2016 年度後期 化学反応論 第1回 「化学反応論への招待」復習問題

2016 年度後期 化学反応論 第1回 「化学反応論への招待」復習問題 ※他人の解答を丸写ししない。
「なぜその答えになるのか」自力で説明できなければならない。
学籍番号___________ 氏名___________ 1. 2つの化学反応 A→B と C→D を比較する。ある条件のもとで、5000 分子の A が5秒後
には 4950 分子に減少した。また、8000 分子の C のうち3秒後に 60 分子が D になった。
(1) A と C の反応速度をそれぞれ求めなさい。(2) どちらの反応も一次反応と仮定する。A
と C の反応速度定数をそれぞれ求めなさい。
(1) A: 5秒間に 50 分子が反応したので、50÷5 = 10 分子/秒。B: 3 秒間に 60 分子が反応し
たので、60÷3 = 20 分子/秒。
(2) 一次反応なので、反応速度は反応物の量に比例し、その比例定数が速度定数である。
A: 10÷5000 = 2.0×10–3 /秒、B: 20÷8000 = 2.5×10–3 /秒。
2. 1. の反応について、ある人は「C は3秒間で 60 分子反応するから、300 秒後には 6000 分
子が反応して残りは 2000 分子になるだろう」と考えた。しかし、この考えは間違っている。
なぜ間違っているか説明しなさい。(この反応は一次反応と仮定する。)
一次反応であれば反応速度は C の量に比例するので、反応が進行して C の量が減ると反応
速度は小さくなる。したがって、300 秒間ずっと同じ速度で反応すると考えるのは誤り。
3. テキスト5ページ「図1」の反応を記述するため、A, B の濃度をそれぞれ[A], [B]で表し、
A の初濃度を[A]0、速度定数を k で表すことにした。[A], [B], [A]0, k のうち、時間ととも
に変化する量はどれか。また、時間によらず一定の量はどれか。
時間とともに変化する量:[A], [B]
時間によらず一定の量:[A]0, k
4. ある可逆反応が平衡状態で、生成物の濃度が反応物の濃度の10倍になっている。このと
き、右向きの反応速度と左向きの反応速度の間にはどういう関係が成り立っているか。
平衡が成立しているので、右向きの反応速度と左向きの反応速度は等しい。 5. (1) 2 H2 + O2 → 2 H2O の反応は発熱反応であるが、単に室温で水素と酸素を混ぜただけ
では反応は開始せず、加熱が必要である。 (2) 水素と酸素を混ぜて白金の細かい粉に触れさ
せると、室温でも反応が開始する。(1)(2) の理由を「活性化エネルギー」という言葉を用い
て説明しなさい。
(1) 室温では活性化エネルギーの山を越えることができないため。(2) 白金が触媒として働
いて、活性化エネルギーが小さくなるため。
6. 二分子反応が起きるためには、二つの分子が衝突することが必要である。しかし、衝突し
たら必ず反応が起きるわけではない。反応が起きない場合の理由を二つ挙げなさい。
(1) 衝突した分子のエネルギーが十分でなく、活性化エネルギーの山を越えられない場合。
(2) 分子の衝突の向きが反応に適さない場合。