委託研究計画書① - 量子科学技術研究開発機構

委託研究計画書①
1. 委託研究題目
[11C]PBB3 実証研究のためのデータ取得および解析
2. 委託研究の目的
本委託研究においては、軽度認知機能障害患者、アルツハイマー型認知症患者および大脳皮質基底
核変性症(CBD)患者、進行性核上性麻痺(PSP)患者及び前頭側頭型認知症(FTD)患者など、タウ蛋
白が神経障害に密接に関与していると考えられる疾患の患者並びに健常人ボランティアを対象に、
[11C]PBB3 によるタウ病変 PET をアミロイド PET と組み合わせた撮像を複数の PET 施設で実施し、さ
らに、正常加齢も含めたタウ病変の経時変化を追跡して、[11C]PBB3 の分布と多様な認知症の臨床症
状との関連を明らかにするために必要なデータの取得・解析を行う。また、 [11C]PBB3 の PET 画像と
死後脳におけるタウ病変分布・程度の相関から [11C]PBB3-PET が、
a)タウ蓄積の初期を捉えられるか、
b)タウ病態進行をモニタリングできるか、c)さまざまなタイプのタウ病変を検出できるか、d)アミロ
イドとの交差反応を呈するかを検証するために必要なデータの取得・解析を行う。
このため、実証研究の終了までに、以下の症例数を集める必要がある。
PET 検査 370 名(うち、病理解剖検査 15 名)
うち、健常ボランティア:160 名
うち、タウ蛋白が障害に関与していることが示唆されるアルツハイマー型認知症等の精神・神
経疾患患者:200 名
うち、剖検の同意が見込まれる患者ボランティア:10 名
3. 研究委託の範囲
1)[11C]PBB3 実証研究のためのデータ取得および解析
2)報告書の作成
4. 研究委託の内容
1)PET 検査
対象被験者に[11C]PBB3 およびアミロイドトレーサーを用いた PET 検査を行う。また、脳の形態・
機能画像を得るために MRI 検査を行う。MRI が撮像できない患者被験者においては、頭部単純 CT
を撮像するとともに、心理検査、神経学的診察を行う。
2)PET データ解析
PET 検査にて得られた[11C]PBB3 の脳内集積から、脳内タウ蛋白病変の程度と分布を定量的に評
価する。さらに、アミロイドトレーサーを用いて脳内アミロイド沈着の程度と分布も定量的に評
価する。各々の PET データを比較することで、[11C]PBB3 の脳内タウ病変と脳内アミロイド沈着へ
の集積特性や選択性、神経障害との関連などを評価する。また、[11C]PBB3 の分布と多様な臨床症
状との関連を調べる。
3)病理検査
[11C]PBB3 によるタウ PET 撮像後、神経病理検査の同意を得て剖検に付された症例について神経
病理診断を行うとともに、各事業者が既に保有する標本によるアルツハイマー型認知症等の精
神・神経疾患の病理解析を実施する。なお、パラフィン包埋した組織の切片は、アイソフォルム
特異的タウ抗体、アミロイド抗体を含む変性関連蛋白抗体で免疫染色し、最後に、中央病理診断
において、各施設で行う神経病理診断が適当か否かを判断し、診断を確定する。
[11C]PBB3 によるタウ PET 画像の脳内集積と、タウ陽性部位密度との相関解析により、[11C]PBB3
の集積と多様なタウ病変の関係を検証し、また、アミロイド PET 画像所見およびアミロイド抗体
染色をはじめとする他の凝集蛋白病理との対比を通じて、[11C]PBB3 のタウ病変検出特異度を検証
する。
4)報告書の作成
前項の結果を報告書としてまとめる。
5. 実施場所
受託者側実施施設
6. 研究期間
契約締結日~平成 29 年 3 月 31 日
7. 受託者側実施責任者
実施責任者は契約締結時に決定する。
8. 委託者側実施責任者
国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構
放射線医学総合研究所
臨床研究クラスタ 脳機能イメージング研究部
須原 哲也
9. グリーン購入法の推進
1) 本契約においてグリーン購入法に適用する環境物品が発生する場合はそれを採用することとする。
2) 本仕様に定める提出図書(納入印刷物)においては,グリーン購入法に該当するためその基準を満
たしたものであること。
10. 特記事項
なし。
11. 添付書類
・ 提出書類一覧表(別紙1)
(別紙1)
提出書類一覧表
提出書類
最終報告書
提出期限
研究期間終了後
提出先
放射線医学総合研究所
臨床研究クラスタ
脳機能イメージング研究部
部数
備考
2部
要承認