通所リハビリを当日中止した利用者の実態調査

15-第19-R2-7 一般演題
9月15日(木) 14:00~15:00 第19会場 リーガロイヤルホテル W2F ペリドット
在宅支援と地域連携(2) [座長]斉藤 久子(介護老人保健施設コミュニティホーム白石)
第1群:102 通所リハビリ
第2群:204 工夫・新たな取り組み
第3群:R3389 在宅支援と地域連携 その他の在宅支援と地域連携関連
通所リハビリを当日中止した利用者の実態調査
通所リハビリテーション いなば幸朋苑
小谷 由紀子
当日利用中止の連絡は電話で受けるのみで、その理由と在宅での過ごし方の確認を聞くまでに至っていなかった。利用者の再ア
セスメントと実態調査を行い、今後の方向性を探った取り組みを報告する。
はじめに
通所リハビリテーション(以下DC)の平成26年4月から12月までの利用予定延べ人数は10443人、その中で利用を当日中止(以下
休み)した実人数は2387人で、割合が22%であった。今までは、休み連絡を受けるのみで、利用者や家族、ケアマネージャーに
その理由・過ごし方を聞く対応までには至っていなかった。体調不良で休みになった場合、独居や高齢者世帯で日中の支援のな
い利用者に対して何ができるのか、今後の方向性を探った取り組みを報告する。
1.目的
1)体調不良でも受け入れる体制と環境を整える
2)ケアマネとの連携を密にする
3) 利用の増加を図る
2.研究方法
1)研究方法
・利用者の在宅状況のアセスメント
・休み利用者の内訳分析
・月毎の利用予定数、休み件数の把握
・取り組み
2)期間
平成27年4月~平成27年12月
3.結果
1)インターライアセスメント セクションQ「支援状況」・CAP14「インフォーマル支援」をもとに独自の確認シートを作成
し利用者のアセスメントを実施(表1)。実利用者数159人。支援ありの割合は92%。支援なし(ケアハウス等の入所者含
む)7%だった。
2)休み利用者の内訳を分析
毎月休みの内訳と中止した利用者の支援状況も一覧で見えるようデータ化し管理した。
体調不良 52% 私用 40% その他(入院や利用終了等) 8%。
約半数が体調不良だった。
3) 4月から12月まで月毎の利用予定人数と、休み人数を把握。平成27年4月から12月までの全利用予定数は11744人、その中で
休み人数は1319人。割合は11%だった。
4)1)~3)の実態調査と併せて、6月から実際に支援なしの利用者が休んだ場合、ケアマネに連絡し、引き継ぎを行った。7月から
は、ケアマネや家族にその後の対応についても確認した。9月には、定期巡回・訪問介護等の併用利用者をリストアップし、連携
方法の確認や気づき等を話し合った。11月 取り組みの中で、支援ありの利用者でも休みになった場合、日中家族が仕事等で家を
留守にすることで「支援なし」になることが判明。ケアマネージャーに情報提供を依頼し、「日中支援なし」になる利用者を把
握、同様に対応した。各部署で対応表を作成し、個別援助計画書にも追加項目として明記した。
4.考察
実態調査から以下の5つの点について述べる
今後の方向性
1)通所サービスを休むことで、家族が仕事を休まなくてはならない場合がある。休み連絡を受ける際在宅での支援が必要かどう
かと判断基準(休みの理由の聞き取り、配食の必要性、家族の支援の確認等)誰でも同じ対応ができるようマニュアルを作成す
る必要がある。
2)新規利用者の実態調査や担当者会議時に支援状況も含めてアセスメントし、休みになった時の支援方法についてケアプランに
反映し、一貫したケアができるように職員間で周知することは大切である。
3)すべてが自立であっても体調不良で利用が中止の場合は介護士、看護師が自宅へ訪問し、健康管理をする仕組みが必要であ
る。
4)休み連絡の方法をルール化し独自の確認シートは情報を把握でき支援状況が一目でわかり有効であった。
5)アセスメント・休みの内訳のデータ化は状況把握する点で役立った。
おわりに
こうほうえんのサービスを今後も選び続けてもらえるよう、28年度も手厚いケアの見直しと、家族、ケアマネージャーとの連携
を密にして通所利用を当日中止した利用者の実態調査と支援方法を検討していく。