1 研究推進について (1)研究主題 主体的な学びを育てる授業づくり ~対話で深める学び合いを通して~ (2)主題設定の理由 本校では,これまで,児童の思考力・表現力を高めるために,国語科の授業づくりを中心に研 究を進めてきた。昨年度は,これまでの国語科の研究の成果を算数科,理科にも広げ,「書く活 動」を位置づけた授業づくりに取り組んだ。 付けたい力を明確にし,それに合った「単元を貫く言語活動」の設定と単元構成の工夫,甲田 中学校区共通の授業モデルを踏まえた授業づくり(「書くこと1《個人思考1》」→集団思考→「書 くこと2《個人思考2》 」),広島版「学びの変革」アクションプランの推進を踏まえた課題設定 の工夫などの取組により,課題解決へ向けて自分なりの考えをもって表現する児童や,集団思考 で深めた学びを自らの表現に生かす児童が増えてきた。 しかし,広島県「基礎・基本」定着状況調査や全国学力・学習状況調査等の結果を見ると,目 的や必要に応じて読んだり記述したりすること(国語科),筋道を立てて考え説明すること(算 数科),事象を関連付けて考えること(理科)などに課題が見られる。また,児童生徒質問紙調 査の回答状況を見ると, 「課題発見・解決学習」の事項において, 「課題の設定」, 「整理・分析」 に関わる質問の肯定的な回答が低くなっている。 これらの課題を踏まえ,本年度は,算数科,理科を研究教科の中心とし,これまで取り組んで きた「書く活動」の充実を図ることを通して,児童の「主体的な学び」を育てる授業づくりをめ ざす。さらに,広島県幼保小接続カリキュラム研究開発事業の指定により,生活科を中心とした スタートカリキュラムの研究も行い,園・所での育ちと学びを基盤とした小学校での主体的な学 びについて,取り組みを進める。 平成30年度の町内3小学校の統合を視野に入れ,一昨年度までの学力向上総合対策事業で取 り組んできた研究実践と,こうだ教育推進会の研究推進体制・研究内容を生かしながら,「主体 的な学び」を育てる授業づくりに取り組み,児童の学力の向上を図っていきたい。 (3)研究構想図 ※別紙参照 (4)研究仮説及び検証の視点と方法 ① 「課題設定」の場面において,児童のこれまでの考えとの「ずれ」や「隔たり」,対象 研 究 仮 説 への「あこがれ」や「可能性」を感じさせるなどの意図的な工夫を行えば,児童が自ら 課題意識をもって主体的に学ぶことができるであろう。 ② 「甲田中学校区授業モデル」を踏まえ,言語活動「書く活動」の充実を図る学習を展 開すれば,主体的に思考し,表現する児童を育てることができるであろう。 検 証 の 視 点 ① 児童が自ら課題意識をもって学習に取り組むことができたか。 ② 書く活動が,児童の主体的な思考,表現を高めるために有効であったか。 検 証 方 法 ・アンケートによる質的及び量的な変容の分析 ・抽出児童のノート,作品等の分析 ・活用問題の通過率(学力調査の過去の問題等) (5)研究の進め方 (校内研修年間推進計画) ※別紙参照 【参考:平成 27 年度広島県教育資料P88~】 *「主体的な学び」とは 授けられた知識を一方的に享受するのではなく,学習者自らが能動的に学びを展開することで あり,学習者基点の学び,深い学びといった面をもつ。 ・「学習者基点の学び」 学習のすべてを児童生徒に委ねるということではない。教師が児童生徒の知的好奇心を高 めるために児童生徒の経験や既有知識を踏まえ,児童生徒の思いや願い,考えなどを大切に しながら,教科等の目標を達成させるために必要な学習内容や効果的な指導方法を取り入れ, 学習活動を組み立てていくということである。 ・「深い学び」 学んだ知識をつなげて新たな知識を生み出したり,新たな学びを展開したりするような学 び。 ×「浅い学び」 教師から学習者に向けて一方的に授けられただけの知識は長く脳裏に留まらない。このよ うな知識を享受するだけの学び。
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