(2016 年9月号掲載) 群馬県製造業における外国人技能実習制度利用の動向 群馬経済研究所研究員 ~要 丸岡美智世 約~ 1.国際貢献を目的に雇用関係の下で実務実習を行う外国人技能実習生は、国内の景 おくりだ 気回復感や海外の実習生送出 し機関の積極的な姿勢等を背景に、近年増加を辿っ ている。実習生の国籍では、中国が半数を占めるなか、ベトナム等が増加してい る。 2.群馬経済研究所が県内製造業を対象に実施したアンケート調査によると、外国人 技能実習生(以下、 「実習生」)を「現在受け入れている」企業は回答全体の約 30% であった。1 社あたりの実習生数では、輸送用機器や飲・食料品等で多くなって いる。 3.実習生の評価については、 「実習態度」、 「技能などの習熟度」の項目で「良い」が 圧倒的に多く、 「総合評価」でも「良い」が「悪い」を大きく上回っている。こう した一方、実習生の受入れで苦労したことでは、「言葉の壁」、「日常生活のサポ ート」が上位に挙がっている。 4.実習期間終了後に帰国した実習生の雇用等を含めた企業の対応については、「特 に対応なし」が受入れ企業の約3分の2を占めている。しかし、海外に事業所が ある企業、または今後海外に事業所を予定している企業では、「既存現地法人で 雇用」(48%)が「特に対応なし」(44%)をわずかながら上回った。 5.今後の実習生の受入れに関する意向をみると、実習生を現在受け入れている企業 では 「人手不足の穴埋め」等を理由に、 「今後も継続したい」が 91.7%を占める一方、 受け入れていない企業では、「受入れは考えていない」が 71.1%と対照的な結果 となっている。 6.今後の外国人技能実習制度のあり方については、「特に考えていない」が半数近 く占めるなか、「拡充が望ましい」が「現状維持が望ましい」を若干上回ってい る。また、同制度に関する情報相談サービスの充実については、 「必要と思う」が 半数を占めた。
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