28010A きのこ発酵乳由来オピオイドペプチドを基盤とする 高血圧症の

【平成28年度 農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業 シーズ創出ステージ】
28010A
きのこ発酵乳由来オピオイドペプチドを基盤とする
高血圧症の予防・改善食品の開発
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代表機関・研究総括者
国立大学法人 鳥取大学大学院工学研究科 岡本 賢治
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研究期間:2016~2018 年度(3 年間)
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研究目的
野生きのこに潜在する特徴的な発酵技術を活用した、安全かつ日常
的に摂取できるオピオイドペプチドを主成分とする新たな機能性食品
の開発基盤を構築する。
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研究内容及び実施体制
① きのこの牛乳発酵によるペプチドの大量生産と関連する酵素の探
索
効率的なペプチド生産を目指し、最適な発酵条件の設定ならびに
大量生産技術の確立を目指す。
(鳥取大学大学院工学研究科)
②
きのこ発酵乳由来ペプチドの機能性評価
きのこの発酵乳中に遊離するペプチドについて、高血圧ラットを
モデルとした生体内での具体的な生理機能を明らかにする。
(島根大学医学部)
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達成目標
発酵きのこを用いたカゼインからのペプチドの効率的生産、摂取に
よる血圧降下やその作用機序を解明することで、機能性食品の開発に
向けた基盤技術を確立する。
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期待される効果・貢献
新たな発酵技術による血圧降下ペプチドの製造が可能となることで、
高血圧性疾患の予防や改善に対応する食品の開発、国民の医療費削減
と健康寿命の延長への貢献が期待される。
【連絡先
国立大学法人 鳥取大学大学院工学研究科
0857-31-5276】
28010A
きのこ発酵乳由来オピオイドペプチドを基盤とする高血圧症の予防・改善
食品の開発
研究の背景と目的
高血圧性疾患
重い循環器系疾患等
につながるリスク大
★中高年層に多い日本人の国民病
★疾患者数第1位(1,010万人)
危険
前回(2011年)調査時より104万人増
★高血圧罹患者としては5,500万人と推定
厚生労働省「平成26年(2014年)患者調査の概況」
脳卒中
心筋梗塞
動脈硬化
認知症 など
加齢による血圧上昇をどのようにコントロールするか
高齢化社会に向け、くすりに明らない日常的な予防・改善が急務とされる
天然物(牛乳、大豆、魚介類など)由来
レニン-アンジオテンシン系
アンジオテンシノーゲン
レニン
ACE阻害ペプチドの実用化上の問題点
【乳酸発酵による生産】 in vitroで高活性を示す
肝臓で合成
●生産量には限界あり
腎臓で分泌
【酵素製剤による消化】
アンジオテンシンⅠ
ACE(アンジオテンシン変換酵素)
肺や血管内皮に背在
アンジオテンシンⅡ
血管平滑筋の収縮 他
血圧上昇
アンジオテンシンⅡの
生成を抑えるためには
ACE阻害が重要
ACE阻 害薬: カ プ トプリル
●分解の制御が複雑
【化学合成による設計】
●副生成物混入の懸念
消化酵素による分解や
腸管での吸収性が低け
れば、生体内に移行せ
ず、機能を発揮しない
野生きのこに潜在する牛乳発酵能を活用
◎牛乳の発酵過程で良好なタンパク質分解能あり
◎きのこ発酵乳は高いACE阻害活性を示す
◎発酵乳中にはペプ待ドのほか各種アミノ酸が遊離
きのこ発酵乳の特プ
研究内容と実施体制
新
た
な
技
術
ペプチドであっても…
山陰地方隣県の大学間による効果的な医工連携
鳥取大学工学研究科
【きのこでの発酵生産技術】
きのこによるペプチドの効率的発酵に関わる
最適条件の設定、大量生産技術の確立
野生きのこの潜在能力を
活かした新しい発酵技術
島根大学医学部
【ラットによる病態病理解析技術】
きのこ発酵乳由来ペプチドによる高血圧ラット
をモデルとした血圧降下・作用機序の解明
きのこ発酵乳に遊離する
ペプチドの機能解明
達成目標と期待される効果
きのこ発酵乳で特異的に生成するペプチドを主成分とした
高血圧症の予防と改善にはたらく機能性食品の開発
・高血圧症をかかえる中高年齢者を対象とした機能性食品
・身近な天然成分から作られる「安心・安全」かつ高機能な発酵食品
・医療費の削減、健康寿命の延長、介護負担の軽減
・牛乳の高付加価値化による酪農業の活性化、地方創生と地域振興