O29[N]-133 薬物送達のための微小 W/O/W エマルションの設計 ○藤田 尚美 1 , 山本 浩充 1 , 竹内 洋文 1 , 長濵 徹 2 , 明戸 孝夫 2(1 岐阜薬大, 2 大正製薬) 【目的】エマルションは生態適合性の高いキャリアーとして知られ、医療に限ら ず食品や化粧品など多様な分野で利用されている。中でも W/O/W エマルションは W/O および O/W エマルションの長所を兼ね備えており低粘性で多量の水溶性薬物 を封入、保持することが可能である。本研究では多孔性のセラミックメンブラン を用いた膜乳化装置により新たなサブミクロンサイズの W/O/W エマルションの 調製を行い、薬物キャリアーとしての特性を評価した。 【方法】W/O/W エマルションは二段乳化法を用いて調製を行った。水溶性モデル 薬物として Carboxy fluorescein (CF) 、高分子モデル薬物として FITC-デキスト ラン(FD-4)を用い、油性物質及び乳化剤 PGCR(ポリグリセリン縮合リシノレ イン酸エステル)と共に攪拌することで W/O エマルションを調製した。さらにこ の W/O エマルションを膜乳化装置により PVA 等の安定化剤を含む外水相に分散 させ W/O/W エマルションを調製した。 【結果および考察】攪拌により粒子径が約 100 nm のサブミクロンサイズ W/O エ マルションを得た。得られた W/O エマルションの水相への分散化方法を検討した 結果、セラミックメンブランを用いた膜乳化法により粒子径が 500~600 nm に制 御された安定な W/O/W エマルションの調製が可能であることが確認された。また、 W/O/W エマルション中へのモデル薬物の封入率も高い値を示した。さらに、本 W/O/W エマルションの経口投与製剤としての適性について評価した結果も併せて 報告する。
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