日常生活の場面を想起させる。 科学的な体験の機会をつくる。 ・ 意外性

塩谷南那須授業力アップリーフレット④
「ねらいの提示」「指導」「まとめ・振り返り」を意識した理科の展開事例
まずはじめに・・・
小学校、中学校とも、理科は問題解決の過程で成り立っている教科です。下に問題解
決8つのステップ を示します。②、③、④、⑥、⑦、⑧は理科における言語活動と
なります。
活
動
Ⅱ
⑧
語
⑦
察
結 論の導出
考
検証計画の立 案
予想・仮説 の設定
結果の整理
言
⑥
体験Ⅱ
観察・実験
Ⅰ
⑤
動
④
活
③
語
問題の 把握・設定
自然 事象への
働きかけ
導入
言
②
①
体験Ⅰ
ねらいの提示
児童生徒の関心・意欲を高めるようなねらいの提示の工夫
し をしましょう!
ま
ょ
う
し
!
いきなりねらいを提示していませんか?
ねらいを提示する前に、児童生徒にいかに、
「なぜだろう?」
「ふしぎだな?」
という疑問をもたせることができるかが大切です。
例えば
・ ねらいに関連の深い 日常生活の場面を想起 させる。
・ 自由試行を通した科学的な体験の機会 をつくる。
・ 意外性のある演示実験 を見せる。
・ 教科書にある 扉絵や写真 などを提示する。
・ 前時までの 内容を想起させ、解決できなかった疑問点を共有 する。
など学習意欲が高まる「もの」や「こと」を準備する必要があります。
児童生徒に疑問をもたせた上で、児童生徒とのやりとりの中で一緒にねら
いをつくり出すようにします。(他人事ではなく、 自分事にすること)
展開
指導
予想や仮説は必ず立てさせましょう!
時間がないから・・・、分かりきっていることだし・・・などという理由で予想
や仮説を立てさせるステップを省略していませんか?
予想や仮説は大切です。振り返りにつながる活動となります。
たとえ「やっぱり予想どおりだったじゃないか・・・」でも、予想や仮説は立て
させるべきです。予想や仮説があるからそういうつぶやきが生まれるのです。 短
い時間でも、個人内のみの予想でもよいので省略しないようにしましょう。
児童生徒同士の学び合いの場面を設定しましょう!
理科における言語活動を意識していますか?
互いの考えを深め広げる学び合い の場面をつくることが大切です。
例えばこんな場面で・・・
検証計画の立案の場面
・ 予想をもとに、 グループで話し合いながら実験の方法や準備物、条件
設定などの観察・実験を計画する。
ホワイトボード等の思考ツールの活用も有効です
考察の場面
・ 観察・実験の結果から分かることを言葉だけでなく図や表、グラフも活用しな
がら、個人 で考察し、その後 グループで話し合い、グ ループの意見として
まとめる。
・ 他のグループやクラス全体に対して、グループで話し合ってまとめた意
見などを、科学的な言葉や概念を活用しながら伝えたり説明したりする。ま
た、聞き手はその考えについて疑問点などを質問する。
終末
まとめ・振り返り
学んだことを実感できる振り返り活動を充実させましょう!
振り返り活動の時間を確保していますか?
予想や仮説と、観察・実験の結果を比べたり、日常生活と関連させたりしながら
実感を伴った理解を図ることが大切です。
例えば
・ 自分の予想や仮説と比べてどうだったのか記述させる。
・ この授業から何が分かったのか、何が分からなかったのか 、また、 新た
な疑問は何か などを記述させる。
・ 単元末などには、今回の学習が日常生活のどんなところに関わっているかなど、
科学の有用性などについても考えさせる。