「郡山市公契約条例 郡山市公契約条例」(案)の概要等 及び本市 本市の考え方について 平成 平成28年9月 目 次 1 社会的な背景について ................................................... 1 2 公契約条例制定の趣旨 ................................................... 2 3 パブリックコメント手続の実施について.................................... 3 4 公契約条例制定までのスケジュール ....................................... 4 5 「郡山市公契約条例」(案)の概要について................................. 5 (1) 「公契約」とは?...................................................... 5 (2) 「郡山市公契約条例」(案)の構成....................................... 6 (3) 「郡山市公契約条例」(案)の主な項目 ................................... 8 6 公契約条例の施行について .............................................. 13 7 別紙 .................................................................. 14 ●意見募集期間:平成 28 年9月 15 日(木)から平成 28 年 10 月 14 日(金)まで ●意見提出方法:持参、郵送、FAX、電子メール、簡易電子申請 ※ 所定の様式又は任意の様式に、住所、氏名、電話番号を明記の上、提出してください。 ※ 郵送の場合は、10 月 14 日(金)当日消印有効です。 ●意見を提出できる方 (1)郡山市内に住所を有する方 (2)郡山市内に事務所又は事業所を有する個人及び法人その他の団体 (3)郡山市内の事務所又は事業所に勤務する方、郡山市内の学校に在学する方 (4) 「郡山市公契約条例」 (案)に利害関係を有すると認められる方 ●意見提出先(お問合せ先) 郡山市役所財務部契約課 〒963-8601(住所記載不要) 電 話:024-924-2601 F A X:024-924-4300 電子メール:[email protected] ※ 提出されたご意見に対する個別の回答は行わず、ご意見に対する市の考え方を示し、別途ウェブサ イト等で公表いたします。なお、ご意見の内容以外(住所・氏名等)は公表いたしません。 1 社会的な背景について 最近の雇用情勢を見ると、平成 26 年度の完全失業率が 3.5%※1、有効求人倍率も 1.12 倍※2となり、リーマン・ショック前の平成 19 年度の水準まで回復しています。しかし、雇 用形態は、パートや派遣など非正規雇用者の労働者全体に占める割合が初めて4割※3に達 し、団塊の世代が定年を迎えて正規雇用者が減る中、人件費を抑えたい企業が非正規雇用 者で労働力を補っている実態が浮き彫りになっています。 このような中、現在、国においては、経済の好循環を生み出すことを目的に、景気を下 支えするための経済対策の実施や政労使会議※4の開催に加え、賃金格差を是正し、女性や 若者などの多様で柔軟な働き方の選択を広げるため「同一労働同一賃金」の実現を含めた 「ニッポン一億総活躍プラン」を平成 28 年6月2日に閣議決定しました。プランでは、誰 もが活躍できる一億総活躍社会を創っていくための目標を新たな三本の矢として、①名目 GDP600 兆円 ②希望出生率 1.8 ③介護離職ゼロを掲げるとともに、プランでの最大のチ ャレンジとなる「働き方改革」の中で、非正規雇用者の待遇改善に向けた指針を策定し、 関係労働法令を改正する準備を進め、さらに最低賃金を毎年3%程度引き上げて、全国平 均 1,000 円を目指すこととしています。 また、公共事業については、近年の長引く景気の低迷や税収の落ち込みなどの影響から、 各自治体とも予算の削減が図られ、公共事業の発注件数が減少するとともに、一般競争入 札の対象範囲を拡大するなど入札制度の見直しが進められてきました。それらにより、価 格競争による低価格入札が増加し、公共事業に従事する労働者の賃金の低下など労働環境 が悪化し、公共工事などの品質の低下、さらには、公共サービスの質の低下にも繋がると 懸念されています。 ※1 総務省「平成 26 年度 労働力調査」 ※2 厚生労働省「平成 26 年度 一般職業紹介状況(職業安定業務統計) 」 ※3 就業形態の多様化に関する総合実態調査」 厚生労働省「平成 26 年度 ※4 政労使三者の代表が、経済の好循環に向けた包括的な課題解決のため、平成 25 年5月に 内閣府に設置した懇談会。 1 2 公契約条例制定の趣旨 本市ではこれまで、関係法令に基づき、市が発注する建設工事や委託業務等の品質の確 保や従事する労働者の賃金及び労働環境の確保が適切に行われるよう、最低制限価格の導 入やその対象範囲の拡大に加え、国が設定する労務単価や事業者からの見積りなどに基づ く社会情勢を反映した実勢価格により積算を行うなど実施してまいりました。 また、 「建設業法」や「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」などの関 係法令に基づき、入札及び契約の公平性、透明性及び競争性の確保のため、制限付一般競 争入札の導入やその対象範囲の拡大、建設工事における総合評価落札方式の導入や電子入 札の実施など、あらゆる機会を捉え、入札・契約制度の改革に取り組んできたところです。 しかしながら、本市の公共事業を取り巻く環境は、東日本大震災以降、復旧・復興事業 や東京電力福島第一原発の事故に起因する放射性物質の除染事業の発注などにより急激に 変化し、一時的な雇用の創出や労働賃金の増加が図られている状況にあるものの、今後は、 震災関連の公共事業もピークを迎え減少していくことが予測されることから、本市におい ても、公共事業に従事する労働者の賃金減少など労働環境が低下し、公共事業の品質の低 下、更には市民サービスの低下に繋がることが懸念されております。 このことから、本市では、これらの状況や国の動向等を鑑みながら、地域経済の健全な 発展及び良質な公共サービスの適正かつ確実な提供を推進し、市民が豊かで安心して暮ら すことができる地域社会の実現のため、公共事業における市や事業者の責務を明らかにし た新たな制度となる「郡山市公契約条例」の制定を検討するに至ったものであります。 2 3 パブリックコメント手続の実施について 公契約条例の制定に向け、学識経験者や事業者及び労働者団体の関係者から構成する 「 (仮称)郡山市公契約条例等検討会」を平成 27 年9月に設置し、これまで6回にわたっ て会議を開催し、本市の実情に即した条例の制定に向け、専門的見地からご意見を伺って まいりました。 また、建設業関係団体やビル管理関係団体に所属する事業者の方々を対象とした説明会 の開催に加え、全国建設労働組合総連合郡山建設組合及び富久山建設組合の組合員の方々 や、本市が発注する建設工事や委託業務などに実際に従事している労働者の方々を対象と したアンケート調査を実施するなど、事業者及び労働者双方から直接ご意見を伺ってきた ところです。 いただいたご意見を踏まえ、今回、 「郡山市公契約条例」の素案及びその概要等を取りま とめましたので、広く皆様からのご意見を募集します。 ※ 検討会の審議概要及び資料(上記アンケート結果を含む)につきましては、郡山市ウェブサ イトに掲載しております。 3 4 公契約条例制定までのスケジュール 年 月 平成 26 年 内 容 6月 事業者団体との意見交換 9月 郡山市議会9月定例会において、公契約条例の制定を求める請願が 提出され、全会一致で採択 平成 27 年 11 月 まちづくりネットモニターによるアンケート調査実施 12 月 事業者意識調査実施 9月 ・ 「 (仮称)郡山市公契約条例等検討会」設置 ・第1回検討会開催 11 月 ・第2回検討会開催 ・公契約条例等に係る講演会開催 平成 28 年 1月 ・アンケート調査実施(郡山建設組合、富久山建設組合) ・公契約条例等制定自治体調査 ・事業者説明会開催(建設業関係団体) 2月 ・第3回検討会開催 ・事業者説明会開催(ビル管理関係団体) 3月 ・アンケート調査実施(郡山市発注工事・委託業務従事者) ・第4回検討会開催 5月 第5回検討会開催 7月 ・事業者説明会開催(建設業関係団体、ビル管理関係団体) ・市議会議員説明会開催 8月 ・第6回検討会開催 ・全建総連説明会開催(郡山建設組合、富久山建設組合) 9月 パブリックコメント手続実施 10 月 第7回検討会開催 11 月 ・条例案の決定 ・パブリックコメント手続の結果公表 平成 29 年 12 月 条例案市議会上程 2月 ・事業者説明会開催 ・職員説明会開催 4月 ※ 条例施行 網掛け部分は今後の予定です。 4 5 「郡山市公契約条例」 (案)の概要について (1) 「公契約」とは? 「公契約」とは、行政が契約の当事者となる契約のことを言います。具体的には、自治 体などが発注する工事の請負契約や業務委託契約などを指します。 「郡山市公契約条例」 (案)では、公契約は、市が締結するすべての契約及び公の施設の 管理に関する協定(指定管理協定※)と定義しています。 ※ 指定管理者制度 地方自治法第 244 条の2第3項の規定に基づき、市の指定を受けた者(指定管理者)に公共施 設の管理を代行させる制度。 5 (2) 「郡山市公契約条例」 (案)の構成 事項 第1条 内 容 [目的] 市民が豊かで安心して暮らすことができる地域社会の実現を図ることなど、 この条例を制定する目的を定めます。 第2条 [定義] 「公契約」など、条例で使用する用語の意義を定めます。 第3条 [基本理念] 条例の目的を達成するため、市及び事業者等が実現に努めるべき5つの基本 的事項を定めます。 第4条 [市の責務] 基本理念に基づき、市が負うべき責務を定めます。 第5条 [事業者等の責務] 基本理念に基づき、公契約に関わる者として事業者等が負うべき責務を定め ます。 第6条 [市民の協力] 市が基本理念に基づき実施する施策への、市民の理解と協力について定めま す。 第7条 [労働環境の報告等] 労働環境確保のための取り組みについて事業者等が市に報告する規定や、必 要に応じて市が労働環境の確認や改善要請などを行う規定を定めます。 (規則 で定める公契約が対象) 第8条 [労働者等の申出等] 事業者等に関係法令違反などが疑われる場合に、公契約に従事する労働者が 市にその内容を申し出ることができる規定や、市がその申し出に基づき確認 などを行う規定を定めます。 (規則で定める公契約が対象) 第9条 [報告等の特例] 第7条及び第8条で定める以外の公契約において、必要に応じて市が労働環 境に関する確認などを行うことができる規定を定めます。 第 10 条 [資料の提出等] 市が求める資料の提出などに関し、事業者等の誠実な対応を求めます。 6 事項 第 11 条 内 容 [労働者への周知] 条例の趣旨などについて、事業者等が公契約に従事する労働者に対して周知 しなければならない規定を定めます。 (規則で定める公契約が対象) 第 12 条 [申出を行う相談窓口の設置] 市は労働者の申し出に関する相談窓口を設置します。 第 13 条 [不利益取扱いの禁止] 申し出た労働者に対する事業者等による不利益な取り扱いを禁止します。 第 14 条 [公契約審議会] 審議会の組織及び運営に関する事項を定めます。 第 15 条 [委任] 条例の運用などに関する必要な事項を規則などで別に定めます。 7 (3) 「郡山市公契約条例」 (案)の主な項目 公契約条例制定の目的 (第1条) 公契約においては、市が発注者、事業者が受注者となり、対等な立場での合意に基づき 契約を締結しております。 公契約条例は、公契約の適正な履行及び良好な品質の確保並びに公契約に従事する労働 者※の適正な労働環境の確保などを図るため、公契約の当事者となる市及び事業者が、共に 協力しながら取り組むべき内容を基本理念として定め、その基本理念を実現するためにそ れぞれが果たすべき責務を明確にし、両者がその責務に基づいた施策を実施していくこと で地域経済の健全な発展や良質な公共サービスの提供を推進し、市民が豊かで安心して暮 らすことができる地域社会を実現することを、制定の目的とします。 ※ 条例で定義する労働者は、公契約に係る業務に直接従事する方となります。 公契約の基本理念 (第3条) 市及び事業者が、法律等に定めのある事項やこれまで明文化されずとも取り組んできた 事項も含め、公契約の締結及び履行に当たり共にその実現に努めるべき基本的事項を、条 例制定の目的を達成するための基本的な理念として定めます。 責務の明確化 (第4条~第6条) 条例制定の目的を達成するため、基本理念に基づき、市及び事業者が負うべき責務をそ れぞれ定めるとともに、市民の皆様の協力に関する規定を定めます。 市は、関係法令に基づき、条例に掲げる各種施策を実施します。 事業者に対しては、公契約に関わる者として、関係法令の遵守や労働者の労働環境の確 保、公契約の適正な履行などについて求めます。 また、公契約は社会資本の整備(建設工事)や市民が利用する施設の維持管理(業務委 託・指定管理)に関する契約など市民生活に密接に関わるものであるうえ、本条例は公契 約の品質の確保などによる市民サービスの向上や、地域経済の健全な発展の推進により市 8 民が豊かで安心して暮らすことができる地域社会の実現を目的として制定するものである ことから、その達成のためには市民の皆様の理解や協力が必要であると考えます。 労働環境の確保 (第7条~第 13 条) 条例制定により労働者の適正な労働環境が確保されることで、労働者の労働意欲が向上 し、ひいては事業者の経営力が向上していくものと考えます。 市民が豊かで安心して暮らすことができる地域社会の実現には、労働者の適正な労働環 境が確保されることによる地域経済の健全な発展と良質な公共サービスの提供が必要であ ると考えております。 そのため、条例においては「労働者等の適正な労働環境の確保」を公契約の基本理念の 一つとして掲げ、その実効性をできるだけ確保していくため、市は、事業者が労働者の適 正な労働環境を確保しているかの確認を行います。 市は、公契約を受注した事業者に対し、労働関係法令の遵守状況について報告を求め、 必要に応じ確認や改善要請などを行い、労働者からの申し出を受け付ける相談窓口を設置 するなど実施していきますが、具体的な内容は、次のとおりです。 【条例(案)第7条 労働環境の報告等】 ① 一定金額以上の公契約を受注した事業者との契約に当たり、労働環境の確認に関す る事項( 【別表1】 )を契約書に定める。 ② 契約に基づき、事業者は「労働環境報告書」を市に提出し、公契約の履行に当たり 労働関係法令の遵守状況について報告する。 ③ 市は報告書の提出を受け、必要に応じ確認を行い、改善が必要と判断した場合は改 善要請を行う。事業者は、労働環境の改善を図り、市に報告する。 ④ 事業者に労働環境の改善が見られない場合や虚偽の報告を行ったなどの場合、市は 関係機関への通報や、契約の解除、指名停止などを行う。 対象:労働環境の確認が必要と認める公契約(【別表2】 )のうち一定金額以上の案件 (別紙1 「労働環境の確認に関する手続きの流れ」参照。 ) (別紙2 様式(案)参照。 ) 9 【条例(案)第8条 労働者等の申出等】 ① 事業者に法令違反などが疑われる場合、労働者は市にその内容を申し出ることがで きる。 (市は相談窓口を設置(条例(案)第 12 条) ) ② 市はその申し出の内容を確認し、事業者に報告を求め、必要に応じ確認を行う。 ③ 事業者が報告の求めや要請に応じない場合や虚偽の報告を行った場合、事業者に法 令違反が疑われる場合、市は関係機関への通報を行う。 対象:規則で定める公契約(条例(案)第7条から範囲を拡大) 【条例(案)第9条 報告等の特例】 ① 第7条及び第8条で定める以外の場合で特に必要がある場合、市は事業者に報告を 求め、必要に応じ確認を行う。 ② 事業者が報告の求めや確認に応じない場合、虚偽の報告を行った場合、事業者に法 令違反が疑われる場合、市は関係機関への通報を行う。 対象:条例(案)第7条及び第8条で定める以外の公契約 上記の労働環境の確認を適切に行うため、事業者に対しては、市から報告や資料の提出 等を求められた場合には誠実に対応するよう求めます。 【別表1】労働環境の確認に関し契約書に定める事項(案) 契 約 内 容 義務者 (1) 「労働環境報告書」の提出 事業者 (2) 「労働環境報告書」に変更があった場合の変更後の報告書の提出 事業者 (3) 「労働環境報告書」の内容確認及び保存 市 (4)事業者に対する労働環境に関する報告・資料提出の要求、聞き取りの実施 市 (5) 「労働環境改善通知書」による事業者に対する労働環境の改善の要請 市 (6) 「労働環境改善報告書」による市への労働環境の改善内容の報告 事業者 (7)次のいずれかに該当する場合の契約解除、指名停止、関係機関への通報 ① 「労働環境報告書」又は「労働環境改善報告書」を提出しないとき ② 「労働環境改善通知書」を受けたにも関わらず改善が見られないとき ③ 虚偽の「労働環境報告書」又は「労働環境改善報告書」を提出したとき 10 市 【別表2】労働環境の確認を行う公契約(案) (1)工事又は製造の請負契約 (2)業務委託契約のうち次に掲げるもの ① 施設の警備に関する業務(機械警備業務を除く。 ) ② 施設の清掃に関する業務 ③ 施設の受付案内に関する業務 ④ 学校給食の調理に関する業務 ⑤ 学校用務員に関する業務 ⑥ その他、適正な労働環境を確保するため特に必要があると認めた業務 (3)指定管理協定 ※1 条例(案)第7条に定める労働関係法令の遵守状況の確認は、すべての公契約において実 施するのが望ましいですが、労働環境報告書の作成や提出、確認等に係る事業者や市の事務 負担を考慮し、特に確認が必要と認める公契約のうち一定金額以上の案件に限ることとしま す。金額の範囲につきましては、今後検討してまいりたいと考えておりますが、当面は制度 の定着を優先したいと考えております。 ※2 最低賃金法に定める最低賃金を超える額により賃金の下限額を定め、公契約を受注した事 業者に対して公契約に従事する労働者への下限額以上の賃金支払いを義務付ける内容の公 契約条例を制定している先進自治体もありますが、条例における賃金下限額の設定につきま しては、これまで実施したアンケート調査や関係団体との意見交換などにおいても賛否両論 の意見があり、また、同じ会社内でも公契約に従事する労働者と公契約以外に従事する労働 者とで賃金額に差が生じる可能性があること、更には事業者の経営に影響を及ぼす可能性が あることに加え、設計価格や最低制限価格の見直しなど入札制度の改革が先ではないかとい った意見や、最低賃金や労務単価が上昇している状況で下限額を設定する効果があるのかな どの様々な意見があり、多数の諸課題があると考えております。 本市では、条例において賃金額に関する規定は設けませんが、震災の影響による労務単 価の変動や、国が進める「同一労働同一賃金」の実現や最低賃金の引き上げなど、社会情 勢の動向も注視しながら、できるだけ実効性のある条例にしてまいりたいと考えておりま す。 11 審議会の設置 (第 14 条) 有識者等で構成する外部組織として審議会を設置し、第三者から意見を伺う仕組みを設 けることとします。委員には、学識経験者、事業者団体関係者及び労働者団体関係者を想 定しております。 この審議会では、条例に定める責務に基づき市が実施する公契約に関する施策の状況や 条例の運用状況などに関する報告を行い、それに対する専門的見地からの意見をお聴きし て、提出された意見等を今後の施策に適切に反映してまいります。 また、公契約条例の改正や実施する施策の見直しを行う場合においても、あらかじめ審 議会に諮り、意見を反映させながら見直し等を行ってまいります。 このことが、公契約の基本理念の一つである「透明性の確保」にも繋がるものと考えて おります。 12 6 公契約条例の施行について 「郡山市公契約条例」の素案を基に、パブリックコメント手続により皆様からいただい たご意見を参考とし、条例案を決定いたします。その後、平成 28 年郡山市議会 12 月定例 会に条例案を上程し、審議いただく予定としております。 市議会において条例案が成立した場合、条例の施行は平成 29 年4月1日を予定しており ます。 また、条例を施行するまでの間に規則を制定し、条例において規則で定めることとして いる事項や、条例を運用していくための市役所内部のルールなどを定めます。 加えて、条例を施行する前に、事業者の方々を対象とした説明会を開催して、条例制定 の趣旨や目的などを改めて説明するとともに、労働環境報告書の提出などに係る事務手順 の説明などを行う予定としております。 郡山市職員に対しても説明会を開催し、条例制定の趣旨を踏まえた事務執行について周 知を図る予定としております。 13 7 別紙 別紙1 労働環境の確認に関する手続きの流れ [公契約の履行開始まで] 郡山市 事業者(受注者)等 労働者 条例の周知 公契約の発注から履行開始まで 労働環境の確認を行う 案件であることを明示 ① 工事・業務委託 実施の決定 入札公告・指名 ② 労働環境の確認を行う 案件であることを確認 し、応札するか判断 ④ ③ 入札 落札者決定 入札額の積算 ⑤ ⑥ 工事・業務委託 契約締結 業務開始 の履行開始 労働環境確認の規定を 契約書に盛り込む ⑦ 条例の周知 ⑩ ⑨ 労働環境報告書 の確認・保存 自社の労働環境の 労働環境報告書 状況について確認 14 ⑧ 条例内容の確認 [公契約の履行開始後] 郡山市 事業者(受注者)等 労働者 下請負(再委託)を行う場合 受注者 条 例 の 周 知 → 契 約 締 結 → 労 働 環 境 報 告 書 下請負(再委託)者 労働環境報告書 の確認・保存 条例の周知 下請負(再委託)者分 労働環境報告書 の報告書取りまとめ 労働環境の確認を行う場合 ② ① 申し出の受理 申し出 ③ ④ 労働環境に関する 聞き取り 確認実施の決定 報告・書類提出指示 確認・申し出 ⑤ への対応 内容確認 報告・書類提出 ⑥ ⑦ 改善が必要と 判断した場合 労働環境改善通知書 通知内容 ⑧ の実施 報告内容確認 労働環境改善報告書 ⑨ 改善が見られない 指名停止措置 と判断した場合 契約解除 (⇒ 通報) 15 申し出を理由 とした解雇等 別紙2 様式(案) 第●号様式(第●条関係) 年 郡 山 市 月 日 長 労働環境報告書(工事又は製造の請負) 区 分 労働条件 項 目 確 認 欄 就業規則、雇用契約、労使協定等の労働条件について、適正な内容とな っていますか。 はい・いいえ 36協定が労働基準監督署に届出されていますか。また、その運用を含 め労使協定は適正ですか。 はい・いいえ 就業規則が労働基準監督署に届出されていますか。また、労働者に周知 されていますか。 ※常時 10 人以上の労働者を使用する場合。 はい・いいえ 労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条 件を書面で明示していますか。 はい・いいえ 労働日ごとの労働時間を適正に把握し、記録していますか。 はい・いいえ 休暇、休日の取得状況を把握し、適切に管理していますか。 はい・いいえ 賃金について、通貨で全額を、労働者に直接、毎月1回以上、一定期日 を定めて支払っていますか。 はい・いいえ 時間外、休日等の割増賃金について、適正に賃金を支払っていますか。 はい・いいえ 労働時間 賃 金 当該契約における工事又は製造の請負(下請等含む)に従事する労働者 の職種別の最低労働賃金単価はいくらですか。 裏面に記載 賃金台帳等から適正な計算、支払いが行われていますか。 はい・いいえ 事故報告書等の記録など、業務災害への対策状況は適正ですか。 はい・いいえ 労働安全衛生法に基づく健康診断を適正に実施していますか。 はい・いいえ 安全衛生管理体制は、適正に整備、運用していますか。 はい・いいえ 各種保険 社会保険及び労働保険への加入等の手続きを適正に行っていますか。 はい・いいえ 法定帳簿 の 整 備 法定3帳簿(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿)が整備されていますか。 はい・いいえ 安全衛生 郡山市と締結した契約の履行に当たり、労働基準法、労働安全衛生法その他関係法令を 遵守し、上記事項について、事実と相違ないことを誓約します。 なお、虚偽の報告又は報告の内容を満たしていないと判明した場合、速やかに郡山市と の契約に基づき、必要な措置を取ることを誓約します。 工 所 事 等 在 名: 地: 商 号 又 は 名 称: 代 表 者 職 氏 名: ㊞ 担当者・連絡先: 16 労働賃金確保計画書 工 種 職 種 人 数 最低労働賃金単価 (1時間当たり) 施工業者名 (元請・下請業者名) 【労働者の範囲】 ・本契約における工事又は製造請負に従事するすべての労働者で、公共工事設計労務単 価で区分される51種に該当するものを対象とします。 ・雇用形態(日雇、短期雇用等)に関係なく、当該工事等に従事する者について記入し てください。 ・会社役員は含みません。 【最低労働賃金単価】 ・該当する職種ごとに、最低賃金となる労働者の賃金単価を記入します。 17 第●号様式(第●条関係) 年 郡 山 市 月 日 長 労働環境報告書(業務委託) 区 分 労働条件 労働時間 賃 金 項 目 確 就業規則、雇用契約、労使協定等の労働条件について、適正な内容とな っていますか。 36協定が労働基準監督署に届出されていますか。また、その運用を含 め労使協定は適正ですか。 就業規則が労働基準監督署に届出されていますか。また、労働者に周知 されていますか。 ※常時 10 人以上の労働者を使用する場合。 労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条 件を書面で明示していますか。 業務内容に係る指示や確認、発注者との調整を行う業務責任者を配置し ていますか。また、労働者に対し労働時間や業務遂行等に関する指示な ど、契約の履行に関する管理は適正に行われていますか。 認 欄 はい・いいえ はい・いいえ はい・いいえ はい・いいえ はい・いいえ 労働日ごとの労働時間を適正に把握し、記録していますか。 はい・いいえ 休暇、休日の取得状況を把握し、適切に管理していますか。 はい・いいえ 賃金について、通貨で全額を、労働者に直接、毎月1回以上、一定期日 を定めて支払っていますか。 はい・いいえ 時間外、休日等の割増賃金について、適正に賃金を支払っていますか。 はい・いいえ 当該契約に従事する労働者で最も低い労働賃金単価はいくらですか。 1時間当たり 円 賃金台帳等から適正な計算、支払いが行われていますか。 はい・いいえ 事故報告書等の記録など、業務災害への対策状況は適正ですか。 はい・いいえ 労働安全衛生法に基づく健康診断を適正に実施していますか。 はい・いいえ 安全衛生管理体制は、適正に整備、運用していますか。 はい・いいえ 各種保険 社会保険及び労働保険への加入等の手続きを適正に行っていますか。 はい・いいえ 法定帳簿 の 整 備 法定3帳簿(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿)が整備されていますか。 はい・いいえ 安全衛生 郡山市と締結した契約の履行に当たり、労働基準法、労働安全衛生法その他関係法令を 遵守し、上記事項について、事実と相違ないことを誓約します。 なお、虚偽の報告又は報告の内容を満たしていないと判明した場合、速やかに郡山市と の契約に基づき、必要な措置を取ることを誓約します。 業 務 委 託 名: 所 在 地: 商 号 又 は 名 称: 代 表 者 職 氏 名: ㊞ 担当者・連絡先: 18 【労働者の範囲】 ・本契約における業務に従事する、すべての労働者が対象となります。 ・雇用形態(日雇、短期雇用等)に関係なく、当該業務に従事する者について記入して ください。 19 第●号様式(第●条関係) 年 月 日 様 郡 山 市 長 労働環境改善通知書 平成 年 月 日付けで提出のあった、下記の工事等(業務委託)に係る労働環 境報告書を確認したところ、下記のとおり不適切な事項が確認されたので、改善されるよ う通知します。 記 工事等(業務委託)名: 区分 内容 根拠法令 20 第●号様式(第●条関係) 年 郡 山 市 月 日 長 所 在 地 商号又は名称 代表者職氏名 労働環境改善報告書 市と契約を締結した下記の工事等(業務委託)における労働環境については、下記のと おり改善措置を図りましたので報告します。 記 工事等(業務委託)名: 区分 改善措置の内容 21 措置日
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