お彼岸

H28 全校朝会の話
No.15
お彼岸
2016.9.20
校長
西谷
秀幸
パラ リンピ ック の話。 挨拶 運動の 話。
さて 、今週 は、 昨日と 木曜 日に祝 日が 2日間 ありま す。
昨 日 、 9 月 1 9 日 ( 月 ) は 、 何 の 日 だ っ た で し ょ う 。 正 解 は 、「 敬 老 の 日 」 で す 。 家 族
や 世 の中 の ため に長 い 間働 い てき て くれ たた 、 おじ い ちゃ ん、 お ばあ ち ゃん たち に 感謝を
し て、 長生き をお 祝いす る日 です。
で は 、 2 2 日 ( 木 ) は 、 何 の 日 で し ょ う 。 正 解 は 、「 秋 分 の 日 」 で す 。「 秋 分 の 日 」 は
1 年間 の中で 、昼 と夜の 長さ がだい たい 同じに なる日 です 。
ち な み に 、 昼 の 長 さ が 一 番 長 い 「 夏 至 」 の 日 は 、 太 陽 が 夜 7 時 に 沈 み ま す が 、「 秋 分 の
日 」 の木 曜 日は 、太 陽 が沈 む 時刻 が 夕方 の5 時 38 分 です 。で す から 、 これ から 昼 の時間
が 短く なって 、ど んどん 暗く なるの が早 くなり ます。
こ の「 秋 分の 日」 は 「お 彼 岸」 と も呼 ばれ て いま す 。こ の時 期 に咲 く 花が 「彼 岸 花」で
こ の頃 から涼 しく なって くる ことか ら「 暑さ寒 さも彼 岸ま で」と いう 言葉が あり ます。
お 彼 岸 は 、「 亡 く な っ た 人 や ご 祖 先 様 の こ と を 思 い 出 し た り 、 お 供 え 物 を し た り し て 敬
う 日 」 の こ と で 、 た く さ ん の 人 が お 墓 参 り に 行 き ま す 。「 秋 分 の 日 」 は 、 そ の 真 ん 中 の 日
で 、 前と 後 ろの 3日 間 ずつ 、 つま り 、今 日か ら 日曜 日 まで が「 お 彼岸 」 です 。も し かした
ら 、皆 さんの 中に も、お 墓参 りに行 った 人、こ れから 行く 人がい るか もしれ ませ んね。
お墓 参りに 行く と、お供 え物を しま すね。で は、昔か ら、
「お彼岸」の日にお供えをしたり、食べたりするものとし
て 一番 有名な 物は 何でし ょう 。
次の 3つの うち から選 んで 、手を 挙げ てくだ さい。
① 紅白ま んじ ゅう
② おはぎ
③月見 団子
正解 は、② の「 おはぎ 」で す。
「 お は ぎ 」 の ま わ り に 付 い て い る 「 あ ん こ 」 は 、「 あ ず き 」 で で き て い ま す 。「 あ ず き 」
は 、 お汁 粉 とか に入 っ てい る 赤い 色 の豆 です 。 この 「 あず き」 の 赤い 色 が、 悪い こ とから
守 っ てく れ る効 果が あ ると い われ て いる ため 、 江戸 時 代か ら「 お 彼岸 」 でお 供え し たり、
食 べた りする よう になっ たの です。
日 本 に は 、 季 節 と と も に 昔 か ら 伝 わ る 習 慣 が あ り ま す 。「 お 彼 岸 」 に 、 お 墓 参 り を し た
り 、「 お は ぎ 」 を お 供 え し た り 、 食 べ た り … 。 今 は 、 そ う い う こ と を す る 家 は 少 な く な っ
て しま いまし たが 、日本 人と して、 ぜひ 知って おいて ほし いなと 思い ます。
とこ ろで、 最後 に、も う1 枚写真 を見 せます 。
こ れ は 、「 ぼ た も ち 」 で す 。「 お は ぎ 」 と 「 ぼ た も ち 」
は 、と てもよ く似 ていま すね 。実は 、材 料も同 じで、
今 では ほとん ど区 別がつ かな いので すが 、もと もとは
ち ょっ と違っ たの です。
では、いったいどんなところが違ったのでしょうか。
ぜ ひ、 教室で 担任 の先生 から 聞いて みて くださ い。
これ で朝会 の話 を終わ りま す。
(裏面に「先生方へ」があります)
〈先生方へ〉
先日は、土曜授業、お疲れさまでした。今週は、全校遠足ですね。天候が少々心配
ですが、どうぞよろしくお願いします。
さて、今の子供たちは、祝日や季節の行事、昔から伝わる習慣などについて、耳に
したり、体験したりする機会が少なくなっています。そのため、学校で意図的に教え
ていく必要があると思い、以前から全校朝会で取り上げるようにしています。
「暑さ寒さも彼岸まで」という慣用句がありますが、近年の秋は「お彼岸が過ぎて
も残暑が厳しい」ことも多く、秋を飛び越えて冬になってしまった年もありました。
また、10代・20代の若者は、自然の変化よりも、コンビニの商品やレストランの
メニューを通して、秋という季節感を感じる人が増えているそうです。
今 回 の「 お は ぎ 」と「 ぼ た も ち 」に つ い て も 諸 説 あ る よ う で す が 、「 お は ぎ 」と「 ぼ
たもち」の歴史に思いをはせ、秋のお彼岸には「つぶあん」の「おはぎ」を、春のお
彼岸には「こしあん」の「ぼたもち」をいただきながら、季節の風情を感じたいもの
ですね。学級の実態に合わせて、補足などをお願いします。
【資料1】 日の出・日の入・夏至・冬至の時刻(東京)
以下は、平成28年の「日の出・日の入」時刻と「昼の長さ」です。
日付
日の出
日の入
昼の時間
春分の日
3月20日
5時45分
17時53分
12時間08分
夏
至
6月21日
4時25分
19時00分
14時間35分
秋分の日
9月22日
5時29分
17時38分
12時間09分
12月21日
6時47分
16時32分
9時間45分
冬
至
【資料2】 「おはぎ」と「ぼたもち」の違い
お 彼 岸 の お 供 え も の の 定 番 と い え ば 「 お は ぎ 」 や 「 ぼ た も ち 」。 い ず れ も 、 も
ち米とうるち米を混ぜて炊き、適度につぶして丸めたものをあんこで包んだ和菓
子ですが、季節によって呼び名や作り方が変わります。その違いはというと…。
【おはぎ】
□ 秋 は 、「 萩 」 の 花 に ち な ん で 、「 お は ぎ 」( 御 萩 ) と い い ま す 。
□「 萩 」の 花 は 小 さ く て や や 細 長 い た め「 お は ぎ 」は 小 ぶ り で 俵 の 形 に 作 り ま す 。
□材料となるあずきは、秋に収穫されます。採れたてで柔らかいあずきが使える
秋は、柔らかい皮も一緒につぶして使うので「つぶあん」を使いました。
【ぼたもち】
□ 春 に 咲 く 「 牡 丹 」 の 花 に ち な み 、 春 は 「 ぼ た も ち 」(「 牡 丹 餅 」) と い い ま す 。
□牡丹は大きくて丸い花。そこで「ぼたもち」は大きめで丸い形に作ります。
□材料のあずきは秋に収穫されるので、冬を越した春は、固くなって食感が悪く
なります。そこで皮を取って「こしあん」にして使っていました。
以上のように、本来は春と秋で区別し、秋の「おはぎ」は「つぶあん」で、春
の「ぼたもち」は「こしあん」だったのです。しかし、現在は、保存技術の発達
や品種改良により、春でも皮のまま使うことができるあずきが登場し、こうした
違いにこだわらないものが多くなりました。