所信 - 千葉大学

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学 長 候 補 者 の 所 信
現
学長候補者
職
国立大学法人千葉大学 学長
所
氏
名
徳 久
剛 史
信
1 大学における教育・研究についての基本的考え方
グローバル化した知識基盤社会において千葉大学が果たすべき役割は、教育・研究活動
を通じての有為な人材の養成、新たな知の創造、そして国際・地域貢献など多岐にわたる。
教育面において指導的人材の養成を目指す本学では、単に技能や知識の伝授だけでなく、
幅広い教養と人格形成を培うことが重要であり、教育活動は世界最高水準の研究活動と表
裏一体のものでなければならないと考えている。研究面では、課題解決型の応用研究ばか
りでなく研究者の自由な発想に基づく基礎研究も非常に大切であり、すでに本学には部局
間の垣根を越えた関連分野融合型の新領域研究も大きく発展する基盤が整っている。
2 千葉大学の現状認識と今後の方針
世界の高等教育は、社会の急速なグローバル化により学生や教員の流動性が著しく高ま
っており、大学は世界レベルでの激しい競争環境にさらされている。さらに我が国におい
ては少子高齢化の急速な進行とともに財政健全化が喫緊の課題になっており、法人化した
国立大学では大胆な機能強化とともに経営の安定化に向けた対策が急務となっている。
この様な現状の中で千葉大学は、部局間の垣根を越えた教育研究活動を強化してきた。
教育面では、関連分野融合型の教育活動が組織的に行われ、アクティブラーニングのため
の施設なども整備されてきている。本学の人間力を養うための教養教育は高く評価されて
いるが、国際化の観点から更なる充実強化が望まれる。さらに学生の海外派遣は、外部資
金による支援体制の整備などから順調に増加しているが、受け入れ留学生数はあまり増加
していない。研究面では、若手や女性教員の研究活動が活発であり、教員グループによる
大型の外部資金の獲得も順調である。しかし、インパクトの高い研究業績や大型個人研究
費の取得者が多いとは言えない。また、海外との共同研究や産学連携の推進に向けて支援
体制を強化する必要がある。財務面においても、過去12年に及ぶ運営費交付金の削減に
より教職員の急激な削減を余儀なくされてきており、機能強化に向けた組織改革とともに
外部資金の獲得などに向けた新たな経営力戦略が必須の状況となっている。
第三期中期目標期間からは、新たに始まった機能強化に向けた重点支援の枠組で第三群
(卓越した成果を創出している海外大学と伍して、全学的に世界で卓越した教育研究、社
会実装を推進する取組を中核とする国立大学)を選択した。そして教育面では、グローバ
ル人材育成に向けて国際教養学部を新設し、国際未来教育基幹を設置して国際水準の教養
(注) 用紙はA4判,文字の大きさは12ポイントとする。
(40文字×28行以内)
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剛 史
所
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教育とアクティブラーニングを戦略的に強化しようとしている。研究面では、グローバル
プロミネント研究基幹を設置して、融合型研究を組織的に支援するようにしている。
今後の方針としては、第三群の総合大学として、学問の多様性を尊重しつつ、特色ある
融合型教育・研究を推進して、世界に輝く千葉大学へと発展することを目指す。そのため、
以下のようなビジョンの下に、その実現に向けた取組を推進する。
Global:国際社会で活躍できる次世代型人材の育成
・国際未来教育基幹の創設による世界水準の教育実践と次世代型人材育成
・
「グローバル千葉大学の新生」
(スーパーグローバル大学等事業)の着実な実施
・国際的なネットワークの構築による教育研究拠点の創成
Research:研究三峰(トリプル ピーク チャレンジ) の推進
・グローバルプロミネント研究基幹の創設による独創的な次世代研究への戦略的支援
・亥鼻キャンパス高機能化構想による治療学創成に向けた未来医療研究拠点形成
・文理の枠を超えた融合型研究の推進
Innovation:次世代を担うイノベーションの創出
・イノベーションの創出に向けた産業連携研究の推進・強化
・研究成果の社会実装へ向けた知的財産の確保と活用
・イノベーション創出人材の育成と組織改革
Branding:千葉大学ブランディングの強化
・卓越した教育・研究力による国際的な信頼の向上
・戦略的広報活動の推進
・卒業生・企業・社会等との連携強化
Synergy:教職員による協働体制の強化
・戦略的な大学運営に向けたガバナンス機能の強化
・多様な人材(ダイバーシティ)の活用による教育研究活動の活性化
・リスクマネジメントシステムの充実
3 大学の管理運営についての考え方
学長のリーダーシップの下に、ビジョンの実現に向けて教育・研究活動を円滑に実行で
きる環境や、教職員が個性や能力を発揮しやすく、かつ誇りを持って働ける職場環境の実
現が最も重要であると考えている。そして管理運営面では、教職員から信頼される執行部
の下、グローバル化と情報化の時代に即した迅速な判断と情報の共有化が図れる組織体制
でなければならない。特に財務面では、人件費の増加や運営費交付金の削減への対策に向
けた新たな経営力戦略を立案し着実に実行するとともに、外部資金の獲得に向けて学長自
らが先頭に立ち努力する所存である。
(注) 用紙はA4判,文字の大きさは12ポイントとする。
(40文字×32行以内)