Museum B補足: 【条件付き確率】 前回の条件付き確率の問題で

Museum B補足: 【条件付き確率】
前回の条件付き確率の問題で、ちゃんとした解き方が知りたいという方向けに図解入りで解答を用意しました。
言われてみれば、そうかという感じになるのではないでしょうか。数学なんてそんなものです。それがきっかけで数学に目覚めるということもありますので面白いのです。
【1】 打率3割のイチローが2本以上ヒットを打つ確率の問題
前回の問題で何人かの人から解き方についての問い合わせがありましたので簡単に解説したいと思います。
まず打率3割のイチローが打席が4回まわってくる時、ヒットが2本以上出る確率を求めよという問題でした。
【解き方】
各打席毎の考えられるヒットの出る組み合わせを表にまとめると下表のようになります。そしてそれぞれの
確率は計算式の通りになります。そこで求められている2本以上ヒットが出る確率を合計すると
34.83%になります。
打席 Oはヒット
非
該
当
領
域
求
め
る
領
域
確率
1
2
3
4
ヒット
本数
1
X
X
X
X
ゼロ
2
O
X
X
X
1
10.29%(70%の3乗 X 30%)
3
X
O
X
X
1
10.29%(70%の3乗 X 30%)
4
X
X
O
X
1
10.29%(70%の3乗 X 30%)
5
X
X
X
O
1
10.29%(70%の3乗 X 30%)
6
O
O
X
X
2
4.41% (70%の2乗X30%の2乗)
7
O
X
O
X
2
4.41% (70%の2乗X30%の2乗)
8
O
X
X
O
2
4.41% (70%の2乗X30%の2乗)
9
X
O
O
X
2
4.41% (70%の2乗X30%の2乗)
10
X
O
X
O
2
4.41% (70%の2乗X30%の2乗)
11
X
X
O
O
2
4.41% (70%の2乗X30%の2乗)
12
O
O
O
X
3
1.89% (70% X 30%の3乗)
13
O
O
X
O
3
1.89% (70% X 30%の3乗)
14
O
X
O
O
3
1.89% (70% X 30%の3乗)
15
X
O
O
O
3
1.89% (70% X 30%の3乗)
16
O
O
O
O
4
0.81% (30%の4乗)
それぞれの確率計算式
合計
24.01%(70%の4乗)
確率合計
65.17%
【2】 モンティホールの問題
3つのドアの向こうに賞品があり、応募者は1つドアを選びます。そこで司会者は外れのドアを1つ開けて2つのド
アに絞ります。そして再度ドアを選び直しても良いと言った時に変更した方が2倍の確率になるという問題です。
(変更しない場合は1/3、変更した場合には2/3の確率)
【解き方】
下表のように整理すると分かり易いかと思います。賞品があるドアは表にあるように3通りです。
参加者が1のドアを選んで変更しなければ、図のとおり1/3となります。2または3のドアを選んだとしても同じ
確率です。
一方、司会者ドアを2つに絞った後、応募者がドアを変更した場合には図の通り、外れの確率は1/3、当た
りは2/3になります。従ってこの問題では変更した方が変更しない時の確率1/3より2倍の2/3の確率にな
るため断然有利になります。
感覚的に言うと仮にドアが1万枚あった時に9998枚の外れのドアを司会者が開けて残り2つのドアに絞り込
んだ時、2枚の内の最初に選んだドアよりも司会者が外れの9998枚のドアを消して残ったもう1枚のドアの
方が9999/10000の確率で当たっているというのはピンと来るのではないでしょうか。
この問題が出された時に米国の著名な数学者も確率は同じだと間違えたと言いますから、我々一般人には
簡単に理解できない問題かもしれませんね。
当たりのケース分け
ドアの区分
賞品があるドア O印
34.83%
変
更
な
し
参加者が1を選択
100.00%
1
2
3
1
2
3
1
2
O
開
開
1/3
1/3
1/3
当たり
外れ
外れ
O
O
ヒント外れのドアを開ける
3
O
O
開
結果
3が当たり
O
O
当たり確率
参加者が2または3に変更
2が当たり
O
ヒント外れのドアを開ける
参加者が1を選択
変
更
あ
り
1が当たり
O
開
開
開
O
O
O
当たり確率
1/3
1/3
1/3
結果
外れ
当たり
当たり