IBM SmartCloud Provisioning クイック・スタート・ガイド

IBM SmartCloud Provisioning
バージョン 1.2
クイック・スタート・ガイド
このガイドは、IBM SmartCloud Provisioning バージョン 1.2 の基本インストールを開始で
きるようにすることを目的としています。
製品の概要
IBM® SmartCloud Provisioning (以前の名称は IBM Service Agility Accelerator on Cloud) は、ネットワーク上の仮想マシン
およびストレージへのオンデマンド・アクセスを提供することにより、コンピューター・インフラストラクチャーをサービ
スとして供給する Infrastructure-as-a-Service (IaaS) オファリングです。IBM SmartCloud Provisioning は、クラウド・サービ
スを高いスケーラビリティーと最小限のユーザーによる介入で提供できるように設計されています。
この製品を使用することにより、ユーザーは以下を実行できます。
v 仮想マシンのプロビジョニングとプロビジョニング解除。
v イメージ管理。
v ネットワーク・サービスおよびストレージ・サービス。
クラウド環境における主要なビジネス要件は、大規模なスケーラビリティーを許容可能かつ競争力のあるコストでサポート
しなければならないことです。ほとんどのクラウド・プロジェクトでは、何千もの同時にアクティブな仮想マシンが、短時
間のプロビジョニングと妥当なパフォーマンスでサポートされることが期待されます。従来のアプローチを用いた多数のサ
ーバー管理では、コストが非常に高くなってしまうため、異なるアプローチを考え出す必要があります。
IBM SmartCloud Provisioning ソリューションの基本的な特徴は以下のとおりです。
高い拡張性
IBM SmartCloud Provisioning は、ピアツーピアの並行/分散技術を用いているため、非常に高速です。複数のプロビ
ジョニング・タスクを並行して実行できるため、数千のサーバー管理が可能になります。数千の仮想マシンを 1 時
間以内でデプロイでき、単一のデプロイメントであれば数分で完了します。
少ない操作
IBM SmartCloud Provisioning では、拡張管理を優先するために、集中型のコマンドと制御の使用を最小限に抑えて
います。エンドポイントが、管理アクティビティーに参加し、単一の構成管理データベースには依存しません。この
モデルの実装により、IBM SmartCloud Provisioning は、ネットワーク障害に対する自動リカバリーと高い耐性も提
供します。
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ステップ 1: 資料へのアクセス
製品資料は http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/tivihelp/v48r1/index.jsp から入手できます。
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ステップ 2: インフラストラクチャーの計画
標準的な IBM SmartCloud Provisioning 環境には、2 つのタイプのサーバー、計算ノードとストレージ・ノードが存在しま
す。ストレージ・ノードがディスク I/O およびネットワーク I/O 用に最適化されているのに対し、計算ノードは CPU およ
び RAM 用に最適化されています (I/O ももちろん重要です)。ストレージ・ノードは、マスター・イメージおよび永続ユー
ザー・ボリュームを管理し、計算ノードは仮想マシンをホストするために使用されます。
IBM SmartCloud Provisioning 環境には、2 つ以上のストレージ・ノードと 2 つ以上の計算ノードが必要です。また、自動
化インストーラーを使用する場合は、PXE サーバーとなるマシンも必要です。計算ノードとストレージ・ノードの比率はお
およそ 6:1 となります。これは実践に基づく推奨比率であり、システムのワークロードに基づいて調整できます。
IBM SmartCloud Provisioning のコンポーネントは以下のとおりです。
PXE サーバー
DHCP、DNS、HTTP、および TFTP の各サービスを提供します。すべての IBM SmartCloud Provisioning コンポーネン
トをネットワーク上に素早くセットアップするために使用されます。
Zookeeper
Zookeeper は、Apache Hadoop プロジェクトの一部です。これはスケーラブルで回復力のある、分散ロック・サービスで
す。高可用性を保証するために、Zookeeper を奇数台のサーバー (最低 3 ノード) にデプロイする必要があります。
Web サービス
IBM SmartCloud Provisioning へのすべての管理アクセスおよびユーザー・アクセスは、RESTful Web サービス・インタ
ーフェースを通じて提供されます。この仮想マシンのコピーが少なくとも 1 つ稼働している必要があります。
Web コンソール
Web UI を実行するために、少なくとも 1 つの Web コンソールのコピーをデプロイする必要があります。
LDAP サーバー
LDAP は、Web コンソール用のユーザー認証を提供します。これはオプションで、また構成可能です。LDAP サーバー
がない場合、IBM SmartCloud Provisioning インストーラーのガイドに従い、LDAP サーバーをインストールできます。
HBase
HBase は、Apache Hadoop プロジェクトの一部です。これは、Google の BigTable に基づいてモデリングされた、分散
型でスケーラブルな、列指向型のデータ・ストアです。 HBase は、HDFS (Hadoop Distributed File System) に依存して
います。推奨される最小デプロイメントは、この仮想マシンの 3 コピーですが、より多くのノード、例えば 7 程度を使
用することがより推奨されます。
Rest サーバー
REST サーバーは、HBase クラスター用のゲートウェイです。HBase に対するすべての要求が、このコンポーネントに
より処理されます。最小は 1 ノードですが、バランシング目的でより多くのノードを使用できます。
ストレージ・ノード
ストレージ・ノードは、iSCSI ターゲット・サーバーを介して、イメージおよびボリュームのサービスを提供します。デ
フォルトの iSCSI ターゲット・サーバーは、Linux tgtd です。最小は 2 ノードです。各ストレージ・ノードにはストレ
ージ・ボットが装備されます。ストレージ・ボットはストレージ関連の全リソースとタスクの管理エージェントです。
計算ノード
計算ノードは、デプロイされた仮想イメージをホストします。最小は 1 ノードですが、環境と予測されるワークロード
に応じて、より多くのノードを使用できます。各ストレージ・ノードには、計算ボットが装備されます。計算ボットは、
計算関連の全リソースとタスクの管理エージェントです。
仮想イメージ・ライブラリー
仮想イメージ・ライブラリー・コンポーネントは、フェデレーション、比較、インベントリー、検索、バージョン管理、
複製などのイメージ管理サービスを、共通のプログラミング・インターフェースを通して提供します。
イメージの構築および構成ツール
イメージの構築および構成ツールは、再使用可能、自己記述型、カスタマイズ可能、共有可能、さらに管理の容易なイメ
ージの作成を支援します。イメージには、基本オペレーティング・システムに加えて、追加のソフトウェア・バンドルを
含めることができます。
標準的なデプロイメントは以下のようになります。
v PXE サーバーは、物理ボックス、いわゆる初期デプロイ・マシンにインストールされますが、仮想マシン上にインストー
ルすることも可能です。
v ストレージ・ノードは、物理マシンにデプロイされますが、仮想化することも可能です。
v 計算ノードは物理ボックスにデプロイされます。
v VMware ESXi サーバーを計算ノード用のシステムとして選択します。計算ボットは、VMware ESXi サーバー上の仮想マ
シンの 1 つで実行されます。
v その他のコンポーネント (ZooKeeper、Hadoop + HBase、REST サーバー、Web サービス、Web コンソールを含む) は、
すべて仮想マシンにインストールされます。これらの仮想マシンは任意の物理マシン上で実行できますが、ストレージ・
ノード上で実行することが強く推奨されます。
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部品番号: CF3BKML
Printed in Ireland