鑑定評価実施要領[PDF:110KB]

 固定資産税評価(土地)における鑑定評価実施要領
本市における平成30年度の固定資産(土地)評価替えに係る標準宅地及び
標準畑の鑑定評価業務については、本要領の定めるところにより実施するもの
とする。ただし、本要領に定めのない事項については、適宜、浦添市総務部資
産税課(以下「資産税課」という。)と協議のうえ、行うものとする。
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第1 基本的事項 1 業務内容についての順守事項
本業務を行う不動産鑑定士又は不動産鑑定士補(以下「不動産鑑定士等」という。)
は、本業務が単に個別地点について行う鑑定評価と異なり、同一価格時点で大量に行う
鑑定評価であり、特に面的な価格の均衡が求められる固定資産税評価のための基礎資料
を作成するものであるため、本市の固定資産評価補助員と合同での調整会議、実地調査
等を通じて本市の固定資産評価補助員に必要な助言・指導を行いつつ、固定資産税評価
の均衡化・適正化を図ることが業務の目的であることを認識して本業務を遂行しなけれ
ばならない。
また、併せて土地基本法の趣旨等を踏まえ、他の公的土地評価(地価公示価格、地価
調査価格及び相続税路線価)との均衡に十分に留意して本業務を遂行しなければならな
い。
第2
乙の業務
1 乙は、定められた鑑定評価委託地点の鑑定評価を相互に協力し行う。
2 乙は、沖縄県等の主催する関係会議等において、本市近隣市町村の固定資産鑑定評価
関係者との意見交換・情報交換等を積極的に行い、本市近隣市町村との境界付近のみな
らず、本市全域についての鳥瞰的な価格均衡に留意して、他の公的土地評価との均衡を
確保するため、鑑定評価に係る必要な調整を行う。
3 乙は、別に定める業務報告書を作成し、報告する。
4 乙が鑑定評価を行う際には、地価公示価格、地価調査価格、相続税路線価等に充分に
留意して行い、かつ、本市の固定資産評価補助員との充分な意見・情報交換等を行うと
ともに、固定資産評価基準、浦添市固定資産評価事務取扱要領及び浦添市土地価格比準
表に配慮して行う。
第3 その他業務内容
1 標準宅地に係る標準価格の算定及び標準化補正率の算定
本業務における鑑定評価の目的は、固定資産税評価における標準宅地の価格(正常価
格)の算定であるが、その価格の7割程度が当該標準宅地の接する街路の路線価とな り、当該街路に接するすべての宅地は、この路線価を基に固定資産評価基準に定める画
地計算法を適用して評価することとされているため、本業務における鑑定評価では、当
該街路に接するすべての宅地の評価の基礎となる価格を求めるものである。
したがって、当該標準宅地の1平方メートル当たりの価格の算定にあたっては、標準
宅地の鑑定評価額に次に掲げる個別的要因(画地条件など)による補正の必要の有無と
その理由を整理し、補正の必要があると認められる場合はその理由を明確にした上で、
当該個別的要因がないものとして標準化するための補正率(標準化補正率)を算定す
る。また、後記(2)に定めるとおり、地価公示価格及び地価調査価格に個別的要因による
補正が含まれている場合においても、標準価格及び標準化補正率を算定する。
なお、個別的要因による補正の必要の有無と理由及び補正項目並びに格差率について
は、成果物である鑑定評価書に明確に記載すること。
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(1) 個別的要因の具体的項目
・接面道路の方位による日照、通風等
・間口、奥行、地積、形状等
・道路との高低
・角地その他の接面道路との関係
・変電所、汚水処理場等の危険・嫌悪施設との接近性の程度 ・高速道路等騒音、振動等の発生源との接近性の程度
・高圧線等との接近性の程度
・隣接している不動産等周囲性の状態 ・その他の要因で、標準宅地が接する街路の要因(同一街路に接する他の宅地の個別的
要因)として考慮する必要がないもの、標準宅地の画地条件において個別的要因とし
て考慮する必要があるもの 注:項目の具体的な内容については、受託者と資産税課との協議により定めるものと
する。
(2) 適用例
標準宅地が、複数の街路に接していること(角地など)により、土地利用の有効性等
の観点から、同一街路に接する土地との間に価格差が生じる場合には、正面街路のみに
接する土地と想定した場合の価格とその補正率(標準化補正率)を算定する。
2 地価公示地又は地価調査地と同一地点にある標準宅地に係る標準価格の算定
地価公示地又は地価調査地と同一地点にある標準宅地に係る標準価格の算定は、平成
29年地価公示地及び平成28年地価調査地と同一地点にある標準宅地に係る平成29
年1月1日時点の1平方メートル当たりの標準価格の算定を行う。
具体的には次により行う。
(1) 地価公示地に係る標準化補正
地価公示価格に個別的要因による補正が含まれているか否かの判定及び標準価格の算
定を行う。補正が含まれていると判定した場合には、標準化補正率を算定し、標準化
補正後を算定し、標準化補正後の標準価格を算定する。
(2) 地価調査地に係る時点修正・標準化補正
ア 地価調査価格(平成28年7月1日時点)に係る価格調査基準日(平成29年1月
1日)までの時点修正を行う。
イ 時点修正後の価格を基礎として、上記アと同様に地価調査価格に個別的要因による
補正が含まれているか否かの判定及び標準価格の算定を行う。補正が含まれている
と判定した場合には、標準化補正率を算定し、標準化補正後の標準価格を算定す
る。
3 成果物
受託者は、別途資産税課が指定する期日までに、次の成果物を作成し、指定された
提出先に提出する。
(1) 鑑定価格一覧表(別紙)
本業務の中間成果物として、仮試算価格一覧及び試算価格一覧(メモ価格一覧)と最
終検討価格一覧を1部作成する。
ア 仮試算価格一覧(必要に応じて提出する場合あり)
仮試算価格一覧は、鑑定価格を算定する過程において作成するもので、地価公示地
又は地価調査地と同一地点となる標準宅地、本市における基準宅地、用途地区別に価格
均衡を確保するための指標となると受託者が認める標準宅地及び資産税課が指示する
標準宅地(以下「基準宅地等」という。)について、仮試算価格を算定し、その価格
を鑑定価格一覧表に記載する。
イ 試算価格一覧(平成29年1月中旬をめどに提出)
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試算価格一覧は、仮試算価格一覧と同様に、鑑定価格を算定する過程において作成す
るもので、仮試算価格を算定した後に行う全鑑定地点に係る試算価格を鑑定価格一覧
表に追記補記する。
ウ 最終検討価格一覧(平成29年3月上旬をめどに提出)
最終検討価格一覧は、土地評価協議会分科会等関係会議において、試算価格に係る協
議調整を経て作成されるもので、全鑑定地点に係る最終検討価格を鑑定価格一覧表に
記載するものである。なお、価格の記載にあたっては、検討の経緯がわかるように試
算価格の数値をいわゆる見え消し修正する方法で行うこととする。
(2) 鑑定評価書等
最終成果物として、全標準宅地について作成する。
ア 鑑定評価書
・様式一 「基本的事項及び鑑定評価額等」
・様式二 「鑑定評価額の決定の理由の要旨(その1)」
・様式三 「鑑定評価額の決定の理由の要旨(その2)」 ・様式四 「標準宅地調書」
イ 現地案内図、地籍図及び資産税課長が指示する図面
ウ 現地写真(標準宅地の状況が把握できる現場写真)
(3)開発想定図((2)の付属資料)
沖縄電力(751).オリオンビール本社(705).沖縄コカコーラ本社工場(716)
部数 2部((2)に添付)
(4) 業務報告書
受託者は、別途資産税課が指定する期日までに、最終成果物として、次の内容の業務
報告書を作成し、資産税課に提出すること。なお、報告書の様式等については、受託
者と資産税課が協議して別途定めるものとする。
ア 資産税課との調整等に係る内容及び問題点
用途判定における基本的考え方、用途地区の区分に係る具体的な方法及び統一基
準、状況類似地区の区分に係る具体的方法及び基準、標準宅地の位置などについて
検討した結果について報告すること。
イ 固定資産評価基準、浦添市固定資産評価事務取扱要領及び浦添市土地価格比準表
に定める各種補正率等の適用に当たって、不動産鑑定評価理論の見地からの具体的な
意見等について報告すること。
ウ その他本業務の遂行にあたり生じた問題点、改善を要する事項等について報告す
ること。
(5) 精通者意見価格調査表(畑)
標準畑1地点について作成する。(平成29年3月上旬をめどに提出)
※上記成果物のうち特別に期日を定めるもののほかは、平成29年3月31日までに提
出とする。
第4 その他
1 資料の提供
標準宅地の鑑定評価を行うに当たって必要な資料は、受託者と資産税課とで協議上、
資産税課から受託者に対して提供する。ただし、受託者は提供を受けた資料を標準宅地
の鑑定評価以外の目的に使用してはならない。
2 秘密の保持
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受託者は、本件業務の実施によって知り得た秘密を第三者に漏らしてはならない。業
務完了後も同様とする。
受託者は、本件業務の実施によって知り得た秘密の保持等については、浦添市個人情
報保護条例に基づく取扱いとする。
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