核鉄カルボニル錯体を用いるα、β-不飽和カルボニ
ルおよびイミノ化合物の還化反応;鉄カルボニル錯
体の脱酸素能を利用するヘテロ還化合物の合成反
応;新しい亦一アリル鉄錯体の合成とその特性を利用
する有機合成反応など。
●高機能性有機材料の開発:光学機能有機高分子材
●クラウンエーテルグループをもった感光性高分子
料の開発など。
研究テーマの具体例は次のとおりである。
●254nm光を用いるポリ(2,3-エピチオプロピルメ
タクIノラートフィルムの光橋かけ反応。
●チオシアナートアセチル基を有するポリマーの光
化学反応と光照射したフィルムの染色性。
●ポリピニールアルコールの脱水によるポリエンの
生成とその電気的性質。
●ポリビニールアルコールーヨウ素錯体膜の熱挙動。
●ジメチルスルホキシド水溶液中でのクロロフィル
aの会合。
●ポリマーマトリックス中のクロロフィルaの会合
現象とその光電気特性、
●染料と高分子電解質の相互作用14.カチオン染
の合成とカチオン捕捉能。
(
7
)
第9講座(高分子物性)
環境化学講座
黒木宣彦教授、古賀城一助教授、高岸徹助手、南
後守助手、丸山光子教務技師、院生(8名)、卒研生
(6名)、研究生(1名)。
学部の担当講義は高分子化学Ⅲ、高分子化学IⅡ、
高分子材料であり、大学院の購義は高分子物性特論、
応用化学特論第5を担当している。
研究の内容は、帆各種高分子と低分子との相互作用
機構およびこれら高分子と低分子との複合体の構造
と機能に関する研究〃が大テーマであり、(1)高選択
性高分子吸着剤の開発、(2)高選択性高分子触媒の開
発、(3)生体膜の構造および機能発現の機栂、(4)天然
および合成繊維の微細櫛造と染色性に関する研究を
宗森信教授、末高透助教授、前田泰昭助手、青木豊
明助手、北野優技師。
本講座は工学部の共通溺座であって、学部の講義
として環境化学概論IおよびIIを担当している。大
学院は応用化学専攻に属していて、鱗義は環境化学
特論第一および第二を担当している。
人間活動が環境に及ぼす化学的影響、および環境
浄化への化学の応用を研究していて、(1)廃水処理、
(2)水圏中での含窒素化合物の挙動、(3)光化学スモッ
グの生成反応、(4)悪臭の除去をおもなテーマとして
いる。(1)では廃水中から多種類の有害物質を同時に
一括除去する新しい処理方法を開発し、現在はこの
方法を完全に自動化するための研究を行なってい
る。(2)では特にアミノ酸に重点を置いて分析方法と、
水和金属酸化物への吸着などを研究している。(3)は
環境中で起こる化学反応に関する研究であって、大
行なっている。
最近の学会誌等に報告した題目は次のようなもの
である。
●Cross-linkedPoly(vinylpyrrolidone)swith
IncreasedAffinityandSpecificityforMethyl
OrangeandItsHomologs.
●AggregationofMethylOrangeHomologs
CarryingLongAlkylGroupsinAqueous
SolutionandTheirBindingBehaviorsto
P
o
l
y
(
v
i
n
y
l
p
y
r
r
o
l
i
d
o
n
e
)
.
●BindingSaurationofCationicSurfactantson
気中にPPbレベルで存在する汚染物質を測定する方
法、炭化水素一窒素酸化物系の光化学反応の基礎的
研究などを行なっている。(4)は悪臭除去装置の設計
に必要な基礎的データを得るための工学的研究であ
る
。
研究テーマ
●廃水処理過程における薬剤注入の自動制御。
BovineSerumAlbumin.
●水圏中におけるアンモニア、硝酸イオン、亜硝酸
●AlkalineHydrolysisofap-NitrophenylEster
CatalyzedbyProtein-SurfactantComplexes.
●MultifunctionalMicellarCatalysisasaModel
ofEnzymeAction.
●StereoselectiveHydrolysisofAminoAcid
EstersinModifiedLinearPoly(ethylenimine)
イオン、有機態窒素の挙動
●含窒素化合物の塩素分解機構。
●有機物および重金属の金属水酸化物への吸着機
構
。
●フローインジェクション法による水中のトリハロ
メタンの定量。
Domains.
●大気中の含窒素化合物の選択定量。
●SynthesisandCharacterizationofWater
soluble/PhospholipidBilayerActive.Polymer
-LinkedPorphyrins.
●高分子電解質存在下でのセルロースに対する直接
●大気汚染化合物のイオンクロマトグラフィーによ
る定量。
染料の吸着。
●ポリエステル繊維の塩素化炭化水素/水および
水/塩素化炭化水素エマルション処理による微細栂
造変化と染色性。
●StructureandDyeingPropertiesofWool
FiberrDyeingofanAcidDyeonExtendedwool
Fiber.
(
8
)
●高温燃焼脱臭法の基礎的研究。
●吸着脱臭法の基礎的研究。
応化会会則
第5章事業
第1章総則
第6条本会は次の事業を行なう。
(1)必要に応じ総会を開催する。
第1条本会は「大阪府立大学応化会」と称し、事務所を
(2)本会の目的達成のため会誌を発行する。会
大阪府立大学工学部応用化学教室に置く。
誌の発行は別に定める規則による。
第2条本会は会員相互の親睦と連絡を図ることを目的
(3)その他本会の目的に関する事業を行なう。
とする。
第2章会員
第5章集
第3条本会の会員は正会員、学生会買および特別会員
をもって栂成する。
会
第7条総会は幹事会の決譲により適当な時期に開く。
第8条総会の譲事は出席者の過半数をもって決議す
正会員大阪府立大学工学部応用化学科卒業
る
。
生、大阪府立大学大学院工学研究
第9条幹事会は会務の遂行上必要と翌めたとき会長が
科応用化学専攻の修士または博士
召集する。
課程修了生、旧大阪府立化学工業
第10条幹事会は幹事会員の焔以上の出席により成立
専門学校の化学工業科、燃料科、ゴ
し、決議は出席者の過半数により成立する。
ム工業科、専修科卒業生、および旧
大阪工業専門学校応用化学科卒業
第6章会計
生
。
学生会員大阪府立大学工学部応用化学科在
第11条
条条条
2
13
14
1
第第第
学生および大阪府立大学大学院工
学研究科応用化学専攻の修士また
は博士課程の在学生。
特別会員大阪府立大学工学部応用化学科の
現教職員および旧教職員、旧大阪
本会の経費、寄附金および雑収入をもって当て
る
。
会費は終身会費として1,000円とする。
会費は入会時に納入することを原則とする。
会費年度は毎年4月1日に始まり、翌年3月31
日をもって行なう。
府立化学工業専門学校化学工業
第7章付則
科、燃料科、ゴムエ業科、専門学校
応用化学科の教貝。
第15条この会則の改正は原則として総会の決議をもっ
て行なう。
第3章役員
第4条本会には次の役員を温き、役員の任期は1年と
する。ただし再選を妨げない。
(1)名誉会長1名,会長1名,副会長若干名,幹
事若干名,監査委員3名。
(2)名誉会長は,応用化学教室主任がこれに当
る
。
(3)会長および副会長は幹事の互選による。
(4)幹事は正会員,学生会員および特別会員か
ら,推薦により選出される。
(5)監査委員は幹事外から,会長がこれを委嘱
する。
第5条役員の職務は次の通りとする。
(1)会長は本会を代長し,会務を総理し,集会を
召集する。
(2)副会長は本会を補佐し,会長に事故あると
きはその代行をする。
(3)幹事はそれぞれ会計および総務を分担す
る
。
(4)監査委員は会計を監在する。
(
9
)
会
計
昭和56年度
報生
ロ
●支出の部
けみすと13号編集費
(S56.10.1∼S.57.5.31まで)
●収入の部
前年度繰越金
2,690,592円
けみすと13号代金
1.765.900円
56年度終身会費(57名)
57.000円
銀行利息
20.000円
工学部同窓会名簿広告代
2.280円
雑費
1.335円
小計
23,615円
差引残高(次期繰越金)
3,186,546円
136,926円
小計
4.650.418円
残金内訳
●支出の部
けみすと13号発行代金
2,240円
小計
1.624,400円
2.788.082円
370.534円
振替預金
21,925円
現金
1,622.160円
雑費
定期預金
普通預金
6,005円
計
3,186,546円
差引残高(次期繰越金)
3.026.018円
会計委員
中澄博
会計監査委員
杉 本
中西三
行晃郎充
昭和58年5月31日
白井正
残金内駅
定期預金
2,676,270円
普通預金
307,553円
昭和58年度応化会役員
振替預金
14,575円
名誉会長応化教室主任
現金
27,620円
会 長 田 中 哲 夫
(化業22)
3,026,018円
副 会 長 古 賀 城 一
(修応36)
〃 八 尾 俊 男
(工応43)
計
昭和57年5月31日
会計委員
会計監査員
白井正充
会 計 中 澄 博 行
(工応48)
幹 事 中 林 武 重
(化ゴ25)
去来川覚三
〃
木下哲夫
(大応26)
杉 本 晃
〃
峠 登
(工応46)
安 部 巌
〃
宮 田 寿
(工応38)
〃
松 岡 政 夫
(工応45)
〃 杉 本 晃
(工応36)
〃
白井正充
(工応46)
〃
中西三郎
(工応39)
〃
青 木 豊 明
(工応44)
昭和57年度
(S.57-6.1∼S,58.5.31まで)
園けみすと14号画網集委員
●収入の部
前年度繰越金
けみすと13号代金
縄集委員長古賀城一
3.026.018円
9,350円
(工応43)
中澄博行
(工応48)
〃
57年度終身会計(59名)
銀行利息
小計
59.000円
115.793円
3.210.161円
(
1
0
)
(修応36)
縄 集 委 員 八 尾 俊 男
平成十五年五月三十日
個人情報の保護に関する法律が制定された為
住所録等は削除させていただきました。
編集後
記
「けみすと」第14号をお届けします。学内幹事による編集会議を何度か開き、第14号の編集方針
について検討しました。その結果「内容は第13号と同様、名簿を中心とする。会員の要望に応えて
講座紹介のページ数を増し、卒論、修論または報文のテーマを10件を限度として記載し、研究内容
を具体的に示す。会員から原稿を寄せて頂いた場合は同窓会短信として掲載する。名簿には本号か
ら出身講座番号を加え利用価値を高める。」という点で意見が一致しました。このような経過で本号
ができあがりました。
講座紹介欄の研究テーマは各講座によって卒論、修論テーマであったり、研究報文の題目であっ
たりしておりますが、今後これをいずれかに統一すべきではないかと思います。会員諸氏の御意見
をお聞かせ下さい。
本号から新たに、名簿の氏名の前に出身講座を付け加えることにしました。これで、各講座単位
での出力が簡単に出来るようになりました。せいぜい御利用下さい。
案内状、できあがった「けみすと」などは、原則として現住所に送っています。会員の住所変更
が激しく、コンピューターシステムを等入して、2年毎に発行していても、「住所不明」になる会員
数が増加しています。しかも、一旦「住所不明」になって、データが消えますと修復が困難で、ど
んどん不明分が増えていきます。友人や知人がもし「住所不明」になっている場合、お手数でもと
じ込みのハガキを利用して、連絡可能な住所をお知らせ下さい。
第14号は1,000部印刷しましたが、完売しないと採算をとることが困難です。第14号は予約送金頂
いた方にのみ発送していますが、予約されなかった方でも、希望があれば、ぜひ御連絡下さい。1冊
2,500円(含送料)です。
この「けみすと」第14号は、八尾俊男、中澄博行両先生をはじめ、多くの幹事の方々の多大のご
協力を得て発行することができました。誌上をかりて御礼申しあげます。(J.K.)
発行者
大阪府立大学応化会
大阪府立大学工学部応用化学教室内
編集責任者
古賀城一
印刷所
凸版印刷㈱
発行日
昭和59年3月1日
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