アジアの学生間交流を通じたテレビ会議における効果的手法と有効な協

タ イ ト ル : 『アジアの学生間交流を通じたテレビ会議における
効果的手法と有効な協働学習』
発 表 者 : 鈴木繁夫(名古屋大学 国際言語文化研究科)
共 著 者 : Mark Weeks(名古屋大学 ライティングセンター)
概
要
2007 年 よ り 名 古 屋 大 学 の 学 生 グ ル ー プ は ア ジ ア の 他 大 学 の 学 生 グ
ループとテレビ会議システムを利用した英語による交流を行っている。
交流は各回異なったテーマ設定をし、交流当日はプレゼントと質疑応答
を骨格としている。 交流全体を課題解決型学習(TBL)として位置づけ、
次のような流れで進めている。
課題1 ①テーマ選択 ②調査 ③英語技能向上⇒課題2 ①自己紹介作成
②チャットルーム交流 ③テーマビデオ作成 ④テーマ・プレゼン作成
⇒課題3 ①リハーサル ②実際の交流。
非日本語・非英語話者であるアジアの学生グループとの交流が前提となる
ため、対面・同期・教室という従来型英語教育の縛りはすべて、生き生きした
対面、緊張感のある同期、エネルギーのこもった自己発現の場と転換する。
とくに課題1①②および課題2①③④では課題解決を楽しむ充実志向が
みられ、また課題1③および課題3①では英語力向上への訓練志向が高い。
その結果、参加者の学習意識は、パフォーマンス接近目標ではなく、自己
改善と熟達を目指すマスタリー接近目標へと転轍する変化がみられ る。
この変化を個人からグループという視点でとらえたとき、交流は「競争から
協同・共同へ」という1980年代の教育運動の延長線上にあるといえるが、
課題遂行にあたり参加者は議論を通じて多元的見方に気づき、相互に補完
的なスキルを用いた貢献をするので協働 、しかも 他地域・異文化の 出会
いを含む協働学習になっている。