平成 28 年9月 18 日 統計トピックス No.97 統計からみた我が国の高齢者(65 歳以上) -「敬老の日」にちなんで- 総務省統計局では、「敬老の日」(9月19日)を迎えるに当たって、統計からみた我が 国の高齢者のすがたについて取りまとめました。 要 Ⅰ 高齢者の人口(人口推計 約 平成28年9月15日現在) (2ページ~) ○ 高齢者人口は3461万人、総人口に占める割合は27.3%と共に過去最高 ○ 女性の高齢者割合が初めて30%を超える ○ 日本の高齢者割合は、主要国で最高 Ⅱ 高齢者の人口移動(日本人移動者) (住民基本台帳人口移動報告) (5ページ~) ○ 東京都や大阪府などで転出超過 ○ 高齢者の都道府県間移動率は、男性は65~69歳が最も高く、女性は85歳以上 で高い傾向 Ⅲ 高齢者の就業(労働力調査)(6ページ~) ○ 高齢者の就業者数は、12年連続で増加し、730万人と過去最多 就業者総数に占める高齢者の割合は、11.4%と過去最高 ○ 日本の高齢者の就業率は、主要国で最高 ○ 高齢雇用者の7割超は非正規の職員・従業員 「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多の理由 Ⅳ 高齢者の暮らし(家計調査)(9ページ~) ○ ICTを活用する高齢者が増加 ○ 健康に気を配り、趣味を楽しむ高齢者 Ⅴ 高齢者の家計(家計調査、家計消費状況調査)(11ページ~) ○ ○ ○ ○ 交際費、保健医療への支出割合が高い高齢者世帯 高齢者世帯の貯蓄現在高は1世帯当たり2430万円 10年間で3.6倍に増加した高齢者世帯のネットショッピングの利用 医薬品・健康食品への支出割合が高い高齢者世帯のネットショッピング 1 Ⅰ 高齢者の人口 高齢者人口は3461万人、総人口に占める割合は27.3%と共に過去最高 65歳以上の高齢者(以下「高齢者」といいます。)人口は3461万人(平成28年9月15日現在推計) で、総人口に占める割合は27.3%となっています。前年(3388万人、26.7%)と比較すると、73 万人、0.6ポイント増と大きく増加しており、人口、割合共に過去最高となりました。 年齢階級別にみると、70歳以上人口は2437万人(総人口の19.2%)で、前年と比較すると、19 万人、0.2ポイント増、75歳以上人口は1697万人(同13.4%)で、59万人、0.5ポイント増となり ました。また、80歳以上人口は1045万人(同8.2%)で、前年と比較すると、43万人、0.3ポイン ト増となりました。(表1) 女性の高齢者割合が初めて30%を超える 高齢者を男女別にみると、男性は1499万人(男性人口の24.3%)、女性は1962万人(女性人口の 30.1%)で、女性が男性より463万人多くなっており、割合では、女性が初めて30%を超えました。 人口性比(女性100人に対する男性の数)を年齢3区分別にみると、0~14歳では105.0、15~64 歳では102.1と男性が多いのに対し、65歳以上では76.4と女性が多くなっています。また、70歳以 上では70.1、75歳以上では63.7、80歳以上では54.8となっています。(表1) 高齢者の総人口に占める割合の推移をみると、昭和25年(4.9%)以降一貫して上昇が続いてお り、60年に10%、平成17年に20%を超え、28年は27.3%となりました。(図1、表2) 表1 年齢3区分別人口及び割合(平成27年、28年)- 9月15日現在 区 分 平 成 28 年 人 口(万人) 男女計 男 女 総人口に占める割合(%) 男女計 男 女 人口性比 平 成 27 年 ※) 人 口(万人) 男女計 男 女 総人口に占める割合(%) 男女計 男 女 人口性比 ※) 総人口 0~14歳 15~64 歳 65歳以上 70歳以上 75歳以上 80歳以上 85歳以上 90歳以上 95歳以上 100歳以上 12695 6175 6520 1597 818 779 7637 3858 3779 3461 1499 1962 2437 1004 1433 1697 660 1037 1045 370 675 527 160 367 199 47 152 49 8 41 7 1 6 100.0 100.0 100.0 12.6 13.2 11.9 60.2 62.5 58.0 27.3 24.3 30.1 19.2 16.3 22.0 13.4 10.7 15.9 8.2 6.0 10.4 4.2 2.6 5.6 1.6 0.8 2.3 0.4 0.1 0.6 0.1 0.0 0.1 94.7 105.0 102.1 76.4 70.1 63.7 54.8 43.6 31.1 20.6 15.9 12710 6181 6528 1612 826 786 7710 3891 3818 3388 1464 1924 2418 996 1422 1638 633 1005 1002 351 651 501 150 351 184 42 142 45 8 37 6 1 5 100.0 100.0 100.0 94.7 12.7 13.4 12.0 105.0 60.7 63.0 58.5 101.9 26.7 23.7 29.5 76.1 19.0 16.1 21.8 70.0 12.9 10.2 15.4 63.0 7.9 5.7 10.0 54.0 3.9 2.4 5.4 42.7 1.4 0.7 2.2 29.6 0.4 0.1 0.6 20.6 0.0 0.0 0.1 15.6 資料:「人口推計」 ※)女性100人に対する男性の数 注1)平成27年国勢調査人口速報集計による人口を基準としている。 2)人口は、万人単位に四捨五入してあるので、内訳の計は必ずしも合計に一致しない。 2 図1 高齢者人口及び割合の推移(昭和25年~平成28年) (万人) 4000 (%) 40.0 3500 35.0 65歳 以上 高齢者人口の割合(右目盛→) 3000 30.0 2500 25.0 2000 20.0 1500 15.0 1000 10.0 500 5.0 0 75歳 以上 80歳 以上 0.0 昭和 25 平成 30 35 40 表2 45 50 55 60 2 7 12 17 22 27 次 28(年) 高齢者人口及び割合の推移(昭和25年~平成28年) 高齢者人口 (万人) 年 70歳 以上 総人口に占める割合 (%) 総人口 (万人) 65歳以上 70歳以上 75歳以上 80歳以上 65歳以上 70歳以上 75歳以上 80歳以上 昭和25年(1950) 30年(1955) 35年(1960) 40年(1965) 45年(1970) 50年(1975) 55年(1980) 60年(1985) 平成2年(1990) 7年(1995) 12年(2000) 17年(2005) 22年(2010) 8320 8928 9342 9827 10372 11194 11706 12105 12361 12557 12693 12777 12806 411 475 535 618 733 887 1065 1247 1493 1828 2204 2576 2948 234 278 319 362 435 542 669 828 981 1187 1492 1830 2121 106 139 163 187 221 284 366 471 599 718 901 1164 1419 37 51 67 78 95 120 162 222 296 388 486 636 820 4.9 5.3 5.7 6.3 7.1 7.9 9.1 10.3 12.1 14.6 17.4 20.2 23.0 2.8 3.1 3.4 3.7 4.2 4.8 5.7 6.8 7.9 9.5 11.8 14.3 16.6 1.3 1.6 1.7 1.9 2.1 2.5 3.1 3.9 4.8 5.7 7.1 9.1 11.1 0.4 0.6 0.7 0.8 0.9 1.1 1.4 1.8 2.4 3.1 3.8 5.0 6.4 27年(2015) 28年(2016) 12710 12695 3388 3461 2418 2437 1638 1697 1002 1045 26.7 27.3 19.0 19.2 12.9 13.4 7.9 8.2 資料:昭和25年~平成22年は「国勢調査」、平成27年及び28年は「人口推計」 注1)平成27年及び28年は9月15日現在、その他の年は10月1日現在 2)平成27年及び28年は、平成27年国勢調査人口速報集計による人口を基準としている。 3)国勢調査による人口及び割合は、年齢不詳をあん分した結果 4)昭和45年までは沖縄県を含まない。 3 日本の高齢者割合は、主要国で最高 主要国の中で平成 28 年の高齢者の総人口に占める割合を比較すると、日本(27.3%)が最も高く、 次いでイタリア(22.7%) 、ドイツ(21.4%)などとなっています。日本の高齢者割合を平成7年及び 平成 17 年と比較すると、12.7 ポイント増、7.1 ポイント増となっており、主要国の中で高齢化の進行 が早いカナダ(4.7 ポイント増、3.5 ポイント増) 、イタリア(6.2 ポイント増、3.2 ポイント増)と比 較しても、最も高齢化の進行が早くなっています。 (図2、表3) 図2 高齢者人口の割合の国際比較(平成7年、17 年、27 年) (%) 30.0 平成7年 平成17年 平成27年 25.0 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 日本 表3 イタリア ドイツ フランス イギリス カナダ アメリカ 高齢者人口の割合の国際比較(平成7年、17 年、27 年、28 年) (%) 日本 平成7年(1995年) 平成17年(2005年) 平成27年(2015年) 平成28年(2016年) 14.6 20.2 26.7 27.3 イタリア 16.5 19.5 22.4 22.7 ドイツ フランス 15.4 18.8 21.2 21.4 15.1 16.6 19.1 19.5 イギリス 15.9 16.0 17.8 18.0 カナダ アメリカ 11.9 13.1 16.1 16.6 12.6 12.3 14.8 15.2 資料:日本は、平成 27 年及び 28 年は「人口推計」 、その他は「国勢調査」 他国は、World Population Prospects: The 2015 Revision(United Nations)の中位推計値 注)日本は、平成27年及び28年は9月15日現在、その他の年は10月1日現在 他国は、各年7月1日現在 ◆「人口推計」の詳しい結果は、次のURLを御覧ください。 http://www.stat.go.jp/data/jinsui/index.htm 人口推計 4 検索 Ⅱ 高齢者の人口移動(日本人移動者) 東京都や大阪府などで転出超過 平成27年の高齢者の転出超過数を都道府県別にみると、東京都が5,423人と最も多く、次いで大 阪府(1,101人)など24都道府県で転出超過となっています。このうち、東京都の転出超過数は前 年と比較すると、684人の増加となりました。 転入超過数をみると、埼玉県が2,056人と最も多く、次いで千葉県(2,040人)、神奈川県(1,121 人)など23府県で転入超過となっています。このうち、神奈川県の転入超過数は前年と比較する と、192人の増加となりました。(図3) 図3 高齢者の都道府県別転入・転出超過数(平成26年、27年) (人) 3,000 埼玉県 2,056人 2,000 -1,000 大阪府 -1,101人 -2,000 平成27年 ▼ 平成26年 -3,000 ) - は 転 出 超 過 数 0 ▼ ( 転 入 超 過 数 千葉県 2,040人 神奈川県 1,121人 1,000 -4,000 -5,000 東京都 -5,423人 沖 縄 県 鹿児島県 宮 崎 県 大 分 県 熊 本 県 長 崎 県 佐 賀 県 福 岡 県 高 知 県 愛 媛 県 香 川 県 徳 島 県 山 口 県 広 島 県 岡 山 県 島 根 県 鳥 取 県 和歌山県 奈 良 県 兵 庫 県 大 阪 府 京 都 府 滋 賀 県 三 重 県 愛 知 県 静 岡 県 岐 阜 県 長 野 県 山 梨 県 福 井 県 石 川 県 富 山 県 新 潟 県 神奈川県 東 京 都 千 葉 県 埼 玉 県 群 馬 県 栃 木 県 茨 城 県 福 島 県 山 形 県 秋 田 県 宮 城 県 岩 手 県 青 森 県 北 海 道 -6,000 資料:「住民基本台帳人口移動報告」 注)転入超過数とは、転入者数から転出者数を差し引いた数。なお、転入超過数がマイナス(-)の場合は転出 超過を示す。 高齢者の都道府県間移動率は、男性は65~69歳が最も高く、 女性は85歳以上で高い傾向 平成27年の都道府県間移動者数(都道府県の境界を越えて住所を移した人数)を年齢3区分別 にみると、高齢者は11万1219人(都道府県間移動者の総数に占める割合は4.8%)となっています。 高齢者の都道府県間移動率(男女年齢階級別人口 ※) に対する移動者数の比率)を年齢5歳階級 別にみると、85~89歳が最も高くなっています。また、男女別にみると、男性は65~69歳が最も 高く、女性は85歳以上で高い傾向がみられます。(表4) ※)「平成27年国勢調査」(抽出速報集計) 表4 年齢3区分別都道府県間移動者数及び移動率(平成27年) 総数注) 移動者数 (人) 男女計 男 女 移動率 (%) 男女計 男 女 2,334,738 1,302,959 1,031,779 0~14歳 15~64歳 252,374 1,971,135 128,294 1,127,137 124,080 843,998 1.88 2.16 1.62 1.61 1.60 1.62 2.65 3.00 2.29 65歳以上 65~69歳 70~74歳 75~79歳 80~84歳 85~89歳 90歳以上 111,219 47,521 63,698 36,033 20,124 15,909 21,395 10,203 11,192 16,747 6,743 10,004 16,454 5,184 11,270 13,159 3,676 9,483 7,431 1,591 5,840 0.33 0.33 0.34 0.38 0.44 0.32 0.28 0.29 0.27 0.27 0.24 0.29 0.33 0.26 0.38 0.43 0.35 0.46 0.41 0.38 0.41 資料:「住民基本台帳人口移動報告」 注)総数には年齢不詳を含む。 ◆「住民基本台帳人口移動報告」の詳しい結果は、次のURLを御覧ください。 http://www.stat.go.jp/data/idou/index.htm 住民基本台帳人口移動報告 5 検索 Ⅲ 高齢者の就業 高齢者の就業者数は、12年連続で増加し、730万人と過去最多 就業者総数に占める高齢者の割合は、11.4%と過去最高 平成27年の高齢者の就業者数は、12年連続で増加し、730万人と過去最多 ※) となっています。 また、平成27年の高齢者の就業率は、男性が30.3%、女性が15.0%となっています。このうち、 65~69歳の就業率は、男性が52.2%、女性が31.6%といずれも前年より高くなっています。 ( 図4、 図5) ※)比較可能な昭和43年以降 図4 (万人) 高齢者の就業者数の推移(平成元年~27 年) 800 730 600 女性 男性 400 200 0 平成 元 2 3 4 図5 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 男女別高齢者の就業率の推移(平成元年~27 年) 男性 (%) 80.0 (年) (参考)60~64歳 70.0 75.5 60.0 50.0 52.2 65~69歳 50.0 女性 (%) 60.0 49.4 (参考)60~64歳 40.0 31.6 40.0 65歳以上 30.3 30.0 30.0 65~69歳 20.0 65歳以上 15.0 20.0 10.0 10.0 20.1 70歳以上 70歳以上 0.0 0.0 平成 元 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 (年) 9.3 平成 元 2 3 4 5 6 7 8 9 101112131415161718192021222324252627(年) 資料:「労働力調査」(基本集計) 注)平成23年は、補完推計値を使用している。 15歳以上の就業者総数に占める高齢者の割合は11.4%と、過去最高 ※)となっています。 (図6) ※)比較可能な昭和43年以降 図6 就業者総数に占める高齢者の割合の推移(平成元年~27 年) (%) (万人) 6600 13.0 (←左目盛)就業者総数 12.2 高齢者の割合(右目盛→) 6500 12.0 11.4 10.5 6400 11.0 男女計 10.0 6300 男性 9.0 女性 6200 8.0 6100 7.0 6000 6.0 5900 平成元 2 3 4 5 6 7 8 9 5.0 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 (年) 資料:「労働力調査」(基本集計) 注)平成23年は、補完推計値を使用している。 6 日本の高齢者の就業率は、主要国で最高 主要国における高齢者の就業率を10年前と比較すると、カナダは+4.9ポイント、イギリスは+ 3.8ポイント、アメリカは+3.7ポイント上昇しています。日本は+2.3ポイント上昇し、高齢者の 就業率は21.7%となっており、主要国の中で最も高い水準にあります。(図7) 図7 (%) 高齢者の就業率の国際比較(平成 17 年、27 年) 30.0 21.7 19.4 20.0 18.2 14.5 平成17年 平成27年 12.8 10.1 10.0 7.9 6.1 6.3 3.4 3.1 3.8 1.2 2.6 0.0 日本 アメリカ カナダ イギリス ドイツ 資料:日本は「労働力調査」(基本集計)、他国は OECD.Stat イタリア フランス http://stats.oecd.org/ 高齢雇用者の7割超は非正規の職員・従業員 「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最多の理由 平成27年の就業者のうち、雇用されている者は役員を除いて5284万人であり、うち高齢者(以 下「高齢雇用者」といいます。)は360万人と、役員を除く雇用者全体の6.8%を占めています。 また、雇用されている5284万人について、正規・非正規の別をみると、正規の職員・従業員が 3304万人、非正規の職員・従業員が1980万人となっています。このうち、高齢雇用者の非正規の 職員・従業員は267万人と、高齢雇用者の74.2%を占めています。(図8) 図8 雇用形態別高齢雇用者数及び非正規の職員・従業員の 占める割合の推移(平成 14 年~27 年) (%) (万人) 300 100.0 正規及び非正規の職員・従業員の合計に占める 非正規の職員・従業員の割合(右目盛→) 267 250 74.2 80.0 70.0 200 (←左目盛)非正規の職員・従業員 150 90.0 60.0 50.0 (←左目盛)正規の職員・従業員 40.0 93 100 30.0 20.0 50 10.0 0 平成 14 0.0 15 16 17 18 19 20 資料:「労働力調査」(詳細集計) 注)平成23年は、補完推計値を使用している。 7 21 22 23 24 25 26 27(年) 高齢雇用者について雇用形態別の内訳をみると、パート・アルバイトが49.7%と最も高く、次 いで正規の職員・従業員が25.8%、契約社員が9.2%などとなっています。(図9) 図9 高齢雇用者の雇用形態別内訳(平成 27 年) 労働者派遣事業所の 派遣社員 3.1% その他 4.4% 正規の職員・従業員 25.8% 嘱託 7.8% 契約社員 9.2% パート・ アルバイト 49.7% 資料:「労働力調査」(詳細集計) 注1)割合は内訳の合計に占めるもの 2)雇用者は「役員」と「役員を除く雇用者」に分けられる。また、「役員を除く雇用者」は、雇用形態を勤 め先での呼称により「正規の職員・従業員」、 「パート・アルバイト」、 「契約社員」、 「嘱託」、 「労働者派遣 事業所の派遣社員」及び「その他」に分けており、「正規の職員・従業員」以外を「非正規の職員・従業 員」としている。 雇用形態が非正規の職員・従業員の高齢雇用者について、現在の雇用形態についた主な理由別 にみると、 「自分の都合のよい時間に働きたいから」が 31.7%と最も高く、次いで「家計の補助・ 学費等を得たいから」が 20.1%、「専門的な技能等をいかせるから」が 14.9%などとなっていま す。(図 10) 図 10 非正規の職員・従業員の高齢雇用者が 現在の雇用形態についた主な理由別内訳(平成 27 年) 家事・育児・介護等 と両立しやすいから 3.2% その他 17.3% 自分の都合の よい時間に 働きたいから 31.7% 通勤時間が短いから 4.0% 正規の職員・従業員 の仕事がないから 8.8% 家計の補助 ・学費等を 得たいから 20.1% 専門的な技能等を いかせるから 14.9% 資料:「労働力調査」(詳細集計) 注)割合は内訳の合計に占めるもの ◆「労働力調査」の詳しい結果は、次のURLを御覧ください。 http://www.stat.go.jp/data/roudou/index.htm 労働力調査 8 検索 Ⅳ 高齢者の暮らし ICTを活用する高齢者が増加 二人以上の世帯について、世帯主の年齢階級別にインターネット接続料注)の年間支出金額を平成 27 年とその5年前の平成 22 年との増減(差)を比較すると、増加幅が最も大きいのは 60~69 歳の世帯 (5,305 円の増加)で、次いで 70 歳以上の世帯(4,027 円の増加)などとなっています。 (図 11) 図 11 世帯主の年齢階級別1世帯当たりインターネット接続料の年間支出金額 (平成 22 年、27 年:二人以上の世帯) (円) 35,000 32,931 32,012 31,605 31,025 29,596 30,000 27,855 25,132 25,052 25,000 22,898 19,827 平成22年 平成27年 20,000 15,449 15,000 11,422 10,000 5,000 0 29歳以下 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70歳以上 資料:「家計調査」 (家計収支編) 注)インターネット接続料:携帯電話による通信料は含まれない。 インターネットの利用率について、通信利用動向調査から利用者の年齢階級別に5年前と比較する と、 70~79 歳が 14.3 ポイント増と最も大きく、次いで 60~69 歳が 12.2 ポイント増などとなっており、 ICT の活用する高齢者が増えていることがうかがえます。 (図 12) 図 12 利用者の年齢階級別インターネット利用率(平成 22 年末、27 年末) (%) 100.0 97.4 99.0 95.1 97.8 96.5 94.2 91.4 86.6 76.6 80.0 64.4 60.0 平成22年末 平成27年末 53.5 39.2 40.0 20.3 20.2 20.0 0.0 20~29歳 30~39歳 40~49歳 50~59歳 60~69歳 70~79歳 80歳以上 資料:「通信利用動向調査」 ◆「通信利用動向調査」の詳しい結果は、次のURLを御覧ください。 http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics05.html 通信利用動向調査 9 検索 健康に気を配り、趣味を楽しむ高齢者 二人以上の世帯について、世帯主の年齢階級別に国内旅行や海外旅行などの「パック旅行費」の年 間支出金額をみると、世帯主が 65 歳以上の高齢者世帯が年間6万円を超え最も高く、最も低い 25~34 歳の世帯に比較して約2倍となっています。 「園芸用植物、園芸用品」 、カルチャースクール等の月謝 の一部などを含む「他の教養的月謝」も高齢者世帯の支出金額が最も高くなっています。 また、サプリメントなどの「健康保持用摂取品」についてみると、世帯主の年齢が高くなるほど年 間支出金額が高くなっており、高齢者世帯の支出金額は 25~34 歳の世帯の金額の約6倍となっていま す。 (図 13) このように、健康管理に気を配りながら、旅行や趣味を楽しむ高齢者のすがたが見て取れます。 図13 (千円) 世帯主の年齢階級別1世帯当たりの年間支出金額及び消費支出に占める割合 (平成27年:二人以上の世帯) 注1) パック旅行費 (%) (千円) 園芸用植物、園芸用品 80 70 60 支出金額(←左目盛) 消費支出に占める割合(右目盛→) 55.8 50 1.97 42.9 40 30 29.8 31.9 0.97 0.91 60.1 1.49 1.04 4.00 16 3.50 14 3.00 10 2.00 8 1.50 6 20 1.00 4 10 0.50 2 0.00 0 0 25~34歳 35~44歳 45~54歳 55~64歳 他の教養的月謝 (千円) 支出金額(←左目盛) 2.00 1.25 1.00 0.75 4.5 3.7 0.42 3.1 0.50 0.25 0.10 0.11 0.11 25~34歳 35~44歳 45~54歳 0.25 0.00 55~64歳 65歳以上 健康保持用摂取品 (%) (千円) 8 1.50 9.5 65歳以上 注2) 1.75 12.8 消費支出に占める割合(右目盛→) 12 2.50 (%) 2.00 (%) 25 2.00 支出金額(←左目盛) 7 1.75 消費支出に占める割合(右目盛→) 6 5.3 5 1.25 4.3 4 3.0 3 支出金額(←左目盛) 20 1.50 20.4 消費支出に占める割合(右目盛→) 15.6 15 1.60 1.20 1.00 3.3 9.8 10 0.75 0.67 0.80 0.42 2 1 0.50 1.6 0.12 0.07 0.05 0.09 0.18 0 5 0.25 35~44歳 45~54歳 55~64歳 0.40 0.24 0.14 0.11 0 0.00 25~34歳 4.8 3.2 0.00 25~34歳 65歳以上 35~44歳 45~54歳 55~64歳 65歳以上 資料:「家計調査」 (家計収支編) 注1)園芸用植物、園芸用品:「園芸用植物」及び「園芸用品」の2品目の合計値 2)他の教養的月謝:茶道、着物着付け教室、社交ダンス、バレエ、絵画などの月謝(音楽を除く教養的な月謝。な お、語学、珠算、簿記、パソコン等の教育的な月謝は含まれない。 ) 3)二人以上の世帯における世帯主の年齢階級別結果であり、世帯内の他の年齢階級の世帯員分の支出も含む。 10 Ⅴ 高齢者の家計 交際費、保健医療への支出割合が高い高齢者世帯 高齢者世帯(世帯主が65歳以上である二人以上の世帯)について、平成27年の消費支出の10大 費目別構成比を二人以上の世帯全体の平均と比較すると、 「保健医療」が1.34倍と最も高く、健康 の維持・増進のため保健医療に費やす支出割合が高いという特徴がうかがえます。次いで「光熱・ 水道」が1.11倍、「その他の消費支出」が1.09倍などとなっています。 「その他の消費支出」の内訳をみると、 「交際費 ※)」が1.42倍と高くなっており、子や孫の世帯 など世帯外への金品の贈与などが高くなっています。 なお、世帯主が65歳未満の世帯では、「教育」が1.53倍、「交通・通信」が1.11倍などとなって います。(図14、表5) ※)「家計調査」における交際費とは、世帯外の人への贈答用金品及び接待用支出並びに職場、地域などにおけ る諸会費及び負担費。なお、「世帯」とは、住居及び家計を共にしている人の集まりのこと。 図 14 消費支出の構成比(二人以上の世帯平均に対する倍率) (平成 27 年:二人以上の世帯) (倍) 食料 2.0 その他の消費支出 住居 1.5 1.0 教養娯楽 光熱・水道 0.5 0.0 教育 家具・家事用品 世帯主が65歳未満の世帯 交通・通信 被服及び履物 高齢者世帯 保健医療 表5 消費支出の 10 大費目別内訳及び構成比(平成 27 年:二人以上の世帯) 1世帯当たり1か月間の支出金額(円) 消費支出の内訳構成比 平均 平 均 消費支出 食料 住居 光熱・水道 家具・家事用品 被服及び履物 保健医療 交通・通信 教育 教養娯楽 その他の消費支出 うち交際費 287,373 71,844 17,931 23,197 10,458 11,363 12,663 40,238 10,995 28,314 60,371 22,027 うち 世帯主が65歳未満 の世帯 310,584 74,221 18,842 23,363 10,807 13,647 11,009 48,115 18,161 30,240 62,181 18,190 うち 高齢者世帯 構成比 (%) ① 253,786 68,405 16,613 22,957 9,953 8,058 15,057 28,839 625 25,527 57,752 27,579 100.0 25.0 6.2 8.1 3.6 4.0 4.4 14.0 3.8 9.9 21.0 7.7 うち 世帯主が65歳未満の 世帯 構成比(%) ② 100.0 23.9 6.1 7.5 3.5 4.4 3.5 15.5 5.8 9.7 20.0 5.9 平均に対する 倍率(倍) ②/① 0.96 0.98 0.93 0.97 1.10 0.80 1.11 1.53 0.98 0.95 0.77 うち 高齢者世帯 構成比(%) ③ 100.0 27.0 6.5 9.0 3.9 3.2 5.9 11.4 0.2 10.1 22.8 10.9 平均に対する 倍率(倍) ③/① 1.08 1.05 1.11 1.08 0.80 1.34 0.81 0.05 1.02 1.09 1.42 資料:「家計調査」(家計収支編) 注)金額及び構成比は、表示単位に四捨五入してあるので、内訳の計は必ずしも合計に一致しない。 11 高齢者世帯の貯蓄現在高は1世帯当たり2430万円 高齢者世帯(世帯主が65歳以上である二人以上の世帯)の貯蓄現在高は、平成27年は1世帯当 たり2430万円となっています。貯蓄現在高は、平成25年、26年と2年連続で増加していましたが、 27年は3年ぶりの減少で、定期性預貯金などが減少しています。 なお、1世帯当たり平均の貯蓄現在高は、貯蓄額の高い世帯によって引き上げられます。そこ で、貯蓄額の低い世帯から高い世帯へ順番に並べた際にちょうど中央に位置する世帯の値(中央 値)をみると、平成27年は1547万円となっています。(図15) 図15 高齢者世帯の貯蓄現在高の推移(平成23年~27年:二人以上の世帯) (万円) 3000 2377万円 2500 2000 2257万円 (1464万円) 2209万円 (1483万円) 18 10 336 318 434 396 (1519万円) 2499万円 (1588万円) 12 11 427 409 437 430 2430万円 (1547万円) 19 425 有価証券 416 生命保険など 1500 1000 1153 1093 442 469 477 25 26 27 1077 1078 1086 392 406 平成23 24 金融機関外 金 融 機 定期性預貯金 関 500 通貨性預貯金 0 (年) 資料:「家計調査」(貯蓄・負債編) 注1) ( )内の数値は、中央値 2) 中央値は、貯蓄現在高階級別の世帯分布から推計したものであり、貯蓄現在高が「0」 の世帯も含めたものである。 ◆「家計調査」の詳しい結果は、次のURLを御覧ください。 http://www.stat.go.jp/data/kakei/index.htm 12 家計調査 検索 10年間で3.6倍に増加した高齢者世帯のネットショッピングの利用 高 齢 者 世 帯 ( 世 帯 主 が 65歳 以 上 で あ る 二 人 以 上 の 世 帯 ) に つ い て 、 ネ ッ ト シ ョ ッ ピ ン グ を 利 用 し た 世 帯 割 合 を み る と 、平 成 27年 は 13.6% と な り 、17年( 3.8% )か ら の 10年 間 で 3.58 倍となっています。若い世代の利用が多いと思われがちなネットショッピングですが、高 齢 者 で も 利 用 が 増 え て い る こ と が う か が え ま す 。( 図 16) なお、世帯全体(二人以上の世帯)のネットショッピングを利用した世帯割合は、平成 17年 が 10.8% 、 平 成 27年 が 27.6% と な っ て い ま す 。 図 16 高 齢 者 世 帯 に お け る ネ ッ ト シ ョ ッ ピ ン グ の 利 用 割 合 の 推 移 ( 平 成 17 年 ~ 27 年 ) (%) 15.0 13.6 12.0 12.0 10.9 8.3 9.0 7.0 6.0 3.8 6.4 8.7 9.1 23 24 7.5 4.9 3.0 0.0 平成 17 18 19 20 21 22 25 26 27 (年) 資 料 :「 家 計 消 費 状 況 調 査 」 注 ) 本 文 章 の 中 で は 、「 イ ン タ ー ネ ッ ト を 利 用 し て の 商 品 ・ サ ー ビ ス の 購 入 」 の こ と を 「 ネ ッ ト シ ョ ッ ピング」と表記している。 医薬品・健康食品への支出割合が高い高齢者世帯のネットショッピング 高 齢 者 世 帯 の ネ ッ ト シ ョ ッ ピ ン グ の 支 出 金 額 に つ い て 、 平 成 27年 の 品 目 ・ サ ー ビ ス の 構 成比をみると、 「 旅 行 関 係 費 」が 22.5% と 最 も 高 く 、次 い で「 食 料 」が 16.4% な ど と な っ て い ま す 。( 表 6 ) また、ネットショッピングで購入した品目・サービスの構成比を、高齢者世帯以外の二 人 以 上 の 世 帯( 世 帯 主 が 65歳 未 満 の 世 帯 )と 比 較 す る と 、 「 医 薬 品・健 康 食 品 」が 1.82倍 と 最 も 高 く 、次 い で「 保 険 」及 び「 贈 答 品 」が 1.50倍 、 「 食 料 品 」が 1.21倍 な ど と な っ て い ま す 。( 表 6 、 図 17) 13 表6 ネットショッピングで購入した品目・サービス別支出金額及び構成比 ( 平 成 27 年 : 二 人 以 上 の 世 帯 ) 支出金額(円) 世帯主が 65歳未満の世帯 ネットショッピング合計 贈答品 自宅用 食料 家電・家具 衣類・履物 医薬品・健康食品 教養関係費 旅行関係費 保険 その他 構成比(%) 高齢者世帯 4,681 293 4,388 769 414 380 322 408 1,054 293 750 11,571 481 11,090 1,579 1,211 1,326 439 1,245 2,493 488 2,310 世帯主が 65歳未満の世帯 ① 100.0 4.2 95.8 13.6 10.5 11.5 3.8 10.8 21.5 4.2 20.0 高齢者世帯 ② 世帯主が 65歳未満の世帯に対 する倍率(倍) ②/① 100.0 6.3 93.7 16.4 8.8 8.1 6.9 8.7 22.5 6.3 16.0 1.50 0.98 1.21 0.84 0.70 1.82 0.81 1.05 1.50 0.80 資 料 :「 家 計 消 費 状 況 調 査 」 注1)金額及び構成比は、表示単位に四捨五入してあるので、内訳の計は必ずしも合計に一致しない。 2 )教 養 関 係 費 は 、書 籍 、音 楽・映 像 ソ フ ト 、パ ソ コ ン 用 ソ フ ト 、ゲ ー ム ソ フ ト 、デ ジ タ ル コ ン テ ン ツ(電子書籍、ダウンロード版の音楽・映像、アプリなど)及びチケットを合計している。 旅 行 関 係 費 は 、宿 泊 料 、運 賃 及 び パ ッ ク 旅 行 費 の イ ン タ ー ネ ッ ト 決 済 及 び イ ン タ ー ネ ッ ト 以 外 の 決済を合計している。 図 17 ネットショッピングで購入した品目・サービス別支出金額の構成比 ( 世 帯 主 が 65歳 未 満 の 世 帯 に 対 す る 倍 率 ) ( 平 成 27年 : 二 人 以 上 の 世 帯 ) (倍) 贈答品 2.0 その他 食料 1.5 高齢者世帯 1.0 0.5 保険 世帯主が65歳未 満の世帯 家電・家具 0.0 旅行関係費 衣類・履物 医薬品・ 健康食品 教養関係費 資 料 :「 家 計 消 費 状 況 調 査 」 注 )教 養 関 係 費 は 、書 籍 、音 楽・ 映 像 ソ フ ト 、パ ソ コ ン 用 ソ フ ト 、ゲ ー ム ソ フ ト 、デ ジ タ ル コ ン テ ン ツ (電子書籍、ダウンロード版の音楽・映像、アプリなど)及びチケットを合計している。 旅 行 関 係 費 は 、宿 泊 料 、運 賃 及 び パ ッ ク 旅 行 費 の イ ン タ ー ネ ッ ト 決 済 及 び イ ン タ ー ネ ッ ト 以 外 の 決 済を合計している。 ◆「家計消費状況調査」の詳しい結果は、次のURLを御覧ください。 http://www.stat.go.jp/data/joukyou/index.htm 14 家計消費状況調査 検索 詳しい内容はこちら ⇒ http://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/index.htm 【問合せ先】 統計情報システム課統計情報企画室 情報提供第一係 東京都新宿区若松町 19 番 1 号 TEL :( 0 3 ) 5 2 7 3 - 1 1 6 0 (直通) FAX :( 0 3 ) 3 2 0 4 - 9 3 6 1 E-Mail : [email protected] 【各項目に関する問合せ先】 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅴ 高齢者の人口 (人口推計) 国勢統計課人口推計係 (03)5273-1009 高齢者の人口移動 (住民基本台帳人口移動報告)国勢統計課人口移動調査係 (03)5273-1157 高齢者の就業 (労働力調査) 労働力人口統計室審査発表第一係 (03)5273-1162 高齢者の暮らし (家計調査) 消費統計課審査発表係 (03) 5273-1174 高齢者の家計 (家計調査) (家計消費状況調査) 消費統計課審査発表係 消費統計課家計消費状況調査係 (03) 5273-1174 (03) 5273-1011 ※統計データを引用・転載する場合には、出典の表記をお願いします。 総務省統計局ホームページ http://www.stat.go.jp/ 15 統計局 検索
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